【簡単】分散分析表の検定結果とデータの関係が理解できる
「データから分散分析する練習はするけど、データ値によって分散分析の結果がどのように変わるかがわからない。」、「分散分析の計算から何が言えるのかがわからない」など、困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
分散分析とデータの特徴を理解する
- ➀分散分析で平方和がすべて0のデータ
- ②主効果のみ平方和が0以上のデータ
- ③主効果も交互作用も平方和が0以上のデータ
- ④主効果も交互作用も有意であるデータ
- ⑤主効果も交互作用も有意でないデータ
教科書や試験などは、実データに近いものを分散分析しますが、本記事では、極端なデータのケースを考えることで分散分析表の変化を解説します。エクセルで計算すればよいですが、結構手間がかかるので本記事を読んでもらえれば簡単に理解できます。
5つのパターンを見ていきましょう。
データ
二元配置実験の繰返しあり 因子A(3水準),因子B(4水準),繰返し3回の計36データを対象にします。
B1 | B2 | B3 | B4 | |
A1 | ||||
A2 | ||||
A3 | ||||
➀分散分析で平方和がすべて0のデータ
➀ | S | φ | V | F | F0 |
A | 0 | 2 | 0 | #DIV/0! | 3.4 |
B | 0 | 3 | 0 | #DIV/0! | 3.01 |
A×B | 0 | 6 | 0 | #DIV/0! | 2.51 |
e | 0 | 24 | 0 | ||
T | 0 | 35 |
すべて同じデータになっている場合
です。
B1 | B2 | B3 | B4 | |
A1 | 30 | 30 | 30 | 30 |
30 | 30 | 30 | 30 | |
30 | 30 | 30 | 30 | |
A2 | 30 | 30 | 30 | 30 |
30 | 30 | 30 | 30 | |
30 | 30 | 30 | 30 | |
A3 | 30 | 30 | 30 | 30 |
30 | 30 | 30 | 30 | |
30 | 30 | 30 | 30 |
差がありませんから、ばらつき成分は一切ありません。この場合は分散分析できません。
②主効果のみ平方和が0以上のデータ
② | S | φ | V | F | F0 |
A | 216 | 2 | 108 | #DIV/0! | 3.4 |
B | 0 | 3 | 0 | #DIV/0! | 3.01 |
A×B | 0 | 6 | 0 | #DIV/0! | 2.51 |
e | 0 | 24 | 0 | ||
T | 216 | 35 |
2つ目の表です。
② | S | φ | V | F | F0 |
A | 216 | 2 | 108 | #DIV/0! | 3.4 |
B | 180 | 3 | 60 | #DIV/0! | 3.01 |
A×B | 0 | 6 | 0 | #DIV/0! | 2.51 |
e | 0 | 24 | 0 | ||
T | 396 | 35 |
【1】因子Aだけが平方和があるデータとは、因子Aの水準ごとにデータが変わるがそれ以外は変化しない場合ですね。
【2】因子AもB平方和があるデータとは、因子A、Bの各水準にデータが変わるが、それ以外は変化しない場合ですね。
何が変化すると分散分析表が変化したのかをよく眺めてください。
③主効果も交互作用も平方和が0以上のデータ
交互作用A×Bがばらつきます。緑とオレンジ枠をわざと入れ替えてみました。
グラフは右に行くほど高くなっていきましたが、わざと入れ替えたので、ジグザグになっていますね。
AとBの関係を交互作用としてみますから、交互作用のばらつきは少ない方が好まれます。
④主効果も交互作用も有意であるデータ
主効果A,Bと交互作用A×Bのばらつきが大きく、残差が小さい場合です。
偶発的な誤差が小さいために、残差平方和は小さくなります。その結果、主効果、交互作用ともにF検定が有意となります。実際、主効果も、交互作用もばらつきが大きく検定が有意なデータはあまり教科書では出てきません。
⑤主効果も交互作用も有意でないデータ
主効果、交互作用のばらつきよりも、ランダムばらつきの方が大きい場合です。残差平方和が他の平方和と比べて大きいですね。
まとめ
本記事では、データの変化によって分散分析の結果がどのように変化するかを解説しました。
- ➀分散分析で平方和がすべて0のデータ
- ②主効果のみ平方和が0以上のデータ
- ③交互作用の効果があるデータ
- ④主効果も交互作用も有意であるデータ
- ⑤主効果も交互作用も有意でないデータ
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