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  • 業務に欠かせない標準類がわかる

    業務に欠かせない標準類がわかる

    「標準類って何?」、「標準類がなぜ必要なのかがわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    業務に欠かせない標準類がわかる
    • ①標準類に何があるのか?
    • ②標準類を作る理由
    • ③標準類を作る方法
    • ④標準類を更新する理由
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    標準類に何があるのか?

    標準類とは何か?

    ●難しい用語です。
    「標準」が難しいし、
    「類」って何?
    ですよね。品質管理用語としても、品質監査にしても重要なので、わかりやすく解説していきます。

    標準類とは

    ●仕事の手順・方法などを、作業者の頭の中にある知識(暗黙知)を誰もが見えるように具体的に表現した(形式知)もの

    次に、どういうものを標準類にするかを解説します。

    標準類にするもの

    誰もがわかるようにまとめた方が良いもの

    ●具体的には、以下でしょう。

    1. 繰り返し行う頻度の高い業務
    2. 全員が行う業務
    3. 頻度は低いがミスしやすい煩雑で難しい業務
    4. 継承が必須な業務
    5. 法令・規格への届け出
    6. プログラミング

    最後のプログラミングをあえて入れました。システムを導入するほどではないけど、集計や処理を個人レベルで作ってうまく運用していることが多々あります。

    そういうプログラミングは担当者が独学で学んで作ったものが多く、その担当者が異動でいなくなると、その業務が継承されなくなります。

    標準類の具体例

    ●具体例をいろいろ挙げましょう。組織にはいろいろな文書やルール、会議がありますね。

    1. 作業手順書
    2. 工程管理表
    3. 会議録
    4. 費用清算書
    5. 発注書
    6. 組織内規定
    7. 品質保証体系図

    最初は、目の前のある業務を標準化して、徐々に組織全体を俯瞰できるルールを標準類に入れました。これ以外にも必要なものは随時、標準類に含めましょう。

    標準類のメリットとデメリット

    ●当然、メリットの方が大きいですが、メリット・デメリットを両方考えてみましょう。

    標準類のメリット

    ●作業効率性、作業ばらつき、改善が期待できますね。

    1. 担当者による業務ばらつきが低減
    2. 業務改善(皆同じ標準類を使っているから気づきやすい)
    3. 教育資料に活用

    同じ標準類を皆で改善し、標準類を教育すれば、新人も早く、正しい仕事を覚えてくれます。

    標準類のデメリット

    1. 標準類作成に人と時間がかかる
    2. 標準類に慣れるまでは、業務はかえって時間がかかる
    3. 標準文書を作ることが業務目的になりがち

    標準類は皆のためとはいえ、皆にとって使えにくいものだったりします。

    究極の標準類はISOです。
    でも読んでも一発では理解できないでしょう!

    皆に合わせると抽象化したり、細かくなりすぎます。それに慣れるまでに時間がかかります。

    また、標準文書を作ることが業務目的になりがちになり、業務の本来の意味を理解していない若手・中堅が増加します。標準類に合わせるのに必死で、それ以上はできません。

    経験上、標準類に慣れるには3年はかかります。慣れるまでは、面倒な書類ばかり作る日々で、「モノづくりしたいから入社したのに、何で毎日ムダな文書作成と修正ばかりなの?」と思うでしょう。

    これが標準類のデメリットですが、そこを乗り越えると、標準類を活用して組織やチームを運用することができるようになります。

    ②標準類を作る理由

    最初から標準類があるわけではない

    ●組織が若い時は、組織の成功パターンが醸成するまで四苦八苦します。
    どのやり方が良いかを模索しながら業務するので、各担当者の独自の業務方法になりがちです。

    標準類を作るきっかけ

    ●ある程度、組織が醸成してくると、担当者が同じ業務をやっていることがわかります。
    ●すると、ルールを作って、それに準拠した方が、業務効率が上がるとわかるので、標準類を作成するようになります。

    上司の指示・命令ではなく
    組織にとってメリットがあるから標準類を作るのです!

    または、将来ISO9001取得を目指すためという理由もあります。

    誰が標準類を作るか

    ●組織共通の標準類なので、全体を見渡せる人、細部までチェックできる人などその組織で評価の高い人を選んで作った方がよいでしょう。

    仕事ができる優秀な人は、勝ち方の標準類を持っています。それを組織に落とし込んでもらえればよいのです。
    1. 管理職
    2. 後輩や周囲の人に業務方法を伝達するのが上手な人
    3. おおざっぱな性格でも全体を俯瞰できる人
    4. 細部までチェックできる人

    いろいろな性格のタイプを挙げましたが、いろいろなタイプを集めて作らせるとよいでしょう。

    ③標準類を作る方法

    ●標準類を作るステップがあります。標準類も成熟するまでに数年はかかるものです。

    1. 目の前の業務を標準化(工程管理表、作業手順書、会議録、発注書、費用清算書)
    2. 各部門の業務をルール化(組織内規定、ルール)
    3. 複数の部門業務を標準化(営業、技術、品質、保守 各部門を共通化)

    最初は、担当者の目の前の業務に使うものから標準化します。
    次に、標準化が進んでくると、部門内のルールを整備が必要になります。
    三段階目は、ISO取得で必須なので、品質保証体系図を作るようになり、各部門の共通業務を標準化していきます。

    成熟した組織に配属されると、最初から品質保証体系図や規定、標準文書があります。これらが作られた背景を知らずに、標準類に慣れていく必要がありますが、最初から標準類があったわけではありません。

    標準類は長年受け継がれてきた、その組織の秘伝のタレです。

    ④標準類を更新する理由

    ●一度、標準類が出来たら終わりではなく、随時更新していく必要があります。主に次の3つの理由で更新が必要です。

    1. 業務変更
    2. 法令・規格の変更
    3. 苦情トラブルの是正処置

    ●最初の業務変更はわかりやすいですね。ルール、やり方、文書が変わるからですね。

    ●法令・規格も随時更新されていきます。それまでは許可だったことが禁止になったり、その逆もあります。法令遵守の精神のもと、組織も対応していく必要があります。

    ●苦情・トラブルが発生した後、なぜ発生したのか?を振り返ります。トラブルの原因が作業工程によくあります。同じミスを繰り返さないために、業務方法を改善し、それを標準類に追加していく必要があります。

    例えば、「他部門への引継ぎが曖昧だったため、仕様モレがあった」としたら、標準類を
    ・引継書を新規に作成
    ・引継ぐ時にレビューを必ず開催し、会議録を残す
    ・引継ぎ書を受領したことを受領側が明記する
    などのルールが作られるでしょう。これらを標準類に追加していきます。

    改善は大切なのですが、改善のたびに標準類は増えていくし、複雑になっていきます。皆が嫌がる原因でもありますね。
    「改善」=「標準類の増加・煩雑化」
    だけではありません。
    作業自体をシンプルにした方法にして、
    「改善」=「標準類の圧縮・シンプル化」
    した方がよいでしょうね。

    標準類の増加・煩雑化は簡単ですが、
    標準類の圧縮・シンプル化は難しいです。
    でも、是非「標準類の圧縮・シンプル化」を目指す方がよいです。

    まとめ

    業務に欠かせない標準類についてわかりやすく解説しました。

    • ①標準類に何があるのか?
    • ②標準類を作る理由
    • ③標準類を作る方法
    • ④標準類を更新する理由

  • QC工程図がわかる

    QC工程図がわかる

    「QC工程図って何?」、「QC工程図の書き方が難しくてわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    QC工程図がわかる
    • ①QC工程図とは
    • ②日常生活はQC工程図ですべて表現できる
    • ③QC工程図と品質保証体系図との関係
    QC工程図は、会社の作業工程のイメージが強いので、難しいイメージがついています。でも、日常生活の作業をQC工程図に書くとわかりやすいですよ。
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    ①QC工程図とは

    QC工程図

    厳密な定義を紹介します。難しいけど。

    QC工程図(Quality Control Chart)とは、原材料の入荷から出荷までの工程ごとに管理特性や管理方法が記載したもので、どの工程で誰がどのように品質を管理するのか、ひと目で分かるよう図示したもの

    もう少しわかりやすく、かみ砕くと、

    QC工程図(Quality Control Chart)とは、作業開始から終了までの流れと内容を書いたもので、誰がやっても同じ結果になることが目的

    みんな、我流で作業されても困りますよね。

    QC工程図に何を書けばいいの?

    QC工程図をググって、画像を見ると、QC工程図の縦横がたくさん項目があるので、理解しにくいですね。

    QC工程図は、簡単でいいんです。
    作業に必要なものを入れればOKです。

    ●作業に必要なものを挙げると、

    1. 作業内容⇒何をやるの?
    2. 管理項目⇒各作業のクリアー条件(どうなればOKなの?)
    3. 点検項目⇒作業の良し悪しの決め方
    4. 異常時の対応⇒もしものときの対処方法

    この4つは、普通に考えたら出て来る項目ですよね。最初はこれくらいでQC工程図を作りましょう。

    QC工程図は、何年もかけて何度も更新され、
    ISO審査員から指摘を受けたり、
    トラブルで顧客から怒られてきて
    複雑で難解な工程図に成長していくんです。

    その熟年の複雑で難解なQC工程図を最初から見るから、嫌気がさします。ですが、QC工程図はシンプルでOKです。

    ②日常生活はQC工程図ですべて表現できる

    QC工程図を習得するには、

    あなたの日常生活の一部をQC工程図に表現すると良いです。

    QC工程図は日常生活を例に書くとわかりやすい

    例として「夕食カレーを作る!」をQC工程図に描いてみましょう。あなたも考えてみてください。

    昼食が終わって、晩御飯何にしようか?何を買ってこようかと考えますよね。そろそろ子どもも学校から帰ってくるし。と

    晩御飯はそろそろカレーが食べたいなあとしましょう。ではどんな作業や行動が必要ですか?

    1. メニューを決める
    2. 食材を購入する
    3. 調理する
    4. 盛りつける

    の5つの流れが、頭に思い描けますよね。さらに、

    「メニューを決める」決める上で、
    ●前回いつカレー食べたか確認
    ●スーパーの広告をチェック
    ●予算どうしよう?
    など、細かく考えていきますよね。

    こういうの無意識に毎日やって生きているってすごいですね。

    さらに、各作業において、詳細な工程や、各作業の注意点や、作業時間も気になります。家族のお腹がすいたちょうどいい時間にカレーができていないといけませんよね。納期が決まっているようなもんです。

    ●以上をまとめると、下表のようなQC工程図が出来上がります。

    工程 各工程1 詳細工程 注意点 時間
    夕食
    (カレー)
    を作る
    メニュー決定 家族の希望 前回いつカレー食べたか?確認 14:00
    スーパー
    の広告
    スーパーの特売品と
    冷蔵庫の中もチェック
    14:10
    予算 ○○円以内で 14:15
    食材購入 移動 自転車か歩きか?
    購買量で判断
    14:20
    食材購入 夕食をイメージして買い物する 14:30
    帰宅 子供の学校帰宅時間までに帰宅 15:00
    調理 具材を切る 具材の大きさ、形は決まっていること 17:15
    具材を炒める 油の量、炒め方、炒める時間 17:30
    ご飯を炊く 夕ご飯時間に合わせてご飯の準備 17:40
    煮込む ルーのかき混ぜ度合い、熱さ、量 18:10
    仕上げ 盛りつけ おいしそうな盛りつけ方 18:30

    何気ない日常ですが、こうまとめておくと次回のカレー作りがしやすくなるし、家族の他の人に作ってもらっても同じようにおいしいカレーが出来そうですね。

    作り方やレシピも立派なQC工程図ですね。

    「作業ができる」=「QC工程図が自分で書ける」

    QC工程図が描ける条件は、理解でなく、自分で作業ができることです。

    頭ではなく、体で何度も練習してその作業が一人でできることが大事です。

    QC工程図はすべての作業に表現できる

    夕食を作る工程図を書きましたね。次は、
    ●夕食後の片づけのQC工程図
    ●夕食後から寝るまでのQC工程図
    ●明日何するかのQC工程図

    と、しつこいですが、すべての作業や生活はQC工程図に表現できます。でも、全部書くと面倒なので、頭で理解しているわけです。

    QC工程図はすべての作業に表現できる
    実際は頭と体が動くだけ

    ●QC工程図は、他人にも同じ動きをしてほしい場合に書くか、自分が忘れないために書くかの両方があります。

    ③QC工程図と品質保証体系図との関係

    各作業のQC工程図をつなげて全体を俯瞰する

    話を、夕食からモノづくりに戻します。モノづくりの現場は、まずは各作業が発生しますから、QC工程図は必ずあります。ISO認証の所は必須です。

    その部門の全作業のQC工程図をまとめると、つまり、
    ●作業1のQC工程図
    ●作業2のQC工程図
    ・・・
    ●作業nのQC工程図
    をつなげると、その部門の品質を作りこむ流れ図ができます。これを品質保証体系図に記載しているわけですね。

    品質保証体系図は関連記事にありますので、ご確認ください。

    品質保証体系図がわかる
    品質保証体系図って何か?、この体系図から何を理解したらよいかわかりますか?本記事では、品質保証体系図をわかりやすく解説します。実際に作ると理解が深まります。ISO,品質管理を学ぶ方は必見です。

    各作業を細かく見るとQC工程図になり、
    全体を俯瞰するとその部門の品質保証体系図になります。

    ●まずはOJTで業務・作業を体で覚えて習得し
    ●慣れたらQC工程図を自分で書けるようになり
    ●全体を俯瞰できる中堅になってはじめて品質保証体系図がわかるようになります。

    品質のトラブル発生は、どこかのQC工程図の一部に問題があるわけですが、それが部門全体にどう影響するかまで考える必要がありますが、それができるのは、経験からQC工程図、品質保証体系図をステップを踏んで習得しているからですね。

    まずは、カレーの作り方を習得し
    一日の生活をQC工程図で理解し、
    家族の生活の質を管理・向上する親ってすごいし、

    まずは、業務・作業を習得し
    作業工程をQC工程図で理解し、
    部門全体の品質を管理・向上する管理職ってすごいですね

    まとめ

    QC工程図についてわかりやすく解説しました。

    • ①QC工程図とは
    • ②日常生活はQC工程図ですべて表現できる
    • ③QC工程図と品質保証体系図との関係

  • 品質保証体系図がわかる

    品質保証体系図がわかる

    「品質保証体系図って何?」、「品質保証体系図から何を読み取ればいいの?」と疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質保証体系図がわかる
    • ①品質保証体系図とは
    • ②品質保証体系図を作ろう!
    • ③品質保証体系が機能するための条件
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    品質保証体系図とは

    品質保証体系図

    品質保証体系図とは、販売から出荷後までの全プロセスにおいて、それぞれの部門がやるべきことを明確にした図。

    つまり、
    ●営業部門はどんな業務をしたらよいか?
    ●設計部門はどんな業務をしたらよいか?
    ●製造部門はどんな業務をしたらよいか?

    と各部門のやるべきことを決めた図です。

    ●品質保証体系図の具体例は下図に挙げます。

    ●要は、

    みんな勝手に自己流で業務しないでね! うまくできる業務方法を品質保証体系図に書いていますよ!それを読んで、その通りやってね!

    品質保証体系図のポイント

    ●まずは、下の3点が細かくぎっしり定義されています。

    1. 各工程の業務・作業内容
    2. 各工程で担当する部門
    3. 工程で必要な会議、標準類(ルールや文書)

    品質保証体系図が嫌われる3つの理由

    ●本来は、組織活動において、最も重要な図なので、新人さんの頭に叩き込んでから業務開始としたいです。でも、できません。その理由は

    読みづらく、理解しづらく、暗記しづらいから

    実際は、組織に入って5年以上経験した中堅者以上が、読んで初めて「重要な体系図だ!」と思うものです。

    品質保証体系図は業務経験で覚える

    品質保証体系図は、経験でしみついているから理解できる

    ●新人や若手は、まずは先輩・上司からのOJTで一連の業務を経験しましょう。何回かサイクルを回して自分でできるようになってくると、全体のプロセスが理解できるようになります。

    1つの専門を経験すれば、他分野にも展開できる

    ●組織の都合で異動になったり、転職で異業種に行くこともあるでしょう。しかし、どこかで1つの専門を経験しておけば、品質保証体系図はどの分野にも理解できます。

    業種が違っていてもそれほど、大きく体系図は変わりませんし、変わったとしても、
    量産型か、受注型か
    BtoCか、BtoBか
    ・vソフトウェアかハードウェアか
    くらいでしょう。

    業種の違いが品質保証体系図のどこに効いてくるかを理解すればよいのです。

    一度、1つの専門性を磨けば、どの領域にも展開できます。

    品質保証体系図を作ろう!

    品質保証体系図は自分で作ってみると、とても良い勉強になります。作ってみよう!

    ●最初から下図のような複雑な図にはなりません。

    組織内で何度も見直して更新したり、何度も苦情・トラブルで先輩達が怒られてきた過去の積み重ねで品質保証体系図が出来上がっています。

    なので、
    ●品質保証体系図の最初は、ただの表です。
    ●品質保証体系図はどういう経緯で、細かい図表になるか?
    を見ていきましょう。

    最初はただの表

    ●品質保証体系図の最初は、ただの表です。

    ●事例として、営業部門、設計部門、製造部門、品質部門が組織にあったとします。この情報だけで品質保証体系図を作ると、おそらく下表になるはずです。

    プロセス 部門
    販売 営業部門
    設計開発 設計部門
    製造 製造部門
    検査 品質部門

    ただ、部門ごとに分類しただけじゃん!

    そうです!これで組織が回るなら、これも立派な品質保証体系図です!

    各プロセスで要望が出て来る

    上表はシンプルすぎです。なぜなら、各プロセスにおいて、部門内で閉じるからです。

    ●部門内に閉じる組織は、品質低下を懸念します。なぜなら、

    1. セクショナリズムに陥っている可能性がある(部門間の壁が厚い)
    2. リスクや情報が組織内で共有できていない可能性がある
    3. 各部門で全プロセスを理解できるプロはそもそもいない

    ●最初は、部門内で閉じていた組織でも、徐々に顧客要求品質を満たせず、各部門が困るようになるはずです。

    困ったら? 誰かに相談しますよね!!

    困ったから相談した!⇒これが部門間の連携するきっかけですね!

    各部門の連携は、普段当たり前にやっているでしょうけど、
    その当たり前に「なぜ?」をツッコむと、「相談して解決したいから」とわかりますね。

    各部門の連携の必要性が品質保証体系図を作る

    分類しただけの品質保証体系図をもう少し、肉付けします。

    品質保証体系図

    ●では、問題です!各青枠でくくった工程では、どの部門が参加すればよいでしょうか?
    ・マーケティング
    ・受注可否判断
    ・仕様検討
    ・設計開発
    ・納入仕様書
    ・製造
    ・部品調達
    ・出荷検査
    ・納入
    ・苦情・クレーム対策

    正解は1つだけではありません。むしろ、
    「あなたはなぜそう考えたのか?」が最も大切です。

    QCプラネッツでは、以下のように連携が必要としました。別に他の解でもOKです。

    営業 設計 製造 品質
    マーケティング
    受注可否判断
    仕様検討
    設計開発
    納入仕様書
    製造
    部品調達
    出荷検査
    納入
    苦情・クレーム対策

    ●それぞれの理由を説明します。別の考えてもOKです。
    ●受注可否判断は技術がわからないと判断できないため、設計・製造部門も必要。
    ●仕様検討は顧客要求、技術力の両者をみないと検討できないため、営業・設計・製造部門が必要。
    ●製造引継を設計と製造の間に追加する。仕様のヌケモレが一番起こる場所だから。
    ●検査は品質部門に任せず、製造・品質で両方みる。ただし、癒着や品質不正がないよう品質は独立した立場をとること。
    ●苦情・クレーム対策は、顧客対応、設計・製造のフィードバックやそれを品質が指揮するので全部門とする。

    以上をまとめると、下図のような品質保証体系図が出来上がります。実際の体系図に近づいてきました。

    ●あとは、どこまで細かく記載するかは組織にゆだれます。

    ③品質保証体系が機能するための条件

    せっかく、頑張って作った品質保証体系図も

    「仏作って魂入れず」では、無意味

    なので、品質保証体系が機能するための条件を考えましょう。3つ挙げます。

    1. 組織トップの方針と指示
    2. 各部門の連携力
    3. システムより人間力

    組織トップの方針と指示

    ●組織を良くも悪くもするのは、トップです。トップの方針と強いトップダウンが必要です。そうしないと、組織の担当者は誰も動きません。

    また、指示どおり強制しても、人は動きません。人は理念や思いに共感して初めて行動します。品質を作りこむ大切さを日々トップから伝えなければなりません。

    各部門の連携力

    ●普段から連携できる必要があります。具体的には

    1. 日常会話もOK。
    2. 営業が行く顧客打合せに設計・製造担当を連れて行って、顧客要求を肌で感じとらせる。
    3. 設計・製造現場に営業も行って、自組織の実力を理解する。
    4. 営業、設計、製造、品質の部門間で人を入れ替えるなどの人事異動
    相手方がわかる・相手方を経験すると連携が強まります。

    システムより人間力

    ●品質保証体系図だけ作ってもダメで、それをうまく回すのは「人」です。

    品質保証体系図にとって、「人は血液の役割がある」

    大事なのは、

    品質保証体系図と中身を暗記するのではなく、
    組織がよりよい活動になるにはどうしたらよいか、仕組と人の観点で考える事

    品質保証体系図をみれば、その組織の実力がわかってしまう理由もここにあります。

    まとめ

    品質保証体系についてわかりやすく解説しました。

    • ①品質保証体系図とは
    • ②品質保証体系図を作ろう!
    • ③品質保証体系が機能するための条件

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    • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
    • ①FEMAがすぐわかる
    • ②FTAがすぐわかる
    • ③日常生活の事例で練習してみる
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    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

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    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①FMEAがすぐわかる

    FMEAの覚え方

    ●FMEAで試験によく出題されて、かつ理解すべきポイントを解説します。

    FMEAは故障モード影響解析

    FMEAなのか、FEMAなのか、FMEAなのか、だんだんわからなくなってきますので、

    FMEAは英語と日本語両方でおさえておく。
    Failure(故障) Mode(モード) and Effects(影響) Analysis(解析)
    で理解する。

    FMEAはFMとEAで理解する

    意外に、FMとEAを別々に試験で出題されることがあります。
    故障モード⇒ Failure Mode
    影響解析⇒ Effects Analysis

    これで、FMEAは確実に覚えることができますね。

    <h3故障モードの重大度が覚えにくい

    ●FMEAは個々の故障モードの重大度を評価して、優先順位をつけて対策する手法です。なお、優先順位をつけることを、重点指向っていいます。

    重点指向とは、優先順位をつけること
    重点指向は、品質管理を学び始めた人にとって難解な用語ですが、大丈夫!

    ●さて、故障モードの重大度の評価方法が、覚えにくいです。

    故障モードの重大度(RPN)=(影響度)×(発生度)×(検出度)

    ●RPNは危険優先数(risk priority number)といって、次の3つの変数の積で評価します。
    ・影響度⇒故障したときの影響度合い
    ・発生度⇒故障発生頻度
    ・検出度⇒故障の発見の難しさ

    よく考えると、故障モードの重大度は
    ●(ダメージ)×(発生確率)なら理解しやすいですが、次の検出度が論理的に考えても出て来ません。試験勉強しても3つのうち1つは忘れてしまいます。

    なので、

    故障モードの重大度(RPN)は、その部門やチームが評価しやすい変数に変えてもOK

    なぜなら、

    FMEAは表作ることより、故障リスクを減らすのが目的だから

    FMEAの事例

    ●実際に作ってみましょう。事例として、設計部門のリスクをFMEAで評価しましょう。

    下表のように評価しました。

    業務内容 故障モード 影響解析 原因 対策
    影響度 発生度 検出度 RPN
    設計企画 仕様のヌケモレ 5 3 4 60 顧客要重事項
    の確認不足
    デザインレビュー
    の確実な実施
    要素設計 設計ミス 2 3 1 6 担当者の思い込む 要求事項
    の確認徹底
    組立設計 要求動作不可 1 3 3 9 設計者担当者間
    の情報共有不足
    毎日昼礼で
    進捗確認
    設計検証 検証モレ 5 3 5 75 顧客要重事項
    の確認不足
    デザインレビュー
    の確実な実施

    表を作るポイントは、

    1. 作業内容は網羅する。粒度をそろえた方がわかりやすい
    2. 故障モードも粒度をそろえるといい。
    3. 数値の定義は影響が深刻な方を高い数字にする
    4. 数値の度合いは人それぞれ
    5. 原因、対策はFMEA関係なく個々の故障に対して考える

    ここで、粒度(粒の大きさ)をそろえることが重要としました。

    1つは設計全体の故障モードの内容で、
    1つがある具体的な設計の故障モードを
    FMEAの表に並べると、対策を考えにくくなる。

    上表は設計のフロー、故障モードの抽象度を同程度の粒度にそろえています。

    表を作るだけであるが、作成者の論理力が求められるので意外と難しいのがFMEA。

    以上、FMEAでした。ついでにFTAも解説します。

    ②FTAがすぐわかる

    FTAとは

    FTA(Failure Tree Analysis)は、故障の木解析といいます。
    英語をそのまま日本語にしただけです。

    故障の原因をTree構造に書いて、個別の発生確率を計算して、故障確率を算出する便利な解析方法ですね。

    FTAはANDゲート、ORゲートを使います。

    FTAの事例

    あるお父さんが、コロカ感染するリスクをFTAから求めてみましょう。

    お父さんが感染する場合を図にしましょう。

    FTA

    各可能性を挙げて、その原因を深堀りしていきます。その起こり得る確率を概算でもいいので入れてみると、感染し得る確率が概算で求められます。

    ●感染者がいる場合と感染するはAND条件とし、
    ●家、会社など場所が違うので、OR条件としました。

    上図のケースでは、お父さんは感染するリスクは0.3%としました。

    ざっと計算するものですが、

    どの要因がどの程度影響を与えているかが明確にわかりますね。

    発生確率を下げるか、仕組みを変えるか

    ●FTAは作るのが目的ではなく、故障や困る要因を減らすことが目的です。

    確率を減らしかたは、2つあります。

    1. 改善して、個々の故障要因の発生確率を低減する方法
    2. 仕組を変えて、発生自体を避ける方法

    ●上の感染確率を下げる方法では、各々の発生確率の数値を減らす努力をします。例えば、清潔に保つ、他人との距離を保つ、うがいを欠かせずに実行するなどがあります。

    ●一方、仕組を変えて、発生自体を避ける方法は、出社からリモートワークに切り替えると、会社で感染するリスクがなくなります。 感染リスクは減りますが、リモート対応の手間が増えるデメリットもあります。

    戦略を立てて、FTAを使って不具合を回避しましょう。

    ③日常生活の事例で練習してみる

    ●FMEA、FTAに限らず、品質管理の用語や概念の説明には、実際の業務内容を使って解説します。確かに、実務向けでよいかもしれませんが、内容が難しくなるし、理解が進みにくいデメリットもあります。

    専門外な話を使って品質管理を理解するのはしんどいです。

    難解な品質管理を理解できるいい勉強方法があります。それは、

    日常生活の事例で練習することです。

    例えば、

    夫婦生活を持続するためのFMEAをやってみる
    上司に振り回されないための対策をFTAで考える

    など、一見ふざけていますが、頭のいい体操になります。是非、やってみてください。

    まとめ

    【QC検定®3級】FMEAとFTAをわかりやすく解説しました。

    • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
    • ①FEMAがすぐわかる
    • ②FTAがすぐわかる
    • ③日常生活の事例で練習してみる

  • 品質マニュアルがわかる

    品質マニュアルがわかる

    「品質マニュアルって何?」、「ISO9001 2015年版に品質マニュアルは必要なの?」と疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質マニュアルがわかる
    品質マニュアルはISO9001 2008年版までは一番偉い文書だった。
    ISO9001 2015年版に品質マニュアルは不要です。
    けど、毎年品質マニュアル更新するよう上司から指示が来る。
    なんで??
    品質管理担当は、10年以上のベテランと、数年の中堅がいます。
    ●ベテランはISO9001 2008年版までの品質マニュアルを大事にする
    ●最近入った中堅はISO9001 2015年版しか知らないから、品質マニュアルの価値がわからない。

    過去のお偉い文書である「品質マニュアル」について解説します。

    QCプラネッツはISO9001 2015年版から実務しているので、品質マニュアル不要論側です。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう
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    ①品質マニュアルとは

    品質マニュアルのあるべき定義

    「品質マニュアル」の本質は次の定義だと考えます。この定義なら品質マニュアルが必要としてもよいでしょう。

    組織が品質を作りこむためのマニュアル・秘訣が「品質マニュアル」

    あるべき品質マニュアルに必要な要素

    組織が品質を作りこむためには、何が必要ですか?考えましょう。

    1. 組織(経営)の理念、戦略
    2. 経営者の考え
    3. 組織内の全員が守るべきルール(規程)と文書類
    4. 組織の体制
    5. 品質保証体系図(営業、技術各部門がやるべき業務フロー)
    6. QC工程図(各作業の工程図)

    上の1から6をまとめた文書が「品質マニュアル」であると、本来こうあるべきです。

    組織の「品質マニュアル」にISOは関係ない

    でも、実態はどうでしょうか?

    実際は、ISO認証監査のための文書

    実際は、

    ISO認証のために作らされた文書ですよね。

    品質マニュアルのトップ文書からの転落ぶりをこれから解説します。

    ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった

    ISO9001は文書の適合性をしっかり診ていた

    ●ISO9001 2008年版までは、文書の適合性を厳しく見ていたので、文書で品質監査を見ていました。だから、審査対象の組織のトップ文書として品質マニュアルが必須でした。

    品質マニュアル

    図を見ると、品質マニュアルは、

    1. 組織の品質の最上位文書
    2. ISO審査の組織の玄関口としての文書

    なので、品質マニュアルがスタートして、各文書の整合性や適合性について、組織活動を質疑しながらチェックしていました。

    ISOの要求事項に品質マニュアルが準拠するスタイル

    ISO9001の認証は、

    組織活動が、ISO9001の要求事項にぴったり適合していること

    ですから、

    組織活動は必ず、
    1.ISO要求事項が最初に来て
    2.ISO要求事項に準拠した品質マニュアルの内容
    とするよう、厳しく要求されていました。

    今でもISO認証審査員が、
    「その組織活動は、ISO9001の要求事項の8.3.4に適合します」
    とか言いますが、それは、
    組織活動や文書がISO9001の要求事項に適合(従う)ようにしなければならかったからです。

    ISO9001 2015年版以降から品質管理業務を担当すると、
    「活動にわざわざ要求事項の番号当てはめて意味あるん?」
    と思うでしょう。

    ISO9001 2008年版までとISO9001 2015年版では全くとらえ方が違います。

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。

    ISO9001 2015年版の方が、組織が活動しやすくなっています。

    組織や業種が違うのに、品質マニュアルだけはなぜか同じような文書になっている

    取引先品質監査で他社を訪問する際、いつも思うのが、

    会社違うのに、何で品質マニュアルだけは似たような文書なんだろう?

    大体、表紙と目次を見ると、みんあ同じですね。気持ち悪い。。。

    ●よくある表紙

    品質マニュアル

    ●よくある目次

    品質マニュアル

    品質マニュアルはISO認証機関やコンサルに作らされたから

    ●似たり寄ったりな品質マニュアルである理由は、外から指示されたからです。

    本来、品質マニュアルは組織の成功の秘訣をまとめたものです。しかし、実際は、ISO認証のために作った文書です。

    ISO認証のためだけなのに、50ページくらいあるし、定期的に更新が必要なので、品質マニュアルは面倒な文書です。

    ③ISO9001 2015年版からは不要な文書

    品質マニュアルが組織最上位文書で無くなった理由

    ●一方、ISO9001 2015年版は、文章の適合性以上に組織活動の有効性を審査するので、文書のチェックは過去ほど厳しくなく、情報であれば何でもよいと変わりました。

    ISO9001 2015年版以降は、組織活動の有効性をしっかり審査するかわりに、文書の荒さがしをネチネチやらなくなりました。概念図をご覧ください。2008年版との違いがわかります。

    品質マニュアル

    ●その背景は、ISO認証していても、品質不正する企業が後を絶たず、文書の適合性だけみても、本当に組織が有効に活動しているか疑問になったからです。

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。
    つまり、手段(ISO認証)が目的化している。

    なので、

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項
    つまり、ISO認証は手段、組織の成功が目的。当然ですよね。

    「文書化した情報」は奥深い

    関連記事、でも解説したとおり、

    ●ISO9001 2008年版までは、「文書」を審査
    ●ISO9001 2015年版は、「情報」を審査
    これは、大きな違いがあります。

    前者は、文書という「手段」を審査していただけで、
    後者は情報から「目的(組織活動や成功)」について審査します。

    組織の取り巻く環境や制約条件から
    成功のための戦略・目標と
    実際の活動が整合しているかを審査します。
    審査するために必要な情報があればよく、情報の手段は問いません。

    「情報」が「文書化」されてもいいし、データベースでもいいわけです。

    審査するために必要な情報を引き出すためには、品質マニュアルである必要はないです

    よって、品質マニュアルが必要ではなくなったわけです。

    「文書」より「情報」から組織活動を評価する時代です。

    ISO9001 2015年版でも審査機関から品質マニュアル提出を求められる

    毎年困るのが、

    審査前に今年度の品質マニュアルを提出してください

    と審査機関から要求されます。

    品質マニュアルはいらんでしょう!

    と突き返したいのですが、現実はそうではありません。この理由は、

    1. 審査員が2008年版から継続しているから、その名残
    2. 品質マニュアルは組織体制図、理念、ISO9001の要求事項と組織活動がわかる文書なので便利

    「便利だから」という理由が強いですね。

    ●仕組上、品質マニュアルは不要ですが、
    ●運用上は、便利なので
    品質マニュアルを毎年更新しています。

    ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

    自分で考えて作る事は大事

    ●ISO認証のための品質マニュアルは不要になりましたが、ISO関係なく自組織の成功の秘訣をまとめた品質マニュアルは一度考えて作った方がよいでしょうね。

    ●品質マニュアルとは、何か? どうあるべきか?
    ●品質の作りこみに、何が必要か?
    ●組織に品質の重要さをどう醸成させたらよいか?
    など、品質の本質を考える習慣がつきます。

    品質は従うとつまらない!
    品質は考えるから面白い!

    新技術や新規事業展開する際に品質マニュアルの設計が必須

    成熟産業なら、ほぼ無いですが、近年、DXやAIなどで既存事業が大きく変わる局面に来ています。

    ほぼ、匠の技で培ってきた組織に、急にDXの波が来て、デジタル化する組織に変化したら、どうやって品質を担保しますか?品質を作りこむ方法をどう考えるか?など、問われます。

    新しい概念が入れた品質マニュアルを急に作る必要が出て来ます。そうなる前に、既存のビジネスや組織活動の品質マニュアルの作り方を一度自分で考えて作ってみましょう。

    QCプラネッツでは、今後、品質マニュアルを自分で作る演習サイトを立ち上げる予定です。

    まとめ

    品質マニュアルについてわかりやすく解説しました。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

  • 【必読】有限母集団の修正項の導出ができる

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる

    「有限母集団の修正項\(\frac{N-n}{N-1}\)の導出ができない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる
    ●E[\(\bar{x}\)]=μ
    ●V(\(\bar{x}\))=\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\frac{σ}{n}\)
    を丁寧に導出します。
    • ①有限母集団からのランダムサンプリング
    • ②有限母集団の標本平均の導出
    • ③修正項の導出に必要な数式
    • ④有限母集団の標本分散の修正項への導出

    QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集を販売します!

    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

    ①有限母集団からのランダムサンプリング

    下図のように、データ数N、平均μ、分散\(σ^2\)の有限母集団から、n個のデータをランダムサンプリングします。

    サンプリング

    n個のデータの平均ではない、標本平均の期待値E[\(\bar{x}\)]と、
    分散ではない、標本分散の期待値V(\(\bar{x}\))を導出します。

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    ②有限母集団の標本平均の導出

    導出します。

    E[\(\bar{x}\)]=E[\(\frac{1}{n}\)\(\sum_{i=1}^{n}x_i\)]
    =\(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i\)]
    =\(\frac{1}{n}\){E[\(x_1+x_2+…+x_n\)]}
    =\(\frac{1}{n}\){E[\(x_1\)]+ E[\(x_2\)]+…+ E[\(x_n\)]}
    =\(\frac{1}{n}\){μ+μ+…+μ}
    =\(\frac{nμ}{n}\)

    なお、すべてのiについて、
    E[\(x_i\)]=μ
    を使いました。

    ●E[\(\bar{x}\)]=μ
    と有限母集団の平均μと一致しました。

    ②修正項の導出に必要な数式

    次に標本分散V(\(\bar{x}\))を導出しますが、導出過程に必要な式があります。先に紹介して導出しておきましょう。

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)
    同様にnをNに、xをXに変えて
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)

    「なんじゃこりゃ!」という式ですが、展開すれば成立します。あとで導出しますね。

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    \(\frac{1}{_{n}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{1}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    【数式その1】の導出

    実際に展開しましょう。

    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)
    =\((x_1+x_2+…+x_n)^2\)
    =(あ)

    和の2乗の展開は、
    自身の2乗と、互いの積の和ですね。これは高校1年数学レベルです。

    (あ)式は
    (あ)=(\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\) (2乗和)
    +\(x_1( なし+x_2+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_2(x_1+なし+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)

    +\(x_{n-1}(x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+なし+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_n (x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+x_{n-1}+なし)\) (互いの積)
    =(い)

    (あ)式の「互いの積」項にある「なし」は2乗和の項に入れたため、ありません。「ない」ことを明確にするために「なし」と入れました。

    (い)式をまとめましょう。

    2乗和は簡単で
    (\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i^2\)
    ですね。

    互いの積は、それぞれの組み合わせの積だけど、自分自身同士の積はないので、
    \(x_1( なし+x_2+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_2(x_1+なし+x_3+…+x_{n-1}+x_n)\) (互いの積)

    +\(x_{n-1}(x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+なし+x_n)\) (互いの積)
    +\(x_n (x_1+x_2+x_3+…+x_{n-2}+x_{n-1}+なし)\) (互いの積)
    =\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)
    とまとめることができます。

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)

    できましたね。

    【数式その2】の導出

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]

    期待値Eを使って、ズルく導出します。数式よりは論理で両辺を等号に持ち込みます。

    もともとデータ\( X_i \)も\( x_i \)も同じ集合におり、平均、分散も同じですね。だとしたら、
    期待値E[\( X_i \)]= E[\( x_i \)]と
    期待値E[\( X_i^2 \)]= E[\( x_i^2 \)]と
    してもよいですね。期待値だから、似たデータなら期待値は同じ。ちょっと強引ですか?

    あとは、個数の平均を考えればOK。よって、

    【数式その2】
    \(\frac{1}{n}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{1}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]

    数学的には正しいけど、ちょっと強引ですね。

    同様に、

    【数式その2】
    \(\frac{1}{_{n}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{1}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    以上、下ごしらえは終わりです。では、標本分散を導出しましょう。

    ③有限母集団の標本分散の修正項への導出

    標本分散V(\(\bar{x}\))の式

    分散の公式は、

    V(\(\bar{x}\))=E[\(\bar{x^2}\)]-E[\(\bar{x}\)]2

    E[\(\bar{x}\)]はすでに、E[\(\bar{x}\)]=μとわかっています。

    E[\(\bar{x^2}\)]を導出します。分散はいつもE[\(x^2\)]の導出が難しいですよね。

    期待値E[\(\bar{x^2}\)]の導出

    E[\(\bar{x^2}\)]=E[\((\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)]
    =(ア)

    (ア)の式で、\((\sum_{i=1}^{n}x_i)^2\)は、【数式その1】そのものですね。使いましょう。

    (ア)= \(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =(イ)

    次に、【数式その2】を使って\(x_i\)から\(X_i\)の式に変換します。
    E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]=\(\frac{n}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]= \(\frac{_{n}C_2}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]

    (イ)
    =\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}x_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)E[\(\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}x_i x_j\)]
    =\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n}{N}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{_{n}C_2}{_{N}C_2}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]
    =(ウ)

    整理すると、
    (ウ)
    =\(\frac{1}{nN}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]
    =(エ)

    ここで、\(X_i\)は母集団のデータなので、期待値Eが外せます。つまり、
    E[\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)]=\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    です。なお、サンプリングした方の\(x_i\)は期待値Eが外せません。

    (エ)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    =(オ)

    次に、よくわからない式、\(\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)を別の式に書き換えましょう。

    ここで、よく考えると、
    \(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i\)=μより、
    ●\(\sum_{i=1}^{N}X_i\)=Nμ
    ●\((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\((Nμ)^2\)
    が成り立ちますね。

    【数式その1】を見ると、

    【数式その1】
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)

    つまり、
    \((\sum_{i=1}^{N}X_i)^2\)=\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)+\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)=\((Nμ)^2\)
    が成り立ちます。式変形すると、
    \(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{N}X_i X_j\)=\((Nμ)^2\)-\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)
    =(カ)
    が成り立ちます。

    ちょっと前の(オ)式に(カ)式を代入します。

    (オ)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)\(\sum_{i=1}^{N}\sum_{j=1(i≠j)}^{n}X_i X_j\)
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{1}{n^2}\)\(\frac{n(n-1)}{N(N-1)}\)[\((Nμ)^2\)-\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)]
    =(キ)

    (キ)式はμと\(\sum_{i=1}^{N}X_i ^2\)について式変形しましょう。その結果は

    (キ)
    =E[\(\bar{x^2}\)]
    =\(\frac{1}{nN}\)\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{N(n-1)}{n(N-1)}\)\(μ^2\)
    となります。長かったですね。もうちょっとで完成です。

    標本分散の修正項への導出

    標本分散V(\(\bar{x}\))の式は

    V(\(\bar{x}\))=E[\(\bar{x^2}\)]-E[\(\bar{x}\)]2

    代入しましょう。
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{1}{nN}\)\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)+\(\frac{N(n-1)}{n(N-1)}\)\(μ^2\)-\(μ^2\)
    =(ク)

    (ク)式をまとめると
    (ク)=\(\frac{N-n}{N-1}\)[\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]\(\frac{1}{n}\)
    =(ケ)

    (ケ)式の中の、[\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]はよく見ると、
    [\(\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}X_i^2\)-\(μ^2\)]=E[x2]-E[x]2
    =\(σ^2\)
    ですから、まとめると、

    (ケ)つまり、標本分散V(\(\bar{x}\))は
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{N-n}{N-1}\)\(\frac{σ^2}{n}\)

    無限母集団の標本分散は\(\frac{σ^2}{n}\)ですから、修正項は、

    修正項は、\(\frac{N-n}{N-1}\)

    できましたね。お疲れさまでした。

    まとめ

    有限母集団の修正項の導出をわかりやすく解説しました。

    • ①有限母集団からのランダムサンプリング
    • ②有限母集団の標本平均の導出
    • ③修正項の導出に必要な数式
    • ④有限母集団の標本分散の修正項への導出

  • 【QC検定®3級】4Mと特性要因図がすぐわかる

    【QC検定®3級】4Mと特性要因図がすぐわかる

    「QC検定®3級でよく出る、4Mと特性要因図でおさえておくべきポイントがわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【QC検定®3級】4Mと特性要因図がすぐわかる
    • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
    • ①4Mは使いこなせると有利
    • ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用
    • ③4Mの注意点

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる

    QCプラネッツでは、QC検定®3級受験者、および品質管理初心者の方に、馴染みにくい品質管理用語や概念をわかりやすく解説します。

    QC検定®3級共通として、まず、勉強方法を読んでください。

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    試験直前の丸暗記ではなく、
    考えて活かせる品質管理を伝授します。

    ★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No 勉強項目
    1 【QC検定®3級】品質がわかる
    2 【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる
    3 【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる
    4 【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる
    5 【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる
    6 【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる
    7 【QC検定®3級】5Sがすぐわかる
    8 【QC検定®3級】重点指向がわかる
    9 【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる
    10 【QC検定®3級】QCサークルがわかる
    11 【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる
    12 【QC検定®3級】狩野モデルがわかる
    13 【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる
    14 【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる
    15 【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる
    16 【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる
    17 【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる
    18 【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい)
    19 【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる
    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①4Mは使いこなせると有利

    4Mとは

    ●Man(人)
    ●機械(Machine)
    ●Material(材料)
    ●Method(方法)
    ●Measure(測定)
    の5つのうち4つ

    必ずあるのは、 ●Man(人)と●機械(Machine)で、残り3つから2つを選ぶことが多いです。

    別に、ほかに思いついたMでもOKです。

    4Mの活用シーン

    よく4Mは活用しますね。どこで活用するかをまとめると

    1. 製造部門での要因分析
    2. 分析フレームワーク
    3. 技術士2次試験、QC検定®1級などの論述試験

    品質管理(QC)の習い初めの場合は、製造部門での要因分析として使うものでよいですが、品質管理業務はわりと文章で説明する場面が多いです。

    4Mは多くの人に認知されているので、伝わりやすいです。

    論述試験に4Mは有利

    4Mを使うと、4つ書くことがあり、それぞれ独立して作文すればよいので、解答用紙がうまりやすくなります。

    また、人、機械、材料、測定、方法の観点から強制的に考える必要がある分、整理しやすく、高得点が狙えやすいです。

    技術士2次試験で、持ち込む必須のフレームワークの4M

    ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用

    4Mと特性要因図を活用する

    特性要因図はQC検定®3級に必ず出題されるし、視覚的にわかりやすいのですぐ覚えられるでしょう。本記事では、教科者や他のサイトに書いていないポイントを伝授します。

    品質管理を学び初めの人は、おそらく、

    品質管理を学び初めの人は、おそらく、
    「フレームワークを使って分析・論述に慣れていない」可能性が高いです。
    慣れるまでは、4Mと特性要因図は1セットで使いましょう。

    まず、
    ●特性要因図をセットします。

    特性要因図

    次に、
    ●特性要因図の大枠に各Mを4つ入れます。

    特性要因図

    そして、
    ●特性要因図の小枠に、M毎にさらなる詳細な要因分析を考えます。

    特性要因図

    この手順で、少々面倒ですが、4Mの詳細分析が特性要因図からわかります。

    上図の例でまとめると、

    故障の原因は4つの観点からわかる。
    1. 作業者の性格や疲労によるもの
    2. 製造機の経年や機械疲労によるもの
    3. 材料成分のばらつきや業者の納期によるもの
    4. 測定の手順や校正に問題があった

    どうでしょうか? 結構、説得力がある分析になりましたね!

    チームでトラブルの原因などを分析するときは、頭の中を可視化する手段として特性要因図がよく活用されます。

    特性要因図を使う目的を明確に

    ただし、所詮、ツールです。

    特性要因図の小枠をいっぱい書くことに集中しないでください。

    目的は

    ある事象を構成する要因を
    網羅的に抽出し、
    各々の理由が、報告者が納得できる内容であるようにまとめること

    まずは、慣れるまでは4Mと特性要因図を1セットで使いこなし、徐々に、論理的な説得力があるかどうかを頭で考える訓練に切り替えていきましょう。

    慣れると4Mだけ頭で考えることができます。

    ③4Mの注意点

    粒度が合っていない

    4Mは機械的に
    ●Man(人)
    ●機械(Machine)
    ●Material(材料)
    ●Method(方法)
    ●Measure(測定)
    で特性を分割して考えます。

    しかし、

    Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)、Method(方法)、Measure(測定)を同列で比較できるものなのでしょうか?

    Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)はリソース(資源)にカテゴライズできるので、同列で比較できます

    しかし、Method(方法)、Measure(測定)は、手法にカテゴライズできますが、リソースとは別物ですよね。

    フレームワークを使う注意点

    フレームワークを使うときは、次の注意点があります。

    1. Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)のように同列で比較できること(粒度が同じといいます)
    2. 網羅性があること

    例えば、日本について分割してみましょう。

    「日本は、北日本、東日本、西日本、南日本から成る」
    なら、不自然さはありません。

    次はどうでしょうか

    「日本は、北日本、東日本、大阪府、広島市から成る」
    なら、変ですよね。

    なぜなら、

    1. 北日本、東日本、大阪府、広島市は粒度が合っていませんので比較できません。
    2. 西日本の他の地域が漏れている

    この「日本は、北日本、東日本、大阪府、広島市から成る」の説明では、聞き手は「?」となります。

    これが、粒度を合わせて比較することと、網羅することが大事である理由です。

    4Mの例に戻しましょう。4Mで、人・機械なら理解できますが、そこに測定、方法が同列に比較されると聞き手によっては「?」と納得してもらえない可能性があります。

    便利な4Mというフレームワークだからと言って、機械的に入れて分析しすぎないよう注意しましょう。

    有名だから共通認識しやすいだけ

    でも、多くの人が4Mや特性要因図を知っているので、そのまま使っても聞き手に通じます。安心してください。

    便利な4Mというフレームワークだからと言って、機械的に入れて分析して終わらないように注意しましょう。

    QCプラネッツなら、4Mを使う場合は、次の2点を考えます。参考ください。

    1. 先ほどのリソースの観点だけ活用して、Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)の3Mとして、リソースが不足する原因に対して3Mを要因として分析します。
    2. リソースについての分析とし、Money(カネ)を追加した4Mつまり、Man(人)、機械(Machine)、Material(材料)、Money(カネ)の4Mで分析します。経営課題のヒト・モノ・カネの観点で分析ができます。

    分析手法を活用して慣れながら、論理の精度を上げていきましょう。

    まとめ

    【QC検定®3級】4Mと特性要因図をわかりやすく解説しました。

    • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
    • ①4Mは使いこなせると有利
    • ②慣れるまで4Mと特性要因図は1セットで活用
    • ③4Mの注意点

  • 【QC検定®3級】勉強方法がわかる

    【QC検定®3級】勉強方法がわかる

    「QC検定®3級を初受験するけど、勉強方法がわからない」、「品質管理の初心者だけど、勉強方法がわからない」と困っていませんか?

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
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    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。
    最初に読んで欲しい記事で、
    単なる試験合格対策で終わらずに
    品質管理のプロになっていただきたいから記事を書きました。
    QC検定®3級合格は手段にすぎません。
    もっと大切なのは、品質が好きで得意な人をたくさん増やして
    社会全体の品質を高めることです!

    QCプラネッツは、社会全体の品質を高めるために、品質のプロフェッショナルを増やしたいためにコンテンツを発信しております。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項
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    ★【QC検定®3級】勉強に必須な27項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No 勉強項目
    1 【QC検定®3級】品質がわかる
    2 【QC検定®3級】PDCA,SDCA,OODAがわかる
    3 【QC検定®3級】三現主義、5ゲン主義がわかる
    4 【QC検定®3級】QCDやQCDPSMEがすぐわかる
    5 【QC検定®3級】QC7つ道具がわかる
    6 【QC検定®3級】新QC7つ道具がわかる
    7 【QC検定®3級】5Sがすぐわかる
    8 【QC検定®3級】重点指向がわかる
    9 【QC検定®3級】デザインレビュー(DR)がわかる
    10 【QC検定®3級】QCサークルがわかる
    11 【QC検定®3級】再発防止と未然防止がすぐわかる
    12 【QC検定®3級】狩野モデルがわかる
    13 【QC検定®3級】苦情とクレームの違いがわかる
    14 【QC検定®3級】フェールセーフとフールプルーフがわかる
    15 【QC検定®3級】ISO9001 2015の難解な用語がすぐわかる
    16 【QC検定®3級】「製品及びサービス」がわかる
    17 【QC検定®3級】作業標準、作業標準書がわかる
    18 【QC検定®3級】校正がわかる(管理がいい加減だとまずい)
    19 【QC検定®3級】誤差と残差の違いがすぐわかる
    20 【QC検定®3級】源流管理がわかる(上流工程で品質が決まる!)
    21 【QC検定®3級】官能検査がわかる
    22 【QC検定®3級】PL法がすぐわかる
    23 【QC検定®3級】変化点管理がわかる
    24 【QC検定®3級】トップ診断がわかる
    25 【QC検定®3級】環境側面がわかる
    26 【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
    27 【QC検定®3級】範囲Rは標準偏差sより大きくなる

    ①QC勉強で大事な3つの要素

    3つあります。

    1. 暗記より考え抜くこと
    2. 自分の言葉で説明できること
    3. 応用発展が効くこと

    暗記より考え抜くこと

    品質管理では、
    ●品質
    ●プロセスアプローチ
    ●関係性管理

    など、難解な用語が出て来ます。

    丸暗記して試験合格しても、数日経てば忘れてしまいます。

    もったいないですよね。資格があっても力量がないわけですから
    (力量って何か、理解できていますか?)。
    関連記事をご覧ください。

    急がば回れ!丸暗記よりどういう意味かを考えましょう。

    品質管理用語
    ●品質⇒どういう意味?
    ●プロセスアプローチ⇒どういう意味?
    ●関係性管理⇒どういう意味?

    と疑問に思って、考え始めましょう。

    しんどいけど、意味を考えることが品質管理マスターの近道です。

    自分の言葉で説明できること

    品質管理の用語がどういう意味かを考えるようになると、自分なりの解釈で説明しようと意識しましょう。

    QCプラネッツでは、品質の定義はISOとは変えています。なぜか?わかりますか?考えてみましょう。

    ●本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。(ISO9000 2015 3.6.2)
    ●相手が満足する基準(QCプラネッツ)

    ISOとQCプラネッツでは、どちらの定義がわかりやすいですか?

    自分の言葉でわかりやすく説明できることが大切です。
    正解は1つではありませんから、常に考えましょう。

    応用発展が効くこと

    方針管理や品質機能展開などの用語になると、丸暗記だけでは頭に入りません。

    用語の意味を自分の言葉で説明できるようになると、応用の概念も、自分の言葉や頭で理解することができます。

    QCプラネッツでは、用語や概念をわかりやすく解説しますが、
    自分の言葉で理解できるように考えてくださいね。

    ②QC勉強の3つのお願い事項

    品質が好きになって欲しい

    QC検定®合格より、合格の先の目標を決めましょう。
    ⇒品質が好きになって欲しい!

    好きになるには、自分の頭で考えて理解を深めることです

    難しい用語をわかりやすく解釈できるまで考え抜くと、
    すっきりするし、自信がつくし、誰かに説明したくなるはずです。

    QCプラネッツでは、「品質とは何か?」を考える際に、
    ●どういう状況が「品質が悪いか」、
    ●どういう状況が「品質が良いか」、
    をイメージしました。

    物は必ず壊れます。でも
    「同じ壊れた事実が同じでも相手が怒ったり、褒めたりするのはなぜか?」
    と考えると、
    相手の期待値を超えたかどうかで品質を判断するから
    と考えたからです。

    いろいろ考えて、自分なりに解釈しやすい説明になるまで考えてみましょう。

    品質から幅広い専門性を学んで欲しい

    丸暗記はNG
    「どういう意味か?」
    「なぜそうなのか?」
    を考えましょう。

    品質管理を考え抜くと、次の分野へ開拓することができます。

    1. 技術(エンジニアリング)
    2. 経営学,組織学
    3. 世界史

    品質管理は、主に技術者が担当しますが、経営学や世界史などの分野も理解を深めることができます。

    品質問題は、技術・品質管理部門の問題にしがちですが、
    その組織の体質やその社会の慣習が影響することも多々あります。

    歴史、経営の観点から品質問題を解けると、
    品質のプロフェッショナルとして
    活躍いただけます。

    品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    品質管理の勉強のモチベーションを高めるのが、QC検定®ですね。

    当面は、QC検定®の級を上げていけばよいですが、1級合格で終わっているともったいないです。

    QC検定®を超えて、
    品質問題を解決できる品質のプロフェッショナルをたくさん増やしたい!

    試験勉強で得られる知識は多々ありますが、
    実務や、経営・歴史などの専門も深めて
    品質問題をリードできる専門家をたくさん増やしたいです。

    試験合格でモチベーションを上げつつ
    品質のプロも目指してください。

    品質のプロになるために、QCプラネッツでは、役立つ情報を挙げていきます。

    まとめ

    【QC検定®3級】勉強方法をわかりやすく解説しました。

    • ①QC勉強で大事な3つの要素
    • ②QC勉強の3つのお願い事項

  • 内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    本記事のテーマ

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる
    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)

    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

    QMS内部監査員養成したい方、是非ご購入ください。
    ISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクの対処方法を考え抜く問題集です。

    ①報告書の作り方

    報告書の目的

    単に実施したから記録するのではなく、継続して品質改善を取り組んで、組織が良くなっていっているかを確かめるために記録しましょう。

    ●何を監査したか?
    ●どんな回答があったか?
    ●どんな評価をしたのか?
    ●次回の監査までに何を改善するのか?

    をまとめることで、組織の各部門の課題や全体に共通する課題を見つけることが重要です。

    組織全体に影響する課題であれば、経営陣に迅速にインプットする必要があります。

    組織の健康チェック記録ですね。

    報告書に必要な内容

    組織内の正式な文書類になるでしょうから、報告書に必要な項目を決めて、文書や様式を設計する必要があります。

    まずは、5W1Hですね。
    ●監査員名(⇒組織が許可した監査員か?監査員教育や力量は適切か?)
    ●被監査側の出席者(⇒監査を受けてよい人か? 役職・責任・権限は適切か?)
    ●日時(⇒前回の監査からどの程度期間があり、品質の定着度を見るのに妥当かどうか?)
    ●場所(⇒場所はそれほど問題ではありませんが、最近はコロナ禍対策としてオンラインも適用されます。)

    そして、監査項目、監査評価ですね。
    ●監査項目の設定方法
    ●監査評価の定義(何が良くて、悪いか?)
    ●その他記録すべき特記事項(何を書くべきか?)

    報告書はよく考えてつくるべきですね。

    報告書の事例

    必要な項目を入れると下図の感じになるでしょう。いかがでしょうか。あなたの組織の内部監査報告書と似ていますか?違いますか?

    ●1枚目報告書

    内部監査

    ●2枚目報告書

    内部監査

    2枚用意しました。
    ●1枚目は、監査リーダが質疑しながら、最後にまとめる報告書。
    ●2枚目は、2人目の監査員が、監査質疑を詳細に記録する記録書。
    です。

    1枚目の報告書だけでは、なぜその結果になったのかが、後でわからなくなります。そこで、2枚目の記録書にQ&Aのやり取りを記録しておくことを薦めます。

    監査項目

    監査項目に何を入れるかは自由ですが、内部監査と外部審査がリンクするので、ISO9001の要求事項をいれておくのも1つの手です。

    監査項目の例として、
    ●前回の結果からの改善
    ●外部・内部課題の変化
    ●品質目標
    ●組織体制
    ●資源
    ●力量
    ●コミュニケーション
    ●文書化した情報
    ●運用の計画および管理
    ●不適合、是正処置
    ●継続的改善
    から選ぶ感じでしょうか?実際は決まった時間で監査完了しなければなりませんので、組織にとって監査したい項目を選びましょう。

    ②報告書の書き方

    必須項目

    以下を確実に書きましょう。あとで、見直す時に有効です。
    ●5W1H
    ●主語述語を明確に
    ●確認した文書名
    ●文書内容(文書名、顧客名、納期、などの重要な内容)
    ●監査のQ&A

    記録する監査員は、監査記録中、記録だけに徹しましょう。

    書き方のコツ

    1. 文章より箇条書き
    2. 主語、期限、を明確に

    音声データを記録して、文字を起こすよりは端的な箇条書きでまとめましょう。何枚も記録書を見るよりは、伝えたるべきポイントをまとめておくことが重要です。そのため、ある程度力量をもった監査員が記録すべきです。

    主語、期限など、相手が嫌がるけど、明確にしておくべきことははっきり記録しましょう。あいまいな回答が来たら、聞き返してください。相手がためらったら、「明確に書いたからといって、絶対にやらないといけないという宣言ではない」とか「監査結果に影響しません」と返しましょう。

    第3者にわかりやすくつたえるのが記録の目的です。

    報告書は電子入力すべき

    意外と内部監査って、手書きで記録していませんか? 電子化の時代とはいえ、システムを組むほどの規模でもなく、それをつくる人がいないので、紙とハンコを使っている組織が未だに多いでしょう。

    報告書は電子入力

    組織内のサーバーや、Share Point Onlineなどのツールなど何か入っているでしょうから、電子化対応しましょう。

    1. 直筆は基本汚い字
    2. リモート勤務で監査が必要

    みんな字が汚いです。汚い字で、くせのある字だと、第3者が読み取れません。でも、これが、監査終了後、被監査側が記録書をチェックしようとしない理由でもあります。

    今まで被監査側は何もチェックしなかったのに、記録書が出来たらチェックするようになりましたね。

    あと、コロナ禍によるリモート対応が直筆、紙、ハンコから電子化せざるを得ない状況になったでしょう。監査員・被監査側の一部の人がリモートログインして内部監査する時代になりました。

    電子化が必須になってきました。

    ③監査中の書き方(実際)

    実務経験から3つコツを解説します。

    1. 監査員は2名以上必要
    2. 質疑と記録を同時に2名で進行
    3. 監査後の記録データの注意点

    監査員は2名以上必要

    ●質疑する人
    ●記録する人
    の2名は必須です。

    あとは、アドバイザー監査員や育成中の監査員が必要に応じて同席します。

    監査員は2名以上必要な理由は

    1. 質疑中は記録とれない(時間も気持ちも余裕がない)
    2. 質疑しながら記録すると、記録中、会話が無くなり質疑の良い流れが寸断される

    質疑する監査リーダは、結果をまとめる時だけ、記録し、それ以外は質疑だけに集中しましょう。記録係は、記録に徹しましょう。

    監査後の記録データの注意点

    記録した文書において、改ざんされる状態のまま、文書を保管する場合が多いです。

    ●紙と鉛筆で書いた場合は、後でいくらでも改ざんできる
    ●電子化しても、その記録ファイルが編集できる状態で保存されていると、改ざんできる。

    電子化しても、監査後は文書にロックをかけて保管する必要があります。意外とexcelやwordで作った文書をそのまま電子印で承認した後、普通に編集できるファイルで保管することが多いにあります。

    まとめ

    内部監査の報告書の作り方と書き方をわかりやすく解説しました。

    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)
  • 取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    本記事のテーマ

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント

    ①最もやりたくない監査

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)と3種類ありますが、第二者監査(取引先監査)が最もやりたくないですね。

    顧客(購買先)が販売元に出向いて、品質監査をやる監査ですから。

    • 販売元はできれば避けたい
    • 顧客(購買先)も監査担当者は面倒くさいのでやりたくない
    • 両者の品質管理担当は責任が無いので、モチベーションも低い

    顧客が販売元をチェックするのは、品質管理としては重要ですが、実際やれってなると嫌ですね。その理由や現状を解説していきます。

    個人的には、他社を見る良い機会ですけど。

    ISOに書いているが、強制力はない

    ISO19011には、監査の種類と実施が書いていますが、書いているだけで、取引先監査の義務や強制力はありません。「両者の合意のもとで」なのでしょう

    監査される側は嫌がる

    そりゃ、嫌ですよね。

    ただでさえ、QCDに無茶いう顧客なのに、彼らが自社に乗り込んで監査するっていうわけですからね。監査した結果、何かアメでもないと、やってられませんよね。

    よっぽど、へまをやった(品質不正やった、顧客に相当の被害や迷惑をかけてしまった)があれば、受け入れる理由がありますが、

    監査する方も面倒くさい

    実は、顧客側も、「面倒くさい」んですよ。

    なぜなら、経営陣や管理職が取引先監査やって来い!と指示されたからとか
    監査する本人は直接、販売元から損を受けた関係ではないので、ただの事務業務として扱うからです。

    品質管理担当が取引先監査やればいいじゃん! 確かに監査する力量はあるのですが、品質管理側は組織の中でも独立した立ち位置なので、購入側・販売側のどちらの利害関係はありません。だから、モチベーションが低いのです

    「品管として、監査をやりました!」くらいな感じです。

    普段、購買側、販売側両者が集まって監査することは少ないため、
    取引先監査は貴重です。
    監査するには、互いに大きなメリットがあるといいのですが、
    どうすればよいかを考えましょう。

    ②取引先監査当日の注意点

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)とありますが、大きく違う点があります。

    1. 第一者監査(内部監査)は「性善説」を優先
    2. 第二者監査(取引先監査)は「性悪説」を優先
    3. 第三者監査(外部審査)は「性善説」を優先

    第二者監査(取引先監査)は、相手との関係性を良くしたい点がメインですが、
    基本は相手を疑うことが重要です。なぜなら、不都合なことは隠すから

    ここが、自社を診る、内部監査と外部審査の違いです。

    1. 被監査側は都合のよい所しか見せない、言わない
    2. でもそれが正しいなら、品質トラブルにならないはずだが
    3. 監査側は要求をはっきり言う
    4. 両者が決裂したら、販売先を変えればいいだけ

    取引先監査自体はお金の流れが無いため、監査側も被監査側も対等です。言いたいこと言いましょう。

    被監査側は不都合なことは隠す

    監査は本来、相手の良いところを探すものですが、
    取引先監査は不備やトラブルが原因で実施するため、
    性悪説でのぞみます。

    よって、普段相手を疑うことはしませんが、取引先監査は別人格でのぞみます。でも、喧嘩や挑発はNGです。顧客側として、こうして欲しいと率直に伝えるのが目的です。

    監査でのぞむべきポイントは

    1. 一番できの良いロットしか見せない
    2. 都合のよい文書やプロジェクト記録しか見せない
    3. 工場現場見学は基本NG。OKな場合でも良い所しか見せない
    4. 都合のよい回答しかしてこない

    ●逆に、監査される側に立てば、不都合な事実は無くても、うまく伝わらないことが原因で改善をあれこれ指示されたくはありません。また、自社では問題が起きていないことでも、NGと監査されて無理矢理な改善要求はされたくはありません。

    ●さらに、監査する・される両側をはさむ独立な立場の人はいませんので、揉め事に発展する危険性があります。

    互いに相手を配慮しつつ、変な指摘がされないよう守る事も大事です。

    監査側が見たいところをはっきり要求する

    相手が100%対応してくれるかはわかりませんが、監査に来た以上、監査したい目的や、気になる所ははっきり伝えましょう。監査される側からは、「こういうのが気になる相手だ」と伝わるからです。

    この取引先監査は、
    減点方式なので、高評価されない監査です。よって、モチベーションは上がりません。
    ●ちゃんとできていれば、減点0
    ●不備があれば減点
    ○良い事例があっても加点されない。

    テンションが上がらない監査なので、相手への要求は明確に伝えるべきですが、言い方は注意しましょう。高圧的な言い方ではなく、お願いする体がよいでしょう。

    被監査側が説明しない所をよく見る

    相手先に行ったら、説明されないところをよく見ておきましょう。説明されない所や、非言語的な情報から相手先の品質レベルがわかるからです。

    1. 事務所や工場にゴミが落ちたまま
    2. なんか埃っぽい
    3. なんか暗い(雰囲気、照明)
    4. そこで働いている人の表情
    5. 整理整頓できていない所がある
    6. 管理要な薬品・劇薬の管理状況

    説明されない所や、非言語的な情報から、相手の不備や改善要求点が見えます。直接伝えてもいいし、これらと監査チェックリストを絡めて指摘するのもよいでしょう。

    三現主義(現実、現物、現場)を見ると、ほぼ相手がわかる

    はっきり言おう!【2Sだけみれば相手がわかるよ】

    限られた時間で知らない相手を知るために時間を費やすより、
    取引先の2S(整理整頓)だけ見るだけでも
    かなり優れた審査ができるよ!

    はっきり言って

    十分な取引先監査教育環境を用意するのは難しい。
    審査で重点的に見たいところが実は外していたりすると
    【なんでこんな評価してきたの?】
    という結果が多い。

    むしろ、

    相手の職場、製造現場の整理整頓だけ見よう!
    整理整頓ができていないところは
    品質レベルに問題があるし、
    全部を綺麗に整理整頓するほど相手も時間がない。

    簡単ですが、QCプラネッツの経験上、2Sだけでもかなりの精度の高い審査結果を下すことができます。

    ③取引先監査を成功させるポイント

    相手との関係性、取引額、監査のモチベーションなどが交錯する監査なので、実施するだけでも大きな成果です。成功させるポイントを解説します。

    1. 監査員の育成
    2. スムーズな監査
    3. 良好な関係を構築

    監査員の育成

    社内から監査員を数名選抜して、育成する必要があります。品質管理担当が主にやりますが、品質管理部門は組織内で独立した位置にあるので、販売側・購入側間の利害の程度が小さいです。他人事のように監査する可能性があります。

    購買品を直接扱う、営業や技術が監査して、直接ダメージを受けた相手を監査した方が、高いモチベーションで臨めるはずです。

    取引先監査は運営や質疑が難しいので、
    組織内の内部監査で十分経験を積んでから取引先監査員
    として育成するとよいです。
    組織内の多くの人に監査できる力をつけると、内部監査や取引先監査できる人が増えて、強い組織ができます。

    内部監査員を組織内でたくさん作る理由の1つに、取引先監査の実施があります。

    スムーズな監査

    互いの言い分や、攻防がありますが、心を開かないと、相手も心を開きません。

    監査の前の、よい空気を作ることが大切です。
    「いつもありがとうございます。」
    「今回は、こういう理由で、もっとよくしたいから、監査させていただきます。」
    「今後もっと良い関係にしたいので今日1日よろしくお願いいたします。」
    「自社は最近○○で、○○なんですよ」とか
    「共通の世間話でもいい」

    監査の質疑の合間にも、相手を配慮するような言い方とか、相手が得するような提案をすると、相手も自分ことをよく考えてくれているなとして、本音がポロっと言ってくれるかもしれません。

    相手の本音は、ツッコむのではなく
    互いの良好な関係維持につながる連結器ととらえておく

    記録に書かず、口頭で、こんなこと言っていましたよ。くらいの報告でよいでしょう。

    良好な関係を構築

    取引先監査の目的は、

    両者のWIN-WINな関係を強固にすること

    ●改善した方がベターなものははっきり伝えましょう。
    ●せっかく相手と話せる機会なので、相手の価値観や考え方を共有しましょう。
    ●相手の良い点は自組織に取り込んでもよいでしょう。

    良い印象がある相手なら、「がんばろう!」となるはずですし、その逆もあります。

    人 対 人 の監査なので、心が通う良い関係になった方が、得です。

    海外の場合は、性悪説がベースなので、契約や罰金で縛りますが、本来は心通う人同士のつながりなので、良い関係で悪い事はありません。

    以上、取引先監査の両者の関係を解説し、他の内部監査や外部審査よりレベルが高い監査であることがわかりました。

    まとめ

    取引先監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント
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