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OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする

抜取検査

「OC曲線を作る確率分布がわからない」、「超幾何分布、二項分布、ポアソン分布の違いがわからない」など確率分布への苦手意識がありませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする

抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

超幾何分布、二項分布、ポアソン分布は数式が全く違うが、値はほぼ同じです。二項分布、ポアソン分布を使って、不良率と不良数についてのOC曲線が描けます。

ポアソン分布を使ったOC曲線はあまり試験等に出ませんが、QCプラネッツではどんどん紹介します。

  • ➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる
  • ②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く
  • ③OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布

➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる

超幾何分布と二項分布を理解する

高校数学の確率がわかればOK!

二項分布と似ていますが、次の点で区別します。

二項分布:母集団のデータ数Nが無限、計算式がシンプル
超幾何分布:母集団のデータ数Nが有限、計算式が複雑

超幾何分布は、二項分布より手間がかかり、面倒ですが、母集団のデータ数を考慮したい場合使います。

超幾何分布と二項分布

確率の問題を使って超幾何分布と二項分布を比較します。

母集団データ数N、不良率p(%)、抜き取り数n、抜き取ったn個から不良がr個ある確率を求めよ。

超幾何分布: \(\frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)

二項分布: \( _n C_r p^r (1-p)^{n-r}\)

全体N個、不良総数はNp個なので、n個を抜き取る場合、
●良品は、全体(N-Np)個から(n-r)個抜き取られ、
●不良品は、全体Np個からr個抜き取られます。
これを確率の式に入れればOKです。高校数学のレベルです。

超幾何分布はN,p,n,rの変数で確率を表現しましたが、
二項分布はp,n,rです。Nはありません。
Nが十分大きい場合、超幾何分布と二項分布は同じとみなせます。

ポアソン分布と二項分布を理解する

ポアソン分布は式が難解すぎる

ポアソン分布は二項分布と似ていますが、次の点で区別します。

二項分布:不良率のような確率で表現したい場合
ポアソン分布:不良個数のような個数や数で表現したい場合

ポアソン分布は難しいので、関連記事にわかりやすく解説しています。

●ポアソン分布の式の覚え方
●ポアソン分布の式の導出
●ポアソン分布と二項分布の関係

【簡単】わかりやすくできるポアソン分布【初心者向け】
ポアソン分布の式がわからない・覚えられない、どんな場合に活用するかわからない、と苦手意識はありませんか?本記事では、ポアソン分布の関数の導出、正規分布近似、活用方法をわかりやすく解説します。ポアソン分布が全く理解できない方は必見です。

本記事では、二項分布とポアソン分布はnが大だと同じになるので、OC曲線が両方の分布で描けることを解説します。

②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く

OC曲線を描く準備をします。1つ確率の問題を出します。

母集団データ数100(個)、不良率10(%)、抜き取り数10(個)、抜き取った10(個)から不良が2個以下である確率を求めよ。

式を作ります。
●超幾何分布:\(\sum_{r=0}^{2} \frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)=
\(\sum_{r=0}^{2} \frac{ {}_{10} C_{r}\ {}_{90} C_{10-r}}{ {}_{100} C_{10}}\)
●二項分布:\(\sum_{r=0}^{2} {}_{10} C_r 0.1^r 0.9^{10-r}\)
●ポアソン分布:\(\sum_{r=0}^{2} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)=\(\sum_{r=0}^{2} exp(-1) \frac{(1)^r}{r!}\)

ポアソン分布の式にnp=10×10%=1となるtがところが難しいですね。

計算すると、
●超幾何分布: 0.9399
●二項分布:0.9281
●ポアソン分布 0.9197
とほぼ等しい結果になります。

数値が等しくなるので、OC曲線を作ることができます。

OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布

先の例題は不良率p=10%の1点についてだけ計算しました。pとロット合格確率L(p)の関係を調べましょう。

一般化して式を作ります。
●超幾何分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} \frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)
●二項分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_{n} C_r p^r (1-p)^{n-r}\)
●ポアソン分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

OC曲線を描きます。

OC曲線

抜取個数、許容不良数が同じの場合は、超幾何分布、二項分布、ポアソン分布
からできるOC曲線はほぼ同一です。

多くの教科書は、代表して二項分布から作るOC曲線を取り上げますが、
QCプラネッツは二項分布、ポアソン分布から作るOC曲線を取り上げます。

二項分布:不良率のような確率で表現したい場合
ポアソン分布:不良個数のような個数や数で表現したい場合

不良率、不良個数が検査合否規準に重要なパラメータであるからです。

超幾何分布は名前も、数式も難しいですが、二項分布にほぼ近似してよいでしょう。OC曲線からも明らかです。

まとめ

OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布について解説しました。OC曲線を構成する式の導出、式の意味を理解することが重要です。

  • ➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる
  • ②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く
  • ③OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布


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