投稿者: QCプラネッツ

  • 【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    「母平均の検定における、検出力がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)

    おさえておきたいポイント

    • ①検出力とは
    • ➁母平均の検出における検出力がわかる
    • ➂検出力を計算して性質を理解しよう!
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    検出力は自力で導出できる!
    計量抜取検査のベースにもつながる!
    何度も見て、解けるようになりましょう!

    ①検出力とは

    検出力とは

    検出力は
    第1種の誤り(消費者危険)と第2種の誤り(生産者危険)
    に出て来る!
    消費者危険と生産者危険をプロットしたのが
    抜取検査のOC曲線だから、
    検出力がわかれば
    「検定と推定」も「抜取検査」も理解できる!

    大事ですね。

    よく下表のように書いてあり、
    主張したい対立仮説H1
    「真」と判断できる確率を
    「検出力 1-β」
    と書きます。

    H0が正しい H1が正しい
    H0が真 1-α α(有意水準)
    H1が真 β 1-β(検出力)

    検出力は計量抜取検査の基本

    計量抜取検査の理論は検出力の導出がベースです。しっかりここでマスターして計量抜取検査もマスターしましょう。QCプラネッツは計量抜取検査をしっかりまとめています。ご確認ください。

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査のエッセンスをすべて解説します。サンプル数n、合格判定係数k、合格判定値の導出、OC曲線の描き方をベースに、標準偏差σの既知、未知や規格値・合格判定値についてそれぞれ詳細に解説します。計量抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    ➁母平均の検出における検出力がわかる

    では検出力を導出しましょう。

    検出力とサンプル数の関係式が導出できる

    ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

    有意水準αと検出力1-βを図示する

    検出力を導出する上で、大事になるのが、
    有意水準αと検出力1-βの関係図です。

    関係図は下図になります。これ、結構大事です!
    第1種の誤りも第2種の誤りも、
    確率なので、正規分布の面積に該当します。

    検出力

    有意水準αと検出力1-βの関係式を作る

    上図で理解したら、具体的な式を入れて来ます。

    検出力

    ここで、\(u(α),u(β)\)は平均から標準偏差\(σ/\sqrt{n}\)の何倍離れているかを定義する倍数と定義します。

    上図の点Aの位置は
    ●A=\(μ_0+u(α)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    ●A=\(μ-u(β)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    と2通り表現できますね。

    まとめると、
    \(μ_0+u(α)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)=\(μ-u(β)\frac{σ}{\sqrt{n}}\)
    からβについてとnについての式をそれぞれ変形します。
    実際、\(μ_0,μ\)の大小はどちらかが大きくなるので、差分に絶対値を付けます。

    ●\(β\): \(u(β)\)=\(\frac{|μ-μ_0|}{σ/\sqrt{n}}-u(α)\)
    ●\(n\): \(n\)=\((\frac{σ}{μ-μ_0})^2 (u(α)+u(β))^2\)
    と解けます。

    大事なのは、

    ●\(β\): \(u(β)\)=\(\frac{|μ-μ_0|}{σ/\sqrt{n}}-u(α)\)
    ●\(n\): \(n\)=\((\frac{σ}{μ-μ_0})^2{u(α)+u(β)}^2\)
    自力で導出できる!
    ですね。

    ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

    グラフから検出力の性質を理解する

    実際可視化して見てみましょう。

    1. \(μ-μ_0\)が変化すると検出力はどうなるか?
    2. \(σ\)が変化すると検出力はどうなるか?
    3. \(n\)が変化すると検出力はどうなるか?

    Excelでグラフを描きますが、下図のように検出力は
    =NORM.DIST(ABS($F6)/SQRT(G$2^2/G$3)-NORM.INV(1-G$4,0,1),0,1,TRUE)
    として計算します。
    NORM.DISTはTRUEより累積確率をもとめており、
    NORM.INVは\(u(β)\)を\(β\)に戻す計算をしています。

    検出力

    \(μ-μ_0\)が変化すると検出力はどうなるか?

    下図のグラフのx軸を見るとわかりますが、

    検出力

    \(|μ-μ_0|\)が0に近づくと一気に検出力は低下する

    図を描けば、この理由がよくわかります。
    2つの正規分布が近づくと赤い面積(検出力)は削られているのがわかります。これが理由です。

    検出力

    \(σ\)が変化すると検出力はどうなるか?

    \(σ\)が大きいと検出力は低下する

    検出力

    \(n\)が変化すると検出力はどうなるか?

    \(σ\)が大きいと検出力は低下する

    検出力

    理解を深めたいならば、Excelで1回描いてみてください。式だけではイメージしにくいのでグラフを描いて理解するのが良いでしょう。

    以上、よく使う母平均の検定における検出力を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】検出力がわかる(母平均の検定)」を解説しました。

    • ①検出力とは
    • ➁母平均の検出における検出力がわかる
    • ➂検出力を計算して性質を理解しよう!

  • ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    「ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度はどうやって導出するのかがわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①ウェルチの方法の検定統計量を導出
    • ➁サタースウェイトの自由度を導出
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    検定統計量は自力で導出しよう!
    \(t\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{s_1^2}{n_1}+\frac{s_2^2}{n_2}}}\)
    サタースウェイトの自由度の導出過程を知ろう!
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)

    ①ウェルチの方法の検定統計量を導出

    元の式は関連記事になるように、
    \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    がベースです。

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる
    計量値の検定統計量は暗記不要です。本記事では、正規分布、t分布に従う2つの検定統計量が有れば、母平均差の検定や対応のある場合の検定に必要な検定統計量の式が自力で導出できる方法をわかりやすく解説します。統計、QCの初心者は必読です。

    ウェルチの検定において、検定統計量の導出は簡単ですが、この検定統計量に該当する自由度Φはいくらにすべきでしょうか?

    これを与えてくれるのがサタースウェイトの自由度です。

    ➁サタースウェイトの自由度を導出

    サタースウェイトの自由度を導出

    サタースウェイトの自由度
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)

    シンプルな式ではありますが、導出過程がどこにも書いていませんので、丁寧にまとめました。

    ウェルチ(Welch)の方法とサタースウェイトの自由度が導出できる【検定と推定】|こう品質@品質管理ブロガー
    ●サタースウェイトの自由度Φ* を導出します! 公式丸暗記で済ませがちですが、実際に導出します! 是非ご購入いただいて、ご確認ください。 よろしくお願いいたします。

    ご確認ください。

    サタースウェイトの自由度の注意点

    1つ注意なのが、

    サタースウェイトの自由度
    \(\frac{(\frac{V_A}{n_A}+\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ^*}\)=\(\frac{(\frac{V_A}{n_A})^2}{Φ_A}\)+\(\frac{(\frac{V_B}{n_B})^2}{Φ_B}\)
    から計算する\(Φ^*\)は
    小数を含むことが多い!

    なので、


    \(Φ^*\)の近い整数に変えるが、
    t分布の分布関数の値が厳しい方の整数に変えるとベター!

    です。

    これもよく試験に出ますね。

    まとめ

    「ウェルチの方法とサタースウェイトの自由度が導出できる」を解説しました。

    • ①ウェルチの方法の検定統計量を導出
    • ➁サタースウェイトの自由度を導出

  • 【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    「計数値の検定統計量の式が多すぎて暗記できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①計数値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母不適合品率の検定統計量を導出
    • ➂母不適合品率差の検定統計量を導出
    • ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点
    • ➄母不適合数の検定統計量を導出
    • ⑥母不適合数差の検定統計量を導出
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    検定統計量は自力で導出しよう!
    各ケースでの検定統計量の式の違いも確認しよう!
    何度も見て、解けるようになりましょう!
    対象数 検定対象 統計量分布 検定統計量
    1 母不適合品率
    \(p\)
    二項分布 \(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    2 母不適合品率差
    \(p_A-p_B\)
    二項分布 \(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    1 母不適合数
    λ
    ポアソン分布 \(u_0\)=\(\frac{\hat{λ}-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    2 母不適合数差
    \(λ_A-λ_B\)
    ポアソン分布 \(u_0\)=\(\frac{λ_A-λ_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)

    ①計数値の検定統計量のベースとなる式

    標準正規分布がベース

    標準正規分布に従うがベースとします。関連記事にあるように、
    二項分布やポアソン分布は正規分布に近づく性質があります。

    【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる
    正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できますか?本記事では、期待値、分散の値をそろえると、正規分布、二項分布、ポアソン分布はぴったりそろうことをわかりやすく解説します。3者がそろう条件をしっかり理解しましょう。初心者は必読です。

    ベースとなる検定統計量は

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)

    です。この式くらいは暗記してもOKです。

    ただし、1点注意なのは、サンプル数\(n\)の項は含まれていません。ここだけ注意しましょう。

    二項分布の場合

    二項分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)  (\(k\)=\(pn\))
    です。この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    ポアソン分布の場合

    ポアソン分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(λ\)
    ●V[\(k\)]=\(λ\)
    です。この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    ➁母不適合品率の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合品率
    2. 二項分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ}}\)
    です。

    二項分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)  (\(k\)=\(pn\))

    ただし、1つ注意点があります。

    ●E[\(k\)]=\(pn\) (\(k\)=\(pn\))
    ●V[\(k\)]=\(pn(1-p)\)であるが、
    必要なのは、
    ●E[\(p\)]と●V[\(p\)]

    なので、\(k=pn\)から\(p=\frac{k}{n}\)と変形して、求めます。

    ●E[\(p\)]=E[\(\frac{k}{n}\)]=\(\frac{1}{n}\)E[\(k\)]=\(\frac{pn}{n}\)=\(p\)
    ●V[\(p\)]= V[\(\frac{k}{n}\)]=\(\frac{1}{n^2}\)V[\(k\)]
    =\(\frac{pn(1-p)}{n^2}\)=\(\frac{p(1-p)}{n}\)
    を使います。

    この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    また、二項分布は確率\(p\)を代入するので、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ/n}\)の\(n\)を入れずに、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)を使います。
    ここがややこしいですが、注意しましょう。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)に代入します
    ●\(\bar{x}\)→\(p\)
    ●\(μ_0\)→\(p_0\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    となります。

    ➂母不適合品率差の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合品率差
    2. 二項分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)
    です。

    分散は加法性を使って
    ●V(A-B)=V(A)+V(B)= \(\frac{p_A (1-p_A)}{n_A}\)+\(\frac{p_B (1-p_B)}{n_B}\)
    とします。

    この関係式を代入すれば二項分布の検定統計量が導出できます。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)に代入します
    ●\( p \)→\(p_A\)
    ●\( p_0\)→\(p_B\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    となります。

    二項分布の検定統計量が導出できました!

    ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点

    実はよく使う公式に、

    検定統計量
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    ただし
    ・\(p_A\)=\(\frac{x_A}{n_A}\)
    ・\(p_B\)=\(\frac{x_B}{n_B}\)
    ・\(\bar{p}\)=\(\frac{x_A+x_B}{n_A+n_B}\)

    ですが、よく確かめると

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    は一致しません。

    よく式を見ると、
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    が一致させるには、

    \(\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}\)=\(\bar{p}(1-\bar{p})\)
    かつ
    \(\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}\)=\(\bar{p}(1-\bar{p})\)
    が必要ですが、

    (左辺)はAまたはBのみ
    (右辺)はA,B両方が含まれる値なので、
    片方が実はない(0である)条件以外は結果は一致しません。

    よく使う検定統計量
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    ですが、自分で正しく導出してきた
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{p_A(1-p_A)}{n_A}+\frac{p_B(1-p_B)}{n_B}}}\)
    と結果が一致しませんので、注意ください!

    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})(\frac{1}{n_A}+\frac{1}{n_B})}}\)
    は試験に出るから丸暗記とならないよう注意が必要です!

    自分が使う式は
    ちゃんと導出して理解してから
    使いましょう!

    ➄母不適合数の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合数
    2. ポアソン分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)
    です。

    ポアソン分布の期待値と分散はそれぞれ
    ●E[\(λ\)]=\(λ\)
    ●V[\(λ\)]=\(λ\)です。

    二項分布と違って、\(λ\)を直接代入します。

    この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    また、ポアソン分布は\(λ\)=\(np\)を代入し\(n\)を含んでいるので、
    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)を使います。
    二項分布と違って、ここがややこしいですが、注意しましょう。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\frac{σ}{\sqrt{n}}}\)に代入します
    ●\(\bar{x}\)→\(λ\)
    ●\(μ_0\)→\(λ_0\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{λ_0}{n}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    となります。

    ⑥母不適合数差の検定統計量を導出

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母不適合数差
    2. ポアソン分布に従う(正規分布近似できる)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{λ-λ_0}{\sqrt{\frac{λ_0}{n}}}\)
    です。

    分散は加法性を使って
    ●V(A-B)=V(A)+V(B)= \(\frac{λ_A}{n_A}\)+ \(\frac{λ_B}{n_B}\)
    とします。

    この関係式を代入すればポアソン分布の検定統計量が導出できます。

    なので、この式を\(u_0\)=\(\frac{p-p_0}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\)に代入します
    ●\( p \)→\(p_A\)
    ●\( p_0\)→\(p_B\)
    ●\(σ\)→\(\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}\)
    を代入するので、

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{σ}\)
    =\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)
    と導出できます。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{p_A-p_B}{\sqrt{\frac{λ_A}{n_A}+\frac{λ_B}{n_B}}}\)
    となります。

    ポアソン分布の検定統計量が導出できました!

    以上、よく使う検定統計量を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】計数値の検定統計量が導出できる」を解説しました。

    • ①計数値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母不適合品率の検定統計量を導出
    • ➂母不適合品率差の検定統計量を導出
    • ➃母不適合品率差の検定統計量の注意点
    • ➄母不適合数の検定統計量を導出
    • ⑥母不適合数差の検定統計量を導出

  • 【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    「計量値の検定統計量の式が多すぎて暗記できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①計量値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母平均差の検定統計量を導出1
    • ➂母平均差の検定統計量を導出2
    • ➃母平均差の検定統計量を導出3
    • ➄母平均差の検定統計量を導出4
    • ⑥母平均差の検定統計量を導出5
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    検定統計量は自力で導出しよう!
    各ケースでの検定統計量の式の違いも確認しよう!
    何度も見て、解けるようになりましょう!
    検定対象 母分散 統計量分布 検定統計量
    母平均μ 既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    未知 t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    母平均
    μ1とμ2の差
    既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    未知(\(V_1\)=\(V_2\) t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    (\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\))
    未知(\(V_1\)≠\(V_2\) t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    対応のある母平均
    μ1とμ2の差
    δ=μ1―μ2
    既知\(σ^2\) 標準正規分布 \(u_0\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    未知 t分布 \(t_0\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)

    ①計量値の検定統計量のベースとなる式

    母平均\(μ\)で母分散が既知(\(σ^2\))の場合

    標準正規分布に従うので、検定統計量は

    \(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)

    となります。この式くらいは暗記してもOKです。

    母平均\(μ\)で母分散が未知の場合

    t分布に従うので、検定統計量は

    \(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)

    となります。この式くらいは暗記してもOKです。

    母分散の既知、未知の違いで
    従う分布関数や、検定統計量の式が若干、形が変わります。

    この2つ式をベースに変形していきます。

    ➁母平均差の検定統計量を導出1

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が既知でそれぞれ\(σ_1^2\),\(σ_2^2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(σ_1^2\)), N2(\(μ_2\),\(σ_2^2\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(σ_1^2/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(σ_2^2/n_2\))となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(σ_1^2/n_1\)+\(σ_2^2/n_2\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(u_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{σ_1^2}{n_1}+\frac{σ_2^2}{n_2}}}\)

    ➂母平均差の検定統計量を導出2

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が未知だが、分散は共通のV

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(V\)), N2(\(μ_2\),\(V\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(V/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(V/n_2\))となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(V/n_1\)+\(V/n_2\)=\(V(1/n_1+1/n_2)\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    となります。

    一方、分散\(V\)は、全平方和を全自由度で割ればいいので。
    ●\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{(n_1-1)+(n_2-1)}\)= \(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{ V(\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2})}}\)
    (●\(V\)=\(\frac{S_1+S_2}{(n_1-1)+(n_2-1)}\)= \(\frac{S_1+S_2}{n_1+n_2-2}\))

    ➃母平均差の検定統計量を導出3

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差
    2. 母分散が未知だが、分散\(V_1\)≠\(V_2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    2つの母集団 N1(\(μ_1\),\(V_1\)), N2(\(μ_2\),\(V_2\))からそれぞれn1個、n2個データを取り出し、その標本集団をそれぞれN1’, N2’とします。

    平均と分散はN1’ (\(μ_1\),\(V_1/n_1\)), N2’ (\(μ_2\),\(V_2/n_2\)となります。

    あるN1’の点\(\bar{X_1}\)と、あるN2’の点\(\bar{X_2}\)との差を検定します。その分布N1’- N2’を考えると、

    ●平均(期待値)は、\(μ_1\)-\(μ_2\) とそのまま差として、
    ●分散は、\(V_1/n_1\)+\(V_2/n_2\)と分散の加法性を使います。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-μ_1)-(\bar{x_2}-μ_2)}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    =\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    となります。

    ただし! \(μ_1-μ_2\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_0\)=\(\frac{(\bar{x_1}-\bar{x_2})-(μ_1-μ_2)} {\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)
    ただし、 \(μ_1-μ_2\)=0として、
    ●\(t_0\)=\(\frac{\bar{x_1}-\bar{x_2}}{\sqrt{\frac{V_1}{n_1}+\frac{V_2}{n_2}}}\)

    ➄母平均差の検定統計量を導出4

    「対応のある」とは何か?

    「対応のあるとない」の違いは何でしょうか?
    下図にイメージを示します。

    対応のある

    ●対応のない場合は、全く別の分布を2つ用意した場合
    ●対応のある場合は、異なる2つの分布とはいえ、個々のデータは関係性を持つ場合
    と分けた方が考えやすいですね。

    対応のある場合は、まとめて1つの分布として計算してもよいとして扱います。

    対応のある場合の扱い方

    2つの母集団 N1, N2からそれぞれn個データを取り出し、それぞれ対応する組み合わせデータ値の差分をとった集団N1’を作ります。

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差\(δ\)
    2. 母分散が既知で\(σ_d^2\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(u_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{σ^2/n}}\)
    です。

    差をdとしているので、
    平均は\(\bar{d}\)
    分散はN1’ のデータから別途求めます。今回は\(σ_d^2\)となります。

    よって、検定統計量は
    ●\(u_d\)=\(\frac{(\bar{d}-d_0)}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    となります。

    ただし! \( d_0\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \( d_0\)=0として、
    ●\(u_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(u_d\)=\(\frac{(\bar{d}-d_0)}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)
    ただし、 \( d_0\)=0として、
    ●\(u_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{σ_d^2/n}}\)

    ⑥母平均差の検定統計量を導出5

    前提条件

    前提条件は、

    1. 母平均差\(δ\)
    2. 母分散が未知で\(V_d\)

    検定統計量を導出

    検定統計量の出発点は、\(t_0\)=\(\frac{\bar{x}-μ_0}{\sqrt{V/n}}\)
    です。

    差をdとしているので、
    平均は\(\bar{d}\)
    分散はN1’ のデータから別途求めます。今回は\(V_d\)となります。

    よって、検定統計量は
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}-d_0}{\sqrt{V_d/n}}\)
    となります。

    ただし! \( d_0\)=0とする例もある

    母平均差を検定する思いは、母平均差が無いも考えるので、よく
    \( d_0\)=0として、
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)
    をよく使います。

    検定統計量は
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}-d_0}{\sqrt{V_d/n}}\)
    ただし、 \( d_0\)=0として、
    ●\(t_d\)=\(\frac{\bar{d}}{\sqrt{V_d/n}}\)

    以上、よく使う検定統計量を導出しました。ちゃんと導出できるので、公式暗記に頼らず自力で導出できるようにしましょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】計量値の検定統計量が導出できる」を解説しました。

    • ①計量値の検定統計量のベースとなる式
    • ➁母平均差の検定統計量を導出1
    • ➂母平均差の検定統計量を導出2
    • ➃母平均差の検定統計量を導出3
    • ➄母平均差の検定統計量を導出4
    • ⑥母平均差の検定統計量を導出5

  • 【QC検定®合格】「確率変数と確率分布」問題集を販売します

    【QC検定®合格】「確率変数と確率分布」問題集を販売します

    「QC検定®1級、2級合格したいけど、確率変数や確率分布わからない!、解けない!」、など、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【QC検定®合格】「確率変数と確率分布」問題集を販売します

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらにQCをすべて研究して究めました。
    究めた結果、確率変数と確率分布がわかりましたので、問題集にしました!

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①確率変数と確率分布で困っていませんか?

    範囲が広い確率変数と確率分布

    次の内容で苦手意識があるかどうかをチェックしましょう!

    1. 期待値・分散の公式が使いこなせない!
    2. 公式暗記しても何を解いているかがわからない!
    3. 期待値・分散が数列や積分で計算する意味がわからない!
    4. 分散の加法性が苦手だ!
    5. 共分散が出たらお手上げだ!
    6. 正規分布の使い方がわからない!
    7. 二項分布、ポアソン分布が苦手!
    8. χ2乗分布、t分布、F分布が理解できない!
    9. どの問題をおさえたらよいかがわからない!

    いかがでしょうか? 多くの方が苦手となるポイントばかりですね。

    確率変数と確率分布の勉強方法

    本問題集の基本構成にもなっている、勉強方法ですが、
    QCプラネッツは以下の流れで習得すればOKと考えています。

    1. 期待値、分散の計算方法は数列と積分であること
    2. 確率の領域であるが、数列・積分を身近なものとして理解すること
    3. 期待値、分散の定義をおさえて、公式を自力で導出する練習をすること
    4. 分散の加法性をマスターすること(QC検定®2級レベル)
    5. 共分散に慣れること(QC検定®1級レベル)
    6. 正規分布、二項分布、ポアソン分布の式を実際にいじって式を解いて慣れること
    7. 高校数学の復習にも力をいれること
    8. χ2乗分布、t分布、F分布の式は、式の成り立ちを数式で理解すること

    上の8か条が自分のものになれば、しっかり解ける力も身に付きますし、
    指導するレベルにもなります。

    高校数学を駆使すれば、ほぼ全領域は解けます。
    (χ2乗分布、t分布、F分布の式の導出は除く)

    ご好評いただいている、数学の問題集も、高校数学を駆使すれば、ほぼ全領域は解けるように設計しております。

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!
    QC検定®1級、2級、統計検定2級以上の数学スキルを磨くのに苦戦していませんか? QCや統計の勉強で理解が進まないのは、ベースとなる数学スキルが弱いからです。本記事では、広大すぎる統計学、微分積分からQC・統計に勝てるための60題に厳選した問題集を紹介します。是非ご購入いただき、勉強してスキルを高めましょう。

    今回の、「確率変数と確率分布」の問題集は、
    QC検定®2級、QC検定®1級向けの
    問題を50題にまとめました。

    50題も解けば十分ですよ!

    ➁問題集のメリット

    本問題集を学ぶメリット

    1. 数列と積分を駆使して、確率変数と確率分布が計算できること
    2. 期待値、分散の定義から自力で公式が導出できること
    3. 分散の加法性、共分散をマスターして、QC検定®2級レベル、QC検定®1級レベルになること
    4. 正規分布、二項分布、ポアソン分布が身近なものになること
    5. χ2乗分布、t分布、F分布の式は、式の成り立ちを数式で理解できること

    逆にデメリットは

    1. 勉強しないと習得できない
      ⇒それはしゃーない!ですよね(笑)

    是非、ご購入いただきたいです。
    次に、全問題の内容を紹介します!

    ➂内容の範囲

    QCの「確率変数と確率分布」問題集の全問題を紹介!

    50題の問題内容と単元を紹介します!

    苦手な問題があれば、勉強して強化しましょう!
    どこが苦手かをチェックしながら各問を見ましょう。
    内容
    1 1 平方和、期待値、
    分散の性質
    平方和の公式
    2 期待値の公式1
    3 期待値の公式2
    4 分散の公式1
    5 分散の公式2
    6 共分散の公式
    7 2 確率変数の
    期待値・分散
    確率変数の期待値と分散1
    8 確率変数の期待値と分散2
    9 確率変数の期待値と分散3
    10 確率変数の期待値と分散4
    11 確率変数の期待値と分散5
    12 確率変数の期待値と分散6
    13 確率変数の期待値と分散7
    14 確率変数の期待値と分散8
    15 確率変数の期待値と分散9
    16 確率変数の期待値と分散10
    17 畳み込み積分
    18 不偏分散の期待値と分散
    19 3 分散の加法性 分散の加法性1
    20 分散の加法性2
    21 分散の加法性3
    22 分散の加法性4
    23 分散の加法性5
    24 分散の加法性6
    25 分散の加法性7
    26 分散の加法性の注意点1
    27 分散の加法性の注意点2
    28 分散の加法性の注意点3
    29 分散の加法性の注意点4
    30 4 正規分布、
    二項分布、
    ポアソン分布
    正規分布の概形
    31 正規分布の近似式
    32 正規分布の定積分
    33 二項分布の導出1
    34 二項分布の導出2
    35 二項分布の期待値と分散
    36 二項分布と正規分布
    37 ポアソン分布の導出
    38 ポアソン分布の分布関数
    39 ポアソン分布の期待値と分散
    40 二項分布からポアソン分布
    41 正規分布、二項分布、ポアソン分布の比較
    42 5 正規分布、
    χ2乗分布、
    t分布、
    F分布
    χ2乗分布の導出
    43 t分布の導出
    44 F分布の導出
    45 正規分布、χ2乗分布、t分布、F分布
    46 6 2変数の
    確率分布
    同時確率分布(離散系)の期待値と分散
    47 同時確率分布(連続系)の期待値と分散
    48 条件付き確率
    49 条件つき期待値・条件付き分散(離散系)
    50 条件つき期待値・条件付き分散(連続系)
    51 全分散の公式の導出

    6つの章に分けてしっかり解いていきましょう。

    • 第1章 平方和、期待値、分散の性質
    • 第2章 確率変数の期待値・分散
    • 第3章 分散の加法性
    • 第4章 正規分布、二項分布、ポアソン分布
    • 第5章 正規分布、χ2乗分布、t分布、F分布
    • 第6章 2変数の確率分布

    解説も充実!

    丁寧な解説ページやQCプラネッツのブログ記事を活用してわかりやすく解けますので、ご安心ください。

    1. 数列と積分を駆使して、確率変数と確率分布が計算できること
    2. 期待値、分散の定義から自力で公式が導出できること
    3. 分散の加法性、共分散をマスターして、QC検定®2級レベル、QC検定®1級レベルになること
    4. 正規分布、二項分布、ポアソン分布が身近なものになること
    5. χ2乗分布、t分布、F分布の式は、式の成り立ちを数式で理解できること

    是非、ご購入ください。

    ➃【問題集ご購入方法】

    メルカリとnoteから販売しております。
    「QCプラネッツ」で検索ください。

    メルカリでの販売

    「QCプラネッツ」で検索ください。

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    1500円/1冊
    とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

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    電子販売もしています。こちらへアクセスください。

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な「確率変数と確率分布」問題集を発売します!

    まとめ

    「【QC検定®合格】「確率変数と確率分布」問題集を販売します」、ご購入よろしくお願いいたします。。

  • 【初心者必見!】分散の加法性を使った問題が解ける

    【初心者必見!】分散の加法性を使った問題が解ける

    「二項分布の期待値と分散が解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】分散の加法性を使った問題が解ける

    おさえておきたいポイント

    • ①分散の加法性でおさえるべきポイント
    • ➁分散の加法性の演習問題
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    QC検定®2級、1級で必ず出題される
    分散の加法性の解き方を伝授!
    何度も見て、解けるようになりましょう!
    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①分散の加法性でおさえるべきポイント

    分散の加法性は展開できること

    まず、

    V(X+Y)=V(X)+2Cov(X,Y)+V(Y)
    は自力で導出できますか?
    QC検定®2級なら、 V(X+Y)=V(X)+V(Y)
    QC検定®1級なら、V(X+Y)=V(X)+2Cov(X,Y)+V(Y)
    と区別して暗記してませんか?
    ちゃんと自力で導出しようぜ!

    簡単なので、導出しましょう。自分で意味を理解することが大事です。

    自力で導出

    \(V(X+Y)\)=\(E((X_i-\bar{X})+(Y_i-\bar{Y}))^2\)は、分散の定義どおりですね。これを展開すると
    \(E((X_i-\bar{X})+(Y_i-\bar{Y}))^2\)=\(E((X_i-\bar{X})^2\)+2\(E((X_i-\bar{X})(Y_i-\bar{Y}))\)+\(E((Y_i-\bar{Y}))^2\)
    =V(X)+2Cov(X,Y)+V(Y)

    ここで、
    ●V(X)= \(E((X_i-\bar{X})^2\)
    ●Cov(X,Y)= \(E((X_i-\bar{X})(Y_i-\bar{Y}))\)
    ●V(Y)= \(E((Y_i-\bar{Y}))^2\)

    ちゃんと練習しておきましょう。

    X,Yが独立なら、Covは無視(QC検定®2級レベル)

    QC検定®2級では、よく、 

    変数X,Yは独立

    と書いていますが、これは、「共分散Covは考えなくていいというサイン」です。

    大事なポイント

    変数XにYを増減する場合の期待値と分散の±の動きに注目です。

    ●期待値E(X±Y)=E(X)±E(Y)
    ●分散V(X±Y)=V(X)+V(Y)

    と、

    分散は変数の増減に関係なく
    ●分散V(X±Y)=V(X)+V(Y)
    と増えます。

    理由はわかりますか? 理由が分かる方が、正しく計算できるより大事です。

    分散は2乗するので
    ±の2乗はすべて+になる!

    ですね。

    公式や問題を丸暗記せず、
    その理由をしっかり理解しましょう!

    自力で導出できれば公式暗記は不要になりますよね!

    X,Yに相関性あれば、Covも使う(QC検定®1級レベル)

    QC検定®1級レベルになると、共分散が出て来ますね。
    V(X+Y)=V(X)+2Cov(X,Y)+V(Y)
    は理解できたとしても、1つ疑問が出ます。

    共分散Cov(X,Y)はどこから値を求めるの?

    ですね。

    これはほとんどの場合、相関係数ρからCovを計算する流れになります。

    \(ρ(X,Y)\)=\(\frac{Cov(X,Y)}{V(X)V(Y)}\)
    から計算します。

    相関係数ρを問題文に与えれば、V(X),V(Y)がわかれば共分散は計算できますね。

    \(ρ(X,Y)\)=\(\frac{Cov(X,Y)}{V(X)V(Y)}\)
    ですが、自力で導出できますか?
    是非やってみてください。

    ➁分散の加法性の演習問題

    問題

    では①で解説したポイントを踏まえて問題を解きましょう。

    【問題】
    部品A(厚みxが母平均20.0mm,母標準偏差0.40mmの正規分布に従う)と部品B(厚みyが母平均30.0mm,母標準偏差0.60mmの正規分布に従う)がある。1個の部品Aを2個の部品Bで挟んで接着して作成させる組合せ部品Cを作る。部品Cは厚みにおいて、下限規格値78.0mm,上限規格値82.0mmの規定がある。
    (1) 部品Cの厚さの母平均と母標準偏差を求めよ。
    (2) 部品Cの厚みの母不適合品率を求めよ。
    (3) 部品Bを2つ選ぶときに、一方の部品Bの厚さが厚いときに、他方の部品Bの厚さは薄いものを選ぶようにする。2つの部品Bのそれぞれの厚みには負の相関(-0.2)があるようにする。
     ①2つの部品Bのそれぞれの厚みの共分散を求めよ。
     ②部品Cの厚みの母平均と母標準偏差を求めよ。

    (1)(2)は共分散Covの無い場合、(3)は共分散Covを考える場合ですね。

    解説

    問(1)
    ●母平均:80.0(=20.0+30.0×2)
    ●母標準偏差:0.934(=√(〖0.4〗^2+〖0.6〗^2+〖0.6〗^2 ))
    これは分散の加法性の基本ですね。

    問(2)
    答え:0.0332
    ●上限:u=(82-80)/0.934=2.14 Kp=2.14の時の確率P=0.0162
    ●下限:u=(80-78)/0.934=2.14 Kp=2.14の時の確率P=0.0162
    より、 0.0162×2=0.0332
    ここまではQC検定®2級レベルですね。

    問3①
    ●Cov(y1,y2)=ρ(y1,y2)×√(V_y1 V_y2 )=-0.2×0.36=-0.072
    公式どおり代入しましょう。

    問3➁
    ●母平均:80.0
    ●母標準偏差:0.858

    V(y1+y2)=V(y1)+V(y2)+2Cov(y1,y2)=0.62+0.62+2・1・1・(-0.072)=0.576
    V(z+y1+y2)=0.16+0.576=0.736 s=√V(z+y1+y2)=0.858
    共分散も考慮した計算結果になっていますね。

    問3➂
    答え:0.0198
    u=(82-80)/0.858=2.33 Kp=2.33の確率P=0.0099 0.0099×2=0.198
    となります。

    いかがでしょうか。分散の加法性の解き方を解説しました! 苦手な所があれば何度も読み返してマスターしましょう!QCの初心者を悩ます内容ですが、この計算をモノにしましょう!

    いろいろな問題が出ますが、エッセンスは本記事の内容です。ここを抑えれば大丈夫!

    まとめ

    「【初心者必見!】分散の加法性を使った問題が解ける」を解説しました。

    • ①分散の加法性でおさえるべきポイント
    • ➁分散の加法性の演習問題

  • 【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる

    【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる

    「正規分布、二項分布、ポアソン分布ってどれくらい違いのかがわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる

    おさえておきたいポイント

    • ①3つの分布の分布関数、期待値、分散
    • ➁正規分布、二項分布、ポアソン分布を比較
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    ●正規分布:\(\frac{1}{\sqrt{2π}σ} e^{-\frac{(x-μ)^2}{2σ^2}}\)
    ●二項分布:\({}_n C_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布:\(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\)
    って式が全く別物だけど
    ぴったりそろうんだよね!

    正規分布、二項分布、ポアソン分布のグラフがぴったりそろえてみましょう。

    ①3つの分布の分布関数、期待値、分散

    さて、正規分布、二項分布、ポアソン分布の
    確率密度関数、期待値、分散は答えられますか?

    導出もよいですが、初心者は暗記から入ってもOKです。

    二項分布、ポアソン分布の期待値と分散は関連記事で丁寧に導出しています。ご覧ください。

    【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)
    二項分布の期待値E=np,分散V=np(1-p)と導出できず、公式暗記で済ませていませんか?本記事では、二項定理の式変形をしっかり演習しつつ、二項分布の期待値、分散を2通りの方法で導出解説します。二項分布は抜取検査でも必須なので、しっかり式変形に慣れましょう。初心者は必読です。

    【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)
    ポアソン分布の式は書けますか? 分布関数の期待値、分散は公式暗記せず自力で導出できますか?本記事では、慣れにくいポアソン分布の式変形をしっかり演習しつつ、ポアソン分布の期待値、分散を導出解説します。 統計学、QC初心者でもしっかり式を書いて練習していただくべき必読な記事です。

    下表に結果をまとめます。さっと書き出せるかを確認してください。

    分布 確率密度関数 期待値E 分散V
    正規分布 \(f(x)\)=\(\frac{1}{\sqrt{2π}σ} ・exp(-\frac{(x-μ)^2}{2σ^2})\) \(μ\) \(σ^2\)
    二項分布 \(f(x)\)=\({}_n C_x p^x・(1-p)^{n-r}\) \(np\) \(np(1-p)\)
    ポアソン分布 \(f(x)\)=\(e^{-λ}・\frac{λ^x}{x!}\) \(λ\) \(λ\)

    ➁正規分布、二項分布、ポアソン分布を比較

    パラメータをそろえる

    ここで、正規分布、二項分布、ポアソン分布の期待値、分散のパラメータをそろえます。つまり、

    分布 期待値E 分散V
    正規分布 \(μ\) \(np\) \(σ^2\) \(np(1-p)\)
    二項分布 \(np\) \(np\) \(np(1-p)\) \(np(1-p)\)
    ポアソン分布 \(λ\) \(np\) \(λ\) \(np\)

    とパラメータをそろえます。

    正規分布、二項分布、ポアソン分布を比較

    ここで、(n,p)=(100,0.2)と(n,p)=(1000,0.02)を代入して、3つの分布関数のグラフを描いて比較しましょう。

    正規分布

    正規分布

    2つの場合とも、ほぼ3つの分布関数が重なりましたね。n=100の方は数が少ないこともあり、ポアソン分布だけ少しずれますが、n=1000まで増やすとほぼぴったりそろいます。

    標本数が大きい場合は
    正規分布で考えればOKといえますね。

    学問的には、正規分布、二項分布、ポアソン分布は別物ですが、
    実務上は同じとして扱ってもよいでしょう。

    まとめ

    「【初心者必見!】正規分布、二項分布、ポアソン分布が比較できる」を解説しました。

    • ①3つの分布の分布関数、期待値、分散
    • ➁正規分布、二項分布、ポアソン分布を比較

  • 一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる

    一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる

    「一様分布、二項分布に属するものを複数同時に起こすと何で正規分布に従う結果になるのかがわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①複数個あるサイコロの出る目の確率を求める
    • ➁一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる
    • ➂畳み込み積分で一様分布からの変化を確認
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    一様分布に従うサイコロの目があり、そのサイコロを複数個同時投げてできる出る目の分布は正規分布に近づきます!でも何で?
    一様分布、二項分布から異なる正規分布に近づく様子を実際に見てみましょう。
    百聞は一見に如かずです!

    では、参りましょう!

    ①複数個あるサイコロの出る目の確率を求める

    問題

    【問題】
    どの目も等確率\(\frac{1}{6}\)が出るサイコロを1回、2回、・・・、6回と振る。それぞれの出る目における確率分布関数をグラフにプロットし、サイコロの回数が増えるごとに一様分布から正規分布に変化する様子を確認せよ。

    不思議な問題文で、サイコロ1回振った結果は一様分布なのに、その回数を増やすと正規分布と異なる分布に変化していきます。

    手計算で解いてみると

    1回の場合

    確率を計算すると

    確率
    1 \(\frac{1}{6}\)
    2 \(\frac{1}{6}\)
    3 \(\frac{1}{6}\)
    4 \(\frac{1}{6}\)
    5 \(\frac{1}{6}\)
    6 \(\frac{1}{6}\)

    となり、グラフも確かに一様分布ですね。当たり前ですよね、すべて等確率なので。

    一様分布

    2回の場合

    確率を計算すると

    確率
    2 \(\frac{1}{36}\)
    3 \(\frac{2}{36}\)
    4 \(\frac{3}{36}\)
    5 \(\frac{4}{36}\)
    6 \(\frac{5}{36}\)
    7 \(\frac{6}{36}\)
    8 \(\frac{5}{36}\)
    9 \(\frac{4}{36}\)
    10 \(\frac{3}{36}\)
    11 \(\frac{2}{36}\)
    12 \(\frac{1}{36}\)

    となり、グラフは分布するようになってきましたが、まだ正規分布っぽくはないですね。

    一様分布

    3回以上の場合

    さすがに手計算では大変なので、プログラムを使って計算してきましょう。
    VBAプログラムを紹介して、これを使って計算してみます。

    VBAプログラムイメージ

    VBAプログラムの一例です。これを使ってサイコロ1回から6回までを計算します。7回以上はExcelで計算すると時間がかかるため、6回までとします。

    ➁一様分布、二項分布が正規分布に近づくのがわかる

    実際に計算した結果をグラフにまとめると

    正規分布

    グラフからわかるのは、

    1. 回数を増やすと、一様分布から正規分布に変化している
    2. 3回振ると、結果は正規分布と言える
    3. 正規分布の中心は出る目の平均

    となりますね。不思議ですね。

    ➂畳み込み積分で一様分布からの変化を確認

    なぜ、一様分布を重ねると徐々に正規分布へと異なる分布に変わるのか?はある程度数式で読み取れます。が、場合分けがたくさんあるので、手計算ではちょっと大変です。その1例を挙げます。

    1回から2回への変化

    関連記事のように、畳み込み積分を使って計算します。

    畳み込み積分がよくわかる(一様分布どうし)
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、さらに一様分布を使った畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    畳み込み積分で分布が変わるところを理解する

    例題を挙げると、

    一様分布
    \(f(x) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ x ≤ 6) それ以外0
    \(g(y) = \frac{1}{6} \) (0 ≤ y ≤ 6) それ以外0
    において、x+y=zにおける確率分布関数h(z)を作れ。

    関連記事でおさえたいポイントは

    積分区間を確認すると、場合分けが乗じる
    場合分けは関連記事から見ると
    ●①は(x,y)=(6,6)より上(つまり12 ≤ z)で、積分領域外なので、h(z)=0
    ●➁は(x,y)=(0,6)以上①以下(つまり6 ≤ z ≤12)なので、図のように、x=z-6~6区間で積分
    ●➂は(x,y)=(0,0)以上①以下(つまり0 ≤ z ≤6)なので、図のように、x=0~z区間で積分
    ●➃は(x,y)=(0,0)以下(つまりz ≤ 0)で、積分領域外なので、h(z)=0

    この結果、一様分布から折れ線のような分布に変化します。

    一様分布
    一様分布

    これを繰り返すと、一様分布から正規分布に近づく説明を数式で表現すればOKです。でも、場合分けが大変すぎるので、やり方だけ理解しておきましょう。

    以上、
    一様分布などを重ねると正規分布に近づく不思議な現象を
    をわかりやすく解説しました。

    まとめ

    「【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。

    • ①ポアソン分布の式を理解する
    • ➁ポアソンの期待値と分散の導出

  • 【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    「ポアソン分布の期待値と分散が解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    おさえておきたいポイント

    • ①ポアソン分布の式を理解する
    • ➁ポアソンの期待値と分散の導出
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    正規分布、二項分布、ポアソン分布の中で、一番理解しにくいのがポアソン分布です。
    でも式が複雑で
    期待値、分散の導出は難しい!
    何度も見て、解けるようになりましょう!

    一緒に解きながら慣れていきましょう!

    ①ポアソン分布の式を理解する

    ポアソン分布の基本

    ポアソン分布の式の導出、二項分布との関係は関連記事にあります。まず、ここを確認してください。

    【簡単】わかりやすく理解できるポアソン分布
    ポアソン分布の式がわからない・覚えられない、どんな場合に活用するかわからない、と苦手意識はありませんか?本記事では、ポアソン分布の関数の導出、正規分布近似、活用方法をわかりやすく解説します。ポアソン分布が全く理解できない方は必見です。

    ポアソン分布の式に慣れよう!

    \(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\)という変な式を実際に変形するなどして、触ってみましょう。習うより慣れよ!です。1つ例題を出します。

    【問1】
    ポアソン分布 \(f(x)\)= \(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\) (\(x\)は自然数)について、
    \(\sum_{x=0}^{∞} f(x)\)=1 を示せ。

    解法

    どうでしょうか?一見難しそうですが、 式を難しくしている\(\sum_{x=0}^{∞} \frac{λ^x}{x!}\)が意外な値になります。テイラー展開を思い出すと

    \(e^x\)=1+\(x\)+\(\frac{x^2}{2!}\)+ \(\frac{x^3}{3!}\)+…
    をまとめると、
    \(e^x\)=\(\sum_{x=0}^{∞} \frac{λ^x}{x!}\)

    この式を問題文の式に代入すると
    \(\sum_{x=0}^{∞} f(x)\)
    =\( e^{-λ} \sum_{x=0}^{∞} \frac{λ^x}{x!}\)
    =\( e^{-λ} e^λ \)
    =1

    となりますね。扱いにくい\(\frac{λ^x}{x!}\)が少し身近に感じていただける例題で確認しました。

    ポアソン分布の式は複雑で、変形して使う場合が少ないので理解が難しい式となってしまいますね。

    ➁ポアソンの期待値と分散の導出

    問題

    【問2】
    ポアソン分布 \(f(x)\)= \(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\) (\(x\)は自然数)について、
    (1) 期待値E[X]
    (2) 分散V[X]を求めよ。

    ポアソン分布の期待値E、分散Vも共にλになります。式が複雑なわりに期待値と分散は分布関数の中で最もシンプルになるので、不思議です。

    期待値

    (1)を解きます。

    期待値E[X]≡xf(x)という意識で式を作ります。
    E[X]= \(\sum_{k=0}^{∞}\)\(k\) ×\(\frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    と式を書いて、変形していきます。

    E[X]= \(\sum_{k=0}^{∞} k\frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    (k=0の場合、\( 0 \frac{λ^0}{0!} e^{-λ}\)=0より、)
    = \(\sum_{k=1}^{∞} k\frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    = \( λe^{-λ} \sum_{k=1}^{∞} \frac{λ^{k-1}}{(k-1)!} \)
    (\(\frac{λ^{k-1}}{(k-1)!} e^{-λ}\)をセットで考えると)
    = \( λe^{-λ} e^{-λ}\)

    となります。さっきの例題を活用すれば簡単に計算できますね。

    【問1】(さっきの例題)
    ポアソン分布 \(f(x)\)= \(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\) (\(x\)は自然数)について、
    \(\sum_{x=0}^{∞} f(x)\)=1 を示せ。

    分散

    (2)を解きます。ここで、テクニックですが、
    E[X2]ではなく、E[X(X-1)]を求めます。

    期待値E[X(X-1)]≡x(x-1)f(x)という意識で式を作ります。
    E[X(X-1)]= \(\sum_{k=0}^{∞}\)\(k(k-1)\) ×\(\frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    と式を書いて、変形していきます。

    E[X(X-1)]= \(\sum_{k=0}^{∞} k(k-1) \frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    (k=0,1の場合、\( k(k-1) \frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)=0より)
    = \(\sum_{k=2}^{∞} k(k-1) \frac{λ^k}{k!} e^{-λ}\)
    =\( e^{-λ} λ^2 \sum_{k=2}^{∞} \frac{λ^{k-2}}{(k-2)!} \)
    =\( e^{-λ} λ^2 e^λ \)
    (\(\frac{λ^{k-2}}{(k-2)!} e^{-λ}\)をセットで考えると)
    =\(λ^2\)

    ここで、
    V[X]=E[X(X-1)]+E[X]-E[X]2
    =\(λ^2\)+\(λ\)-\(λ^2\)
    =\(λ\)
    となります。さっきの例題を活用すれば簡単に計算できますね。

    【問1】(さっきの例題)
    ポアソン分布 \(f(x)\)= \(e^{-λ} \frac{λ^x}{x!}\) (\(x\)は自然数)について、
    \(\sum_{x=0}^{∞} f(x)\)=1 を示せ。

    少しずつでいいので、ポアソン分布に慣れましょう。

    ポアソン分布は、二項定理、指数分布から変形して解けるので、他の分布関数と関連づけながら身につけましょう。すべてQCプラネッツの記事で解説しています!
    以上、
    ①ポアソン分布の式に慣れる
    ➁ポアソン分布の構造体を活用して期待値、分散を計算する
    をわかりやすく解説しました。

    まとめ

    「【初心者必見!】ポアソン分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。

    • ①ポアソン分布の式を理解する
    • ➁ポアソンの期待値と分散の導出

  • 【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    「二項分布の期待値と分散が解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    おさえておきたいポイント

    • ①二項分布の式がマスターできる!
    • ➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)
    • ➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    二項分布、二項定理は
    抜取検査の主役でもあるので、
    しっかりマスターしたい!
    でも式が複雑で
    期待値、分散の導出は難しい!
    何度も見て、解けるようになりましょう!

    二項分布に慣れる良問を持ってきましたので、一緒に解きながら慣れていきましょう!

    ①二項分布の式がマスターできる!

    二項定理を理解する

    まず、 \((p+q)^n\)を展開すると、
    \((p+q)^n\)=\(p^n\)+…+\(q^n\)となりますね。

    これをまとめると

    \((p+q)^n\)=\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
    となります。これが二項定理ですね。
    特に、\(p+q=1\)の場合、
    ●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
    となるし、\(p+q=2\)の場合、
    ●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=\(2^n\)
    となりますね。これも高校数学でよく出題されたはずです。

    今回は、

    特に、\(p+q=1\)の場合、つまり、\(q=1^p\)の場合
    ●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
    を使うのが二項分布です!

    二項分布の式の構造を理解する

    \(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
    の形が複雑すぎる!

    大丈夫です。構造体として式を理解すればOK。式の構造をいじらずに式変形するのが二項分布の式を扱うポイントです。

    二項定理

    固定と有るところは変えず、それ以外の値を計算する

    二項分布の式の基本形を維持して式変形する

    例を挙げます。

    【例題】
    ●\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)=\((p+q)^n\)=1
    とする場合、
    ●\(\sum_{r=0}^{n} r {}_{n-1} C_{r-1} p^r q^{n-r}\)
    はいくらか?

    解いてみましょう。基本を変えないので、
    \(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
    の式に持って行きます。

    ところで、
    \( {}_n C_r\)=\(\frac{n!}{r!(n-r)!}\)です。この式も重要です!
    なので、
    ●\({}_{n-1} C_{r-1}\)=\(\frac{(n-1)!}{(r-1)!(n-r)!}\)と機械的に公式代入すると、
    \(\frac{(n-1)!}{(r-1)!(n-r)!}\)= \(\frac{r}{n}\)× \(\frac{n!}{r!(n-r)!}\)
    = \(\frac{r}{n}\)× \( {}_n C_r\)
    となるので、

    問いの式は
    ●\(\sum_{r=0}^{n} r {}_{n-1} C_{r-1} p^r q^{n-r}\)
    =\(\sum_{r=0}^{n} r \frac{1}{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
    =\(\frac{1}{n} \)×\(\sum_{r=0}^{n} {}_n C_r p^r q^{n-r}\)
    =\(\frac{1}{n} \)×1
    =\(\frac{1}{n} \)
    と計算できます。

    二項分布の式の基本形を維持して式変形することが大事です。

    では、この式変形を活用して、二項分布の期待値npと分散np(1-p)を2通りの解法で解いてみましょう。

    ➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)

    問題

    【問1】
    確率変数Xが二項分布に従い、P(X=\(i\))=\( {}_n C_r p^r q^{n-r}\) (ただし、\(p+q=1\))に従うとき、期待値E(X)=\(np\)、分散V(X)=\(np(1-p)\)を以下のやり方で導出したい。
    (1) \(i {}_n C_i \)=\(n {}_{n-1} C_{i-1} \) (\(i\) ≥1)を示し、E(X)=\(np\)を導出せよ。
    (2) \(i (i-1) {}_n C_i \)=\(n(n-1) {}_{n-2} C_{i-2} \) (\(i\) ≥2)を示し、V(X)=\(npq\)を導出せよ。

    期待値

    (1)を解きます。

    ●\(i {}_n C_i \)=\(i \frac{n!}{i!(n-i)!}\)= \(\frac{n!}{(i-1)!(n-i)!}\)
    = \(n \frac{(n-1)!}{(i-1)!(n-i)!}\)= \(n {}_{n-1} C_{i-1} \)
    となります。

    ●期待値E(X)は
    E(X)= \(\sum_{i=1}^{n} \) \(i\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    (E(X)なので、\(i\)を掛け算する必要がありますね。)

    =\(\sum_{i=1}^{n} \) \(i\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    =\(\sum_{i=1}^{n} n {}_{n-1} C_{i-1} p^i q^{n-i}\)
    =\(np\)\(\sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{n-1} q^{(n-1)-(i-1)}\)

    二項定理から
    \(\sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{n-1} q^{(n-1)-(i-1)}\)=1
    なので、
    =\(np\)

    よって、
    E(X)= \(np\)
    となります。

    二項定理の式変形、少し慣れたでしょうか?

    分散

    (2)を解きます。

    ●\(i(i-1) {}_n C_i \)=\(i(i-1) \frac{n!}{i!(n-i)!}\)= \(n(n-1)\frac{(n-2)!}{(i-2)!(n-i)!}\)
    = \(n(n-1) {}_{n-2} C_{i-2} \)
    となります。

    まず、曲者であるE(X2)を計算します。
    E(X2)= \(\sum_{i=0}^{n} \) \(i^2\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    (E(X2)なので、\(i^2\)を掛け算する必要がありますね。)

    =\(\sum_{i=0}^{n} \) \(i^2\)\({}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    で、ここであえて、\(i^2=i(i-1)+i\)と分解します。ここはテクニックです。

    =\(\sum_{i=1}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i q^{n-i}\)+\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    =\(n(n-1)p^2 \sum_{i=2}^{n} {}_{n-2} C_{i-2} p^{i-2} q^{n-i}\)+\(np \sum_{i=1}^{n} {}_{n-1} C_{i-1} p^{i-1} q^{n-i}\)
    と二項定理の式の構造体を作る事ができます。

    よって、
    E(X2)=\(n(n-1)p^2+np\)
    となります。

    よって、分散V(X)は
    V(X)= E(X2)-E(X) =\(n(n-1)p^2+np-(np)^2\)
    =\(np(1-p)\)

    ➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)

    問題

    【問2】
    確率変数Xが二項分布に従い、P(X=\(i\))=\( {}_n C_r p^r q^{n-r}\) (ただし、\(p+q=1\))に従うとき、期待値E(X)=\(np\)、分散V(X)=\(np(1-p)\)を以下のやり方で導出したい。
    \(f(x)=(px+q)^n\)を使って、\(f^{‘}(x)\),\(f^{‘‘}(x)\)を導出して、E(X),V(X)を導出せよ。

    期待値

    (1)を解きます。

    \(f(x)\)= \(\sum_{i=0}^{n} {}_n C_i (px)^i q^{n-i}\)として微分すると、
    \(f^{‘}(x)\)=\(np(px+q)^{n-1}\)=\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i x^{i-1} q^{n-i}\)
    となるので、
    \(f^{‘}(1)\)= \(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i 1^{i-1} q^{n-i}\)
    =\(\sum_{i=0}^{n} i {}_n C_i p^i q^{n-i}\)
    がまさに、 E(X)であり、
    \(f^{‘}(1)\)=\(np(p×1+q)^{n-1}\)=\(np(p+q)\)=\(np\) (\(p+q=1\)となります。
    あっさり解けましたね。

    分散

    (2)を解きます。

    さらに微分して、
    \(f^{‘‘}(x) \)=\(n(n-1)p^2 (px+q)^{n-2}\)= \(\sum_{i=0}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i x^{i-2} q^{n-i}\)
    \(f^{‘‘}(1) \)=\(n(n-1)p^2\)=\(\sum_{i=0}^{n} i(i-1) {}_n C_i p^i q^{n-i}\)は前問の計算経過からもよく見ると、

    \(f^{‘‘}(1) \)+\(np\)=E(X2)となるので、
    V(X)= E(X2)-E(X) =\(n(n-1)p^2+np-(np)^2\)
    =\(np(1-p)\)

    となります。2通りの解法で解けるので面白いですね!

    以上、
    ①二項定理の式に慣れる
    ➁二項定理の式の構造体を活用して期待値、分散を計算する
    をわかりやすく解説しました。

    まとめ

    「【初心者必見!】二項分布の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。

    • ①二項分布の式がマスターできる!
    • ➁二項分布の期待値・分散の導出(その1)
    • ➂二項分布の期待値・分散の導出(その2)

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