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【6】分割表(χ2乗分布)に関する検定【QC検定®2級対策】

QC検定®2級

「分割表に関する検定と必要な解き方がうまく理解できない」、「なんで検定統計量にχ2乗分布を使うの?」など、試験に合格できるかどうか悩んでいませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

本記事だけ読めば合格できる分割表(χ2乗分布)に関する検定と推定の解き方

分割表に関する検定と推定の解法

  • ➀QC検定®2級で出題される検定と推定は11種類
  • ②検定と推定の解法は1つだけ
  • ③【本記事限定】分割表の検定統計量はχ2乗分布である理由がわかる
  • ④分割表の自由度はabではなく、(a-1)(b-1)である理由がわかる
  • ⑤分割表に関する検定と推定の必勝解法

記事の信頼性

記事を書いている私は、実験計画法を全く知らない状態から3ヶ月にQC検定®2級を合格し、さらに、QC検定®1級合格して、さらに実験計画法に磨きをかけています。

本記事だけ読めば合格できます。
なお、QC検定®2級合格対策本や参考書は1冊までにしてください。
たくさん本を持っている人ほど、合格しません。
合格する方法が重要で、対策本や参考書にはその方法が書いていません。
品質管理・統計の初心者にとって分厚い本はキツイです。
●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

➀QC検定®2級で出題される検定と推定は11種類

  • (A-1)平均値に関する検定(\(σ_e^2\)既知)
  • (A-1)平均値に関する検定(\(σ_e^2\)未知)
  • (B-1)母平均差に関する検定(2つの分散が同じ)
  • (B-2)母平均差に関する検定(2つの分散が異なる)
  • (C-1)分散値に関する検定(分散が変化したか)
  • (C-2)分散値に関する検定(2変数の分散値の同異)
  • (D-1)二項分布に関する検定(1つの母不適合品率)
  • (D-2)二項分布に関する検定(2つの母不適合品率)
  • (E-1)ポアソン分布に関する検定(1つの母不適合数)
  • (E-2)ポアソン分布に関する検定(2つの母不適合数)
  • (F)分割表による検定

(F)分割表による検定に関する関連記事(本記事です)

②検定と推定の解法は1つだけ

11種類の解法の共通

次のパターンの流れで解いていきます。QC検定®2級は11種類、QC検定®1級はもっと種類がありますが、下の6つの流れで解いていきます。

  1. 仮説を立てる(帰無仮説と対立仮説)
  2. 有意水準α(α=5%がほとんど)
  3. 検定統計量を設定
  4. 検定し有意性を判定
  5. 点推定の計算
  6. (100-α)%の推定区間を計算

(A),(B),(C),(D),(E),(F)の6パターンに分けて、2つずつ解法パターンをおさえていきましょう。

検定と推定のまとめの記事

【必読】検定と推定を解く【QC検定®2級対策】
QC検定®2級で必ず出題される検定と推定の解法を解説します。検定から推定区間まで5分以内に解けるための流れとテクニックについて解説します。試験では11パターンから1つが出題されますので、すべてを解説します。QC検定®2級合格したい方は必見です。

(A)平均値に関する検定に関する関連記事

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(E)ポアソン分布に関する検定に関する関連記事

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③【本記事限定】分割表の検定統計量はχ2乗分布である理由がわかる

公式暗記して解けても、検定統計量や自由度については理解していないでしょう。なぜなら、説明している教科書がほとんど無いからです。本記事限定であなたにお伝えします!

ちょっと強引な説明です

  1. 分割表の式は、観測値fと期待値eの差分の和
    \(\sum_{ij}^{ab}\frac{(f_{ij}-e_{ij})^2}{e_{ij}}\)で表現
  2. 分割の式を\(\sum_{ij}^{ab}(\frac{(f_{ij}-e_{ij})^2}{(\sqrt{e_{ij}})^2}\)に変形すると
    χ2乗分布の式っぽく見える
  3. \(\frac{f_{ij}-e_{ij}}{\sqrt{e_{ij}}}\)は個数abが大きいと正規分布とみなせる
  4. 変数Xが正規分布なら、X2の和はχ2分布に従う

分割表の式

分割表の式は、観測値fと期待値eの差分の和で表現します。
\(\sum_{ij}^{ab}\frac{(f_{ij}-e_{ij})^2}{e_{ij}}\)

この式を無理やりですが、χ2乗分布として計算するように持っていきます。統計の専門書では数式を使って厳密に解いていますが、χ2乗分布への持って行き方は次の説明と同じです。

分割表の式を正規分布の式の2乗和っぽく変形する

\(\sum_{ij}^{ab}\frac{(f_{ij}-e_{ij})^2}{e_{ij}}\)
=\(\sum_{ij}^{ab}(\frac{(f_{ij}-e_{ij})}{\sqrt{e_{ij}}})^2\)

\(\frac{f_{ij}-e_{ij}}{\sqrt{e_{ij}}}\)は\(\frac{x_i-μ}{σ}\)に見えますよね。
X=\(\frac{x_i-μ}{σ}\)とすると、変数Xは正規分布に従うとする、よく使う式です。

正規分布とみなす

\(\frac{f_{ij}-e_{ij}}{\sqrt{e_{ij}}}\)は\(\frac{x_i-μ}{σ}\)に見えますが、正規分布に従うかはわかりません。しかし、データ数abがある程度大きければ他の分布を正規分布近似してもよいとよくやる手口を利用して正規分布に従うとします。ちょっと強引ですが。

変数Xが正規分布なら、X2の和はχ2分布に従う

χ2乗分布の定義を再確認

変数X=\(\frac{x_i-μ}{σ}\)が正規分布に従う場合、
\(\sum X^2\)はχ2乗分布に従います。これがχ2乗分布の定義です。

よって、
変数X=\(\frac{f_{ij}-e_{ij}}{\sqrt{e_{ij}}}\)が正規分布に従う場合、
\(\sum_{ij}^{ab}(\frac{(f_{ij}-e_{ij})}{\sqrt{e_{ij}}})^2\)はχ2乗分布に従います。これがχ2乗分布の定義です。

なので、分割表の式はχ2乗分布を活用するわけです。
これを理解しないと、単なる公式暗記と代入だけで終わってしまいます。

④分割表の自由度はabではなく、(a-1)(b-1)である理由がわかる

自由度って何?

自由に値が決められる個数のことです。

自由度を求めるときの大前提

自由に値を決めてよいが、合計値は決まっている

1変数の自由度は1引く理由

合計値(A)が決まっているn個のデータ(a1, a2,…, an)を用意します。

a1, a2,…と自由に値を入れていけますが、
最後のanは他のn-1個のデータと合計値(A)との差分になります。
an=(A)-( a1,+a2+…+ an-1)
つまり、an自由がありません

よってn個のデータの自由度は
nではなく、
n-1です。

分割表の自由度はabではなく、(a-1)(b-1)である理由

合計値が決まっているn個のデータの自由度は-1引いたn-1を活用します

下表を見ましょう。合計値が決まっているため、黄色枠部は値が決まってしまい、自由に設定できません。

B1 ・・・ Bb-1 Bb
A1 x1,1 ・・・ x1,b-1 x1,b T1・
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
Aa-1 xa-1,1 ・・・ xa-1,b-11 xa-1,b Ta-1・
Aa xa,1 ・・・ xa,b-1 xa,b Ta・
T・1 ・・・ T・b-1 T・b T

よって、自由に値が設定できるのは、白枠部の
Aの1~a-1までと
Bの1~b-1までになり、
自由度はabではなく、(a-1)(b-1)となります。

分割表の自由度の求め方は表からわかりますが、実験計画法の自由度はデータの構造式から自由度(a-1)(b-1)の説明ができることを知っておいてください。

⑤分割表に関する検定と推定の必勝解法

  1. (F)分割表による検定

解き方をおさえましょう。

(F) 分割表による検定
(F)
検定
①仮説の設定
帰無仮説 H0: PA= PB
対立仮説 H1: PA≠PB
②有意水準の設定 α=5%、両側検定
③検定統計量 χ2=\(\sum_{i}^{a}\sum_{j}^{b} \frac{(f_{ij}-e_{ij})^2}{\sqrt{e_{ij}}}\)
\(f_{ij}\):観測度数、\(e_{ij}\):期待度数
自由度(a-1)(b-1)
④検定
有意である χ2≧χ2(φ、α)
有意でない χ2 < χ2(φ、α)

公式がややこしいですね。何度も練習しましょう。

解法を確実におさえて、5分以内に全問正解しましょう。スピードは練習量で上がります。頭でわかっているから大丈夫な人は試験では時間内に解けません。確実に解けるように何度も繰り返して練習です。

他の検定と推定の解き方も式が違うだけで解法は同じです。確実に習得しましょう。

まとめ

QC検定®2級で、分割表に関する検定と推定の解法を解説しました。
10問を1回ずつ解くのではなく、1問を10回解いて解法を覚えてしまいましょう。
試験本番に緊張した状態でも解けるよう何度も練習しましょう。

  • ➀QC検定®2級で出題される検定と推定は11種類
  • ②検定と推定の解法は1つだけ
  • ③【本記事限定】分割表の検定統計量はχ2乗分布である理由がわかる
  • ④分割表の自由度はabではなく、(a-1)(b-1)である理由がわかる
  • ⑤分割表に関する検定と推定の必勝解法


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