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内部監査に必要なマインドがわかる

第一者監査(内部監査)

「内部監査では、よくケンカになったり、悪い空気になってしまう」と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

内部監査に必要なマインドがわかる
  • ①監査は相手の荒さがしではない
  • ②監査員の意見をおしつけるものではない
  • ③監査評価は自発的に改善するよう配慮する
感謝から入りましょう!
監査する側、される側の心が開いていないと
よい監査につながりません。
監査の評価までは、感情は不要
評価の伝え方は、相手を配慮した感情が必要

監査リーダーの質疑スキルアップ対策として参考ください。

監査は相手の荒さがしではない

監査とは何をISO19011で確認すると、

「要求事項」と「実際の結果」を「比較するだけ」

なんです。でも、身内の内部監査なので、

「要求事項」と「実際の結果」を「比較して」
ズレの要因を深く分析する

まで、やりましょう。

実務経験上、以下の3点に注意しましょう。結果より大事なことがあります。

  1. 結果の良し悪しで評価しないこと
  2. 良い結果も悪い結果も区別せず深掘る
  3. 結果より要因が大事

結果の良し悪しで評価しないこと

●要求事項より高い結果なら、「高評価」
●要求事項より高い結果なら、「低評価」
ではありません。ここが、感情移入するところでもあるので、結果だけで判断してはいけません。

「要求事項」と「実際の結果」を「比較して」
ズレの要因を深く分析する

良い結果も悪い結果も区別せず深掘る

結果は目標と比べて
●未達
●100%達成
●100%以上達成
の3通りがあります。それぞれ「なぜそうなったか?」を監査質疑しながら、その要因に迫っていきましょう。

未達の場合

●目標が厳しいものだったか?
●結果が例年どおり出せなかった原因は何か?
●次年度の目標と施策はどうするのか?
を質疑しましょう。

厳しい目標だったのか、結果が出せなかったのかを確認して、それがなぜなのかを質疑して真因に近づきましょう。監査評価はまだしてはいけません。

100%達成の場合

●100%達成であるが、本当にそれでよいのか?
●100%達成でも、何か工夫や苦労した点はないのか?
●次年度の目標と施策はどうするのか?
を質疑しましょう。

「特に問題ないですね」で片づけずに、100%達成したポイントを聞き出しましょう。例えば、同じ目標でも担当者が1人減ってしまったが、ITスキルアップとIT導入でカバーしたとなれば、力量と資産で高評価につながりますね。

100%以上達成の場合

●目標が易しいものだったか?
●結果が例年どおり出せた原因は何か?
●次年度の目標と施策はどうするのか?
を質疑しましょう。

高評価したくなる気持ちはわかりますが、その前に前年度の活動から何を工夫したか?変更したか?その結果、高評価につながったポイントは何か?を質疑しましょう。

結果より要因が大事

顕在している結果より
潜在する要因を見つけましょう。

要因を見つけて、それが苦労・工夫して実績につながれば高評価で、いまいちから改善の機会として低評価にしましょう。

●結果の分析
●分析から、環境条件の変化や内部リソースの変化を見つけ、
●被監査側が苦労・工夫した点を見つけ、
●それが組織で実行できた・できなかった理由まで掘り下げる

いくつか結果から要因を深堀すると、被監査側の課題が見えてきます。
●人的リソースの過不足
●技術継承
●力量度合い
●資源(施設、設備、IT環境、労働環境)
などですね。この挙げた4つの要因まで深堀りして、被監査側の課題を抽出しましょう。

監査員の意見をおしつけるものではない

はっきり言って、

監査に感情は不要です。
評価、指摘するので感情的になりやすいですが、
顕在した結果より、潜在する要因をみるのが監査です。
冷静になって、深堀り分析しましょう。

普段の不平不満を質疑・評価に入れないこと

監査される側の人間関係や、その部門の業績が普段からわかるので、監査する側はその組織に何十年もいると、何となく不平不満を持ちます。

監査に感情は不要です。
その部門の課題を冷静に客観的な分析で見ましょう。

なので、目に見える結果で判断せず、良い結果も悪い結果も、同じ「なぜ?」を聞きましょう。どちらの結果にしても、分析すれば、
●苦労・工夫して見つけた良い活動や
●もうちょっと改善しれば、もっと良くなる活動も
見つかります。

なので、
●結果が目標未達でも、よい活動なら高評価を上げてもOK
●結果が目標以上達成しても、改善が必要な活動なら評価を下げてOK
被監査側が抱える潜在的な課題を見つけてから評価しましょう。

監査に感情は不要です。

べき論で改善策を押し付けない

ある程度、監査質疑に慣れて、ISOが自分の言葉で説明できると、

組織の品質活動やこうあるべきだ!

と、勝手な自分のべき論ができてしまいます(自己フォローをこめて)。

でも、

理想と現実は違う
厄介な現実の条件で監査評価しましょう。

相手に合わない改善策は改善につながるどころか、逆効果にもなります。相手をよく観察して課題を見つけた上で、相手に合う改善策を提示しましょう。

理想どおりできない現状で最善策を考える

例えば、
●人的リソースが減っているのが課題とわかった
●作業効率化のためにITスキル向上が必須とすべき!
●だから、力量を低評価にしてITスキル向上せよ!と改善の機会を与えたい!
は、NGです。

その部門の人がITスキルは低く、興味もない場合、ITスキル教育させても効果は出ませんよね。ITを使わなくても、現行のフローで作業効率化できる案を提示した方が、相手は動きやすいです。

人的リソースが減っており、作業効率化が必須。
ITに興味がないため、ITツール導入ではなく
・会議録は数行のシンプルなものにする
・資料はフォーマット化してチェック・修正回数を減らす
などの作業効率化するように指摘する

昭和な匂いがする改善策ですが、ITツール導入より、その部門の人が簡単に改善できる策を提示した方が、改善効果は確実ですよね。

改善策が監査員のべき論に固執すると、相手にとってよい提案ではないことが多いです。

相手にあった、改善策を見つける上でも
潜在する課題を監査中に見つける事は重要

例えば、質疑の中で、
「50代後半が多く、パソコンが苦手な人が多い」などの組織内の課題や愚痴がポロっと監査質疑内に出て来ます。その言葉が、相手の現状を表現しています。ここから、改善策を判断するとよいでしょう。

被監査側の現状は、理想からかけ離れたものが多いが、
その現状に合わせた改善策を監査質疑から見つける

③監査評価は自発的に改善するよう配慮する

「ダメだから改善せよ!」
より
「こうやったらもっと良くなりますよ!」
の方が、受けても改善しようとなりますよね!

「改善しないといけない」より「改善したい!」につながる指摘の仕方が重要です。ここは、相手を思いやる感情が必要です。

やらされ感では改善につながらない

相手が納得したかを確認しましょう。納得しないと、やらされ感が出るし、言ったことしか改善してきません。それでは、指摘した効果がでませんね。

評価の伝え方、そう評価した理由を監査リーダはしっかり説明しましょう。
受けての感情によって、改善の質が大きく変わってきます。

過度な要求は逆効果

改善してほしいことが、何個もある場合があります。伝えるのはOKですが、ちょっとずつ改善した方が長続きし、元の状態に戻りません。これを「継続的改善(ISO9001)」といいます。

たくさん改善点があっても、相手ができる、取り掛かりやすいものから改善の指摘をしましょう。

できない要求を与えるより、
できるところからちょっとずつ改善していけば
被監査側も納得できるし、自発的な改善活動につながります。
本来、改善は、「させる」ではなく
「自ら」進むものです。

他部門の良い点・改善点を伝える

監査リーダが評価して伝える際に、自分の意見が相手に伝えにくい、伝わりにくいと感じたら、
他部門の良い点・改善点を持ってくると、相手は納得してくれます。

「他部門はここをこう工夫していたので高評価だったんです」
「他部門はここをこう改善したら、結果がよくなったんです」
などです。何回も内部監査経験があれば、その蓄積が有効になります。

相手も、監査員の押し付けではなく、他部門の事例なら、受け入れやすいですね。

監査の評価までは、感情は不要
評価の伝え方は、相手を配慮した感情が必要

監査って難しいですね。

まとめ

内部監査に必要なマインドがわかる方法をわかりやすく解説しました。

  • ①監査は相手の荒さがしではない
  • ②監査員の意見をおしつけるものではない
  • ③監査評価は自発的に改善するよう配慮する


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