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品質の内部監査員の育成方法がわかる

第一者監査(内部監査)

「内部監査員の育成方法がわからない」、と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

品質の内部監査員の育成方法がわかる
  • ①監査員の選抜方法
  • ②監査員でやること
  • ③監査リーダ育成方法
  • ④後継の監査員育成

①監査員の選抜方法

できるだけ多くの人に監査員を経験させること

品質管理担当が監査するのでもよいですが、品質管理、QMS、ISO9001、経営などを理解・実感できるのが内部監査であり、相手に質疑することが最も大切です。

品質管理担当の業務とせず、ライン部門の多くの人に監査員を経験してもらってください。品質管理は、品質管理部門に聞くのではなく、各自で考えて行動してもらうことが大切です。

こういう人に監査員を依頼

どんな人に依頼したらよいですか?ISO19011にも書いていますが、

監査に限らず、依頼事を頼みやすい人に頼みましょう!

●あなたが依頼事を頼みたい人ってどんな人ですか?
・仕事ができて、周囲から高い評価がある人
・周囲からの悪い評判がない人
・決めつけが無く、押しが無い人
・相手の話を聞く人
・正直な人
・親しみやすい人

と、いろいろ想像つきます。

一方、ISO19011では、「7.2.2 個人の行動」に監査員に求める特性がまとめています。

7.2.2 個人の行動 監査員は,監査の原則に従って活動するために必要な特質を備えていることが望ましい。
a) 倫理的である。公正、信用,誠実、正直、分別がある。
b) 心が広い。別の考え方又は視点を考慮する。
c) 外交的である。目的を達成するように上手に接する。
d) 観察力がある。周囲の状況及び活動を積極的に観察する。
e) 知覚が鋭い。状況を認知し,理解できる。
f) 適応性がある。異なる状況に容易に合わせる。
g) 粘り強い。根気があり,目的の達成に集中する。
h) 決断力がある。論理的な理由や分析に基づいて,結論に到達する。
i) 自立的である。人々とやりとりをして役割を果たす。
j) 不屈の精神をもって活動できる。意見の相違・対立があっても,責任をもって活動できる。
k) 改善に対して前向きである。進んで状況から学ぶ。
l) 被監査者を観察し,尊重する。
m) 協力的である。

こんなに書いてなくても、頼みたい人に頼んでください。頼んだ相手にストレスを感じたら、それ以上監査員させる必要はありません。

②監査員でやること

監査員では次のステップを踏んでレベルアップします。

  1. 監査記録を見よう見真似で書く
  2. 監査リーダの質疑を聞く
  3. 監査記録や質疑の意味を考える

監査記録を見よう見真似で書く

初めての場合、すべてがわからないので、とりあえず先輩の真似から入りましょう。監査中、何もやることが無い場合は、質疑や文書名などを自主的に記録を取ってみましょう。

特に記録して欲しい内容

記録の書き方にはコツがあります。記録として相手に伝えるためと、監査員のレベル(力量)を上げるためです。

  1. 5W1Hと主語を明確に書く
  2. 評価(良い点、改善点)を明確に書く
  3. 文書名を記録する
  4. 監査で出た進行中のプロジェクト名を記録する

誰が、どの質疑で、何のエビデンスを見て、QAして、評価されたか?の一連がわかるように記録しましょう。

監査記録見ただけでも、監査の流れ、質疑内容を理解できます。将来の監査リーダに一歩前進できます。

監査リーダの質疑を聞く

記録が慣れてきたら、監査リーダの質疑に耳を傾けましょう。

質疑が一番大変です。監査リーダも事前に準備して質疑内容を考えて監査にのぞんでいるはず

監査リーダの質疑を聞くポイントは

  1. 先輩の質疑を最初は真似する
  2. 真似した質疑の流れを自分なりにアレンジ
  3. 質疑の流れがわかるとISO,QMSの流れや意義が理解できる

最初は、いずれ自分も監査質疑をする番が来るので、先輩の真似をすればOKです。ISO9001の要求事項や組織内のQMSを一通り質疑すれば、品質管理を理解していなくても、それなりに監査ができます!なので、まずは真似して慣れてください。

監査記録や質疑の意味を考える

先輩の真似をして質疑内容が理解できたら、
・自分が気に入る所と、
・自分が気に入らない所が
出て来るはずです。

気に入らない所は、自分ならどう質疑したら相手にとって良いのか?を考えましょう。

ISOの要求事項にあわせず、自分なりに考えてアレンジしてください。自分なりに考えることが最も大事です。

品質管理力を高めるポイントは、自分なりに定義、自分なりに考える、自分なりに説明できるです。他人と一致するかどうか、ISOの要求事項に合うかではありません。

自分で考えて、相手に質疑や伝えることができると、品質管理能力が向上します。その良いチャンスが内部監査の質疑です。

どこかに書いている答えに合わせるよりは、自分なりの考えを優先してください。当然、時間が経過すると自分の考えも更新していくので、その都度考えなおせばよいのです。

③監査リーダ育成方法

監査計画は監査員育成のためにある

内部監査の計画は品質管理部門が作成します。部門数と監査員人数をみて均等に割り振ってはいけません。それはプロとして失格。

監査計画は監査員育成のため
品質管理に詳しい人を何人育成できるかをよく考える

例えば、次の戦略をもって監査員をアサインします。
・監査員は、全プロセス(営業、企画、技術、製造、…)の監査を一通り経験させる
・監査員が所属していない部門を監査させ、他部門の良いところを吸収させる
・監査リーダ候補は、他の監査員より多めの監査を経験させる
・監査員から監査リーダに昇格する人へのアプローチや育成方法を考える
・今年度、何人新しい監査員をアサインするか
など

計画が完成したら、各監査員へ「忙しい中よろしくお願いいたします。」と伝えますが、本音は、監査力、品質管理能力を向上してもらうために監査員をお願いしているというわけです。

監査リーダ昇格条件を考える

ある程度、監査員として監査に出席した人の中から、質疑もできる監査リーダに昇格させる必要があります。昇格と言っても、監査員やらされている側にはメリットを感じません。

監査リーダを引継ぎお願いする体で依頼しましょう。その時にリーダやって欲しい理由を作る必要があり、それが監査リーダ昇格条件としたらよいでしょう。

●監査員のとしての評価が高いからリーダとして品質管理側から依頼する
●監査員のある程度の経験(監査回数、期間など)を超えたら自動的にリーダにする組織内ルールを作る
●組織の管理職候補として監査リーダ経験が必須とルール化する

といろいろ監査リーダをやってもらう理由や仕組みを組織内で作ればよいでしょう。

監査リーダをやりたい人はほとんどいないけど、
昇進にからめるとリーダをしたい人が増えるでしょう。
ただし、「やらされ感」が出ないようにモチベーションを挙げてもらう努力が必要です。

監査リーダを育成

監査リーダになった人は、ある程度、覚悟を決めてリーダを引きうけたはずです。

監査を何回か経験していると、監査時に出て来る質疑や文書が何かを確認するはずです。
●監査の流れ
●監査で診るポイント(大きな変化点、目標を変えた所など)
●監査時間と質疑数
●評価方法(良い点、改善点とそれぞれ評価する判断基準)
●組織内の品質マネジメントシステムやそれに関する文書一式をそろえる
これだけ自分で事前に準備してもらったら監査リーダとして十分です!

あとは、品質管理部門から
●ISO9001,ISO19011,組織内のQMSの再確認
●経営陣から指示事項、外部・内部課題の変化
●外部審査の結果
を教育実施したり、資料の提示などして監査リーダにインプットすればよいでしょう。

あとは、実践あるのみ!
最初は心配、でも、すぐ慣れる!

④後継の監査員育成

最初は親和性高い人を監査員に集める

ある程度、監査員が増えて来ると安心します。
●品質管理部門担当と仲が良い人
●ライン部門でも品質管理が好きな人
など、品質管理に親和性が高い人が最初集まってきます。

幅広い領域から監査員を集める

同じ人に何年も監査すると、マンネリ化や、客観性が落ちるリスクがあるため、いろいろな人を監査員に招く必要があります。

●50代の監査員が多いなら、3,40代の中堅を入れる
●品質管理に親和性が高い、技術部門からの監査員が多いなら、営業部門からも監査員を入れる
●他の組織から監査員を招く
など、幅広く監査員を集めると、いろいろな考えや良い点が共有できます。

新しい監査員候補を常にウォッチする必要があるし、品質管理部門内でそこまで監査員を見つけたいかどうかを確認する必要があります。

監査員の募集、育成といえども、品質向上のために、PDCAを回す必要があります。この裏方の活動について解説しました。

品質管理に詳しい人をたくさん育成すれば
品質が良くなって、組織の成功に近づくからです。

まとめ

品質の内部監査員の育成方法をわかりやすく解説しました。

  • ①監査員の選抜方法
  • ②監査員でやること
  • ③監査リーダ育成方法
  • ④後継の監査員育成


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