数量化1類の分析ができる
「数量化1類の分析がわからない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
おさえておきたいポイント
- ①数量化1類は重回帰分析
- ➁重回帰分析の解き方(復習)
- ➂数量化1類と重回帰分析を比較
①数量化1類は重回帰分析
かえってわかりにくい!
説明変数が計数値か計量値かどうかの違い
本質は同じ
重回帰分析でいいのにね!と思いますけど
なので、重回帰分析を復習してから、説明変数を計量値から計数値に変えた場合の重回帰分析をします。それが数量化1類の分析なのです。
➁重回帰分析の解き方(復習)
重回帰分析の復習ができる関連記事
【まとめ】重回帰分析がよくわかる 重回帰分析は自信もって解けますか?説明できますか? 本記事では、重回帰分析の考え方、理解すべきポイント、重回帰分析の特徴をわかりやすく解説し、公式の導出過程を詳しく解説します。公式暗記、解法暗記で終わらせずに、本質を学ぶことができます。多変量解析を学ぶ人は必読です。 |
QCプラネッツは重回帰分析を17記事まとめています。リンク集から関連記事を確認ください。
●重回帰分析の回帰式が導出できる
●平方和の分解と分散分析ができる(重回帰分析)
●重回帰分析の寄与率Rがわかる
●重回帰分析と単回帰分析の比較がわかる
●重回帰分析の推定区間の式が導出できる(その1)
●重回帰分析の推定区間の式が導出できる(その2)
●偏相関係数が導出できる
●重回帰分析の多重共線性がわかる
●重回帰分析は単位に影響されない理由がわかる
●重回帰分析は単位に影響されない理由がわかる(その2)
●重回帰分析のダミー変数の使い方がよくわかる
●偏回帰係数に関する検定と推定がよくわかる
●変数増減法がよくわかる
●重回帰分析のテコ比がよくわかる(その1)
●重回帰分析のテコ比がよくわかる(その2)
●ダービンワトソン比がよくわかる
重回帰分析の復習ポイント
重回帰分析から数量化1類へ変化していく際に、比較するために必要な変数を復習しましょう。
- 平方和\(S\)
- 分散分析
- 回帰直線(切片と傾き)
- 寄与率\(S_R\)
この記事では説明変数は2つとし、回帰直線
\(y=a+bx_1 +cx_2\)
を考えます。
●平方和は
・\(S_y\)=\(\sum_{i=1}^{n}(y_i-\bar{y})^2\)
・\(S_{11}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_{1i}-\bar{x_1})^2\)
・\(S_{22}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_{2i}-\bar{x_2})^2\)
・\(S_{12}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_{1i}-\bar{x_1})(x_{2i}-\bar{x_2})\)
・\(S_{1y}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_{1i}-\bar{x_1})(y_i-\bar{y})\)
・\(S_{2y}\)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_{2i}-\bar{x_2})(y_i-\bar{y})\)
●回帰直線(切片と傾き) は
◎傾き
・\(S_{11}b+S_{12}c=S_{1y}\)
・\(S_{12}b+S_{22}c=S_{2y}\)
◎切片
\(\bar{y}=a+b \bar{x_1} +c \bar{x_2}\)
●寄与率\(S_R\)は
\(S_R\)=\(b S_{1y} + c S_{2y}\)
➂数量化1類と重回帰分析を比較
データを用意
数量化1類と重回帰分析を比較するために、次の3つのデータを用意します。
データ(type1)
No | x1 | x2 | y |
1 | 3 | 1 | 3 |
2 | 2 | 4 | 4 |
3 | 4 | 2 | 4 |
4 | 4 | 5 | 7 |
5 | 5 | 4 | 7 |
6 | 6 | 2 | 5 |
合計 | 24 | 18 | 30 |
平均 | 4 | 3 | 5 |
次に、説明変数\(x_1,x_2\)において、
●0~3⇒0
●4~6⇒1
という基準を設けてダミー変数化して
重回帰分析します。
データ(type2)は、説明変数\(x_1\)のみ
データ(type3)は、説明変数\(x_1,x_2\)両方
とします。
データ(type2)
No | x1 | x2 | y |
1 | 0 | 1 | 3 |
2 | 0 | 4 | 4 |
3 | 1 | 2 | 4 |
4 | 1 | 5 | 7 |
5 | 1 | 4 | 7 |
6 | 1 | 2 | 5 |
合計 | 4 | 18 | 30 |
平均 | 0.67 | 3 | 5 |
データ(type3)
No | x1 | x2 | y |
1 | 0 | 0 | 3 |
2 | 0 | 1 | 4 |
3 | 1 | 0 | 4 |
4 | 1 | 1 | 7 |
5 | 1 | 1 | 7 |
6 | 1 | 0 | 5 |
合計 | 4 | 3 | 30 |
平均 | 0.67 | 0.5 | 5 |
分析結果を比較
平方和、分散分析、回帰直線、寄与率を比較しますが、
同じ解き方です。
平方和
平方和 | データ(type1) | データ(type2) | データ(type3) |
\(S_{11}\) | 10 | 68 | 68 |
\(S_{1y}\) | 6 | 3 | 3 |
\(S_{12}\) | -1 | -1 | 50 |
\(S_{22}\) | 12 | 12 | 39 |
\(S_{2y}\) | 10 | 10 | 3 |
\(S_{yy}\) | 14 | 14 | 14 |
上表のマーカー部ですが、説明変数\(x_i\)の値が
変化したところの平方和が変化していますね。
分散分析
– | データ(type1) | データ(type2) | データ(type3) | |||
平方和S | 自由度φ | 平方和S | 自由度φ | 平方和S | 自由度φ | |
回帰R | 13.042 | 2 | 12.089 | 2 | 12.75 | 2 |
残差e | 0.958 | 3 | 1.911 | 3 | 1.25 | 3 |
計T | 14 | 5 | 14 | 5 | 14 | 5 |
データtype1から3にかけて、回帰平方和に若干の差が出ていますが、
総平方和は不変であることがわかりますね。
回帰直線
– | 定数項 | \(x_1\)の係数 | \(x_2\)の係数 | 式 |
データ(type1) | -0.429 | 0.689 | 0.891 | \(y=\)-0.429+0.689\(x_1\)+0.891\(x_2\) |
データ(type2) | 1.778 | 1.733 | 0.689 | \(y=\)1.778+1.733\(x_1\)+0.689\(x_2\) |
データ(type3) | 2.5 | 2.25 | 2 | \(y=\)2.5+2.25\(x_1\)+2\(x_2\) |
それぞれのケースで若干値が変わっていますね。
寄与率
– | 寄与率R |
データ(type1) | 0.932 |
データ(type2) | 0.863 |
データ(type3) | 0.911 |
数量化1類の分析ができましたね!
まとめ
「数量化1類の分析ができる」を解説しました。
- ①数量化1類は重回帰分析
- ➁重回帰分析の解き方(復習)
- ➂数量化1類と重回帰分析を比較
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119