分割法(2因子1段分割)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

「分割法って何なの?」、「分割法の分散分析や期待値の導出がわからない、解けない」、「分散分析表から調べたい効果の区間推定の導出方法がわからない」など、分割法の分散分析の解法がわからず、期待値の式など暗記で片付けていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
分割法の分散分析や期待値の導出
- ➀分割法とは何かがわかる
- ②分割法のデータの構造式が書ける
- ③平方和の分解の式が書ける
- ④主効果・交互作用・誤差の分散の期待値が導出できる
- ⑤分散分析ができる
- ⑥主効果・交互作用の区間推定が導出できる
- ⑦期待値、分散分析や区間推定の演習問題
記事の信頼性
記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。
実験計画法の肝なので、必読です!
●You tube動画もご覧ください
【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!
![]() |
QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。 |
究める!実験計画法 演習問題を販売します!
![]() |
実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。 |
➀分割法とは何かがわかる
教科書の定義は重要ではない
よくわかりませんよね。
でも、心配は不要です。
データの構造式から分割法を理解する
- 完全配置実験のデータの構造式を作る
- 一部の項を変形すれば分割法になる
②分割法のデータの構造式が書ける
データの構造式
1段分割が2因子、2段分割が1因子から構成する3因子の分割法を考えます。
三元配置実験のデータの構造式
xijk=μ+αi+βj+γk+(αβ) ij+(αγ) ik+(βγ) jk+eijk
(αγ) ik=e(1)ik
(βγ) jk+eijk= e(2)ijk
に変形すると、分割法(2因子+1因子の2段分割)のデータの構造式ができます。
分割法のデータの構造式
xijk=μ+γk+αi+e(1)ik+βj+(αβ) ij+ e(2)ijk
各平均値をデータの構造式で作る
母数因子と変量因子の違い
関連記事【簡単】母数因子と変量因子の違いがすぐわかるにて、母数因子と変量因子を解説しました。
母数因子と変量因子
母数因数:α、β、αβ
変量因子:r、e(1)、e(2)
平均値
母数因数の平均は0。
変量因子の平均は0ではない。
平均値を式にする場合、添字のない文字項はすべて0にしますが、変量因子の場合は平均値をいれます。
平均値の式の代表例
データの構造式
xijk=μ+γk+αi+e(1)ik+βj+(αβ) ij+ e(2)ijk
\(\bar{x_{i‥}}=μ+\bar{r}+α_i+\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i・・}}\)
\(\bar{x_{・j・}}=μ+\bar{r}+β_j+\bar{e_{(2)・j・ }}\)
\(\bar{x_{‥k}}=μ+r_k+\bar{e_{(1)・k}}+\bar{e_{(2)・・k}}\)
\(\bar{x_{ij・}}\)=μ+\(\bar{r}\)+\(α_i\)+\(\bar{e_{(1)i・}}\)+\(β_j\)+\((αβ)_{ij}\)+\(\bar{e_{(2)ij・}}\)
\(\bar{x_{i・k}}\)=μ+\(r_k\)+\(α_i\)+\(\bar{e_{(1)ik}}\)+\(\bar{e_{(2)i・k}}\)
\(\bar{\bar{x}}\)=μ+\(\bar{r}\)+\(\bar{\bar{e}}\)
③分割法の平方和の分解の式が書ける
データの構造式を変形
式を書くと見づらいので、表にまとめます。分散分析はデータの構造式が複雑になると表で整理するのがオススメです。
\(x_{ijk}\) | \(x_{i‥}\) | \(x_{・j・}\) | \(x_{‥k}\) | \(x_{ij・}\) | \(x_{・jk}\) | \(x_{i・k}\) | \(\bar{\bar{x}}\) | |
SR | 1 | -1 | ||||||
SA | 1 | -1 | ||||||
Se(1) | -1 | -1 | 1 | 1 | ||||
SB | 1 | -1 | ||||||
SA×B | -1 | -1 | 1 | 1 | ||||
Se(2) | 1 | 1 | -1 | -1 | 1 | |||
ST (計) | 1 | -1 |
表から各平方和の導出式が簡単にでますね。SA、SA×B、Se(2)を例に挙げます。
\(S_A\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}})^2\)
\(S_{A×B}\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}})^2\)
\( S_{e(2)}\)=\( \sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c} (x_{ijk}-\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i・k}}+\bar{x_{i‥}})^2\)
と書けますね。他の平方和も同様にΣΣΣ( )^2で計算できます。
④分割法の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
期待値については、関連記事確率変数の期待値と分散が計算できる【初心者向け】をご覧下さい。
主効果の分散の期待値の導出
E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(α_i+\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i‥}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(α_i )^2\)]+E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i‥}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
=\(bc(a-1)σ_A^2\) +\((a-1)(bσ_{e(1)}^2+σ_{e(2)}^2\))
主効果Aの自由度は(a-1)より、分散の期待値E[VA]が求まります。
E[\(V_A\)]=\(bcσ_A^2\) +\((bσ_{e(1)}^2+σ_{e(2)}^2\))
なお、分散の期待値を以下とします。
\( σ_A^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}α_i^2}{a-1}\)]
\(σ_e^2\)については解説集にあります。
交互作用の分散の期待値の導出
E[\(S_{A×B}\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i‥}}-\bar{x_{・j・}}+\bar{\bar{x}})^2\)]
=cE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}((αβ)_{ij}+(\bar{e_{(2)ij・}}-\bar{e_{(2)i‥}}-\bar{e_{(2)・j・}}+\bar{\bar{e}}))^2\)]
第1項:
cE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)
\(((αβ)_{ij})^2]\)
=\(c(a-1)(b-1)σ_{A×B}^2\)
第2項:
\(cE[\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}]\)
\((\bar{e_{(2)ij・}}-\bar{e_{(2)i‥}}-\bar{e_{(2)・j・}}+\bar{\bar{e}})^2]\)
=\((a-1)(b-1)σ_e^2\)
E[\(S_{A×B}\)]
=\(c(a-1)(b-1)σ_{A×B}^2\)+\((a-1)(b-1)σ_e^2\)
交互作用A×Bの自由度は(a-1)(b-1)より、分散の期待値E[VA×B]が求まります。
E[\(V_{A×B}\)]=\(cσ_{A×B}^2\)+\(σ_e^2\)
なお、分散の期待値を以下とします。
\( σ_{A×B}^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(αβ)_{ij}^2}{(a-1)(b-1)}\)]
\(σ_e^2\)については解説集にあります。
残差の分散の期待値の導出
E[\(S_{e(2)}\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)
\((x_{ijk}-\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{ij・}}+\bar{x_{i・・}})^2\)]
=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)
\((e_{(2)ijk}-\bar{e_{(2)i・k}}-\bar{e_{(2)ij・}}+\bar{e_{(2)i・・}})^2\)]
E[\(S_{e2}\)]=\(a(b-1)(c-1)σ_e^2\)
(全計算過程は解説集にあります)
残差e(2)の自由度はa(b-1)(c-1)より、分散の期待値E[V e(2)]が求まります。
E[\(e_{(2)}\)]=\(σ_e^2\)
⑤分割法の分散分析ができる
自由度の計算
各主効果・交互作用の自由度の計算は簡単です。関連記事【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)に解説しています。まとめると次の3つです。
- データの構造式を書く
- 主効果・交互作用の構造式にある添字から自由度を算出
- 自由度は表を活用すると簡単に求まる
自由度をまとめます。
a | b | c | ab | ac | bc | abc | 1 | |
R | 1 | -1 | ||||||
A | 1 | -1 | ||||||
e(1) | -1 | -1 | 1 | 1 | ||||
B | 1 | -1 | ||||||
A×B | -1 | -1 | 1 | 1 | ||||
e(2) | 1 | -1 | -1 | 1 | ||||
T | 1 | -1 |
分散分析の結果
分散分析表を作ります。
φ | E[V] | |
R | c-1 | abσR2+bσe(1)2+σe(2)2 |
A | a-1 | bcσA2+bσe(1)2+σe(2)2 |
e(1) | (a-1)(c-1) | bσe(1)2+σe(2)2 |
B | (b-1) | acσB2+σe(2)2 |
A×B | (a-1)(b-1) | cσA×B2+σe(2)2 |
e(2) | a(b-1)(c-1) | σe(2)2 |
T | abc-1 | – |
⑥分割法の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
母平均の点推定の導出方法
有効繰返し数と区間推定の導出方法
区間推定は、下の式で算出します。
$$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$
区間推定のポイント
- ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
- 誤差eの自由度φeである。
- Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出
サタースウェイトの式については、ここを見てください。
主効果の点推定と区間推定の導出
分散の期待値から分散の推定値を導出
分散分析から、R,e(1)とe(2)の分散の推定値E[V]を導出します。
V | |
R | VR=\(ab\widehat{σ_R^2}+b\widehat{σ_{e(1)}^2}+\widehat{σ_{e(2)}^2}\) |
e(1) | Ve(1)=\(b\widehat{σ_{e(1)}^2}+\widehat{σ_{e(2)}}^2\) |
e(2) | Ve(2)=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\) |
上の表から、分散の推定値を求めます。
\(\widehat{σ_R^2}=\frac{1}{ab}(V_R-V_{e(1)})\)
\(\widehat{σ_{e(1)}^2}=\frac{1}{b}(V_{e(1)}-V_{e(2)})\)
\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)=Ve(2)
主効果の点推定と区間推定
点推定: \(\widehat{μ}(A_i)=\bar{x_{i・・}}\)=\(\widehat{μ+α_i}\)
=\(μ+\bar{r}+α_i +\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i・・}}\)
分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(A_i))\)
=V[μ+\(\bar{r}+α_i+\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i‥}}\)]
=V[\(\bar{r}\)]+V[\(\bar{e_{(1)i・}}\)]+V[\(\bar{e_{(2)i・・}}\)]
=\(\frac{\widehat{σ_R^2}}{c}+\frac{\widehat{σ_{e(1)}^2}}{c}+\frac{\widehat{σ_{e(2)}^2}}{bc}\)
Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。
交互作用の区間推定
点推定: \(\widehat{μ}(A_i B_j)=\bar{x_{ij・}}\)=\(\widehat{μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}}\)
=\(μ+ \bar{r}+α_i+\bar{e_{(1)i・}}+β_j+(αβ)_{ij}+\bar{e_{(2)ij・}}\)
分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(A_i B_j))\)
=V[μ+\(\bar{r}\)+\(α_i\)+\(\bar{e_{(1)i・}}\)+\(β_j\)+\((αβ)_{ij}\)+\(\bar{e_{(2)ij・}}\)]
=V[\(\bar{r}\)]+V[\(\bar{e_{(1)i・}}\)]+V[\(\bar{e_{(2)ij・}}\)]
=\(\frac{\widehat{σ_R^2}}{c}+\frac{\widehat{σ_{e(1)}^2}}{c}+\frac{\widehat{σ_{e(2)}^2}}{c}\)
Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。
一連の導出過程を解説しました。
⑦分割法の分散分析を導出できる演習問題
本記事で扱ったデータの構造式において、以下の演習問題を解いてみましょう。詳細は解説集にあります。
xijk=μ+αi+βj+e(1)ij+γk+eijk
因子A,Bおよび反復Rの自由度はそれぞれa,b,cとする。
(1) 反復R,主効果A,B、交互作用A×B,残差e(1),e(2)の分散の期待値を導出せよ。
(2) 主効果A,B,交互作用A×Bの点推定と区間推定を計算せよ。
(詳細は解説集にあります。)
まとめ
分割法の分散分析の導出過程を詳細に解説しました。
- ➀分割法とは何かがわかる
- ②分割法のデータの構造式が書ける
- ③平方和の分解の式が書ける
- ④主効果・交互作用・誤差の分散の期待値が導出できる
- ⑤分散分析ができる
- ⑥主効果・交互作用の区間推定が導出できる
- ⑦期待値、分散分析や区間推定の演習問題
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119