カテゴリー: 手法

  • 2回抜取方式(ポアソン分布)のOC曲線が描ける

    2回抜取方式(ポアソン分布)のOC曲線が描ける

    「抜取検査を2回する場合のOC曲線が描けない」、「2回抜取方式の場合のロット合格率L(p)の計算がわからない」など困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    2回抜取方式(ポアソン分布)のOC曲線を作る

    2回抜取方式(ポアソン分布)のOC曲線を作る

    • ①2回抜取方式のロット合格率の計算
    • ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出
    • ③2回抜取方式のOC曲線
    • ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較
    • ⑤⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①2回抜取方式のロット合格率の計算

    具体例を計算してから、公式導出します。

    例題:不良率p=1%の試料を、次の2回抜取方式を実施した場合、ロット合格率L(p)はいくらになるか?ポアソン分布で計算せよ。
    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個

    合格基準を詳しくみます!

    (A)1回目の抜取検査で、不良数が1個(ac1個)以内なら、1回の抜取検査で合格し終了!

    (B)1回目の抜取検査で、不良数が2個(ac1+1個以上、re1-1個以下)なら、2回目の検査を実施。
    2回目の検査で、不良数がトータル4個以下なら検査は合格、5個以上なら不合格で終了!

    (C) (A)(B)以外はすべて不合格

    検査合格条件を表にまとめます。

    1回目 2回目
    0個 検査不要
    1個 検査不要
    2個 0個
    1個
    2個

    まとめると、
    ●1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格と
    ●1回目の不良数が2個の場合、2回目の不良数が0~2個なら検査は合格
    となります。

    ここから

    ロット合格率L(p)を計算します。

    「1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格と
    1回目の不良数が2個の場合、2回目の不良数が0~2個なら検査は合格
    となります。」

    を式で書けばOKです。

    ポアソン分布の式を代入が難しいので、丁寧に解説します。

    L(p=0.02)= \(\sum_{r=0}^{1} exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)
    + \(\sum_{r=2}^{2}\){\( exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)

    × \(\sum_{s=0}^{2} exp(-λ_2)\frac{λ_2^r}{r!}\)}
    =0.98514

    ここで、
    λ1=n1×p=50×0.01=0.5
    λ2=n2×p=50×0.01=0.5

    数式が難しいですが、1つずつ見ましょう。

    \(\sum_{r=0}^{1} exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)は,1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格の場合です。

    \(\sum_{r=2}^{2}\)\( exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)は、1回目の不良数が2個の場合で、
    \(\sum_{s=0}^{2} exp(-λ_2)\frac{λ_2^r}{r!}\)は、2回目の不良数が0~2個の場合です。
    1回目と2回目と連続で検査するので確率の積となります。

    ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出

    上の例題にある数字を文字に変えます。

    例題:不良率pの試料を、次の2回抜取方式を実施した場合、ロット合格率L(p)はいくらになるか?
    1回目試料数n1個、合格判定ac1個、不合格判定re1個
    2回目試料数n2個、合格判定ac2個、不合格判定re2個

    上の例題を解く数式は、

    L(p=0.02)= \(\sum_{r=0}^{1} exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)
    + \(\sum_{r=2}^{2}\){\( exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)

    × \(\sum_{s=0}^{2} exp(-λ_2)\frac{λ_2^r}{r!}\)}

    数字を文字に変えます。

    L(p)= \(\sum_{r=0}^{ ac1} exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)
    + \(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\){\( exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)

    × \(\sum_{s=0}^{ac2-r} exp(-λ_2)\frac{λ_2^r}{r!}\)}

    この式の難しいところは、
    ①\(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\)と②\(\sum_{s=0}^{ac2-r}\)ですね。

    ①2回目の検査が必要な場合は、1回目で出る不良数がac1+1個以上、re1-1個ですね。
    ②すでに1回目でr個(ac1+1≦r≦re1-1)不良を出しているので、
    2回目で出してもいい不良数は ac2-r個になります。

    ③2回抜取方式のOC曲線

    2回抜取方式のOC曲線の式は、

    L(p)= \(\sum_{r=0}^{ ac1} exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)
    + \(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\){\( exp(-λ_1)\frac{λ_1^r}{r!}\)

    × \(\sum_{s=0}^{ac2-r} exp(-λ_2)\frac{λ_2^r}{r!}\)}

    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個
    を代入してOC曲線を描くと下図のようになります。

    2回抜取方式

    1回抜取方式のOC曲線と似た曲線になります。

    ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較

    (A) 50個を2回抜取検査する場合
    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個
    (B)100個を1回抜取検査する場合
    試料数n=100,合格判定c=4個
    (合格判定不良個数は同じとする)
    のOC曲線を比較しましょう。

    OC曲線は関連記事のプログラムで自動作成できます。

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えます。OC曲線をすぐ描けるようプログラムを用意しました。二項分布、ポアソン分布両方のOC曲線を実際に描いて感触を確かめましょう。

    2回抜取方式

    1回抜取検査も2回抜取検査もほぼ同じOC曲線になりました。
    これが、複数回に分けて抜取検査するメリットにつながります。

    ⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある

    2回抜取検査のうち、ほとんどが1回の検査で終了する

    下図の黒線と青線は、
    黒線:2回の抜取検査で合格するすべての場合を合算
    青線:2回の抜取検査のうち、1回で合格する場合だけを合算
    で区別しています。

    2回抜取方式

    青線と黒線の差が小さいことがわかります。

    つまり、2回抜取検査と言いながら、多くの場合はn=50個の1回抜取検査で終了するのです。
    1回抜取検査n=100個より少ない個数で抜取検査が終えることができます。

    複数の抜取検査は平均検査量が減らせる

    ●2回抜取検査のうち、合格するすべての場合の確率p1
    ●1回で終わる場合の確率をp2(p2 > p1)とします。

    検査量を計算

    2回抜取検査の検査量の期待値を計算します。
    ●2回抜取検査の検査量の期待値=
    1回で終わる場合の検査量の期待値+2回で終わる場合の検査量の期待値
    です。

    つまり、検査量の期待値Iは
    I=p2/p1× n1 + (p1-p2)/p1 × (n1+n2)
    です。

    実際は、n1=50,n1+n2=100, p2/p1=0.8, (p1-p2)/p1=0.2くらいなので、
    I= 0.8×50+ 0.2×100 = 60
    となり、2回抜取検査の計100個より少ない60個くらいの検査で済むことがわかります。

    つまり、検査量が減らせる効果があります。
    でも、その逆に検査を複数回するのが面倒ではあります。

    不良率と検査量の関係

    2回抜取検査(n1=50,n2=50)と1回抜取検査(n=100)における検査量を比較しましょう。

    平均検査量

    2回抜取検査はある不良率pでピークを持ちますが、1回抜取検査より検査量が少ないことが分かります。

    多回に検査を分けると、1,2回目の検査で検査の合否がほとんど決まるから、検査量の期待値が少ないわけです。

    まとめ

    抜取検査を2回する場合のポアソン分布を使った、ロット合格率L(p)の計算、OC曲線の描き方、1回抜取検査と2回抜取検査の比較をして、2回抜取検査の方が検査量が減らせるメリットがあることを解説しました。

    • ①2回抜取方式のロット合格率の計算
    • ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出
    • ③2回抜取方式のOC曲線
    • ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較
    • ⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある

  • 2回抜取方式(二項分布)のOC曲線が描ける

    2回抜取方式(二項分布)のOC曲線が描ける

    「抜取検査を2回する場合のOC曲線が描けない」、「2回抜取方式の場合のロット合格率L(p)の計算がわからない」など困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    2回抜取方式(二項分布)のOC曲線を作る

    2回抜取方式(二項分布)のOC曲線を作る

    • ①2回抜取方式のロット合格率の計算
    • ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出
    • ③2回抜取方式のOC曲線
    • ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較
    • ⑤⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①2回抜取方式のロット合格率の計算

    具体例を計算してから、公式導出します。

    例題:不良率p=1%の試料を、次の2回抜取方式を実施した場合、ロット合格率L(p)はいくらになるか?
    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個

    合格基準を詳しくみます!

    (A)1回目の抜取検査で、不良数が1個(ac1個)以内なら、1回の抜取検査で合格し終了!

    (B)1回目の抜取検査で、不良数が2個(ac1+1個以上、re1-1個以下)なら、2回目の検査を実施。
    2回目の検査で、不良数がトータル4個以下なら検査は合格、5個以上なら不合格で終了!

    (C) (A)(B)以外はすべて不合格

    検査合格条件を表にまとめます。

    1回目 2回目
    0個 検査不要
    1個 検査不要
    2個 0個
    1個
    2個

    まとめると、
    ●1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格と
    ●1回目の不良数が2個の場合、2回目の不良数が0~2個なら検査は合格
    となります。

    ロット合格率L(p)を計算します。

    「1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格と
    1回目の不良数が2個の場合、2回目の不良数が0~2個なら検査は合格
    となります。」

    を式で書けばOKです。

    L(p=0.01)= \(\sum_{r=0}^{1} {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)
    + \(\sum_{r=2}^{2}\){\( {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)

    × \(\sum_{s=0}^{2} {}_{50} C_s (0.01)^s (1-0.01)^{50-s}\)}
    =0.98514

    数式が難しいですが、1つずつ見ましょう。

    \(\sum_{r=0}^{1} {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)は,1回目の不良数が1個以下なら、検査は1回で合格の場合です。

    \(\sum_{r=2}^{2}\)\( {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)は、1回目の不良数が2個の場合で、
    \(\sum_{s=0}^{2} {}_{50} C_s (0.01)^s (1-0.01)^{50-s}\)は、2回目の不良数が0~2個の場合です。
    1回目と2回目と連続で検査するので確率の積となります。

    ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出

    上の例題にある数字を文字に変えます。

    例題:不良率pの試料を、次の2回抜取方式を実施した場合、ロット合格率L(p)はいくらになるか?
    1回目試料数n1個、合格判定ac1個、不合格判定re1個
    2回目試料数n2個、合格判定ac2個、不合格判定re2個

    上の例題を解く数式は、

    L(p=0.01)= \(\sum_{r=0}^{1} {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)
    + \(\sum_{r=2}^{2}\){\( {}_{50} C_r (0.01)^r (1-0.01)^{50-r}\)

    × \(\sum_{s=0}^{2} {}_{50} C_s (0.01)^s (1-0.01)^{50-s}\)}

    数字を文字に変えます。

    L(p)= \(\sum_{r=0}^{ac1} {}_{n1} C_r p^r (1-p)^{n1-r}\)
    + \(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\){\( {}_{n1} C_r p^r (1-p)^{n1-r}\)

    × \(\sum_{s=0}^{ac2-r} {}_{n2} C_s p^s (1-p)^{n2-s}\)}

    この式の難しいところは、
    ①\(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\)と②\(\sum_{s=0}^{ac2-r}\)ですね。

    ①2回目の検査が必要な場合は、1回目で出る不良数がac1+1個以上、re1-1個ですね。
    ②すでに1回目でr個(ac1+1≦r≦re1-1)不良を出しているので、
    2回目で出してもいい不良数は ac2-r個になります。

    ③2回抜取方式のOC曲線

    2回抜取方式のOC曲線の式は、

    L(p)= \(\sum_{r=0}^{ac1} {}_{n1} C_r p^r (1-p)^{n1-r}\)
    + \(\sum_{r=ac1+1}^{re1-1}\){\( {}_{n1} C_r p^r (1-p)^{n1-r}\)

    × \(\sum_{s=0}^{ac2-r} {}_{n2} C_s p^s (1-p)^{n2-s}\)}

    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個
    を代入してOC曲線を描くと下図のようになります。

    2回抜取方式

    1回抜取方式のOC曲線と似た曲線になります。

    ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較

    (A) 50個を2回抜取検査する場合
    1回目試料数n1=50個、合格判定ac1=1個、不合格判定re1=3個
    2回目試料数n2=50個、合格判定ac2=4個、不合格判定re2=5個
    (B)100個を1回抜取検査する場合
    試料数n=100,合格判定c=4個
    (合格判定不良個数は同じとする)
    のOC曲線を比較しましょう。

    OC曲線は関連記事のプログラムで自動作成できます。

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えます。OC曲線をすぐ描けるようプログラムを用意しました。二項分布、ポアソン分布両方のOC曲線を実際に描いて感触を確かめましょう。

    2回抜取方式

    1回抜取検査も2回抜取検査もほぼ同じOC曲線になりました。
    これが、複数回に分けて抜取検査するメリットにつながります。

    ⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある

    2回抜取検査のうち、ほとんどが1回の検査で終了する

    下図の黒線と赤線は、
    黒線:2回の抜取検査で合格するすべての場合を合算
    赤線:2回の抜取検査のうち、1回で合格する場合だけを合算
    で区別しています。

    2回抜取方式

    赤線と黒線の差が小さいことがわかります。

    つまり、2回抜取検査と言いながら、多くの場合はn=50個の1回抜取検査で終了するのです。
    1回抜取検査n=100個より少ない個数で抜取検査が終えることができます。

    複数の抜取検査は平均検査量が減らせる

    ●2回抜取検査のうち、合格するすべての場合の確率p1
    ●1回で終わる場合の確率をp2(p2 > p1)とします。

    検査量を計算

    2回抜取検査の検査量の期待値を計算します。
    ●2回抜取検査の検査量の期待値=
    1回で終わる場合の検査量の期待値+2回で終わる場合の検査量の期待値
    です。

    つまり、検査量の期待値Iは
    I=p2/p1× n1 + (p1-p2)/p1 × (n1+n2)
    です。

    実際は、n1=50,n1+n2=100, p2/p1=0.8, (p1-p2)/p1=0.2くらいなので、
    I= 0.8×50+ 0.2×100 = 60
    となり、2回抜取検査の計100個より少ない60個くらいの検査で済むことがわかります。

    つまり、検査量が減らせる効果があります。
    でも、その逆に検査を複数回するのが面倒ではあります。

    不良率と検査量の関係

    2回抜取検査(n1=50,n2=50)と1回抜取検査(n=100)における検査量を比較しましょう。

    2回抜取方式

    2回抜取検査はある不良率pでピークを持ちますが、1回抜取検査より検査量が少ないことが分かります。

    多回に検査を分けると、1,2回目の検査で検査の合否がほとんど決まるから、検査量の期待値が少ないわけです。

    まとめ

    抜取検査を2回する場合の二項分布を使った、ロット合格率L(p)の計算、OC曲線の描き方、1回抜取検査と2回抜取検査の比較をして、2回抜取検査の方が検査量が減らせるメリットがあることを解説しました。

    • ①2回抜取方式のロット合格率の計算
    • ②2回抜取方式のロット合格率の公式導出
    • ③2回抜取方式のOC曲線
    • ④1回抜取と2回抜取のOC曲線比較
    • ⑤2回抜取方式は検査量が減らせるメリットがある

  • 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる

    「抜取検査表の不良率やAQLの値はどうやって決まっているの?」、「自分で値を決めたらダメなの?」など疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    標準数で抜取検査表の数値を決めている

    標準数で抜取検査表の数値を決めている

    どこにも書いていない、標準数の活躍を本記事で紹介します。

    抜取検査表の疑問に感じるところ

    規準型抜取検査表のp1⇒0.91,1.13.1.41.1.81,…
    調整型抜取検査表のAQL⇒…,0.1,0.15,0.25,0.40,0.65,1,…
    これらの値はどうやって決まったのか? わかりますか?
    • ①抜取検査表に欠かせない標準数とは
    • ②抜取検査表は標準数でなくてもOK

    ●You tube動画もご覧ください。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①抜取検査表に欠かせない標準数とは

    検査表の数値

    規準型抜取検査表のp1⇒0.91,1.13.1.41.1.81,…
    調整型抜取検査表のAQL⇒…,0.1,0.15,0.25,0.40,0.65,1,…
    これらの値はどうやって決まったのか? わかりますか?

    規準型抜取検査表(黄色枠の数値)

    p1 (%) 0.71 0.91 1.13 1.41 ・・・ 22.5 28.1
    p0 (%) 0.90 1.12 1.40 1.80 ・・・ 28.0 35.5
    0.09 0.112 400 1 ・・・
    0.113 0.14 300 1 ・・・
    0.141 0.180 500 2 250 1 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    9.01 11.2 ・・・ 60 10 30 6

    調整型抜取検査表 (黄色枠の数値)

    AQL
    サンプル 0.01 0.015 0.025 0.04 0.65 ・・・ 650 1000
    文字 サイズ AC Re AC Re AC Re AC Re AC Re ・・・ AC Re AC Re
    A 2 ・・・ 21 22 30 31
    B 3 ・・・ 30 31 44 45
    C 5 ・・・ 44 45
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    Q 1250 0 1 1 2 14 15 ・・・
    R 2000 1 2 2 3 21 22 ・・・

    黄色枠の数字はよくわからないけど、規則性があります。

    ●規則性1
    0.1,0.015,0.025,0.4,0.65
    1,1.5,2.5,4,6.5
    10,15,25,40,65
    100,…
    1.5倍ずつ増えてそうですが、これらの数の関係性は何でしょうか?

    ●規則性2
    2,3,5,8,13,20,32,50,80,125,200,315,500,800,1250,2000
    1.5倍ずつ増えてそうですが、これらの数の関係性は何でしょうか?

    別に2倍ずつでもいいじゃん!
    2,4,8,16,32,64,128,256,512,・・・
    とか思いますよね。

    抜取検査表の数値は標準数(JISZ8601)

    同じJISだからかもしれませんが、標準数が抜取表の数値として使われています。

    知っている人は標準数とすぐに気が付きますが、
    普通は気が付きません。

    標準数って何?

    何乗かして10になる等比数列の公比のこと。いくつか種類があります。

    公比をRとして下表のように挙げます。

    R 2 5 10
    標準数 \(10^{1/2}\)=3.16 \(10^{1/5}\)=1.58 \(10^{1/10}\)=1.25
    1 1 1
    1.26
    1.58 1.58
    1.99
    2.51 2.51
    3.16 3.16
    3.98 3.98
    5.01
    6.31 6.31
    7.94
    10 10 10

    抜取検査表の数値と標準数R5を比較するとぴったり合います。

    規則性1 0.1 0.15 0.25 0.4 0.65 1
    規則性2 2 3 5 8 13 20
    規則性2の数÷2 1 1.5 2.5 4 6.5 10
    標準数R5 1 1.58 2.51 3.98 6.31 10
    抜取検査の数値は標準数が使われていることがはっきりしました。

    ②抜取検査表は標準数でなくてもOK

    抜取検査表の数値は何でもOKです。使いやすいように決めたらよいです。

    抜取検査表を自分で作ろう!

    規準型抜取検査表を作る場合、p1,p2の範囲と個々の区間をどう設定しますか?
    調整型抜取検査表を作る場合、サンプルサイズとAQL(合格品質限界)の範囲と個々の区間をどう設定しますか?

    自由に決めてよいですが、結構難しいですよね!

    抜取検査表の作り方

    考えてわかることは、次の通りです。

    1. 不良率やサンプルサイズは1倍~100倍または1000倍までの範囲を扱う
    2. 個々の区間は等比数列で切った方がよい

    規準型抜取検査のp1,p2はなぜ0.71%,7.1%からスタートしています。自分で考えて、0.1%,1%などのわかりやすい値から表を作っても良いですね。

    実際作ってみましょう。抜取表を自ら描くwebサイトはQCプラネッツだけです。

    ●JISの規準型抜取検査をまず描きます。

    p1 (%) 0.71 0.91 1.13 1.41 ・・・ 22.5 28.1
    p0 (%) 0.90 1.12 1.40 1.80 ・・・ 28.0 35.5
    0.09 0.112 400 1 ・・・
    0.113 0.14 300 1 ・・・
    0.141 0.180 500 2 250 1 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    9.01 11.2 ・・・ 60 10 30 6

    ●次に自分で作った抜取検査表を紹介します。
    OC曲線は下の関連記事のVBAプログラムを入れたらすぐに描けます。

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えます。OC曲線をすぐ描けるようプログラムを用意しました。二項分布、ポアソン分布両方のOC曲線を実際に描いて感触を確かめましょう。

    p1 (%) 0.1 0.15 0.25 0.40 ・・・ 15 25
    p0 (%) 0.14 0.24 0.39 0.64 ・・・ 24 39
    0.01 0.015 2000 1 1500 1 ・・・
    0.015 0.024 1500 2 1000 1 ・・・
    0.025 0.039 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    6.5 9.9 ・・・ 50 6 40 6

    と自分で設計できますね。

    規準型抜取検査表のp1,p2が0.09%,0.71%から始まるのは、抜取表がきれいでわかりやすいように何度も描いて確かめたであろうと実感できます。
    同じ標準数R5を使いましたが、別に他の標準数でも別の公比r(r=2とか)でもOKです。
    自分で抜取表を描くと、理解度が高まります。

    まとめ

    抜取表の区分は標準数で決めている点と、区分は自由に設定してオリジナルな抜取表を作ってもよいことを解説しました。実際に自分で作ると抜取表の理解が高まります。

    • ①抜取検査表に欠かせない標準数とは
    • ②抜取検査表は標準数でなくてもOK

  • 【重要】検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

    【重要】検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

    「試料の不良率p以外にOC曲線のロット合格率L(p)に影響を与える要因はないの?」、など困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

    検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる

    本記事では、試料以外に誤りがある条件を入れた場合を考えます。
    本記事限定です。

    • ①OC曲線を描く前提
    • ②試料以外で誤り条件がある場合の例
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ①OC曲線を描く前提

    試料の不良率p以外の不良は考えないことが多い

    OC曲線は二項分布の式
    L(p)=\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r} \)
    で作ります。
    つまり、
    試料の不良率pのみとわかります。

    ②試料以外で誤り条件がある場合の例

    試料の不良率p以外に、例えば検査の誤判定がある場合はどう考えるのでしょうか?

    検査の誤判定がある場合を考えます。

    検査を誤判定する確率を定義する

    ●良品を誤って、不良品とする確率と
    ●不良品を誤って、良品とする確率を
    考えます。

    ●良品を誤って、不良品とする確率=p1
    ●不良品を誤って、良品とする確率=p2
    検査の誤判定はあまり発生しないので、
    p1=0.005,p2=0.02くらいとします。

    p1,p2は高くても数%以下ですね。そんなに試験で誤判定してはいけませんよね。

    また、以下も確認します。
    ●良品を良品と正しく判定する確率は、 1-p1です。
    ●不良品を不良品と正しく判定する確率は、 1-p2です。

    検査の誤判定がある場合は不良率p’を合成する

    検査で不良品と判定する確率p’

    ●良品を誤って、不良品とする確率=(1-p)p1
    ●不良品を正しく不良品とする確率=p(1-p2)
    の和
    (1-p)p1+ p(1-p2)
    で表現できます。

    良品の試料である確率(1-p)と、誤って不良品と判定する確率p1の積が(1-p)p1。
    不良品の試料である確率pと、正しく不良品と判定する確率(1-p2)の積がp(1-p2)。

    不良率pを合成

    p⇒p’=(1-p)p1+ p(1-p2)
    に合成すればよいです。

    検査の誤判定がある場合の不良率pを計算する

    ①p=0.03,p1=0.005,p2=0.02(p1 ②p=0.03,p1=0.02,p2=0.005(p1>p2)の場合の
    合成不良率p’を計算します。

    ①p’=(1-p)p1+ p(1-p2)=(1-0.03)0.005+0.03(1-0.02)
    =0.97×0.005+0.03×0.98
    =0.03425

    ②p’=(1-p)p1+ p(1-p2)=(1-0.03)0.02+0.03(1-0.005)
    =0.97×0.02+0.03×0.995
    =0.04925

    p1,p2の大小によって合成不良率p’の値が大きく変わりのがわかります。

    合成した不良率p’でOC曲線を見る

    ①元のp=0.03から p’=0.03425と増加する(p < p’)。
    ②元のp=0.03から p’=0.04925とと増加する(p < p’)。

    合成不良率のよって増加した分、
    ロットの合格確率L(p)は低下する

    抜取検査

    図を見れば、ロットの合格率が低下しているのがわかります。
    OC曲線はジェットコースターのように、ロットの合格率が低下するので、わずかな不良率pの増加でも注意が必要です。

    検査の誤判定による影響を小さくするために

    ●良品を誤って、不良品とする確率=p1
    ●不良品を誤って、良品とする確率=p2
    のうち、p1を小さくすることが重要

    試料以外の不良を考える際は、モデル式から、試料以外の不良による影響を最小化する方法を考えることが重要です。

    1-p ≫ p より
    (p=0.03とすると 1-0.03=0.97 ≫ 0.03)

    p’=(1-p)p1+ p(1-p2)
    =(1-p){p1+\(\frac{p}{1-p}\)}(1-p2)
    第2項を無視すると
    p’=(1-p)p1
    となり、p2よりp1を小さくする方法を考える方がよいとわかります。

    ●良品を誤って、不良品とする確率=p1
    を小さくする!

    試料以外の不良を考える際は、モデル式から、試料以外の不良による影響を最小化する方法を考えることが重要です。

    試料以外の不良を考える場合は、①不良率を合成します。
    ②OC曲線でロット不良率低下の影響を見ます。
    ③試料以外の不良による影響を最小化することを考えます。

    まとめ

    試料以外の誤りがある場合の不良率やOC曲線への影響を解説しました。抜取検査やOC曲線を使った応用問題として理解してください。

    • ①OC曲線を描く前提
    • ②試料以外で誤り条件がある場合の例

  • OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう

    「OC曲線を作り方がわからない」、「二項分布、ポアソン分布のOC曲線が描けない」など困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    抜取検査の理論はすべてOC曲線で考えるため、OC曲線がすぐ描ける環境が必須です。

    本記事ではExcel VBAを使ってOC曲線を描き、抜取検査の理論を追究できる準備をします。

    • ➀OC曲線を描こう
    • ②OC曲線の特徴

    ●You tube動画でも解説しています。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ➀OC曲線を描こう

    二項分布のOC曲線をExcelで描く

    下図のように,Excelファイル(.xlsm)を用意し、
    ①シート”二項”に
    ②データ間隔[%]と③(n,c)の値を入れてください。
    ④VBAで④のように自動計算します。

    ロット合格率L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    Excelではx=pとして計算します。

    OC曲線

    VBAプログラム例

    1. Sub oc1()
    2.
    3. Dim nn(1 To 100) As Variant, cc(1 To 10000) As Variant
    4. Dim tt(1 To 10000) As Double, ta(1 To 10000) As Double
    5. Dim SH As String, ab As Double
    6. Dim ncol As Long, nrow As Long
    7.
    8. SH = “二項” ‘計算シート
    9. ncol = Worksheets(SH).Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column – 5
    10. ‘最大列数
    11.
    12. ab = Worksheets(SH).Cells(2, 1) ‘間隔%から計算行数を計算
    13.
    14. nrow = Int(100 / ab) + 1 ‘間隔%から計算行数を計算
    15.
    16. ‘初期化
    17. Range(Worksheets(SH).Cells(3, 6), Worksheets(SH).Cells(10000, 100)).ClearContents
    18. Range(Worksheets(SH).Cells(6, 5), Worksheets(SH).Cells(10000, 100)).ClearContents
    19.
    20. Worksheets(SH).Cells(6, 5) = 0.001 ‘x=0の近い数を代入
    21.
    22. For i1 = 1 To ncol
    23. Worksheets(SH).Cells(5, 5 + i1) = _
    24. ( & Worksheets(SH).Cells(1, 5 + i1) & “,” & Worksheets(SH).Cells(2, 5 + i1) & “)”
    25. nn(i1) = Worksheets(SH).Cells(1, 5 + i1) ‘N
    26. cc(i1) = Worksheets(SH).Cells(2, 5 + i1) ‘c
    27. Next i1
    28.
    29. For i1 = 1 To nrow ‘計算行数を算出
    30. If i1 > 1 Then
    31. ta(i1) = ta(i1 – 1) + ab
    32. tt(i1) = ta(i1) / 100
    33. Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5) = ta(i1)
    34. End If
    35. Next i1
    36.
    37. For i1 = 1 To nrow
    38. For j1 = 1 To ncol
    39. For k1 = 0 To cc(j1)
    40. Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5 + j1) = Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5 + j1) + _
    41. WorksheetFunction.Combin(nn(j1), k1) * tt(i1) ^ k1 * (1 – tt(i1)) ^ (nn(j1) – k1)
    42. ‘二項分布の式からOC曲線を作る
    43. Next k1
    44. Next j1
    45. Next i1
    46.
    47. End Sub

    ポアソン分布のOC曲線をExcelで描く

    下図のように,Excelファイル(.xlsm)を用意し、
    ①シート”二項”に
    ②データ間隔[%]と③(n,c)の値を入れてください。
    ④VBAで④のように自動計算します。

    ロット合格率L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)
    Excelではx=pとして計算します。ポアソン分布はnpを代入する点に注意します。

    OC曲線

    VBAプログラム例

    1. Sub oc2()
    2.
    3. Dim nn(1 To 100) As Variant, cc(1 To 10000) As Variant
    4. Dim tt(1 To 10000) As Double, ta(1 To 10000) As Double
    5. Dim SH As String, ab As Double
    6. Dim ncol As Long, nrow As Long
    7.
    8. SH = “ポアソン”
    9. ncol = Worksheets(SH).Cells(1, Columns.Count).End(xlToLeft).Column – 5
    10. ‘最大列数
    11.
    12. ab = Worksheets(SH).Cells(2, 1) ‘間隔%から計算行数を計算
    13.
    14. nrow = Int(100 / ab) + 1 ‘間隔%から計算行数を計算
    15.
    16. ‘初期化
    17. Range(Worksheets(SH).Cells(3, 6), Worksheets(SH).Cells(10000, 100)).ClearContents
    18. Range(Worksheets(SH).Cells(6, 5), Worksheets(SH).Cells(10000, 100)).ClearContents
    19.
    20. Worksheets(SH).Cells(6, 5) = 0 ‘x=0を代入
    21.
    22. For i1 = 1 To ncol
    23. Worksheets(SH).Cells(5, 5 + i1) = _
    24. ( & Worksheets(SH).Cells(1, 5 + i1) & “,” & Worksheets(SH).Cells(2, 5 + i1) & “)”
    25. nn(i1) = Worksheets(SH).Cells(1, 5 + i1) ‘N
    26. cc(i1) = Worksheets(SH).Cells(2, 5 + i1) ‘c
    27. Next i1
    28.
    29. For i1 = 1 To nrow ‘計算行数を算出
    30. If i1 > 1 Then
    31. ta(i1) = ta(i1 – 1) + ab
    32. tt(i1) = ta(i1) / 100
    33. Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5) = ta(i1)
    34. End If
    35. Next i1
    36.
    37. Dim ramda As Double, fact As Double
    38.
    39. For i1 = 1 To nrow
    40. For j1 = 1 To ncol
    41. ‘λ=Nx/100で導出
    42. ramda = _
    43. Worksheets(SH).Cells(1, 5 + j1) * Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5) / 100
    44. fact = 1
    45. For k1 = 0 To cc(j1)
    46. If k1 > 1 Then
    47. fact = fact * k1 ‘階乗!を計算
    48. End If
    49. Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5 + j1) = _
    50. Worksheets(SH).Cells(i1 + 5, 5 + j1) + Exp(-ramda) * ramda ^ k1 / fact
    51. ‘ポアソン分布からOC曲線を導出
    52. Next k1
    53. Next j1
    54. Next i1
    55.
    56. End Sub

    OC曲線の特徴を理解する

    次の変数を変えたらOC曲線はどう変化しますか?

    (1)cを変える
    (2)nを変える

    グラフを描いて理解する

    上記のExcelシートで解析しましょう。,

    二項分布で次の値を入れます。
    (n,c)=(100,10),(100,30),(300,30)

    OC曲線

    いろいろな値で試してください。

    数式で理解する

    グラフの変化を見て、なぜそうなるのか?を考えます。

    (1)cを変える
    (2)nを変える

    ●二項分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

    (1)cを変えるは、\(\sum_{r=0}^{c}\)のcを変えるで、
    Cが増えると加算が増えます。L(p)は増加します。

    ここから、

    (2)nを変えるは、\((1-p)^{n-r}\)のnを変えるで、
    nが増えると\((1-p)^{n-r}\)と\(exp(-np) (np)^r\)は下がります。L(p)は低下します。

    数式でもL(P)の変化が追えるようになりましょう。

    QC検定®でも重要なポイントです。

    抜取検査の演習問題【QC検定®2級対策】
    QC検定®2級で必ず出題される抜取検査の演習問題とその解法を解説します。サンプリング、OC曲線、調整型抜取表の見方を5以内に解けるための流れとテクニックについて解説します。QC検定®級合格したい方は必見です。さっと解けるか?チェックしてください。

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    まとめ

    OC曲線を自分で作りましょう。抜取検査の理論をマスターするために必要です。

    • ➀OC曲線を描こう
    • ②OC曲線の特徴

  • OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする

    OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする

    「OC曲線を作る確率分布がわからない」、「超幾何分布、二項分布、ポアソン分布の違いがわからない」など確率分布への苦手意識がありませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    超幾何分布、二項分布、ポアソン分布は数式が全く違うが、値はほぼ同じです。二項分布、ポアソン分布を使って、不良率と不良数についてのOC曲線が描けます。

    ポアソン分布を使ったOC曲線はあまり試験等に出ませんが、QCプラネッツではどんどん紹介します。

    • ➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる
    • ②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く
    • ③OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる

    超幾何分布と二項分布を理解する

    高校数学の確率がわかればOK!

    二項分布と似ていますが、次の点で区別します。

    二項分布:母集団のデータ数Nが無限、計算式がシンプル
    超幾何分布:母集団のデータ数Nが有限、計算式が複雑

    超幾何分布は、二項分布より手間がかかり、面倒ですが、母集団のデータ数を考慮したい場合使います。

    超幾何分布と二項分布

    確率の問題を使って超幾何分布と二項分布を比較します。

    母集団データ数N、不良率p(%)、抜き取り数n、抜き取ったn個から不良がr個ある確率を求めよ。

    超幾何分布: \(\frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)

    二項分布: \( _n C_r p^r (1-p)^{n-r}\)

    全体N個、不良総数はNp個なので、n個を抜き取る場合、
    ●良品は、全体(N-Np)個から(n-r)個抜き取られ、
    ●不良品は、全体Np個からr個抜き取られます。
    これを確率の式に入れればOKです。高校数学のレベルです。

    超幾何分布はN,p,n,rの変数で確率を表現しましたが、
    二項分布はp,n,rです。Nはありません。
    Nが十分大きい場合、超幾何分布と二項分布は同じとみなせます。

    ポアソン分布と二項分布を理解する

    ポアソン分布は式が難解すぎる

    ポアソン分布は二項分布と似ていますが、次の点で区別します。

    二項分布:不良率のような確率で表現したい場合
    ポアソン分布:不良個数のような個数や数で表現したい場合

    ポアソン分布は難しいので、関連記事にわかりやすく解説しています。

    ●ポアソン分布の式の覚え方
    ●ポアソン分布の式の導出
    ●ポアソン分布と二項分布の関係

    【簡単】わかりやすくできるポアソン分布【初心者向け】
    ポアソン分布の式がわからない・覚えられない、どんな場合に活用するかわからない、と苦手意識はありませんか?本記事では、ポアソン分布の関数の導出、正規分布近似、活用方法をわかりやすく解説します。ポアソン分布が全く理解できない方は必見です。

    本記事では、二項分布とポアソン分布はnが大だと同じになるので、OC曲線が両方の分布で描けることを解説します。

    ②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く

    OC曲線を描く準備をします。1つ確率の問題を出します。

    母集団データ数100(個)、不良率10(%)、抜き取り数10(個)、抜き取った10(個)から不良が2個以下である確率を求めよ。

    式を作ります。
    ●超幾何分布:\(\sum_{r=0}^{2} \frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)=
    \(\sum_{r=0}^{2} \frac{ {}_{10} C_{r}\ {}_{90} C_{10-r}}{ {}_{100} C_{10}}\)
    ●二項分布:\(\sum_{r=0}^{2} {}_{10} C_r 0.1^r 0.9^{10-r}\)
    ●ポアソン分布:\(\sum_{r=0}^{2} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)=\(\sum_{r=0}^{2} exp(-1) \frac{(1)^r}{r!}\)

    ポアソン分布の式にnp=10×10%=1となるtがところが難しいですね。

    計算すると、
    ●超幾何分布: 0.9399
    ●二項分布:0.9281
    ●ポアソン分布 0.9197
    とほぼ等しい結果になります。

    数値が等しくなるので、OC曲線を作ることができます。

    OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布

    先の例題は不良率p=10%の1点についてだけ計算しました。pとロット合格確率L(p)の関係を調べましょう。

    一般化して式を作ります。
    ●超幾何分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} \frac{ {}_{Np} C_{r}\ {}_{N-Np} C_{n-r}}{ {}_N C_n}\)
    ●二項分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_{n} C_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布:L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

    OC曲線を描きます。

    OC曲線

    抜取個数、許容不良数が同じの場合は、超幾何分布、二項分布、ポアソン分布
    からできるOC曲線はほぼ同一です。

    多くの教科書は、代表して二項分布から作るOC曲線を取り上げますが、
    QCプラネッツは二項分布、ポアソン分布から作るOC曲線を取り上げます。

    二項分布:不良率のような確率で表現したい場合
    ポアソン分布:不良個数のような個数や数で表現したい場合

    不良率、不良個数が検査合否規準に重要なパラメータであるからです。

    超幾何分布は名前も、数式も難しいですが、二項分布にほぼ近似してよいでしょう。OC曲線からも明らかです。

    まとめ

    OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布について解説しました。OC曲線を構成する式の導出、式の意味を理解することが重要です。

    • ➀超幾何分布、二項分布、ポアソン分布がわかる
    • ②超幾何分布、二項分布、ポアソン分布で確率問題を解く
    • ③OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布

  • 【まとめ】実験計画法を究める演習問題集を販売します

    【まとめ】実験計画法を究める演習問題集を販売します

    本記事のテーマ

    実験計画法を究める演習問題集を販売します
    • ①演習問題集でマスターしてほしいポイント
    • ②実験計画法とは何か?のまとめ
    • ③演習問題を公開します
    • 【問題集ご購入方法】

    結論

    過去、現在の良書をすべて研究し、1つの軸で実験計画法をすべて解ける方法を本問題集にまとめました!
    1. ①実験計画法が苦手な人も大丈夫!
    2. ②実験計画法はデータの構造式ですべてわかる!
    3. ③1つのテクニックで実験計画法の全手法がわかる!
    4. ④実験計画法から何がわかるのかが、すべてわかる!
    5. ⑤もちろんQCプラネッツのブログ解説も見てね!
    日本中の実験計画法の本をすべて研究に悶絶したぜ!
    悶絶するのはQCプラネッツだけでいい。
    あなたは本問題集を解けば、実験計画法をすべて手に入る!

    ①演習問題集でマスターしてほしいポイント

    教科書、参考書の問題点

    いろいろな教科書や解説がありますが、どうもマスターした感じになりませんよね。その理由は

    1. 各手法をばらばらにそれぞれ人が独自の解法を解説しているから、つながらない。
    2. 本質がわからないから試験で要求される公式を丸暗記してしまう。
    3. 本質をおさえていないから、暗記したことがすぐ忘れてしまう。

    つまり、

    • 平方和の計算⇒分散分析⇒F検定ばかりの実験計画法と認識しがち。
    • 資格試験がそうだから、実験計画法の本質に気が付かない。
    • 実務でそれほど使わないから、すぐ忘れる。
    • だから結局実験計画法って何かがわからない。

    下表にまとめます。

    データの
    構造式
    平方和
    の導出
    分散分析 点推定 区間推定
    一元配置実験
    二元配置実験
    三元配置実験
    乱塊法
    分割法
    直交表
    多水準法
    擬水準法
    直交表+分割法
    枝分かれ実験
    ・・・

    表からわかることは、横方向だけしか見ておらず、縦方向(各手法間の関係)を全く見ていません。実験計画法を頭の中で整理したり、まとめりすることができなくしています。

    QCプラネッツの考え方

    QCプラネッツの考え方

    手法によらず、1つの考え方・解き方で実験計画法をマスターできるようにまとめる。
    こういう参考書や問題集があるべき!

    はっきり言おう!実験計画法とは、

    1. データの構造式から入る
    2. 試験問題にしやすい、平方和、分散分析が本質ではない!
    3. 誰も計算・勉強しない、試験でも出ない分散の期待値E[V]が実験計画法の本質!
    4. データの構造式とE[V]が計画によってどう変化するかを評価するのが実験計画法

    だから、

    誰も計算しない分散の期待値E[V]をめっちゃ演習します!
    当然、数式だらけとなります。
    分散の期待値E[V]が各手法でどのように変化するかを理解すれば実験計画法はマスターしたのも同然です!

    下表にまとめます。

    データの
    構造式
    平方和
    の導出
    分散分析 点推定 区間推定
    一元配置実験
    二元配置実験
    三元配置実験
    乱塊法
    分割法
    直交表
    多水準法
    擬水準法
    直交表+分割法
    枝分かれ実験
    ・・・

    各手法間の関係や1つの手法で必要な解法の縦横の関係がしっかり理解できます。これが実験計画法で手に入れてほしいとところ!

    ②実験計画法とは何か?のまとめ

    上表でQCプラネッツのまとめ方を紹介しました。実験計画法の勉強方法をまとめます。

    1. 実験計画法とは、調べたい効果がデータの影響を与えているかを調べるもの
    2. 実験計画法の中心は、データの構造式であること
    3. さまざまな手法は、データの構造式の一部の項が変化したに過ぎない
    4. 自由度、分散分析、分散の期待値E[V]、区間推定、有効繰返し数はすべてデータの構造式から導出できる

    この考えで、ブログも演習問題集も作成しています。

    日本中の実験計画法の教科書・参考書を読破して達した結論です。
    データサイエンスの時代に実験計画法は古臭いですが、実験計画法の理論や本質はしっかりおさえておく必要があります。
    本質がわかるから、皆が困る問題も作ることができ、それも本問題集に数問入れています。

    ③演習問題を公開します

    47題、全110ページ!
    少ない?
    大学の問題1題は解くのに数時間かかるので、十分なボリュームです!
    本当は100題にしたかったのですが、内容を凝縮して50問程度にまとめました。
    【1】帰無仮説と対立仮説について
     次の実験計画法における帰無仮説と対立仮説を明示せよ。
    3因子(A(α),B(β),C(γ))からなる三元配置実験で、データ構造式を、
    \(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{ik}\)+\(ε_{ijk}\)
    で定義した場合。
    3因子(A(α),B(β),C(γ))からなり、因子Cは反復を意味する変量因子とし、因子A,Cを一次単位、因子Bを二次単位とする3因子,2分割の分割法を用いた場合で、データの構造式を、
    \(x_{ijk}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+ (αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)
    で定義した場合。

    実験計画法で手薄になりがちな検定の仮説をきちっとおさえましょう。

    【2】多元配置実験と直交表とラテン方格法の比較
    3因子A,B,Cで計27回の実験を行った。以下の方法で分散分析せよ。
    27回のデータを使って三元配置実験として分散分析する場合。
    直交表L27(313)を使った場合。
    ラテン方格法を使い、9回の実験を実施する場合。

    それぞれの手法による結果の違いを確認します。なお、(1)(2)は同じ結果になるとすぐに気づいてほしいです。

    【3】データの構造式の立式
     次の実験計画におけるデータの構造式を立てよ。
    (1)4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))を使って実験計画を立てる。2水準系直交表L16にすべての主効果、交互作用、残差eを割当てた場合。
    (2) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Dを反復因子(変量因子)とし、分割法を適用する。一次単位は因子AとD、二次単位は因子B、三次単位は因子Cとする。変量因子との交互作用だけ個々の単位の残差にプーリングする。
    (3) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Dを反復因子(変量因子)とし、2方分割法を適用する。
    一次単位に因子A,Bを割り当てるが、それぞれ2方に分ける。交互作用A×Bは二次単位、因子Cは二次単位とする。

    4因子はなかなかボリュームがありますが、本演習問題ではすらすら書けるようになります。(1)(2)(3)において、データ構造式のどの項が変わるのかを意識して比較しましょう。

    【4】直交表の割当数はデータの構造式から導出する
    2水準3元配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は7であることを確認せよ。
    3水準4元配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は40であることを確認せよ。
    r水準n配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は
    \(\frac{r^n-1}{r-1}\)であることを確認せよ。

    直交表の割当列が数式で決まっていることがわかるのは、QCプラネッツだけです。しかも、数学的に証明できます。

    【5】自由度の導出
     以下のそれぞれのデータの構造式において残差eの自由度を求めよ。ただし、因子A,B,C,Dの自由度はそれぞれa,b,c,dとする。
    分割法を適用した次のデータの構造式における各残差の自由度(γ反復因子とし、乱塊法を適用)
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)
    四元配置実験で主効果、交互作用をプーリングしない場合の各項の自由度。
    分割法を適用した次のデータの構造式における各残差の自由度(γ反復因子とし、乱塊法を適用)
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)+\(δ_l+(αδ)_{il}+ε_{(3)ijkl}\)

    データの構造式から、どんな効果、残差でも自由度は1つの方法で導出できます。

    【6】四元配置実験 平方和の分解
    四元配置実験おいて、平方和の分解をせよ。

    問題文は2行ですが、平均、A,B,C,D,AB,…,BCD,eの各ijkl成分の値を導出します。教科書は二元配置実験までですが、QCプラネッツは四元配置実験まで攻めます!

    【7】文章からデータ構造式と分散分析表を作成
    次の実験に対応するデータの構造式と分散分析表を作れ。分散分析表の列は因子、自由度、分散の期待値とする。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、a×b=abのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実施する実験。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準、繰返し数cとして、a×b×c=abcのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実施する実験。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、a×b=abのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実験を実施し、各実験において測定をc回繰り返す。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、1日目はa×b=abの水準の組み合わせすべてに繰返しのない二元配置実験を行い、c日間繰返し、c日目も1日目と同じ二元配置実験を行う。
    【8】分散の期待値の導出
    (1) データ構造式\(x_{ij}=μ+α_i+β_j+ε_{ij}\)にて、E[Se]=\((a-1)(b-1)σ_e^2\)を導出せよ。
    (2) データ構造式\(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+γj\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}+ε_{ijk}\)にて、E[Se]=\((a-1)(b-1)(c-1)σ_e^2\)を導出せよ。

    残差の平方和・分散の期待値が端折らず導出過程を解説しています。

    【9】多元配置実験、乱塊法、分割法、2方分割法の比較
    4因子A(a水準),B(b水準,)C(c水準),D(d水準)において、以下のそれぞれの実験を実施する。
    各々のデータ構造式と分散分析表を作成せよ。分散分析表には効果、自由度、分散の期待値とする。分散の期待値を導出せよ。(【3】と同じ問いとする)
    (1)4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))を使って実験計画を立てる。2水準系直交表L16にすべての主効果、交互作用、残差eを割当てた場合。
    (2) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Cを反復因子(変量因子)とし、分割法を適用する。一次単位は因子CとA、二次単位は因子B、三次単位は因子Cとする。変量因子との交互作用だけ個々の単位の残差にプーリングする。
    (3) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Cを反復因子(変量因子)とし、2方分割法を適用する。一次単位に因子A,Bを割り当てるが、それぞれ2方に分ける。交互作用A×Bは二次単位、因子Dは二次単位とする。

    すべての効果の分散の期待値を導出します。導出過程と(1)(2)(3)の違いを比較します。ここまで来たら、データの構造式を書いただけで、分散分析、分散の期待値、区間推定が1つの解法ですべての実験で解けるようになります。

    【10】2方分割法(4因子)の区間推定
    以下の分割法のデータ構造式を定義する。因子A,B,C,Dそれぞれの自由度をa,b,c,dとする。因子Cは反復因子ととし、乱塊法を適用する。
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1A)ik}\)+\(β_j+ε_{(1B)_jk}+ε_{(2)ijk}\)+\(δ_l+(αδ)_{il}+ε_{(3)ijkl}\)
    分散分析表を作れ。分散分析表の列は、効果、自由度、E[V]とする。
    次の組み合わせ値において、100(1-α)%における区間推定を①,②それぞれについて導出せよ。
    (i) μ(AiBj)
    (ii) μ(AiBjDl)

    2方分割法の分散分析、分散の期待値、区間推定を演習するのはこの演習問題集だけでしょう。サタースウェイトの等価自由度もどんどん使って計算します。

    本質を突いた問ばかり!
    初めてみると難問ばかり。
    でも本問題集で本質がわかれば 上の問題は「実験計画法を理解しているか」を問うものばかり!
    是非勉強しましょう!

    全問の概要を紹介します。

    No 内容 ページ 本記事
    1 1 実験計画法の基本 1 帰無仮説と対立仮説について 4 【1】
    2 2 直交性の確認 5
    3 3 多元配置実験と直交表とラテン方格法の比較 7 【2】
    4 2 データの構造式 1 データの構造式について 9
    5 2 データの構造式の立式1(3因子) 10
    6 3 データの構造式の立式2(4因子) 11 【3】
    7 4 直交表の割当数はデータの構造式から導出する 12 【4】
    8 3 平方和の分解 1 自由度とは? 13
    9 2 自由度の導出1(2,3因子) 14
    10 3 自由度の導出2(3,4因子、乱塊法、分割法) 15 【5】
    11 4 平方和の分解 1 平方和の分解 中間項の和=0 の確認 16
    12 2 三元配置実験(繰返し有) 平方和の分解 17
    13 3 四元配置実験(繰返し有) 平方和の分解 22 【6】
    14 5 分散分析と分散
    の期待値の導出
    1 同データにおける多元配置実験と分割法+乱塊法の分散分析の違い 30
    15 2 文章からデータ構造式と分散分析表を作成 31 【7】
    16 3 平方和の分解は2 パターンある 40
    17 4 残差の分散期待値の導出 42 【8】
    18 5 多元配置実験、分割法、枝分かれ実験の比較 44
    19 6 多元配置実験、乱塊法、分割法、2 方分割法の比較 46 【9】
    20 7 四元配置実験(繰返し有)で分散分析表を比較 65
    21 8 多元配置実験と多水準法の比較 66
    22 9 多元配置実験と擬水準法の比較 67
    23 10 枝分かれ実験の分散の期待値の導出(直列型、並列型) 69
    24 11 プーリングしても残差e の分散の期待値は不変 73
    25 6 区間推定 1 二元配置実験の区間推定(処理間差) 74
    26 2 三元配置実験の区間推定 75
    27 3 四元配置実験の区間推定 76
    28 4 分割法+乱塊法(3 因子)の区間推定 78
    29 5 分割法+乱塊法(4 因子)の区間推定 80
    30 6 2 方分割法(4 因子)の区間推定 82 【10】
    31 7 直交表の多因子割当ての区間推定 85
    32 8 多水準法の区間推定 86
    33 9 直交表の区間推定 87
    34 10 擬水準法の区間推定 89
    35 11 分割表(直交表)の区間推定 90
    36 7 直交表の特徴 1 直交表L4は8 種類ある 92
    37 2 3 種類の直交表L9から分散分析 93
    38 3 直交表の割当列数はデータの構造式で決まる 94
    39 4 直交表L27の分散分析 95
    40 5 多元配置実験と直交表の分散分析 97
    41 6 平方和の導出の証明問題(2水準、3水準の主効果と交互作用) 98
    42 7 データの構造式から直交表を作成 103
    43 8 直交表と線点図の作成 105
    44 9 直交表の拡張 106
    45 10 直交表の繰返し実験と乱塊法の比較 107
    46 8 その他 1 繰返し数の異なる一元配置実験と欠測値の補完方法 109
    47 2 三元配置実験ですべての効果が有意になるデータを作る 110
    章立てに、乱塊法などの手法名がありません。データの構造式から入る構成にしております。QCプラネッツの構成の考え方が演習問題の章構成につなげています。

    ④【問題集ご購入方法】

    ●本ブログと
    ●メルカリと
    ●noteで
    販売しております。

    演習問題集

    本ブログからのご購入

    ご購入いただけます。ご購入後、QCプラネッツからアクセスサイト先(アクセスのみ可)をご案内いたします。データの拡散を防ぐため、ダウンロードと印刷は不可とさせていただきます。

    ご購入後、QCプラネッツからアクセス先を連絡申し上げます。

    2500円/1冊とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

    メルカリのご購入

    メルカリで「QCプラネッツ」と検索ください。よろしくお願いいたします。

    まとめ

    実験計画法の演習問題集を販売しますご購入よろしくお願いいたします。。

    • ①演習問題集でマスターしてほしいポイント
    • ②実験計画法とは何か?のまとめ
    • ③演習問題を公開します
    • 【問題集ご購入方法】
  • 抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    「抜取検査は何をベースに考えたらよいのか、わからず、丸暗記になってしまう。」「OC曲線はどうやって描けばいいの?」

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    • ➀OC曲線の式の二項分布を理解する
    • ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ
    • ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める

    抜取検査の記事はすべてOC曲線をベースに説明しています。OC曲線の構成式と曲線について本記事でしっかり理解しましょう。

    ●You tubeの解説動画もご覧ください。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ➀OC曲線の式の二項分布を理解する

    二項分布を理解する

    高校数学の確率がわかればOK!

    不良率pの製品がある。製品をn個取り出したとき、不良個数がr個ある確率はいくらか?

    組み合わせの問題です。
    不良品はr個で、不良率はp
    良品はn-r個で、良品率は(1-p)
    n個のうちどのr個が不良なのか、組み合わせは nCr通り
    です。

    確率は
    nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\)
    ですね。

    これは、高校数学の確率の問題です。公式ではなく、理解して立式しましょう。

    二項分布の式からOC曲線を作る

    再度、確率の問題を出します。

    不良率pの製品がある。製品をn個取り出したとき、不良個数が1個以下である確率はいくらか?

    不良個数が0個と1個の場合があります。加算します。
    nC0\(p^0 (1-p)^{n-0}\)+nC1\(p^1 (1-p)^{n-1}\)

    不良個数が1個以下でなく、もっとたくさんあった場合、例えば3個以下なら
    (0個の場合の確率)+(1個の場合の確率)+ (2個の場合の確率)+ (3個の場合の確率)
    の和を計算します。

    確率の和はOC曲線の(n,c)のcの変化に関係するので重要です。

    OC曲線を作ってみよう!

    確率の式 nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\) からn=5,r=0,p=0~0.1(10%)について計算してみましょう。

    P y
    0 1
    0.02 0.904
    0.04 0.815
    0.06 0.734
    0.08 0.659
    0.1 0.590

    これをグラフにしたものがOC曲線です。

    ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ

    グラフ例を下図に描きます。

    OC曲線

    OC曲線の横軸と縦軸を理解する

    OC曲線の縦軸が何か?すぐわかるか?

    横軸は不良率pとすぐわかるはずです。しかし、縦軸は何か?わかりますか?慣れないと、すぐに忘れてしまいます。でも暗記せずに、式から理解しましょう。

    確率の式に戻ります。二項分布(高校数学)⇒OC曲線と考えることが基本です。
    nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\)
    nC0\(p^0 (1-p)^{n-0}\)+nC1\(p^1 (1-p)^{n-1}\)
    ですね。不良個数についての確率と、不良個数以下の確率の総和を計算しています。

    抜取検査では、ある不良個数の上限で検査の合否を決めます。

    不良個数以下についての確率の総和を、検査の合格率としてOC曲線の縦軸に描いている。

    となります。

    OC曲線でチェックする4つのパラメータ

    重要な4つのパラメータ

    下図と見ながら説明します。

    OC曲線

    α 第1種の誤り,生産者危険,あわて者の誤り
    β 第2種の誤り,消費者危険,ぶんやりものの誤り
    P0 合格率が1-αとなる確率
    P1 合格率がβとなる確率

    αは、良品なのに、不良品と判定する誤りで、
    βは不良品なのに、良品と判定する誤りですね。
    どちらも避けたいものです。

    OC曲線にとって、第1種の誤りα、第2種の誤りβがどのように関わるかを次で解説します。

    ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める

    サンプル数、合否判定基準の決め方

    サンプル数nと合否判定基準の不良個数cを第1種の誤りαと第2種の誤りβから決める。

    サンプル数、合否判定基準の決め方

    1. 第1種の誤りα、第2種の誤りβの値を決める(α=0.05,β=0.10が多い)
    2. 第1種の誤りα、第2種の誤りβとなる不良率p0,P1を決める(検査ごとに異なる)
    3. 2点(p0,1-α), (p1,β) を通るOC曲線を作り(n,c)を決定する

    下図にまとめます。

    OC曲線

    サンプル数nと合否判定基準の不良個数を決める条件は、第1種の誤り、第2種の誤りを決めて、そこを通るOC曲線であることです。

    なお、OC曲線は1つではなく複数できるはずです。その場合は、検査対象に合わせて(n,c)を決めればよいです。

    教科書・JIS規格と本記事の違い

    (i)教科書・JIS規格
    OC曲線(n,c)を決める⇒第1種の誤りα、第2種の誤りβを決める⇒両者の条件が合うまで値を調べる
    (ii)本記事(QCプラネッツ)
    第1種の誤りα、第2種の誤りβを決める⇒OC曲線(n,c)を決める⇒両者の条件が合うものを選ぶ

    とα、βとn,cの決め方が教科書・JIS規格と本記事では逆です。
    それは導出の目的が異なるからです。

    (i)教科書・JIS規格は
    わかりやすく数値を選ばせることですが、
    (ii)本記事(QCプラネッツ)は
    数値がそうなる理由を考え、理解すること

    教科書やJIS規格に基づいて、抜取検査の基礎を習得すると、簡単に使いこなせます。しかし、実務で抜取検査するようになると、理由や背景を説明できる必要があります。説明力を習得するためには、理論を自分で考え抜くことが必要です。

    QCプラネッツは、抜取検査を自力で考え、設計・計画できるよう、解説していきます。

    まとめ

    抜取検査のベースであるOC曲線について解説しました。OC曲線を構成する式の導出、式の意味を理解することが重要です。

    • ➀OC曲線の式の二項分布を理解する
    • ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ
    • ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める

  • 全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    全数検査と抜取検査の違いは何? 検査は無検査、全数検査と抜取検査の3つがあるけど、どう違うの?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    • ➀全数検査と抜取検査と無検査
    • ②無検査と全数検査の違い
    • ③抜取検査と全数検査の違い
    • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

    さっそく見ていきましょう。

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    今回、【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売します! 内容は、①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題を演習できる問題集です。しっかり勉強しましょう。

    ●You tube動画も確認ください。

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかるについては、次の教科書などで解説しています。だたし、古く絶版なので、簡単に入手できないものです。なので、QCプラネッツのブログ記事で解説をします。

    ⑤新編抜取検査 (品質管理講座)【絶版】

    【まとめ】抜取検査の本を紹介します
    抜取検査の良書を紹介します。

    抜取検査の良書ほど、絶版しています。頑張って入手しても、現代の我々のニーズに合わないものも多々あるため、
    過去の良書に負けない、我々のニーズに合うものを作るためにQCプラネッツで記事を量産しています。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ➀全数検査と抜取検査と無検査

    抜取検査、全数検査、無検査の3種類は考えたらわかる

    いきなり抜取検査から入らないこと!

    教科書では、単元が「抜取検査」なので、抜取検査が前提で勉強しがちです。しかし、検査にはいろいろ種類があり、目的別によって使い分けます。検査の選び方を覚えるのではなく、理解しましょう。

    一部を抜き取る、「抜取検査」があれば、
    すべて見る、「全数検査」と
    全く見ない、「無検査」がある。

    と、抜取検査、全数検査、無検査の3種類があると考えればわかります。

    もちろん、無検査、抜取検査の方が手間は少なく、低コストですが、
    出荷後の品質トラブルリスクを下げたければ、全数検査にすべきです。

    抜取検査、全数検査、無検査の3種類の使い分け方

    どんな場合に、抜取検査、全数検査、無検査でよいかを考えましょう。試験に出るからといって、事例を暗記せず、考えて答えられるようにしましょう。

    無検査でいい場合

    実績がある量産品
    いちいち調べなくても信頼があり大丈夫という品質レベル

    抜取検査でいいor必要な場合

    実績がある量産品で、抜取で良い場合
    破壊検査の場合(全数検査にすると製品が全部破壊されるため)

    全数検査が必要な場合

    要求品質が高い場合
    高品質の実績が無い・少ない場合
    品質トラブルや不正をおかした場合

    検査の違いをさらに、不良率とコストの観点で比較してみます。

    ②無検査と全数検査の違い(臨界不良率の導出)

    無検査と全数検査にかかるコストを考える

    無検査の場合

    検査コストはありません。
    しかし、出荷後に不良があった場合は不良率pに比例して修理費が発生します。
    しかも、検査していないため、全数検査や抜取検査より修理費増大は大きいです。

    式で表現すると、
    検査コストT1=0
    修理費Y1=a1p+ T1= a1p
    ただし、傾きa1 > a2

    全数検査の場合

    全数検査コストが非常に高いです。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT2がある
    修理費Y2=a2p+ T2
    ただし、傾きa1 > a2

    無検査と全数検査にかかるコストを比較

    無検査と全数検査のコストをグラフで比較します。

    無検査と全数検査

    無検査と全数検査に交点p0があることがわかります。

    不良率p0なら、検査しない方が低コストであるが、
    不良率p≧p0になると検査した方が良い

    交点p0を臨界不良率と言います。導出しましょう。

    Y1= a1p
    Y2=a2p+ T2
    a1p= a2p+ T2より
    \(p=\frac{T_2}{a_1-a_2}\)

    全数検査と抜取検査にかかるコストを考える

    全数検査の場合

    全数検査コストが非常に高いです。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT2がある
    修理費Y2=a2p+ T2
    ただし、傾きa1 > a2

    抜取検査の場合

    検査コストは、全数検査に比べて安価になります。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、増加幅は全数検査と同等か少し大きい程度で抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT3(< T2)がある
    修理費Y3=a3p+ T3
    ただし、傾きa3 ≧ a2

    全数検査と抜取検査にかかるコストを比較

    全数検査と抜取検査のコストをグラフで比較します。

    全数検査と抜取検査

    全数検査の方が抜取検査より不良率によらず、高コストであることがわかります。

    抜取検査は全数検査の一部で未検査な部分がありますが、OC曲線を描くと、全数検査も抜取検査も同じ曲線に乗るため、検査後の不良率は同程度とみることができると判断しました。

    そのため、グラフはa3 ≒ a2で描いています。

    ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

    教科書、参考書では抜取検査のコストグラフが本記事と異なる

    教科書では、抜取検査のグラフが曲線であり、下図のように描いています。しかし、なぜそうなるのかがわかりません。本記事は私自身考えて抜取検査も直線型であると考えまとめました。

    抜取検査

    グラフを描くには、理論を式にする必要があります。
    曲線とする理由がわからないため、教科書のグラフを使わずに
    自分で考えたグラフを本記事で採用しました。

    まとめ

    無検査、全数検査、抜取検査の違いを不良率とコストの関係図を使って比較しました。検査の用途は覚えるのではなく、検査の特徴を考えて理解することが重要です。

    また、検査の違いについて教科書等は詳細に書いていますが、かえって頭に入らないはずです。
    そのときは、シンプルなモデルで比較できるようにしましょう。

    シンプルなモデルと1つの軸となる考え方で抜取検査の単元をまとめていきますので、他の関連記事も是非読んでください。

    • ➀全数検査と抜取検査と無検査
    • ②無検査と全数検査の違い
    • ③抜取検査と全数検査の違い
    • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

  • 回帰分析と相関係数をマスターする

    回帰分析と相関係数をマスターする

    「回帰分析と相関係数の重要なポイントを速く知りたいけど、どうすればいいの?」

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    回帰分析と相関係数をマスターする

    おさえておきたいポイント

    • ➀相関係数の導出方法を覚える
    • ②相関係数とグラフのイメージをつかむ
    • ③回帰分析と分散分析
    • ④回帰分析の導出を理解する

    回帰分析の試験問題で、絶対に落とせない範囲です。本記事で重要ポイントを網羅しておさえます。

    ●You tube動画でも解説しています。ご覧ください。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    【QC検定®1級合格】回帰分析問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、回帰分析をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「回帰分析(単回帰分析・重回帰分析)」問題集を販売します! 内容は、①単回帰分析の基本、➁特殊な単回帰分析、➂単回帰分析の応用、➃重回帰分析の基礎、⑤重回帰分析の応用、の5章全41題を演習できる問題集です。

    ➀相関係数の導出方法を覚える

    相関係数rの公式は、平方和の公式と合わせて覚える

    \(r=\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx} S_{yy}}}\)

    \(S_{xx}\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{n} x_i)^2}{n}\)

    \(S_{yy}\)=\(\sum_{i=1}^{n} y_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{n} y_i)^2}{n}\)

    \(S_{xy}\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i y_i – \frac{\sum_{i=1}^{n} x_i \sum_{i=1}^{n} y_i}{n}\)

    平方和と似た公式なので、合わせて覚えると覚えやすいです。

    相関係数は-1≦r≦1と
    寄与率R=r2は0≦R≦1

    ②相関係数とグラフのイメージをつかむ

    相関係数r=-1,0,0.5のグラフ例を作る

    r=-1は、誤差のない完全な右下がりの直線
    r=0、直線ではないもの
    r=0.5は、中途半端にばらつきのある右上がりの直線

    相関係数r=-1、0,0.5のグラフ例(寄与率で表示)

    相関係数

    イメージしておきましょう。

    ③回帰分析と分散分析

    分散分析表はワンパターンなので、表ごと覚えましょう。

    平方和S 自由度φ 不偏分散V 分散比F
    回帰R \(S_R=\frac{(S_{xy})^2}{S_{xx}}\) \(φ_R \)=1 \(V_R \)=\(\frac{S_R}{φ_R}\) F=\(\frac{V_R}{V_e}\)
    残差e \(S_e=S_T-S_R\) \(φ_e \)=n-2 \(V_e \)=\(\frac{S_e}{φ_e}\)
    全変動T \(S_T=S_{yy}\) \(φ_T \)=n-1

    ④回帰分析の導出を理解する

    上の①②③だけでは、物足りないあなたは回帰分析の導出もできるようになっておきましょう。

    1.回帰直線の導出

    回帰直線を\(y=a+bx\)と定義します。
    測定データ(\(x_i,y_i\))と回帰直線との差を最小にする条件が、回帰直線の傾きとy切片です。

    \(Q(a,b)\)=\( \sum_{i=1}^{n} (y_i-(a+bx_i)^2\) → min
    \(Q(a,b)\)=\( \sum_{i=1}^{n} ((y_i-\bar{y})-b(x_i-\bar{x})+(\bar{y}-a-b\bar{x}))^2\)
    =\(S_{xx}(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}})^2\)+\(n(\bar{y}-a-b\bar{x})^2\)+\((S_{yy}-\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}})\)

    \(Q(a,b)\)が最小になる条件は、
    \(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\)=0かつ、\(\bar{y}-a-b\bar{x}\)=0

    b=\(\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\), \(a\)=\(\bar{y}-\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\bar{x}\)
    が回帰直線の傾きと、y切片になります。

    演習問題
    \(Q(a,b)\)=\(S_{xx}(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}})^2\)+\(n(\bar{y}-a-b\bar{x})^2\)+\((S_{yy}-\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}})\)を導出せよ。

    ブログなので、結論として完結にまとめていますが、実際は泥臭い展開をしています。力アップのためにもぜひ導出してください。

    2.平方和の分解

    ST= SR+ Seを導出します。

    平方和

    ①実測データ(xi, yi)、②回帰直線上の点(xi,y)と③データの平均値(\(\bar{x},\bar{y}\))を用いると、上図から下式のように分解できます。

    \(y_i – \bar{y}\) = \(ε_i\)+ \(r_i\)
    (回帰:\(r_i\)=\(u_i – \bar{y}\),
    残差:\(ε_i\)=\(y_i – u_i\))
    \(y_i – \bar{y}\) = \(b(x_i-\bar{x})+ε_i\)
    と書くことができます。

    平方和を計算します。
    \(\sum_{i=1}^{n} (y_i – \bar{y})^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} (b(x_i-\bar{x})+ε_i)^2\)
    =\(b^2\sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2+2b\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i +\sum_{i=1}^{n}ε_i^2\)

    ●\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – \bar{y})^2\)は合計Tの平方和ST
    ●\(b^2\sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2\)は回帰Rの平方和SR
    ●\(\sum_{i=1}^{n}ε_i^2\)は残差eの平方和Se
    に一致します。

    つまり、
    ST= SR+2b\(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)+ Se
    となります。

    ところで、回帰直線となる条件は残差eを最小にする条件です。
    残差の平方和Se=\(\sum_{i=1}^{n} ε_i ^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i))^2\)です。

    回帰直線は、残差Seが最小になる条件なので、次の式が成り立ちます。
    \(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial a }\)=0, \(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial b }\)=0

    つまり、
    ●\(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial a }\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i))\)
    =\(\sum_{i=1}^{n} (ε_i)\)=0
    ●\(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial b }\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i)) x_i\)
    =\(\sum_{i=1}^{n} (ε_i x_i)\)=0
    が成り立ちます。

    ST= SR+2b\(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)+ Se
    の第2項に注目します。
    \(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_i ε_i \)-\(\bar{x}\sum_{i=1}^{n}ε_i \)
    =0-0=0
    と第2項は0になります。

    つまり、
    ST= SR+Se
    となります。

    3.寄与率の導出

    寄与率Rを平方和の比SR/ STで定義します。
    SR=b2Sxx
    ST= Syy
    b=\(\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\)
    を代入します。

    R=\(\frac{S_R}{S_T}\)=\(b^2 \frac{S_{xx}}{S_{yy}}\)
    =\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}^2} \frac{S_{xx}}{S_{yy}}\)
    =\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx} S_{yy}} \)

    複雑な計算ですが、一通り導出しておけば、試験では完璧です。重回帰分析への準備にもなりますので、ぜひ解いておきましょう。

    まとめ

    回帰分析と相関係数について、おさえておくべき重要事項と導出方法を解説しました。

    • ➀相関係数の導出方法を覚える
    • ②相関係数とグラフのイメージをつかむ
    • ③回帰分析と分散分析
    • ④回帰分析の導出を理解する

error: Content is protected !!