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【簡単】品質監査ができるようになる

第一者監査(内部監査)

「内部監査やれって頼まれちゃったけど、困った!」、「ISO,QMS,品質管理って難しいよね」と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【簡単】品質監査ができるようになる
  • ①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!
  • ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる
  • ③経営者を演じれば、品質監査が理解できる

①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!

本記事の結論

品質監査の目的が理解できて、説明できるようになれば、
ISO要求事項、組織内QMS、多数ある文書は見なくても大丈夫!
品質監査の目的を説明できるように本記事で解説します。
品質監査の目的を説明せず、
ISO9001要求事項や
品質マニュアルなどのたくさんの文書の説明
から入るから、品質監査や品質管理が難しくなってしまうんです。
本、web、コンサルって
必ずISO9001から勉強させますが、ISO9001認証審査以外は不要です
ISOを教えるとそこそこの情報量があり、時間がかかるし、ボリューム感で料金が稼げるからです。
ISO、文書などは所詮手段!
品質監査の目的を考えれば何も要らないし、
目的達成にあわせて手段であるISOや文書が作られているのです。

では、解説します。

②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる

監査目的を考えるとISOから教育するのはおかしい

監査する目的とは何でしょうか? 主に2つあります。
●監査される組織が、その組織の成功に向かっているかどうか
●ISO9001認証なら、認証に必要な要求事項をその組織が満たしているかどうか

前者は、第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)で、後者は第三者監査(外部審査)ですね。

確かに、第三者監査(外部審査)はISO9001認証なので、監査教育はISO9001から入ってもよいです。しかし、これが悪の根源です。

本来は、ISOに関係なく組織は自分の成功に向かうべきで、
それを助走するためにISO認証をとりますよね!

でも、監査教育の多くは
ISO9001要求事項から入るんです。
これって変だと思いませんか?

品質は、組織が成功するための手段の1つ
組織にあった品質管理があり、それを監査するべき
さらにISOが欲しいならISO9001と合わせたらいい

品質管理担当は、なかなか新しい人が来ないので、10年以上やっているベテランがほとんどです。ベテランの頭と、私QCプラネッツの頭の大きな違いを下図に描きます。

内部監査

ベテラン、コンサルの頭のてっぺんは、ISO9001
QCプラネッツの頭のてっぺんは、組織の成功(収益)

今でも、職場の先輩と話しをしても教育資料を作ってもらっても、必ず先輩はISO9001から話を入れてきます。

組織はISOのためにやってんじゃないよ!
ビジネスなら収益だよ!ISOは手段に過ぎない

では、なぜISO9001をみんなトップに持ってくるのでしょうか? 高齢になると頑固になりますけど、理由はもっと別なところにあります。

ISO9001 2008までの功罪

過去のISO9001では、組織とISO9001をつなぐ、品質マニュアルがトップに来て、組織の活動とISO9001の要求事項をぴったり合うように要求していました。

つまり、組織の経営より、ISO9001の縛りが強かったのです。おそらくその縛りが品質管理担当の頭に残ったままなのでしょう。

ISO9001 2015年版から、品質マニュアルが不要となりました。
つまり、品質はISOより自組織の経営(品質の本来の目的)を重視するように変わりました。

QCプラネッツはISO9001 2015年版からスタートしています。だから、先輩の価値観と完全に違います。

ISO9001要求事項はとっくに経営重視に変わったのに、
品質監査や教育は古いまま継続しています。

やはり、最新のISO90012015年版の思想にあった監査をすべきですね。ではどうすれば、ISO90012015年版の思想に合うかを解説します。

②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる

品質,ISOは所詮手段。目的は何か?

何度も言いますが、
品質、ISOは手段
目的は何か?を考えることが重要です。

組織には、営業、企画、技術、製造、保守、品質、環境、安全、会計、法務、知財、広報、といろいろ部門がありますね。でもなぜあるんですか? 各部門の目的は何か?を考えましょう。

答えは、
組織の成功
成功:収益、発展、社会貢献、愛など

組織の成功のために、部門があり、それぞれの活動や業務、ルール、文書があるわけですね。成功に関係のない要素はすべて不要なはずです。

組織の成功に必要な品質活動を考える

ISO、web、コンサルの解説は、一旦無視して、自分で品質管理や品質監査を考えましょう。

●わかりやすい説明のため、組織の成功=収益増加で考えます。収益増加以外でもOKです。あなたに合った「組織の成功」を定義してください。

●「収益増加のために何が必要か?」をモデル式で分解して考えましょう。
★「収益」=「売上」―「コスト」です。簡単ですね。

さらにモデル式を肉付けします。肉付け方法はあなたに合った方法でもOKです。
★「収益」=「売上」―「コスト」
「売上」=「受注確率」×「件数」×「単価」
「コスト」=「経費」+「労務費」+「材料費」

ここまでは、簡単ですね。

実際に、製造業に特化すると、もう少し肉付けします。

★「収益」=「売上」―「コスト」
・「売上」=「リスク回避」×「受注確率」×「件数」×「単価」
・「コスト」=「経費」+「労務費」+「材料費」+「品質コスト」

要素別に見ていくと、品質方針や品質目標に掲げるテーマが見えてきます。
●「受注確率」と「単価」は、顧客満足向上につながる
●「リスク回避」とは、安全、環境、法令遵守などで、守らないと業務停止処分で売上0になるリスク要因
●「経費」は、施設・設備・ツールなどの費用で、資源、管理、組織につながる
●「労務費」は、人にかかわるので、力量、コミュニケーション、責任と権限、運用(プロセス)につながる
●「材料費」は、購買プロセスにつながる。
●「品質コスト」は自組織責任で無償修理するコストなので、不適合・是正処置につながる

収益モデルを分解すると、組織の品質方針や品質目標につながることがわかります。図と表で整理しましょう。

内部監査
品質方針・品質目標 組織の成功(収益)
顧客満足 受注率↑×単価↑ 売上↑
安全、環境、
法令遵守、コンプライアンス
リスク回避
組織、責任ある行動 経費↓ コスト↓
1人1人の技量向上 労務費↓
ステークホルダーとの良い関係 材料費↓
品質向上 品質コスト↓

組織の成功に必要な品質活動を監査すればよい

上表から、「組織の成功」に必要な活動が見えました。それを監査すればよいのです。では、個別に何を質疑すればよいかを考えましょう。

(i)顧客満足向上

顧客満足向上を分解しましょう。
・顧客への提案回数と内容
・顧客からの評価(アンケート結果や口こみ)
・組織内の顧客改善活動
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

(ii) 安全、環境、法令遵守、コンプライアンス

要素分解しましょう。
・安全なら、事故件数、件数低減施策
・環境なら、適正な廃棄処理、組織内関係者との活動
・コンプライアンスなら、働きやすさ、ハラスメント撲滅など
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

(iii) 組織、責任ある行動

要素分解しましょう。
・組織体制
・組織や組織内の責任と権限
・組織内、組織間の有効な施策
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

(iv) 1人1人の技量向上

要素分解しましょう。
・力量管理
・教育・資格、更新講習
・OJT、メンター
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

(v) ステークホルダーとの良い関係

要素分解しましょう。
・購買プロセス
・取引先審査の実施と結果
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

(vi) 品質向上

要素分解しましょう。
・品質トラブルの撲滅
・各プロセスの品質活動
等が考えられます。これらの施策が各年度どんな成果が出ているかを監査すればよいのです。

どうでしょう。全くISO9001など見なくても、組織の成功に必要な施策がちゃんと組織内で活動できているかをチェックすれば、監査として体をなします。

監査対象の組織・部門が
何をすれば成功につながるかを考えて、
成功につながる活動が適切に実施できているかを監査すればよいのです。

結局、ISO9001要求事項を満たす

以上、自分で監査質疑を考えましたが、当然それに合うように作られたISO9001の要求事項に合った監査ができます。

自分で考えた監査質疑とISO9001要求事項を比較しましょう。

自分で考えた監査質疑 ISO9001
(i) 顧客への提案回数と内容 9.1
顧客からの評価
(アンケート結果や口こみ)
8.2
組織内の顧客改善活動 7.4
(ii) 安全:事故件数、件数低減施策 8.1
環境:適正な廃棄処理、
組織内関係者との活動
コンプライアンス:働きやすさ、
ハラスメント撲滅など
(iii) 組織体制 7.1
組織や組織内の責任と権限 5.3
組織内、組織間の有効な施策 7.4
(iv) 力量管理 7.2
教育資格、更新講習
OJT、メンター
(v) 購買プロセス 8.4
取引先審査の実施と結果
(vi) 品質トラブルの撲滅 8.7,10.2
各プロセスの品質活動 9.2,10.3

ほとんどの要求事項を満たしていますね。

その他、品質マニュアル、組織内規定、QC工程図、力量管理表、仕様書などのたくさんの書類が監査で出て来ますが、それらも所詮手段です。手段の出来栄えより、組織の成功の実現性を監査しましょう。

ISO9001の要求事項から組織の活動を監査するのではなく、
組織の成功に必要な要素を監査するのです。
結果的にISO9001の要求事項に合うだけ。

自分で考えれば、何でもできるのが品質管理の面白さです。

③経営者を演じれば、品質監査が理解できる

自分で考えたら、監査質疑なんてわかるはずですが、意外と難しいのです。その理由は

品質管理は経営者目線で考えるもので、
従業員の目線では監査質疑内容が浮かんできません。
じゃー経営者になろう!会社作って社長になろう!
いや、MBAだ!留学だ!
と、飛んだ考えは不要です。
小さな会社を仮に自分が経営したら、会社にいるメンバーに何をやってもらえればよいかを想定すれば品質監査の質疑は簡単に出て来ます。

・どうやって、収益出すの?
・収益出すには、売上はどうやって出して、コストは何があってどう抑えてたらいいの?
・良いアウトプットを出荷するには、何をしたらいいの?
・誰にどんな活動や意識をさせたらいいの?
とか、いろいろ気になってくるはずです。それを経営目標や品質目標にしたらOKです。

難解なISOの要求事項を何度も読むより、自分で想定して考えた方が早く監査力が身に付きます。
品質管理は、単なる事務ではなく、経営者目線でも考える必要があります。

まとめ

品質監査ができるようになる方法をわかりやすく解説しました。

  • ①ISO9001から入る品質監査教育なんてするな!
  • ②【必読】監査する目的を理解すれば監査できる
  • ③経営者を演じれば、品質監査が理解できる


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