【まとめ】簡単だけど難しい管理図を究める

究める_管理図

本記事のテーマ

【まとめ】簡単だけど難しい管理図を究める
  • ①管理図を究めるのは難しい
  • ②管理図を究める道
  • ③管理図を究める関連記事の紹介

●Youtube動画でも解説しています。ご確認ください。

①管理図を究めるのは難しい

管理図の本質を確認する問い

管理図の理論は実はとても難しい

【あなたに問います】管理図について次の問いが答えられますか?

  1. 「管理図=シューハート管理図」と頭がセットされていませんか?
  2. 管理図係数表の値の導出はできますか?
  3. 管理図係数表の値はnが6以上でないと使えない理由は説明できますか?
  4. 管理図係数表が計量値管理図しかない理由は説明できますか?
  5. 管理図で、群内データnを∞にしたら管理図はどうなるか説明できますか?
  6. 分散公式\(σ_x^2\)=\(σ_w^2\)+\(σ_b^2\)と\(σ_\bar{x^2}\)=\(\frac{σ_w^2}{n}\)+\(σ_b^2\)は導出できますか?
  7. データを層別していったら、群内・群間変動は追って計算できますか?
  8. JISにある異常判定ルールはどのように決まっているか説明できますか?
  9. 第1種の誤り、第2種の誤りと管理図の管理限界との関係、検出力への影響が説明できますか?
  10. 実験計画法、検定・推定、χ2乗分布などと管理図を組み合わせた応用事例が解けますか?
  11. 「X-Rs管理図」、「\(\bar{x_s}-Rs\)管理図」、「減点数の管理図」、「カイ2乗管理図」などの管理図は知っていますか?

管理図の本質をまとめるQCプラネッツの熱い思い

上の問いが答えられないのは、管理図の作り方だけしか勉強していない証拠です。管理図の理論や特性を知らずに、手法だけ解けても、意味はありません。
QC検定®では、3級、2級は公式代入だけでOK
1級は群内、群間分散まで出題してくる。
でも、群内、群間分散の問題が良くないため、正解が導き出せにくいし、解説読んでも理解できない。

QCプラネッツの経験上

  1. QC検定® 3級&2級の管理図は簡単で得点源!
  2. QC検定®1級では管理図が一番難しい

だから【簡単だけど難しい管理図】という思いで、管理図の本質にQCプラネッツが迫ります!

●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

②管理図を究める道

本記事を併せて26記事(11ブログ+15PDFテキスト)をまとめました。管理図の本質をここまで書いたサイトや教科書は、無いでしょう。なお、管理図の教科書には載っていない内容ばかり解説しています。必読!です。

管理図の究め方

次の8つに分類できます。上から読んでいけば本質に迫れるようにまとめています。また、各分類に属す関連記事を紹介します。

  1. 管理図の導入
  2. 管理図係数表を導出
  3. 群内・群間変動を分割
  4. 工程異常判定ルールを考える
  5. 検出力を管理図で考える
  6. 管理図以外の単元と組み合わせた応用事例
  7. 特殊な管理図
  8. 管理図に関する良書

QCプラネッツの管理図プレミアムテキストのご紹介

以前は、ブログ記事でまとめていましたが、PDFとしてまとめました。ダウンロードして学習ください。

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

No 記事
1 【注意】管理図はシューハートの管理図だけではない
2 管理図係数値でnが6以上でないと使えない係数がある理由がわかる
3 管理図の各係数値の極限値(n⇒∞)がわかる
4 【必読】管理図と実験計画法を使ってばらつき低減効果を確認する
5 【必読】管理図の第1種の誤りと第2種の誤り(検出力)がわかる
6 【本記事限定】計数値データにR管理図やs管理図が必要な場合がある
7 工程変化と検出力の関係をOC曲線で表現できる
8 R管理図で範囲Rの平均差の検定ができる
9 管理図の平均値Xbarの差の検定ができる
10 u管理図の欠点数の差の検定ができる
11 管理図で「工程が管理状態である」がわかる
12 2つのデータを管理図にするときの注意点(分散の加法性と検出力のバランス)
13 減点数の管理図の作り方がわかる(ポアソン分布、分散の加法性)
14 カイ2乗管理図がわかる

一緒に勉強しましょう。

③管理図を究める関連記事の紹介

(1)管理図の導入

●「管理図=シューハート管理図」と思い込んでいませんか?管理図は本来自分で考えるものです。試験勉強に染まると、シューハート管理図に突っ込んでいってしまいます。

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

記事「【注意】管理図はシューハートの管理図だけではない」でご確認ください。

(2)管理図係数表を導出

ここでは、7記事を紹介します。そろそろ表や数値を使うだけの勉強は卒業しましょう。数値や式は導出して理解するのが最も重要ですよ。

計量値管理図の係数値の変数の導出をまとめました。変な式が多く、導出が困難な印象を受けますね。

【重要】管理図(計量値)の変数の導出がわかる
シューハートの管理図の計量値の各係数表の求め方を解説します。A,B,D,d2とかいっぱい変数がありますが、すべて期待値±倍数×標準偏差で表記できます。

計数値管理図の係数表一覧を作りました。JISのハンドブックまで戻らなくてもすぐ見えるようにしました。

【試験対策】シューハート管理図の管理線公式と係数表を確認する
シューハートの管理図の中心・管理限界公式と、係数表をまとめました。大学の試験やQC検定®対策に活用ください。

s管理図の係数c4と管理限界の導出を解説します。χ2乗分布、平方和、正規分布の関係から完璧に導出できます。

【必読】s管理図の変数c4と管理限界の導出がわかる
s管理図の管理限界を求めるc4と管理限界値の導出を解説します。χ2乗分布、平方和、標準偏差の関係式を使って、意外と簡単に係数c4が導出できます。

R管理図の係数d2,d3の導出を解説します。これは、完璧な導出ができなかったのですが、わかったところまで解説します。こんな難解すぎて正しいかどうかわからない係数は使いたくないですね。また、範囲R自体が「絶対値」という不自然な値だから導出が難しいのです。

【必読】R管理図の変数d2,d3の導出が(半分)わかる
R管理図の係数d2,d3はどうやって求めるか説明できますか?本記事では、範囲Rの確率密度関数を順序統計量の同時分布を使って導出し、途中までですが、d2,d3の導出方法を解説します。

プレミアムテキストで解説します。

  1. 管理図係数値でnが6以上でないと使えない係数がある理由がわかる
  2. 管理図の各係数値の極限値(n⇒∞)がわかる
  3. 【本記事限定】計数値データにR管理図やs管理図が必要な場合がある

●「管理図係数値はnが6以上でないと使えない」を暗記ではなく、理由が説明できるようになってください。係数が負だからです。計算して確認したら、説明できるようになるはずです。

●管理図の群内データ数nを∞に持って行ったら管理図はどうなるか?考えてみましょう。nの極限値をみることで、nと係数値の関係が妥当なのか?チェックできるからです。

●計量値管理図は2種類、計数値管理図は1種類管理図があります。種類が違い理由は説明できますか?計数値管理図にR管理図やs管理図が必要なケースを考えてみてください。いい勉強になります。

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

(3)群内・群間変動を分割

ここでは、2記事を紹介します。

群内変動、群間変動の分割公式を導出します。公式暗記せず、導出が理解を早めます。

【必読】管理図の分散σ(x)とσ(xbar)の違いがわかる(群内変動と群間変動)
群内変動と群間変動の分散の導出において、Xbarの分散公式とXの分散公式の違いや、公式の導出方法を平方和、実験計画法を活用して導出します。。

QC検定®1級対策用です。1級の群内変動、群間変動の分割問題は良問ではありませんが、試験合格が目的なので、それに対応した演習問題を紹介します。

【必読】計量値管理図の群内変動と群間変動の分散が推定できる
R管理図から群内変動と群間変動の分散を導出する方法を詳細に解説します。

(4)工程異常判定ルールを考える

ここでは、2記事を紹介します。連、傾向など8つの異常判定ルールがJISにあります。しかし、なぜ、それらが異常と言えるのか?理由を説明できますか?本来は、工程管理対象の特徴に合わせて異常判定を設定すべきです。

異常ルールはJISに頼る前に、自分で考える必要があります。異常判定条件の考え方をまとめました。

【重要】管理図の異常判定ルールは自分で設計すべき(JISに頼るな!)
管理図の異常判定ルールは8種類ありますが、各々のルールである理由を説明できるように解説します。

「工程が管理状態であり、σ=0」とよく教科書に書いています。この状態を管理図で表現するとどうなるか?を解説しました。理想的な管理状態を管理図で見ておくことは重要です。

●「工程が管理状態であり、σ=0」とよく教科書に書いています。この状態を管理図で表現するとどうなるか?を解説しました。理想的な管理状態を管理図で見ておくことは重要です。

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

記事「管理図で「工程が管理状態である」がわかる」でご確認ください。

(5)検出力を管理図で考える

●管理限界は基本的には正規分布の±3σの点です。ここから第1種の誤り、第2種の誤り、検出力を確認することができます。

第1種の誤り,第2種の誤り,検出力 【必読】管理図の第1種の誤りと第2種の誤り(検出力)がわかる
本記事では、管理図から、第1種の誤り、第2種の誤り、検出力を求める方法を詳細に解説します。

●工程変化と検出力の関係をOC曲線で表現することができます。抜取検査の主役であるOC曲線が管理図でも出て来ます!

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

(6)管理図以外の単元と組み合わせた応用事例

ここでは、6記事を紹介します。

p管理図から不良率の差を検定します。管理図、正規分布、χ2乗分布を組み合わせた応用事例を解説します。

p管理図の不良率の差の検定ができる
p管理図を用いて、不良率の差の検定について解説します。正規分布を使った検定方法と、χ2乗分布を使った検定方法を解説します。

プレミアムテキストで解説します。

  1. R管理図で範囲Rの平均差の検定ができる
  2. u管理図の欠点数の差の検定ができる
  3. 管理図の平均値Xbarの差の検定ができる
  4. 2つのデータを管理図にするときの注意点(分散の加法性と検出力のバランス)
  5. 【必読】管理図と実験計画法を使ってばらつき低減効果を確認する

●R管理図で範囲Rの平均差の検定できることを解説します。平均差の検定はt分布を使いますが、正規分布でも検定ができることも解説します。

●u管理図の欠点数の差の検定を解説します。正規分布、管理図、検定・推定を組み合わせた応用事例を解説します。

●管理図の平均値Xbarの差の検定を解説します。差の検定はt分布を使いますが、正規分布でも使えることを解説します。

●2つのデータを組み合わせた場合の管理図を考えます。分散の加法性と管理限界の関係性を解説します。

●工程管理を改善すると管理図のグラフは変化します。それ同時に、各因子・効果の変動がどの程度変化するかを実験計画法・分散分析を使って数値化します。管理図と実験計画法を使った応用事例を解説します。

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

ここまで読めば、かなり管理図の応用力がつきますね。

(7)特殊な管理図

ここでは、4記事を紹介します。

X-Rs管理図を解説します。QC検定®1級では、過去に1回だけ出題されるくらいのレアですが、データが1つしかない場合の範囲Rをどう計算するかが注目ポイントです。

【必読】X-Rs管理図が作れる
シューハートの管理図の計量値の各係数表の求め方を解説します。データが1つしかない場合のレアな管理図は必見!

移動平均と移動範囲の管理図を解説します。レアな管理図ですが、QCプラネッツはここまで広く深く解説します!

移動平均と移動範囲の管理図(xs-Rs管理図)がわかる
移動平均と移動範囲の管理図を解説します。特殊な管理図ですが、Xbar-R管理図との違い、xs-Rs管理図の描き方を解説します。

プレミアムテキストで解説します。

  1. 減点数の管理図の作り方がわかる(ポアソン分布、分散の加法性)
  2. カイ2乗管理図がわかる

●減点数の管理図の作り方を解説します。p管理図やnp管理図のように「不良」、「良」の2択ではなく、3択以上の複数の選択がある場合に活用する管理図です。レアな管理図ですが、QCプラネッツはここまで広く深く解説します!

●「χ2乗管理図」って聞いたことがありますか?あるんです!np管理図やp管理図のように、「不良」、「良」の2択ではなく、3つ以上の選択がある場合、まとめて工程管理図を作る場合に考えたのがカイ2乗管理図です。レアな管理図ですが、QCプラネッツはここまで広く深く解説します!

【QCプラネッツ管理図 プレミアム勉強プリント(14記事必見です!)】

(8)管理図に関する良書

良書を紹介しますが古書ばかりで
QCプラネッツの記事を読む方をお薦めします。

最近の本は、公式代入するだけの使い方しか書いていないものばかりです。理論をしっかり学びたいところです。

【1】管理図法―品質管理教程 (1962年) 【評価:◎】

【評価理由】管理図の使い方、事例、理論が最も詳しい。1962年、1986年版があるが、理論多めの1962年の方がベター。

【2】新編統計数値表 河出書房 1952 【評価:〇】

【評価理由】R管理図のd2,d3の導出過程を最も詳しく書いている。しかし、それでも導出の途中経過がわからない。その他多くの統計の数理が紹介されている。

【3】1回で合格!QC検定®2級テキスト&問題集【評価:〇】

【評価理由】使い方は理解できる。入門書としては良い。

【4】【新レベル表対応版】QC検定®受検テキスト1級 (品質管理検定集中講座[1])【評価:〇】

【評価理由】群内、群間変動、工程異常ルールなど管理図全体を網羅している。試験対策には必須。でも理論はわからない。QC検定®1級で管理図を使った問題が一番苦労するはず。

【5】管理図の作り方と活用 (新版QC入門講座) 日本規格協会【評価:△】

【評価理由】使い方は理解できるが、理論がわからない。ほとんどの教科書が、管理図の使い方ばかり説明なので、理論・本質が理解できず悩ましいです。

【6】管理図活用の基本と応用 管理図を見直そう 日本規格協会 1986【評価:△】

【評価理由】使い方は理解できるが、理論がわからない。ほとんどの教科書が、管理図の使い方ばかり説明なので、理論・本質が理解できず悩ましいです。

以上、(1)~(8)の計26記事を紹介しました。これを全部理解すれば、日本で最も管理図が詳しいレベルにすぐ到達できます。必読です!公式暗記で済ませる管理図からさよならしてください。

まとめ

管理図の究め方について解説しました。

  • ①管理図を究めるのは難しい
  • ②管理図を究める道
  • ③管理図を究める関連記事の紹介

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