「QC検定®3級でよく出る、管理図でどこをおさえたらよいかがわからない」、と困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
【QC検定®3級】必読!管理図がわかる
試験では、管理図の描き方や用語の暗記だけでOKですが、
理論よく理解していないと実務に活かせませんよね。
でも、管理図の理論をまとめたものが無いので、本記事で詳しく解説します!
- ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
- ①管理図で最初におさえておくべきポイント
- ②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!
①は試験対策のためのもの
②が主旨で、管理図の本当の顔を見てほしいです。
管理図は難しい理論から作られていることを知ってほしい!
理論を知る事は、そのツールをうまく使いこなすために必須です。
公式暗記や異常ルールの暗記をしただけで、
「何もわかっていない」という印象を受ける管理図がたくさん見かけます。
QC検定®3級 合格 「必勝メモ」+「必勝ドリル」+「品質管理入門」をセット販売します!
QC模試受験しよう!
[themoneytizer id=”105233-2″]
●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。
●リンクページ
⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
QCプラネッツでは、QC検定®3級受験者、および品質管理初心者の方に、馴染みにくい品質管理用語や概念をわかりやすく解説します。
QC検定®3級共通として、まず、勉強方法を読んでください。
試験直前の丸暗記ではなく、
考えて活かせる品質管理を伝授します。
★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。
以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください
●【QC検定®3級】勉強プリント
No |
勉強項目 |
1 |
【QC検定®3級】品質がわかる |
2 |
【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる |
3 |
【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる |
4 |
【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる |
5 |
【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる |
6 |
【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる |
7 |
【QC検定®3級】5Sがすぐわかる |
8 |
【QC検定®3級】重点指向がわかる |
9 |
【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる |
10 |
【QC検定®3級】QCサークルがわかる |
11 |
【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる |
12 |
【QC検定®3級】狩野モデルがわかる |
13 |
【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる |
14 |
【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる |
15 |
【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる |
16 |
【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる |
17 |
【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる |
18 |
【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい) |
19 |
【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる |
20 |
【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!) |
21 |
【QC検定®3級】官能検査がわかる |
22 |
【QC検定®3級】PL法がすぐわかる |
23 |
【QC検定®3級】変化点管理がわかる |
24 |
【QC検定®3級】トップ診断がわかる |
25 |
【QC検定®3級】環境側面がわかる |
26 |
【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる |
27 |
【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる |
●【QC検定®3級】勉強プリント
①管理図で最初におさえておくべきポイント
管理図の本質を知る前に、まずは使ってみよう!ですね。
よく出題されるポイントや、実務で活かせるポイントをシンプルにまとめます。確認して、ヌケモレがないか試験前にチェックしましょう。
- 管理図の種類
- 管理限界の式 代入
- 管理図の異常のパターン
- 工程能力指数Cp
管理図の種類
3種類の管理図をおさえましょう。QC検定®の階級があがると、管理図の種類が増えて、その管理図の土台となる統計分布関数も出て来ます。
- \(\bar{x}\)-R管理図
- p管理図
- pn管理図
管理限界の式 代入
それぞれの管理図の管理限界の公式があります。本来は自力で導出してほしいですが、最初は公式暗記から。
管理限界は何か?は説明できますか?関連記事で確認してください。
●管理限界の公式を確認しましょう。
管理図 |
UCL |
LCL |
\(\bar{x}\)管理図 |
\(\bar{\bar{x}}\)+\(A_2\)\(\bar{R}\) |
\(\bar{\bar{x}}\)-\(A_2\)\(\bar{R}\) |
R管理図 |
\(D_4\)\(\bar{R}\) |
\(D_3\)\(\bar{R}\) |
p管理図 |
\(\bar{p}\)+3\(\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\) |
\(\bar{p}\)-3\(\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\) |
pn管理図 |
\(n\bar{p}\)+3\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\) |
\(n\bar{p}\)-3\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\) |
●ここで、注意すべきは、
・\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\)が難しいです。二項分布の分散の式から来てます。
・\(D_3\)はnが6以上という変な制約があること。この理由は②で解説します。
管理図の異常のパターン
●異常パターンはよく考えた上で、JISを見ると疑問に思うものばかりですが、一応試験対策として理解しましょう。
- 管理限界を超えている
- 並び方、傾向
- 連がある(「連」をおさえましょう。)
管理限界を超えるのは、納得できますが、管理限界の中にあるパターンで、何を工程異常とするかは、JISに頼る前に、実務では考えるべきです。自分で考えると、JISに書いている異常パターンに疑問に思うはずです。
工程能力指数Cp
工程能力指数Cp の式
工程能力指数Cpは
Cp=規格の幅/6σ (σ:標準偏差)
で計算できます。
標準偏差が慣れないですよね。標準偏差はいろいろな単元で練習しながら習得しましょう。
工程能力指数Cpの判断基準
本当は、自分で判断基準の値を決めるべきですが、試験対策では暗記でよいです。
●Cp ≥ 1.67 :十分すぎる。コストダウン検討対象
●1.67 > Cp ≥ 1.33 :十分満足している。
●1.33 > Cp ≥ 1 :まずまず。「十分な状態」に改善する
●1 > Cp ≥ 0.67 :不足しているので、1.33となるように改善する
●0.67 > Cp :非常に不足している
また、Cpと、「カタヨリを考慮したCpk」もあるので要注意です。
上の値、1.67,1.33.1.0.67の意味は分かりますか?3倍すると、5,4,3,2です。これは、平均から5σ、4σ,3σ、2σ先に管理限界があるという意味で、不良率はそれぞれ正規分布(平均0,標準偏差1と仮定)から、
5σ:不良率 1.49e-6
4σ:不良率 1.33e-4
3σ:不良率 0.0044
2σ:不良率 0.053
です。数字が大きいと不良率が小さいので、Cpが大きい方が良いとなりますね。
②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!
さて、使い方はよしとして、本題に入りましょう。
次の質問が回答できますか?これが回答できないと「管理図」の本質はわかっていないということです。
もっと大事なのは、「下の内容を疑問に思えるかどうか?」です。
- データによらず、1つの解法で管理図が描けるのはなぜか?
- 管理図係数表の値はどうやって求めるのか?
- 工程異常判定ルールはどうやって決まっているのか?
- 群内変動、群間変動の分割はどう決めるのか?(QC検定®1級対策)
1つずつ知ってください。関連記事も紹介します。
データによらず、1つの解法で管理図が描けるのはなぜか?
集めたデータはそれぞれ個性あるクセや傾向がありますよね。でも何で管理図にするときは、求め方が1つに決まっているのか?不思議ですよね。
その理由は、データは統計分布に従うという前提を入れるから。
それぞれの統計分布に合う管理図が用意されているから。
まず、統計分布に属するという前提を理解しましょう。
詳しくは、関連記事を読んで下さい。内容の理解より導出の流れをまず知ってください。どうやって管理図がつくられているのかをまず知りましょう。
●計量値管理図の係数値の変数の導出をまとめました。変な式が多く、導出が困難な印象を受けますね。
統計分布に合う管理図
管理図の種類 |
変数 |
統計分布 |
x管理図 |
変位 |
正規分布 |
s管理図 |
標準偏差 |
χ2乗分布 |
R管理図 |
範囲 |
順位統計量 |
p,pn管理図 |
率、個数 |
二項分布 |
c,u管理図 |
個数 |
ポアソン分布 |
管理図係数表の値はどうやって求めるのか?
与えられるものではなく、自分で計算しようという姿勢が大事
関連記事にもありますが、係数表はこんな表ですね。
– |
管理限界の係数 |
中心線の係数 |
– |
\(\bar{X}\)管理図 |
s管理図 |
R管理図 |
s |
R |
n |
A |
\(A_2\) |
\(A_3\) |
\(B_3\) |
\(B_4\) |
\(B_5\) |
\(B_6\) |
\(D_1\) |
\(D_2\) |
\(D_3\) |
\(D_4\) |
\(c_4\) |
\(d_2\) |
2 |
2.121 |
1.88 |
2.659 |
– |
3.267 |
– |
2.606 |
– |
3.686 |
– |
3.267 |
0.7979 |
1.128 |
3 |
1.732 |
1.023 |
1.954 |
– |
2.568 |
– |
2.276 |
– |
4.358 |
– |
2.575 |
0.8862 |
1.693 |
4 |
1.5 |
0.729 |
1.628 |
– |
2.266 |
– |
2.088 |
– |
4.698 |
– |
2.282 |
0.9213 |
2.059 |
5 |
1.342 |
0.577 |
1.427 |
– |
2.089 |
– |
1.964 |
– |
4.918 |
– |
2.114 |
0.94 |
2.326 |
6 |
1.225 |
0.483 |
1.287 |
0.03 |
1.97 |
0.029 |
1.874 |
– |
5.079 |
– |
2.004 |
0.9515 |
2.534 |
7 |
1.134 |
0.419 |
1.182 |
0.118 |
1.882 |
0.113 |
1.806 |
0.205 |
5.204 |
0.076 |
1.924 |
0.9594 |
2.704 |
8 |
1.061 |
0.373 |
1.099 |
0.185 |
1.815 |
0.179 |
1.751 |
0.388 |
5.307 |
0.136 |
1.864 |
0.965 |
2.847 |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
… |
nが6以上でないと使えない変数とか、いろいろありますが、ほぼすべて導出できます。関連記事を紹介しますね。
【必読】導出がわかる関連記事
●【必読】R管理図の変数d2,d3の導出が(半分)わかる
●【必読】s管理図の変数c4と管理限界の導出がわかる
●【試験対策】シューハート管理図の管理線公式と係数表を確認する
●【重要】管理図(計量値)の変数の導出がわかる
●管理図係数値でnが6以上でないと使えない係数がある理由がわかる
工程異常判定ルールはどうやって決まっているのか?
JISみると、工程異常判定ルールは決まっています。
No |
異常パターン |
理由 |
評価 |
1 |
ゾーンAを超えた1つの点 |
管理限界外 |
○ |
2 |
中心線の片側上ゾーンCの中で 又はそれを超えて、一列になった9点 |
低確率 |
× |
3 |
一列になって上下方向に増加又は減少する6点 |
低確率、工程異常可能性有 |
○ |
4 |
一列になって交互に上下する14点 |
低確率 |
× |
5 |
中心線の片側上ゾーンAの中で 又はそれを超えて、一列になった3つのうちの2つの点 |
低確率 |
× |
6 |
中心線の片側上のゾーンBの中で 又はそれを超えて、一列になった5つのうちの4つの点 |
低確率 |
× |
7 |
中心線の上下のゾーンの中で一列になった15点 |
低確率 |
× |
8 |
中心線の両側上で一列になった8つの点で、 ゾーンCにはない |
低確率 |
× |
でも、
なぜ、上表のルールがあるのか? 本当に正しいのか?を考える姿勢が大事
関連記事に解説しています。
群内変動、群間変動の分割はどう決めるのか?(QC検定®1級対策)
「管理図」はQC検定®3級、2級と1級では難易度が全く違います。
●QC検定®3級、2級の「管理図」は簡単、点数稼ぎ
QC®検定1級「管理図」は激難
私もQC検定®1級受験のときは、管理図は半分もとれませんでした。ボロボロ。
「管理図」を激難にするのが、
群内変動、群間変動の分割
将来、QC検定®1級まで行こうとなるでしょうから、最初に知っておいてください。
敵を知ると、勉強戦略も変わってくる!
関連記事で紹介しますね。
群内変動、群間変動の分散公式で最も重要なこと
●実は、平方和の分解から群内変動、群間変動の分散公式を導出しますが、下の結果になります。
\(σ_x^2\)=\(σ_b^2\)+\(σ_w^2\)は成り立つが、
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できない
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できないのに、このnで割った公式を使った式が教科書やQC検定®に出て来る
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できません。むしろ、
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)と定義した、よくわからない\(σ_{\bar{x}}^2\)を計算させる問題ばかりが出題します。
上の2つの式の違いがわからないまま、QC検定®1級などに突入するので、受験者のほとんどは理解していません。だから管理図の点数がボロボロになるのです。
だいぶ先の話ですが、先に知っておいて損はありません。
まとめ
【QC検定®3級】管理図をわかりやすく解説しました。
- ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
- ①管理図で最初におさえておくべきポイント
- ②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!
QC検定®3級