内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる
「内部監査したけど、結果のまとめ方がわからない?」と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①報告書の作り方
- ②報告書の書き方
- ③監査中の書き方(実際)
①報告書の作り方
報告書の目的
単に実施したから記録するのではなく、継続して品質改善を取り組んで、組織が良くなっていっているかを確かめるために記録しましょう。
●何を監査したか?
●どんな回答があったか?
●どんな評価をしたのか?
●次回の監査までに何を改善するのか?
をまとめることで、組織の各部門の課題や全体に共通する課題を見つけることが重要です。
組織全体に影響する課題であれば、経営陣に迅速にインプットする必要があります。
報告書に必要な内容
組織内の正式な文書類になるでしょうから、報告書に必要な項目を決めて、文書や様式を設計する必要があります。
まずは、5W1Hですね。
●監査員名(⇒組織が許可した監査員か?監査員教育や力量は適切か?)
●被監査側の出席者(⇒監査を受けてよい人か? 役職・責任・権限は適切か?)
●日時(⇒前回の監査からどの程度期間があり、品質の定着度を見るのに妥当かどうか?)
●場所(⇒場所はそれほど問題ではありませんが、最近はコロナ禍対策としてオンラインも適用されます。)
そして、監査項目、監査評価ですね。
●監査項目の設定方法
●監査評価の定義(何が良くて、悪いか?)
●その他記録すべき特記事項(何を書くべきか?)
報告書はよく考えてつくるべきですね。
報告書の事例
必要な項目を入れると下図の感じになるでしょう。いかがでしょうか。あなたの組織の内部監査報告書と似ていますか?違いますか?
1枚目報告書
2枚目記録書
2枚用意しました。
●1枚目は、監査リーダが質疑しながら、最後にまとめる報告書。
●2枚目は、2人目の監査員が、監査質疑を詳細に記録する記録書。
です。
1枚目の報告書だけでは、なぜその結果になったのかが、後でわからなくなります。そこで、2枚目の記録書にQ&Aのやり取りを記録しておくことを薦めます。
監査項目
監査項目に何を入れるかは自由ですが、内部監査と外部審査がリンクするので、ISO9001の要求事項をいれておくのも1つの手です。
監査項目の例として、
●前回の結果からの改善
●外部・内部課題の変化
●品質目標
●組織体制
●資源
●力量
●コミュニケーション
●文書化した情報
●運用の計画および管理
●不適合、是正処置
●継続的改善
から選ぶ感じでしょうか?実際は決まった時間で監査完了しなければなりませんので、組織にとって監査したい項目を選びましょう。
②報告書の書き方
必須項目
以下を確実に書きましょう。あとで、見直す時に有効です。
●5W1H
●主語述語を明確に
●確認した文書名
●文書内容(文書名、顧客名、納期、などの重要な内容)
●監査のQ&A
記録する監査員は、監査記録中、記録だけに徹しましょう。
書き方のコツ
- 文章より箇条書き
- 主語、期限、を明確に
音声データを記録して、文字を起こすよりは端的な箇条書きでまとめましょう。何枚も記録書を見るよりは、伝えたるべきポイントをまとめておくことが重要です。そのため、ある程度力量をもった監査員が記録すべきです。
主語、期限など、相手が嫌がるけど、明確にしておくべきことははっきり記録しましょう。あいまいな回答が来たら、聞き返してください。相手がためらったら、「明確に書いたからといって、絶対にやらないといけないという宣言ではない」とか「監査結果に影響しません」と返しましょう。
第3者にわかりやすくつたえるのが記録の目的です。
報告書は電子入力すべき
意外と内部監査って、手書きで記録していませんか? 電子化の時代とはいえ、システムを組むほどの規模でもなく、それをつくる人がいないので、紙とハンコを使っている組織が未だに多いでしょう。
組織内のサーバーや、Share Point Onlineなどのツールなど何か入っているでしょうから、電子化対応しましょう。
- 直筆は基本汚い字
- リモート勤務で監査が必要
みんな字が汚いです。汚い字で、くせのある字だと、第3者が読み取れません。でも、これが、監査終了後、被監査側が記録書をチェックしようとしない理由でもあります。
今まで被監査側は何もチェックしなかったのに、記録書が出来たらチェックするようになりましたね。
あと、コロナ禍によるリモート対応が直筆、紙、ハンコから電子化せざるを得ない状況になったでしょう。監査員・被監査側の一部の人がリモートログインして内部監査する時代になりました。
電子化が必須になってきました。
③監査中の書き方(実際)
実務経験から3つコツを解説します。
- 監査員は2名以上必要
- 質疑と記録を同時に2名で進行
- 監査後の記録データの注意点
監査員は2名以上必要
●質疑する人
●記録する人
の2名は必須です。
あとは、アドバイザー監査員や育成中の監査員が必要に応じて同席します。
監査員は2名以上必要な理由は
- 質疑中は記録とれない(時間も気持ちも余裕がない)
- 質疑しながら記録すると、記録中、会話が無くなり質疑の良い流れが寸断される
質疑する監査リーダは、結果をまとめる時だけ、記録し、それ以外は質疑だけに集中しましょう。記録係は、記録に徹しましょう。
監査後の記録データの注意点
記録した文書において、改ざんされる状態のまま、文書を保管する場合が多いです。
●紙と鉛筆で書いた場合は、後でいくらでも改ざんできる
●電子化しても、その記録ファイルが編集できる状態で保存されていると、改ざんできる。
電子化しても、監査後は文書にロックをかけて保管する必要があります。意外とexcelやwordで作った文書をそのまま電子印で承認した後、普通に編集できるファイルで保管することが多いにあります。
まとめ
内部監査の報告書の作り方と書き方をわかりやすく解説しました。
- ①報告書の作り方
- ②報告書の書き方
- ③監査中の書き方(実際)
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