コンデンサのスイッチング問題は「過渡応答現象」が大事

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コンデンサのスイッチング問題は「過渡応答現象」が大事
  • ①高校物理のコンデンサスイッチ問題は2つの場面しか出ない
  • ②でも本来は「状態が変化する途中(過渡応答現象)」が一番大事
  • ③過渡応答は微分方程式が必要なので高校物理では出ない
  • ④でも、過渡応答は高校生でも理解できる
  • ⑤高校物理「電気」次のお話を紹介!
  • ⑥【商品】「高校物理問題集」のご紹介

コンデンサとスイッチ問題の“本当は大事なところ”をやさしく解説!

高校物理の電気分野には、コンデンサとスイッチを使った問題がよく登場します。
しかし、実は高校で扱う内容は「本来知っておくべきこと」のごく一部だけです。

この記事では、

「なぜ高校物理では“過渡応答”が出ないのか?」
「でも本当はどこが大事なのか?」

を、苦手な人でも理解できるようにやさしく解説します。

①高校物理のコンデンサスイッチ問題は2つの場面しか出ない

高校物理のコンデンサ+スイッチ問題は、ほぼ次の2種類だけです。

  • ① スイッチを入れてから「十分時間が経過した場合」(t → ∞)
    コンデンサの充電が終わり、電流が流れなくなる「最終状態」だけを見る問題。
  • ② スイッチを入れた/切り替えた「直後」(t = 0)
    コンデンサの電圧は急に変わらない、という性質を使う「瞬間の状態」を見る問題。

時間を横軸に、電流・電圧を縦軸にとった時間変化をみると、
下図のように、
・①t=0付近
・②t=∞(状態が収束)

の2つだけです。

となると、当然、

間の赤いところ、
特に、状態が収束するまでに
どのような変化がおきるか
わからない!
でも、
そこが一番知りたい!

と思いますよね。

②でも本来は「状態が変化する途中(過渡応答現象)」が一番大事

実際の電気回路では、
スイッチを入れてから状態が落ち着くまでの「途中の変化(過渡応答現象といいます)」こそ重要です。

しかし高校物理では、この「途中の変化」をまったく扱いません。

本来は、次のようなことを気にしなければいけません。

(1) 電圧・電流が異常な値にならないか?

スイッチを入れた瞬間、
電流がドッと流れて回路が壊れる可能性があります。
そうなると、許容値を超えて回路素子が破壊される危険があります。

実際の設計では「瞬間的な最大電流」、「許容電圧」がとても重要。

(2) 状態が安定するまでの時間は適切か?

例えば、
「充電に時間がかかりすぎる」
「立ち上がりが遅い」
などは、機器の性能に直結します。

十分時間が経過した後の定常状態になるとはいえ、
電気信号は要求される速度で伝達されなければなりません。
そのため、回路は指定された時間内に立ち上がる必要があります。

(3) どの成分が状態変化にどれだけ効いているか?

遅延時間\(t\)において
\(t=CR\)
のとおり、
キャパシタンス(C)と抵抗(R)の積になります。

キャパシタンス(C)が大きいと変化がゆっくり
抵抗(R)が大きいと電流が流れにくい
この2成分が電流・電圧の途中の変化に大きな影響を与えます。

例えば、RC回路のコンデンサの電圧変化

例えば、RC回路のコンデンサ電圧はこんな形で変化します。

R、Cの大きさで、コンデンサの電圧\(v\)の立ち上がりの様子を比較してみましょう。

  1. R小、C小の場合
  2. R大、C小 またはR小、C大の場合
  3. R大、C大の場合

共通して言えることは、

最初は急に変化
だんだんゆっくり
最終的に一定値へ近づく

数式で書くと、
\(v\)≡\(1-e^{-\frac{t}{RC}}\)
であり、この関数は単調減少で変曲点がないため、
電圧が途中で上下することはないこともわかります。

そして、

RとCの値によって、コンデンサ両端の電圧\(v\)の立ち上がるスピードが変わることもわかります。

ターゲットとする電圧がどのように変化するか
(単調に収束するのか、上下に乱高下するのか)

という振る舞いと、

その電圧が収束に至るまでの時間を
過渡応答として確認したいポイントです。

③過渡応答は微分方程式が必要なので高校物理では出ない

では、なぜ高校物理ではこの大事な「途中の変化」を扱わないのでしょうか?

理由はシンプルで、

過渡応答を求めるには微分方程式が必要だからです。
高校物理の範囲では、微分方程式は扱いません。

そのため、
「直後(t=0)」と「十分時間が経った後(t→∞)」だけを扱うのです。

④でも、過渡応答は高校生でも理解できる

実は、過渡応答の式はそこまで難しくありません。

簡単な例を挙げてみます。

(1) RC回路の例

すでに紹介していますが、解いてみましょう。

例題

QCプラネッツの問題集 0407 【5】から引用
【問題】
抵抗 R とコンデンサ C を直列につないだ基本回路で
時刻\(t\)=0にて、スイッチSを入れた。時刻\(t\)におけるコンデンサにかかる電圧\(V_c(t)\)を求めよ。

(2) 微分方程式を立てる

コンデンサにかかる電圧は
\(Q=I×t=C×V_c\)
から
\(I\)=\(C \frac{dV_c}{dt}\)
となりますね。

キルヒホッフの法則から
\(E\)=\(IR+V_c(t)\)
\(I\)=\(C \frac{dV_c}{dt}\)

電流と電圧の関係から
上の式が出てきます。

(3)微分方程式を解く

微分方程式を解くと

\(V_c(t)\)=\(E(1-e^{-\frac{t}{cR}})\)
が得られます。

この関数をグラフにすると、先のグラフになります。

(4) 過渡応答は大学で本格的に学ぶが、知っておいて損はない

過渡応答現象は大事ですが、微分方程式を解くのが難しく、高校より大学で学びます。

大学では、
●RC回路
●RL回路
●RLC回路
●LC回路
に対して、

ラプラス変換
などを使って過渡応答を体系的に学びます。

しかし、
高校生のうちに「状態が変化する途中が大事」という感覚を持っておくと、大学での理解が圧倒的に楽になります。

⑤高校物理「電気」次のお話を紹介!

いかがでしょうか。高校物理の電気分野でわからない!
を解決するためにQCプラネッツが
ブログで解説し、
さらに学べるための問題集を作りました。

⑥【商品】「高校物理問題集」のご紹介

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まとめ

「コンデンサのスイッチング問題は「過渡応答現象」が大事」を解説しました。

  • ①高校物理のコンデンサスイッチ問題は2つの場面しか出ない
  • ②でも本来は「状態が変化する途中(過渡応答現象)」が一番大事
  • ③過渡応答は微分方程式が必要なので高校物理では出ない
  • ④でも、過渡応答は高校生でも理解できる
  • ⑤高校物理「電気」次のお話を紹介!
  • ⑥【商品】「高校物理問題集」のご紹介

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