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正規確率紙がよくわかる

信頼性工学

「正規確率紙がよくわからない」、と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

正規確率紙がよくわかる
  • ①現在、正規確率紙は不要
  • ➁正規確率紙を理解することは大事
  • ➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
  • ➃正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)
現在はExcelがあるので、確率紙は不要です。
ただし、確率紙の考え方は理解しておく必要があります。

①現在、正規確率紙は不要

Excelで計算できる

正規確率紙を使わなくても、Excelで計算できますね。

使う関数は、NORM.INV(確率,平均,標準偏差)で簡単に計算できます。平均0、標準偏差1の場合では、

x y(p)%
-4.265 0.00001
-3.719 0.0001
-3.09 0.001
-2.326 0.01
-1.282 0.1
-0.842 0.2
-0.524 0.3
-0.253 0.4
0 0.5
0.253 0.6
0.524 0.7
0.842 0.8
1.282 0.9
2.326 0.99
3.09 0.999
3.719 0.9999
4.265 0.99999

グラフで描くと

正規確率紙

と縦軸の確率を等間隔で描くと、違和感がありますね。実際の確率紙は縦の間隔をうまく設定して、プロットすると直線になるようにしていますね。

➁正規確率紙を理解することは大事

現在、不要ですが、考え方や理解は必須です。使い方の手段より、目的・意図は理解しておきましょう。

確率紙でおさえておきたい考え方

以下の疑問は説明できますか?

  1. 正規確率紙にプロットすると直線になる理由
  2. 何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

解説します。

正規確率紙にプロットすると直線になる理由

当たり前!なんですが、わかりますか?

横軸xと縦軸yは同じ変数だから、小さい順に並べると両者は直線の配置になるだけ

2次元グラフとは、本来、横軸と縦軸は独立した変数ですね。
でも、確率紙は変換前後の関係を見たいので、横軸も縦軸も同じ変数です。

何で横軸は小さい順に並び替えるのか?

もちろん、確率紙で直線に並べると見やすいからですが、
大事なのは、

順序統計量の考え方があるから、小さい順に並べても数学的にOK

ということは理解しておいてください。

ワイブル確率紙でも小さい順に何気なく並べますが、そこにも順序統計量の考え方があります。ワイブル確率はワイブル分布と順序統計量の2つの仮定が入っていることを忘れずに!

では、実際に使ってみて、理解を深めましょう。

データをそのまま打点する場合と、度数分布表のデータを打点する場合がありますので、紹介します。

➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)

データ

10個のデータを用意します。
89,85,106,94,102,136,96,88,100,104
これを正規確率紙にプロットします。

正規確率紙へプロット

平均と標準偏差は計算すると、
平均=100,標準偏差=13.76

表を作ります。

  1. dataは小さい順に並べる
  2. dataを\(x\)=\(Z=\frac{x-μ}{σ}\)で変換する
  3. \(x\)を確率\(y\)に変換する、Excelならnorm.dist(x,平均、標準偏差,true)

表は

No data x y
1 85 -1.09 0.138
2 88 -0.872 0.192
3 89 -0.799 0.212
4 94 -0.436 0.331
5 96 -0.291 0.386
6 100 0 0.5
7 102 0.145 0.558
8 104 0.291 0.614
9 106 0.436 0.669
10 136 2.616 0.996

プロットします。

正規確率紙

こんな感じで作ります。
Excelなどのツールが無い時代は、確率紙は重宝されていました。今は、理論をしっかり引き継いでおく必要があります。

➃正規確率紙の使い方1(度数分布表のデータを打点する場合)

データ

度数分布表用のデータを100個用意します。

64, 119, 130, 158, 153, 133, 147, 125, 128, 174
123, 109, 96, 148, 157, 121, 145, 63, 180, 113
94, 78, 136, 87, 90, 98, 166, 123, 134, 132
125, 143, 149, 98, 119, 126, 157, 75, 112, 114
62, 169, 149, 171, 175, 129, 179, 111, 159, 142
142, 148, 115, 101, 93, 111, 163, 129, 106, 126
92, 127, 117, 77, 151, 134, 115, 74, 122, 75
110, 85, 128, 126, 145, 136, 100, 145, 143, 106
92, 63, 117, 100, 154, 113, 94, 121, 114, 152
88, 93, 114, 123, 100, 93, 93, 141, 133, 143

度数分布表を作成

分布の区分は、スタージェスの公式があるので、使ってみましょう。よくデータ数の平方根にしますよね!

スタージェスの公式は関連記事で紹介します。

スタージェスの公式がよくわかる
ヒストグラムの区分数を考える1つの方法として、スタージェスの公式を解説します。信頼性工学ではヒストグラムをよく使いますので、紹介します。

スタージェスの公式は
区分\(m\)≒\(1+\frac{log_{10} n}{log_{10} 2}\) で
\(m\)≒\(1+\frac{log_{10} 100}{log_{10} 2}\)
≒8

区分8で度数分布表を作ると、

区分 min max 度数
\(f_i\)
累積度数
\(C_i\)
平均ランク
\(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
1 61 75 7 7 0.069
2 76 90 6 13 0.129
3 91 105 17 30 0.297
4 106 120 18 48 0.475
5 121 135 22 70 0.693
6 136 150 15 85 0.842
7 151 165 9 94 0.931
8 166 180 6 100 0.99

ここで、累積度数\(C_i\)=\(\sum_{i=1}^{n}f_i\)
平均ランク法による確率の導出\(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
を使って計算しています。

平均ランク法でなくても、他の方法でもOKです。例として紹介します。

正規確率紙へプロット

区分と平均ランク法で求めた確率をプロットします。

区分 平均ランク
\(F(x_i)=C_i /(n+1)\)
1 0.069
2 0.129
3 0.297
4 0.475
5 0.693
6 0.842
7 0.931
8 0.99
正規確率紙

以上、正規確率紙を解説しました。

まとめ

「正規確率紙がよくわかる」を解説しました。

  • ①現在、正規確率紙は不要
  • ➁正規確率紙を理解することは大事
  • ➂正規確率紙の使い方1(データをそのまま打点する場合)
  • ➃正規確率紙の使い方2(度数分布表のデータを打点する場合)


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