投稿者: QCプラネッツ

  • 待機系の温予備系の信頼性・故障率がわかる

    待機系の温予備系の信頼性・故障率がわかる

    「待機系の信頼度・故障率・MTTFの計算がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    待機系の温予備系の信頼性・故障率がわかる
    • ①待機系の種類
    • ➁温予備系とは
    • ➂温予備系の平均寿命の計算
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    ①待機系の種類

    待機系ではさらに3つに分類できます。信頼性工学の専門書レベルですが、比較すると理解が深まるので解説します。

    1. 熱予備
    2. 温予備
    3. 冷予備

    3つの違いを表にします。

    種類 内容
    冷予備系 待機中は放置、稼働しない。
    稼働しない分の信頼度は並列系より高くなる。
    温予備系 冷予備系と温予備系の間。
    予備電源だけ入れて待機状態のイメージ。
    熱予備系 並列系と同じで、待機中も稼働し、
    いつでも切り替えられる良さはあるが、
    信頼度は並列系程度に低下する

    名前に、温度が関係する文字があるのは、対応する系の設備や施設と関連があるからです。

    イメージは、

    待機中は放置、稼働しない。
    稼働しない分の信頼度は並列系より高くなる。

    実は、下の待機系の記事は、冷予備系を前提に書いています。本記事はもう少し詳細に解説します。

    また、信頼度\(R_s(t)\)の式も若干異なります。それぞれ解説記事があります。
    ●冷予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ) dτ\)
    ●温予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ+\frac{τ}{k}) dτ\)
    ●熱予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+αR_2(t)(1-R_1(t))\)

    ➁温予備系とは

    温予備系とは

    ●平均寿命は、待機系の方が並列系より長い
    ●冷予備系が待機系より
    ●熱予備系に近いほど並列系の信頼性に近づく(低下する)
    ●平均寿命は、温予備系は冷予備系より低下する
    (本記事で実際に計算します。)

    比較として冷予備系についての記事をリンクします。ご確認ください。

    待機系の冷予備系の信頼性・故障率がわかる
    待機系の冷予備系信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    温予備系の信頼度\(R_s(t)\)

    信頼度\(R_s(t)\)は、
    ●温予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ+\frac{τ}{k}) dτ\)
    (0 ≤ \(α\) ≤ 1)
    (1 ≤ \(k\) )
    ですが、式の意味を解説すると、

    冷予備系と式が違うのは、\( R_2(+\frac{τ}{k})\)があること。
    待機中に要素を使用状態にするため、少し時間が経過しているという意味を持たせるために\( R_2(+\frac{τ}{k})\)がある

    その分、計算は煩雑になりますが、いい計算練習にはなります。

    実例として、\(α\) =1、\(R_1(t)\)=\(e^{-λ_1 t}\)、\(R_2(t)\)=\(e^{-λ_2 t}\)として、\(R_s(t)\)を求めましょう。

    まず、計算が大変そうな\(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ+\frac{τ}{k}) dτ\)を計算すると、
    \(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ+\frac{τ}{k}) dτ\)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{t} λ_1 e^{-λ_1 t} e^{λ_2 (t-(1-\frac{1}{k})τ)} dτ\)
    =\(\frac{λ_1 e^{-λ_2 t}}{λ_1 – λ_2(1-\frac{1}{k})} (1- e^{-(λ_1 – λ_2(1-\frac{1}{k}))t})\)

    よって、\(R_s(t)\)は
    \(R_s(t)\)= \(\frac{λ_1 e^{-λ_2 t}}{λ_1 – λ_2(1-\frac{1}{k})} (1- e^{-(λ_1 – λ_2(1-\frac{1}{k}))t})\)

    以降、\(λ\)=\(λ_1\)=\(λ_2\)について計算すると、
    \(R_s(t)\)= \(\frac{λe^{-λt}}{λ – λ(1-\frac{1}{k})} (1- e^{-(λ– λ(1-\frac{1}{k}))t})\)
    =\(e^{-λt} (1+k(1-e^{-\frac{λ}{k}t}))\)
    とシンプルになります。

    \(R_s(t)\)= \(e^{-λt} (1+k(1-e^{-\frac{λ}{k}t}))\)

    温予備系の信頼度\(R_s(t)\)と並列系の信頼度\(R_p(t)\)の比較

    待機系の信頼度は、並列系の信頼度より高い。
    温予備系の信頼度\(R_s(t)\)は並列系の信頼度\(R_p(t)\)より
    高いかどうか確認しましょう。

    並列系の信頼度\(R_p(t)\)の導出

    関連記事にありますので、ご確認ください。

    並列系の信頼性・故障率がよくわかる
    並列系の信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    \(R_p(t)\)=\(R_1+R_2-R_1 R_2\)より
    \(R_p(t)\)=\(e^{-λ_1 t}\)+\(e^{-λ_1 t}\)-\(e^{-λ_1 t}\)\(e^{-λ_1 t}\)
    =\(2e^{-λt}\)+\(e^{-2λt}\)

    温予備系の信頼度\(R_s(t)\)と並列系の信頼度\(R_p(t)\)の比較

    \(R_s(t)\)- \(R_p(t)\)
    =\(e^{-λt} (1+k(1-e^{-\frac{λ}{k}t})\)-(\(2e^{-λt}\)+\(e^{-2λt}\))
    =\( e^{-λt}(k(1- e^{-\frac{λ}{k}t})-(1- e^{-λt}))\)

    ここで指数関数を2次項までテーラー展開した結果を代入すると、
    =\( e^{-λt}(k(1-1+\frac{λ}{k}-\frac{λ^2}{2k^2}t^2)-(1-1+λt-\frac{λ^2}{2}t^2)\)
    =\( e^{-λt} \frac{λ^2 t^2}{2}(1-\frac{1}{k})\) > 0
    (1 ≤ \(k\) )

    より、確かに、

    待機系の信頼度は、並列系の信頼度より高い。
    温予備系の信頼度\(R_s(t)\)は並列系の信頼度\(R_p(t)\)より
    高いことが確認できた!

    温予備系の確率密度関数\(f_s(t)\)

    次に確率密度関数\(f_s(t)\)を計算します。導出方法が2つあります。

    1. 信頼度\(R_s(t)\)の微分から
    2. 1系、2系の確率密度関数の関係式から

    2つ目の「1系、2系の確率密度関数の関係式から」は大変なので、
    信頼度\(R_s(t)\)の微分から計算しましょう。

    信頼度\(R_s(t)\)の微分から導出

    \(f_s(t)\)=\(-\displaystyle \frac{dR_s(t)}{dt} \)
    =\(λ(k+1)e^{-λt}(1-e^{-\frac{λ}{k}t})\)

    少し複雑な微分ですが、良い計算練習にはなります。

    ➂温予備系の平均寿命の計算

    平均寿命μの導出

    μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)
    で計算できます。複雑な式をがんばって部分積分しましょう。

    μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)
    =\(λ(k+1) \displaystyle \int_{0}^{∞} t e^{-λt} (1-e^{-\frac{λ}{k}t})dt \)

    部分積分すると、
    \(\displaystyle \int_{0}^{∞} t e^{-λt} dt \)
    =\( \left[ -\frac{1}{λ}t e^{-λt}-\frac{1}{λ^2} e^{-λt} \right]_0^∞ \)

    \(\displaystyle \int_{0}^{∞} t e^{-λ(1+\frac{1}{k})t} dt \)
    =\( \left[ -\frac{1}{λ(1+\frac{1}{k})}t e^{-λ(1+\frac{1}{k})t}+\frac{1}{λ^2 (1+\frac{1}{k})^2} e^{-λ(1+\frac{1}{k})t} \right]_0^∞ \)

    部分積分の結果を代入すると
    μ=\(λ(k+1)( \left[ -\frac{1}{λ}t e^{-λt}-\frac{1}{λ^2} e^{-λt} \right]_0^∞ \)- \( \left[ -\frac{1}{λ(1+\frac{1}{k})}t e^{-λ(1+\frac{1}{k})t}+\frac{1}{λ^2 (1+\frac{1}{k})^2} e^{-λ(1+\frac{1}{k})t} \right]_0^∞ )\)
    =\(λ(k+1) (\frac{1}{λ^2}-\frac{k^2}{λ^2 (k+1)^2})\)
    =\(\frac{2k+1}{λ(k+1)}\)
    =\(\frac{1}{λ}(1+\frac{k}{1+k})\)

    まとめると、
    平均寿命μ=\(\frac{1}{λ}(1+\frac{k}{1+k})\)

    冷予備系と温予備系の平均寿命μの比較

    ●冷予備系の平均寿命\(μ_1\)=\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)
    =μ=\(\frac{2}{λ}\)
    ●温予備系の平均寿命\(μ_2\)=\(\frac{1}{λ}(1+\frac{k}{1+k})\)

    平均寿命を比較すると、
    \(μ_1\)-\(μ_2\)
    =\(\frac{2}{λ}\)-\(\frac{1}{λ}(1+\frac{k}{1+k})\)
    =\(\frac{1}{λ(k+1)}\) > 0

    より、確かに、

    冷予備系の方が温予備系より平均寿命が長いことがわかった

    温予備系と熱予備系を見て、待機系の3つの違いを比較して理解しましょう。

    まとめ

    「待機系の温予備系の信頼性・故障率がわかる」を解説しました。

    • ①待機系の種類
    • ➁温予備系とは
    • ➂温予備系の平均寿命の計算

  • 待機系の冷予備系の信頼性・故障率がわかる

    待機系の冷予備系の信頼性・故障率がわかる

    「待機系の信頼度・故障率・MTTFの計算がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    待機系の冷予備系の信頼性・故障率がわかる
    • ①待機系の種類
    • ➁冷予備系とは
    • ➂冷予備系の平均寿命の計算
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    ①待機系の種類

    待機系ではさらに3つに分類できます。信頼性工学の専門書レベルですが、比較すると理解が深まるので解説します。

    1. 熱予備
    2. 温予備
    3. 冷予備

    3つの違いを表にします。

    種類 内容
    冷予備系 待機中は放置、稼働しない。
    稼働しない分の信頼度は並列系より高くなる。
    温予備系 冷予備系と温予備系の間。
    予備電源だけ入れて待機状態のイメージ。
    熱予備系 並列系と同じで、待機中も稼働し、
    いつでも切り替えられる良さはあるが、
    信頼度は並列系程度に低下する

    名前に、温度が関係する文字があるのは、対応する系の設備や施設と関連があるからです。

    イメージは、

    待機中は放置、稼働しない。
    稼働しない分の信頼度は並列系より高くなる。

    実は、下の待機系の記事は、冷予備系を前提に書いています。本記事はもう少し詳細に解説します。

    また、信頼度\(R_s(t)\)の式も若干異なります。それぞれ解説記事があります。
    ●冷予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ) dτ\)
    ●温予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ+\frac{τ}{k}) dτ\)
    ●熱予備系:\(R_s(t)\)=\(R_1(t)+αR_2(t)(1-R_1(t))\)

    ➁冷予備系とは

    冷予備系とは

    ●平均寿命は、待機系の方が並列系より長い
    ●冷予備系が待機系より
    ●熱予備系に近いほど並列系の信頼性に近づく(低下する)

    実は、下の待機系の記事は、冷予備系を前提に書いています。本記事はもう少し詳細に解説します。

    待機系の信頼性・故障率がよくわかる
    待機系の信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    冷予備系の信頼度\(R_s(t)\)

    信頼度\(R_s(t)\)は、
    \(R_s(t)\)=\(R_1(t)+α\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ) dτ\)
    (0 ≤ \(α\) ≤ 1)
    ですが、式の意味を解説すると、

    信頼度は、1系の信頼度と、1系が故障して2系に切り替わる際の両系の信頼度の和(畳み込み積分)として表現する。

    2系は1系の影響を受けて稼働する・しないを決めるので、並列系のように単純な信頼度の積ではなく、畳み込み積分で計算します。

    実例として、\(R_1(t)\)=\(e^{-λ_1 t}\)、\(R_2(t)\)=\(e^{-λ_2 t}\)として、\(R_s(t)\)を求めましょう。

    まず、計算が大変そうな\(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ) dτ\)を計算すると、
    \(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ)R_2(t-τ) dτ\)
    =\(\displaystyle \int_{0}^{t} λ_1 e^{-λ_1 t} e^{λ_2 (t-τ)} dτ\)
    =\(\frac{λ_1 e^{-λ_2 t}}{λ_1 – λ_2} (1- e^{-(λ_1 – λ_2)t})\)

    よって、\(R_s(t)\)は
    \(R_s(t)\)= \(e^{-λ_1 t} \)+α\(\frac{λ_1 e^{-λ_2 t}}{λ_1 – λ_2} (1- e^{-(λ_1 – λ_2)t})\)

    ここで、α=0の場合、(切り替わりが失敗した場合)
    \(R_s(t)\)= \(e^{-λ_1 t} \)=\(R_1(t)\)
    と1系の信頼度だけで、
    \(R_s(t)\)が最小の場合となります。

    以降、α=1(切り替わりが確実に成功する場合)について計算すると、
    \(R_s(t)\)= \(e^{-λ_1 t} \)+ \(\frac{λ_1 e^{-λ_2 t}}{λ_1 – λ_2} (1- e^{-(λ_1 – λ_2)t})\)
    =\(\frac{1}{λ_1 – λ_2} (-λ_2 e^{-λ_1 t} +λ_1 e^{-λ_2 t})\)
    となります。

    \(R_s(t)\)= \(\frac{1}{λ_1 – λ_2} (-λ_2 e^{-λ_1 t} +λ_1 e^{-λ_2 t})\)

    冷予備系の確率密度関数\(f_s(t)\)

    次に確率密度関数\(f_s(t)\)を計算します。導出方法が2つあります。

    1. 信頼度\(R_s(t)\)の微分から
    2. 1系、2系の確率密度関数の関係式から

    2つ目の「1系、2系の確率密度関数の関係式から」は関連記事で導出済です。ご覧ください。

    待機系の信頼性・故障率がよくわかる
    待機系の信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    信頼度\(R_s(t)\)の微分から導出

    \(f_s(t)\)=\(-\displaystyle \frac{dR_s(t)}{dt} \)
    =-\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 – λ_2} e^{-λ_1 t}\) + \(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 – λ_2} e^{-λ_2 t}\)
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 – λ_2} (e^{-λ_2 t} – e^{-λ_1 t})\)
    となり、関連記事からの導出結果と一致します。

    ➂冷予備系の平均寿命の計算

    関連記事で解説済ですが、待機系と並列系の違いがよくわかるので重要です。

    2つ目の「1系、2系の確率密度関数の関係式から」は関連記事で導出済です。ご覧ください。

    待機系の信頼性・故障率がよくわかる
    待機系の信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    平均寿命μの導出

    μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} \displaystyle \int_{0}^{∞} t e^{-λ_2 t} (1-e^{-(λ_1-λ_2)t})dt \)

    部分積分すると、
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2}\)
    =\(( \left[ -\frac{1}{λ_2^2} e^{-λ_2 t}-\frac{1}{λ_2} t e^{-λ_2 t} \right]_0^∞ \)
    +\( \left[ -\frac{1}{λ_1^2} e^{-λ_1 t}-\frac{1}{λ_1} t e^{-λ_1 t} \right]_0^∞ )\)

    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} (\frac{1}{λ_2^2 -λ_1^2 }) \)
    =\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)

    まとめると、
    平均寿命μ=\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)

    冷予備系(待機系)と並列系の比較

    直列系 並列系 待機系
    μ \(\frac{1}{λ}\) \(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}-\frac{1}{λ_1 + λ_2}\) \(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)
    並列系より待機系の方が、平均寿命が長くなる

    次は、温予備系と熱予備系を見て、待機系の3つの違いを比較して理解しましょう。

    まとめ

    「待機系の冷予備系の信頼性・故障率がわかる」を解説しました。

    • ①待機系の種類
    • ➁冷予備系とは
    • ➂冷予備系の平均寿命の計算

  • 待機系の信頼性・故障率がよくわかる

    待機系の信頼性・故障率がよくわかる

    「待機系の信頼度・故障率・MTTFの計算がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    待機系の信頼性・故障率がよくわかる
    • ①要素の種類
    • ➁待機系は並列系と比較するとよくわかる
    • ➂待機系の平均寿命の計算
    • ➃待機系はさらに種類がある
    • ➄絶対解いて欲しい演習問題
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    QC検定®1級合格したい方、本物の信頼性工学を学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「信頼性工学」問題集を販売します! ①QC検定®頻出問題、➁確率分布と順序統計量、➂各確率分布における故障率、➃点推定と区間推定、➄直列系、並列系、待機系、多数決系、⑥独立系と非独立系、⑦アベイラビリティ、⑧確率紙、⑨打切りデータ、⑩信頼性工学と抜取検査の組合せ、10章全54題。しっかり勉強しましょう。

    ①要素の種類

    信頼性工学では、以下の4つの要素について、それぞれ信頼度、故障率、MTTFを計算します。

    解法を理解できれば、丸暗記は不要です。

    要素の種類

    1. 直列系
    2. 並列系
    3. 待機系
    4. 多数決系

    よく見るのは、「直列系」と「並列系」ですが、4つとも解説します。

    ➁待機系は並列系と比較するとよくわかる

    並列系を復習する

    これは簡単ですよね。下図のように要素を並列に並べた系のことです。

    信頼性工学

    並列に並んだ要素がすべて故障しないかぎり正常であるから、信頼性が上がる!

    待機系とは

    基本は、並列系と同じ、機能を複数並列に並べるのですが、決定的に違う点があります。

    信頼性工学

    並列機能が独立しているのが並列系で
    並列機能が独立せず関係性があるのが待機系です。

    つまり、
    ブロック1も2も別々に動作していいのが並列系で、
    あるブロック1が壊れたら直ちに並列する他のブロック2に切り替えるのが待機系です。

    並列系と待機系は数式で書くと全く違うものになる

    並列系は、ただの掛け算で確率、故障率、確率密度関数を計算する。
    t=t1+t2と考える時は (右辺)側のt1,t2で考える
    直観的でわかりやすいし、馴染み深い。
    待機系は、ただの掛け算で確率、故障率、確率密度関数を計算できない。
    t=t1+t2と考える時は(左辺)側のt1,t2で考える
    そのため、畳み込み積分で計算するから、一気に難しくなる

    並列系と待機系はイメージ図はほとんど同じですが、計算方法が全く違います。

    ➂待機系の平均寿命の計算

    信頼度の確率密度関数\(f_s (t)\)

    畳み込み積分で確率密度関数\(f_s (t)\)を求めます。

    畳み込み積分については、関連記事で復習しましょう。

    【まとめ】畳み込み積分がよくわかる
    畳み込み積分が計算できますか?本記事では畳み込み積分のイメージを高校数学を使ってわかりやすく解説し、 さらに一様分布、指数分布、正規分布、ポアソン分布、χ2乗分布を組み合わせた畳み込み積分の計算を途中経過を一切端折らずに解説しています。畳み込み積分の計算ができず困っている方は必見です。

    ●\(f_s (t)\)= \(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ) f_2(t-τ)dτ \)

    平均寿命の計算の例題

    2個のブロックが待機系にあり、それぞれのブロックの故障率が指数分布に従うとします。
    ●\(f_1(t)\)=\(λ_1 e^{-λ_1 t}\)
    ●\(f_2(t)\)=\(λ_2 e^{-λ_2 t}\)

    ここで、例題です。

    例題
    (1)\(f_s (t)\)を計算せよ。
    (2)MTTF=μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)を計算せよ。

    積分すればできます!

    平均寿命の計算の解法

    \(f_s (t)\)の計算

    \(f_s (t)\)= \(\displaystyle \int_{0}^{t} f_1(τ) f_2(t-τ)dτ \)
    =\(λ_1 λ_2 \displaystyle \int_{0}^{t} e^{-λ_1 τ} e^{-λ_2 (t-τ)}dτ\)
    =\(λ_1 λ_2 e^{-λ_2 t} \displaystyle \int_{0}^{t} e^{-(λ_1-λ_2 )τ}dτ\)
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} e^{-λ_2 t} (1-e^{-(λ_1-λ_2)t}) \)

    まとめると
    \(f_s (t)\)= \(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} e^{-λ_2 t} (1-e^{-(λ_1-λ_2)t}) \)

    できましたね!

    平均寿命μの計算

    μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} \displaystyle \int_{0}^{∞} t e^{-λ_2 t} (1-e^{-(λ_1-λ_2)t})dt \)

    部分積分すると、
    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2}\)
    =\(( \left[ -\frac{1}{λ_2^2} e^{-λ_2 t}-\frac{1}{λ_2} t e^{-λ_2 t} \right]_0^∞ \)
    +\( \left[ -\frac{1}{λ_1^2} e^{-λ_1 t}-\frac{1}{λ_1} t e^{-λ_1 t} \right]_0^∞ )\)

    =\(\frac{λ_1 λ_2}{λ_1 -λ_2} (\frac{1}{λ_2^2 -λ_1^2 }) \)
    =\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)

    まとめると、
    平均寿命μ=\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)

    平均寿命を並列系と待機系で比較する

    並列系の平均寿命は関連記事で計算しています。確認ください。

    並列系の信頼性・故障率がよくわかる
    並列系の信頼度、故障率、平均寿命は計算できますか。本記事では、わかりやすく解説しています。基本的な内容ですが、信頼度、確率密度関数、MTTFの導出式を理解して、待機系、多数決系の応用パターンも理解していきましょう。

    結果を比較すると、下表になります。

    直列系 並列系 待機系
    μ \(\frac{1}{λ}\) \(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}-\frac{1}{λ_1 + λ_2}\) \(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}\)
    並列系より待機系の方が、平均寿命が長くなる

    面白いですね。

    ➃待機系はさらに種類がある

    1. 熱予備
    2. 温予備
    3. 冷予備

    それぞれの違いについては関連記事で解説していきます。

    ➄絶対解いて欲しい演習問題

    確率密度関数と平均寿命を求める問題で、畳み込み積分、指数関数からガンマ分布が復習できる良問です。

    例題
    要素数nで、どの要素の確率密度関数が、同一のλによる指数分布関数
    \(f_i (t) = λe^{-λt}\)に従うとき、
    (1)\(f_s (t)\)=\(\frac{λ^n t^{n-1}}{Γ(n)} e^{-λt}\)を示せ。
    (2)MTTF=μ= \(\displaystyle \int_{0}^{∞}t f_s(t) dt\)=\(\frac{n}{λ})\)を確認せよ。

    関連記事で解説しています。確認すると解けるはず。

    ガンマ分布がよくわかる
    ガンマ分布が導出できますか?本記事では、直接、関数の式を見るのは危険なガンマ分布を指数分布からわかりやすく導出し、期待値・分散も途中過程を端折らず解説します。信頼性工学で必須なガンマ分布なので、必読な記事です。

    まとめ

    「待機系の信頼性・故障率がよくわかる」を解説しました。

    • ①要素の種類
    • ➁待機系は並列系と比較するとよくわかる
    • ➂待機系の平均寿命の計算
    • ➃待機系はさらに種類がある
    • ➄絶対解いて欲しい演習問題

  • 信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合)

    信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合)

    「信頼度の推定方法がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1))
    • ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方
    • ➁寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    • ➂打切りの方法は複数ある
    • ➃例題で信頼度の推定方法を理解する
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    ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方

    信頼性工学では、データの種類によって、寿命の推定方法が共通な所と異なる所があります。整理してわかりやすく解説します!

    データの種類

    1. 寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合
    2. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    3. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その2)
    4. 寿命分布なし、区間分け無、打切り無しの場合
    5. 寿命分布なし、区間分け無、打切り有りの場合
    6. 別途追加予定

    古書を読むと、専門家が提案する難解な式を代入して解く方法が多いのですが、式の意味を理解して解きたいので、考えが合わないものは教科書ではなくQCプラネッツの考え方で解説します。

    各テーマを単発で出題すると簡単な問いだけど、
    テーマを比較しながら解くと、難しくなるので、
    頭で整理しながら理解しましょう。

    ➁寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)

    寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合とは

    ●寿命分布なしとは、

    故障率が指数分布やワイブル分布に乗らない場合。
    度数分布表から解いていくパターン

    ●区間分け有とは、

    区間を等間隔で用意して、各区間の故障数を調べる。
    区間分けする方が一般的。

    ●打切り無しとは、

    対象の製品が全部壊れるまで試験を行う場合。
    有限時間内に壊れる製品はヤバいので、試験で壊れなかった製品は試験打切りする方が一般的。

    実際に、例題で解いてみましょう。あまり、難しく構える必要はありません。

    故障率の計算って、簡単な場合は中学生レベルなのに、急に大学の統計学が入るから、簡単なのか激難かよくわからない!だから、触れにくいよね!

    そういう時は、いっぱい例題を見て、比較して理解すればOKです。

    ➂打切りの方法は複数ある

    2つ打ち切る方法があります。3つ目以上もあるかもしれません。

    1. 区間で打ち切る場合
      ←本記事のテーマ
    2. 区間ごとで故障しない場合で打切る場合

    区間で打ち切る場合を例に挙げます。

    ➃例題で信頼度の推定方法を理解する

    例題

    【例題】
    ある製品100台を寿命試験にかけて、100台すべて故障するまで試験を実施した。下表はその結果をまとめたものである。各区間の信頼度Rを計算せよ。
    i 区間 故障数 残数 R(ti)
    0 0.5~10.5 1 100 ??
    1 10.5~20.5 3 99 ??
    2 20.5~30.5 6 96 ??
    3 30.5~40.5 8 90 ??
    4 40.5~50.5 12 82 ??
    5 50.5~60.5 20 70 ??
    6 60.5~70.5 28 50 ??
    7 70.5~80.5 10 22 ??
    8 80.5~90.5 6 12 ??
    9 90.5~100.5 3 6 ??
    10 100.5~ 3 3 ??

    この例題だけだと、中学生でも解けます!でも、

    1. 寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合
    2. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    3. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その2)
    4. 寿命分布なし、区間分け無、打切り無しの場合
    5. 寿命分布なし、区間分け無、打切り有りの場合

    と実際は、いろいろなパターンがあり、違いを理解して、どんな数式を使えばよいかを考えると、一気に大学レベルに上がります。

    解法の違いを比較しながら、理解しよう!

    「寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合」と比較すると一気に難しく感じる!

    関連記事に「寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合」の例題がありますが、その表をもってきましょう。

    信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)
    いくつかある信頼度の推定方法が計算できますか? 本記事では中学生レベルでもあり、大学レベルにもなる信頼度の推定方法をわかりやすく解説します。複数パターンがあり、個々のパターンの違いを明確に解説します。信頼性工学で混乱している人は必読です。

    i 区間 故障数 残数 R(ti) 区間 故障数 残数 R(ti)
    0 0.5~10.5 1 100 ?? 0.5~10.5 1 100 ??
    1 10.5~20.5 3 99 ?? 10.5~20.5 3 99 ??
    2 20.5~30.5 6 96 ?? 20.5~30.5 6 96 ??
    3 30.5~40.5 8 90 ?? 30.5~40.5 8 90 ??
    4 40.5~50.5 12 82 ?? 40.5~50.5 12 82 ??
    5 50.5~60.5 20 70 ?? 50.5~60.5 20 70 ??
    6 60.5~70.5 28 50 ?? 60.5~70.5 28 50 ??
    7 70.5~80.5 13 22 ?? 70.5~80.5 10 22 ??
    8 80.5~90.5 6 9 ?? 80.5~90.5 6 12 ??
    9 90.5~100.5 3 3 ?? 90.5~100.5 3 6 ??
    10 100.5~110.5 0 0 ?? 100.5~ 3 3 ??

    上の表で
    ●寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合
    ●寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合
    で違いがありますよね。

    ●区間i=10で 100.5~110.5 と 100.5~ が違う

    この違いで解き方が変わるのか?同じでいいのか?

    ここが難しいポイントですよね! 解き方を丸暗記せず、理解して進めることが大事です。
    本記事で、一番言いたいところです。

    解法

    まず、信頼度を解く前に、

    ●区間の最大レベルを見ると、110.5以上は打ち切っていることを確認しましょう。
    ●故障数の合計は確かに全100個になっていることを確認しましょう。

    信頼度を計算する

    実は、計算は打ち切り無しと同じ
    でも計算以外で注意してよく考えるべき点がある!

    単純明快で、 
    信頼度R=残数/全個数で計算できます。

    めっちゃ簡単だけど、
    打ち切りが入るなり、分布なりが入ってくると難しくなる点は意識しましょう。

    結果は、こうなります。

    i 区間 故障数 残数 R(ti)
    0 0.5~10.5 1 100 (100/100)=1
    1 10.5~20.5 3 99 (99/100)=0.99
    2 20.5~30.5 6 96 (96/100)=0.96
    3 30.5~40.5 8 90 (90/100)=0.9
    4 40.5~50.5 12 82 (82/100)=0.82
    5 50.5~60.5 20 70 (70/100)=0.7
    6 60.5~70.5 28 50 (50/100)=0.5
    7 70.5~80.5 10 22 (22/100)=0.22
    8 80.5~90.5 6 12 (12/100)=0.12
    9 90.5~100.5 3 6 (6/100)=0.06
    10 100.5~ 3 3 (3/100)=0.03

    まず、シンプルな例題から簡単に求まりましたが、いくつかのパターンを比較すると混乱します。1つずつわかりやすく解説していきます!

    注意すべき点がある

    それは、

    110.5以上のデータを打ち切る場合
    ●110.5以上で打ち切っても本当によいか?
    ●どこまで試験時間、量をかけたらよいか?

    例えば、110.5以上の打ち切りデータは、実際130くらいで故障したなら、区間を140まで延伸した方が、より精度の高い表ができます。これを実践するかどうか?

    試験は打ち切らない方が精度の良い結果が出ますが、
    実際は時間もお金もかかります。
    区間をどこまでとするのが、妥当な区間域をどう決めるか?

    実は、

    R(t)の計算より、打ち切る区間の決め方の方が大事ですし、
    打切りデータがある場合は実際ほとんどです。
    ここは技術者の腕の見せ所で、計算や演習問題には出て来ません。

    寿命予測はここが難しいと言えます。

    まとめ

    「信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1))」を解説しました。

    • ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方
    • ➁寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    • ➂打切りの方法は複数ある
    • ➃例題で信頼度の推定方法を理解する

  • 信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)

    信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)

    「信頼度の推定方法がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)
    • ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方
    • ➁信頼度の推定方法(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)
    • ➂例題で信頼度の推定方法を理解する
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    ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方

    信頼性工学では、データの種類によって、寿命の推定方法が共通な所と異なる所があります。整理してわかりやすく解説します!

    データの種類

    1. 寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合
    2. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    3. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その2)
    4. 寿命分布なし、区間分け無、打切り無しの場合
    5. 寿命分布なし、区間分け無、打切り有りの場合
    6. 別途追加予定

    古書を読むと、専門家が提案する難解な式を代入して解く方法が多いのですが、式の意味を理解して解きたいので、考えが合わないものは教科書ではなくQCプラネッツの考え方で解説します。

    ➁信頼度の推定方法(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)

    寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合とは

    ●寿命分布なしとは、

    故障率が指数分布やワイブル分布に乗らない場合。
    度数分布表から解いていくパターン

    ●区間分け有とは、

    区間を等間隔で用意して、各区間の故障数を調べる。
    区間分けする方が一般的。

    ●打切り無しとは、

    対象の製品が全部壊れるまで試験を行う場合。
    有限時間内に壊れる製品はヤバいので、試験で壊れなかった製品は試験打切りする方が一般的。

    実際に、例題で解いてみましょう。あまり、難しく構える必要はありません。

    故障率の計算って、簡単な場合は中学生レベルなのに、急に大学の統計学が入るから、簡単なのか激難かよくわからない!だから、触れにくいよね!

    そういう時は、いっぱい例題を見て、比較して理解すればOKです。

    ➂例題で信頼度の推定方法を理解する

    例題

    【例題】
    ある製品100台を寿命試験にかけて、100台すべて故障するまで試験を実施した。下表はその結果をまとめたものである。各区間の信頼度Rを計算せよ。
    i 区間 故障数 残数 R(ti)
    0 0.5~10.5 1 100 ??
    1 10.5~20.5 3 99 ??
    2 20.5~30.5 6 96 ??
    3 30.5~40.5 8 90 ??
    4 40.5~50.5 12 82 ??
    5 50.5~60.5 20 70 ??
    6 60.5~70.5 28 50 ??
    7 70.5~80.5 13 22 ??
    8 80.5~90.5 6 9 ??
    9 90.5~100.5 3 3 ??
    10 100.5~110.5 0 0 ??

    この例題だけだと、中学生でも解けます!でも、

    1. 寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合
    2. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その1)
    3. 寿命分布なし、区間分け有、打切り有りの場合(その2)
    4. 寿命分布なし、区間分け無、打切り無しの場合
    5. 寿命分布なし、区間分け無、打切り有りの場合

    と実際は、いろいろなパターンがあり、違いを理解して、どんな数式を使えばよいかを考えると、一気に大学レベルに上がります。

    解法の違いを比較しながら、理解しよう!

    解法

    まず、信頼度を解く前に、

    ●区間の最大レベルを見ると 110.5で止まっており、110.5以上は打ち切っていないことを確認しましょう。
    ●故障数の合計は確かに全100個になっていることを確認しましょう。

    これに打ち切りが入るとすぐにややこしくなります。まずはシンプルな例題で理解する!
    本記事で、一番言いたいところです。

    信頼度を計算する

    単純明快で、 
    信頼度R=残数/全個数で計算できます。

    めっちゃ簡単だけど、
    打ち切りが入るなり、分布なりが入ってくると難しくなる点は意識しましょう。

    結果は

    i 区間 故障数 残数 R(ti)
    0 0.5~10.5 1 100 (=100/100)=1
    1 10.5~20.5 3 99 (=99/100)=0.99
    2 20.5~30.5 6 96 (=96/100)=0.96
    3 30.5~40.5 8 90 (=90/100)=0.9
    4 40.5~50.5 12 82 (=82/100)=0.82
    5 50.5~60.5 20 70 (=70/100)=0.7
    6 60.5~70.5 28 50 (=50/100)=0.5
    7 70.5~80.5 13 22 (=22/100)=0.22
    8 80.5~90.5 6 9 (=9/100)=0.09
    9 90.5~100.5 3 3 (=3/100)=0.03
    10 100.5~110.5 0 0 (=0/100)=0
    まず、シンプルな例題から簡単に求まりましたが、いくつかのパターンを比較すると混乱します。1つずつわかりやすく解説していきます!

    まとめ

    「信頼度の推定方法がわかる(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)」を解説しました。

    • ①【まとめ】データの種類による推定方法の求め方
    • ➁信頼度の推定方法(寿命分布なし、区間分け有、打切り無しの場合)
    • ➂例題で信頼度の推定方法を理解する

  • 並列系の信頼性・故障率がよくわかる

    並列系の信頼性・故障率がよくわかる

    「並列系の信頼度・故障率・MTTFの計算がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    並列系の信頼性・故障率がよくわかる
    • ①要素の種類
    • ➁並列系の信頼度Rの計算
    • ➂並列系の故障率λの計算
    • ➃並列系のMTTFの計算
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    ①要素の種類

    信頼性工学では、以下の4つの要素について、それぞれ信頼度、故障率、MTTFを計算します。

    解法を理解できれば、丸暗記は不要です。

    要素の種類

    1. 直列系
    2. 並列系
    3. 待機系
    4. 多数決系

    よく見るのは、「直列系」と「並列系」ですが、4つとも解説します。

    ➁並列系の信頼度Rの計算

    並列系とは

    これは簡単ですよね。下図のように要素を並列に並べた系のことです。

    信頼性工学

    並列に並んだ要素がすべて故障しないかぎり正常であるから、信頼性が上がる!

    並列系の信頼度Rの計算

    並列系の信頼度を求めます。

    要素\(i\)の信頼度を\(R_i (t)\)とすると、全体の信頼度\(R_S (t)\)は
    \(R_s (t)\)=1―\(\displaystyle \prod_{i=1}^n (1-R_i (t))\)
    =1―\(\displaystyle \prod_{i=1}^n F_i (t)\)

    たとえば、n=2でR=0.9を並列にすると、並列の2個が両方同時に壊れる確率は(1-0.9)の2乗で1%。なので正常確率は1-0.01=0.99とR=0.9より確率が上昇しますね。

    ただし、故障率が低下する分、要素・部品数は増加します。

    指数分布の場合

    並列については、2つ例を挙げて、計算します。

    1. n=2,λの値が異なる場合

    n=2,λの値が異なる場合

    全体の信頼度は、
    \(R_s (t)\)=1―\(\displaystyle \prod_{i=1}^2 (1-R_i (t))\)
    =\(1-(1-R_1)(1-R_2)\)
    =\(R_1 + R_2 -R_1 R_2\)

    次に、確率密度関数\(f_s (t)\)、故障率\(λ_s(t)\)、MTTFを計算します。

    ➂並列系の故障率λの計算

    信頼度の確率密度関数\(f_s (t)\)、故障率\(λ_s(t)\)の導出

    定義どおり、

    ●\(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)
    ●\(λ_s(t)\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)

    で計算します。

    指数分布の場合

    n=2,λの値が異なる場合

    (R_s (t))=(R_1 + R_2 -R_1 R_2)より、

    ●\(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)
    =\(f_1 (t)+f_2 (t)- R_1 (t) f_2 (t) – R_2 (t) f_2 (t)\)
    =\((1-R_1 (t)f_2 (t)+ (1-R_2 (t)f_1 (t)\)
    =\(F_1 (t) f_2(t) + F_2 (t) f_1 (t)\)

    具体的には、
    ●\(R_1 (t) =e^{-λ_1 t}\)
    ●\(R_2 (t) =e^{-λ_2 t}\)
    を代入します。

    ●\(λ_s(t)\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)
    =\(\frac{ F_1 (t) f_2(t) + F_2 (t) f_1 (t)}{R_1 (t) +R_2 (t) – R_1 (t) R_2(t)}\)

    ➃並列系のMTTFの計算

    故障率の逆数である平均寿命μ(MTTF)を計算しますが、

    1. MTTFの定義式から積分して計算

    で計算します。

    MTTFの定義式から積分して計算

    n=2,λの値が異なる場合

    ●\(f_s (t)\)=\(F_1 (t) f_2(t) + F_2 (t) f_1 (t)\)
    ●\(R_1 (t) =e^{-λ_1 t}\)
    ●\(R_2 (t) =e^{-λ_2 t}\)
    をつかいます。

    μ(=MTTF)=\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t f_s (t) dt\)
    =\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t (λ_2 (1-e^{-λ_1 t}) e^{-λ_2 t} +λ_1 (1-e^{-λ_2 t}) e^{-λ_1 t} )dt\)

    =\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t((λ_2 e^{-λ_2 t}+λ_1 e^{-λ_1 t})+(λ_1 +λ_2)e^{-(λ_1 +λ_2}t) dt\)

    =\(\left[-te^{λ_2 t} +\frac{1}{λ_2}e^{-λ_2 t}\right]_{0}^{∞}\)+\(\left[-te^{λ_1 t} +\frac{1}{λ_1}e^{-λ_1 t} \right]_{0}^{∞}\)

    =\(\left[ te^{-(λ_1 + λ_2)t} \right]_{0}^{∞}\)-\(\frac{1}{λ_1 +λ_2} \left[ e^{-(λ_1 + λ_2)t} \right]_{0}^{∞}\)

    =\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}-\frac{1}{λ_1 +λ_2}\)

    結果のまとめ

    個別 全体
    R \(R_i (t)\) \(R_s (t)\)=1-\(\displaystyle \prod_{i=1}^n R_i (t)\)
    f \(f_i (t)\)=\(-\frac{dR_i (t)}{dt}\) \(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)=\(F_1 f_2 + F_2 f_1 (n=2)\)
    λ \(λ\)=\(\frac{f_i (t)}{R_i (t)}\) \(λ\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)
    μ \(μ\)=\(\frac{1}{λ}\) \(μ\)=\(\frac{1}{λ_1}+\frac{1}{λ_2}-\frac{1}{λ_1 + λ_2} (n=2)\)
    並列系も直列系と同じく簡単なので、最初におさえて、待機系などの応用を理解していきましょう。

    まとめ

    「並列系の信頼性・故障率がよくわかる」を解説しました。

    • ①要素の種類
    • ➁並列系の信頼度Rの計算
    • ➂並列系の故障率λの計算
    • ➃並列系のMTTFの計算

  • 直列系の信頼性・故障率がよくわかる

    直列系の信頼性・故障率がよくわかる

    「直列系の信頼度・故障率・MTTFの計算がわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直列系の信頼性・故障率がよくわかる
    • ①要素の種類
    • ➁直列系の信頼度Rの計算
    • ➂直列系の故障率λの計算
    • ➃直列系のMTTFの計算
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    ①要素の種類

    信頼性工学では、以下の4つの要素について、それぞれ信頼度、故障率、MTTFを計算します。

    解法を理解できれば、丸暗記は不要です。

    要素の種類

    1. 直列系
    2. 並列系
    3. 待機系
    4. 多数決系

    よく見るのは、「直列系」と「並列系」ですが、4つとも解説します。

    ➁直列系の信頼度Rの計算

    直列系とは

    これは簡単ですよね。下図のように要素を直列に並べた系のことです。

    信頼性工学

    直列系の信頼度Rの計算

    直列系の信頼度は、各要素の信頼度の積になります。
    並べ方はシンプルですが、1以下の信頼度をどんどん掛けていくと
    系全体の信頼度は低下してしまいます。

    要素\(i\)の信頼度を\(R_i (t)\)とすると、全体の信頼度\(R_S (t)\)は
    \(R_s (t)\)=\(\displaystyle \prod_{i=1}^n R_i (t)\)

    指数分布の場合

    例として、要素\(i\)の信頼度を\(R_i (t)\)を
    \(R_i (t)\)=\(e^{-λt}\)とすると、

    系全体の信頼度\(R_S (t)\)は
    \(R_s (t)\)=\(\displaystyle \prod_{i=1}^n e^{-λt}\)
    =\(( e^{-λt})^n\)
    となります。

    あと、確率密度関数\(f_s (t)\)、故障率\(λ_s (t)\)、MTTFを計算します。

    ➂直列系の故障率λの計算

    信頼度の確率密度関数\(f_s (t)\)、故障率\(λ_s(t)\)の導出

    定義どおり、

    ●\(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)
    ●\(λ_s(t)\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)

    指数分布の場合

    例として、要素\(i\)の信頼度を\(R_i (t)\)を
    \(R_i (t)\)=\(e^{-λt}\)とすると、

    \(f_i (t)\)と\(λ_i (t)\)はそれぞれ、

    ●\(f_i (t)\)=\(-\frac{dR_i (t)}{dt}\)=\(λ e^{-λt}\)
    ●\(λ_i (t)\)=\(\frac{f_i (t)}{R_i (t)}\)=\(\frac{1}{λ}\)
    となります。

    次に、系全体では、

    ●\(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)=\(nλ e^{-λt}\)
    ●\(λ_s (t)\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)=\(\frac{1}{nλ}\)
    となります。

    ➃直列系のMTTFの計算

    故障率の逆数である平均寿命μ(MTTF)を計算しますが、

    1. MTTFは\(1/λ\)
    2. MTTFの定義式から積分して計算

    の2通り解析方法があります。それぞれ解説します。

    MTTFは\(1/λ\)

    単純に、
    μ(=MTTF) = \(\frac{1}{λ_s (t)}\)より
    指数関数の場合は、
    μ(=MTTF) =\(\frac{1}{nλ}\)
    と、個々の要素\(μ_i\)=\(\frac{1}{λ}\)の\(1/n\)倍になります。

    それだけ、寿命が短くなり故障率が上がることがわかります。

    MTTFの定義式から積分して計算

    μ(=MTTF)=\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t f_s (t) dt\)を使って計算します。

    μ(=MTTF)=\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t f_s (t) dt\)
    =\( \displaystyle \int_{0}^{∞} t (e^{-λt})^n dt\)
    =\(\left[ nλ(-\frac{1}{nλ} t(e^{-λt})^n -\frac{1}{(nλ)^2 (e^{-λt})^n}) \right]_{0}^{∞}\)
    =\(\frac{1}{nλ}\)

    と、積分しても同じ μ(=MTTF)= \(\frac{1}{nλ}\)となります。

    結果のまとめ

    個別 全体
    R \(R_i (t)\)=\(e^{-λt}\) \(R_s (t)\)=\(\displaystyle \prod_{i=1}^n R_i (t)\)=\((e^{-λt})^n\)
    f \(f_i (t)\)=\(-\frac{dR_i (t)}{dt}\)=\(λ e^{-λt}\) \(f_s (t)\)=\(-\frac{dR_s (t)}{dt}\)=\(nλ e^{-λt}\)
    λ \(λ\)=\(\frac{f_i (t)}{R_i (t)}\)=λ \(λ\)=\(\frac{f_s (t)}{R_s (t)}\)=nλ
    μ \(μ\)=\(\frac{1}{λ}\) \(μ\)=\(\frac{1}{nλ}\)
    直列系は簡単なので、最初におさえて、並列系、待機系などの応用を理解していきましょう。

    まとめ

    「直列系の信頼性・故障率がよくわかる」を解説しました。

    • ①要素の種類
    • ➁直列系の信頼度Rの計算
    • ➂直列系の故障率λの計算
    • ➃直列系のMTTFの計算

  • 【必読】指数分布とポアソン分布の関係がよくわかる

    【必読】指数分布とポアソン分布の関係がよくわかる

    「イベントの発生回数の場合はポアソン分布で、発生間隔は指数分布と使い分けるが、この意味や理由が理解できない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】指数分布とポアソン分布の関係がよくわかる
    • ①指数分布とポアソン分布の関係が必須な内容
    • ➁ポアソン分布から指数分布が導出できる
    ポアソン分布から指数分布が導出できますか?まさか暗記で済ませていない?
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    ①指数分布とポアソン分布の関係が必須な内容

    信頼性工学で理解が必須!

    統計学では、指数分布とポアソン分布は別物として扱っていても問題はありません。
    ポアソン分布は正規分布に近似できるし、指数分布と正規分布は遠い関係なので、
    指数分布とポアソン分布の関係を求める問いも少ないです。

    信頼性工学では
    指数分布をポアソン分布に変えて
    信頼区間を求める

    なので、信頼性工学をマスターするには、
    指数分布とポアソン分布の関係を数式で理解する必要があります。

    指数分布とポアソン分布の関係が必要な場面

    信頼性工学ではよく、以下の点で指数分布とポアソン分布の関係が必要です。

    1. 指数分布に従う故障率をもつ試験の総時間Tと故障回数はポアソン分布に従う
    2. 指数分布に従う故障率をもつ製品の抜取検査はポアソン分布で考える
      (JIS5003C-1974)

    故障率を信頼性工学と指数分布で求めて、その製品を検査する場合、OC曲線に描くためにポアソン分布を使います。

    よくある指数分布とポアソン分布の関係の説明

    次のような表面的な説明が多いですね。説明者もわかっていないのではないかと疑問に思います。

    信頼性工学

    つまりどういう違い?
    数式で理解しないと納得できない!

    なので、導出過程を見ましょう。

    意外と、どこにも書いていないし、みんな当たり前に指数分布とポアソン分布の関係を書いているが、ちゃんと数式から導出して理解しよう!

    ➁ポアソン分布から指数分布が導出できる

    確率密度関数を定義

    まず、ポアソン分布の確率密度関数を定義します。
    ●\(f(x)\)=\(e^{-λ}\frac{λ^x}{x!}\) (式1)
    ここで\(x\)は故障回数であり、自然数を取ることがポイントです。

    ポアソン分布が不安な場合は関連記事で解説していますので、ご覧ください。

    【簡単】わかりやすく理解できるポアソン分布
    ポアソン分布の式がわからない・覚えられない、どんな場合に活用するかわからない、と苦手意識はありませんか?本記事では、ポアソン分布の関数の導出、正規分布近似、活用方法をわかりやすく解説します。ポアソン分布が全く理解できない方は必見です。

    次に指数分布の確率密度関数を定義します。
    ●\(g(t)\)=\(e^{-λt}\) (式2)

    ポアソン分布から指数分布を導出

    指数分布の意味をよく考えると、

    指数分布
    ●\(g(t)\)=\(e^{-λt}\)
    は、まだ故障していないが、ある時刻tの故障率がわかる

    この意味をポアソン分布の確率密度関数を使って式をいじります。
    ●\(f(x)\)=\(e^{-λ}\frac{λ^x}{x!}\) で\(λ\)⇒\(λT\)に変えて、
    指数分布はまだ、故障していない、つまり、\(x=0\)を代入します。

    ●\(f(x)\)=\(e^{-λ}\frac{λ^x}{x!}\)は
    ●\(f(x)\)=\(e^{-λT}\frac{(λT)^x}{x!}\)として、
    ●\(f(x=0)\)=\(e^{-λT}\frac{(λT)^0}{0!}\)
    =\(e^{-λT}\)
    ≡\(g(T)\)
    という関係式ができます。

    よく、Tはある寿命試験の総試験時間として、故障回数を調べるときに使います。

    ポアソン分布で係数をλTに変えて、故障回数が0の場合を代入すると指数分布になります。
    故障率λの指数分布に従う製品を寿命試験する。
    総試験時間Tに発生する故障回数xはλTのポアソン分布に従う。
    と書きますが、関係式を言葉に変えただけとわかりますね。

    シンプルですが、これでポアソン分布と指数分布の関係が数式から理解できました。

    まとめ

    「【必読】指数分布とポアソン分布の関係がよくわかる」を解説しました。

    • ①指数分布とポアソン分布の関係が必須な内容
    • ➁ポアソン分布から指数分布が導出できる

  • 信頼度の点推定と区間推定がわかる(正規分布)

    信頼度の点推定と区間推定がわかる(正規分布)

    「寿命分布が正規分布の場合の点推定と区間推定がうまく計算できない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼度の点推定と区間推定がわかる(正規分布)
    • ①分布関数
    • ➁尤度関数(ゆうど)を作る
    • ➂最尤推定量(さいゆう)を導出
    • ➃点推定の導出
    • ➄区間推定の導出
    どの分布関数も①~⑤の流れで解説!
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    ①分布関数

    3つの分布関数を解説!

    今回は、指数分布を取り上げますが、QCプラネッツでは以下の3つの分布関数についても解説します。

    1. 指数分布
    2. ワイブル分布
    3. 正規分布

    そして、3つの分布関数に対して、共通の解法で解説していきます。

    1回目の指数分布については、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    2回目のワイブル分布については、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    今回は正規分布

    正規分布関数の確率密度関数を定義します。

    \(f(t)\)=\(\frac{1}{\sqrt{2π}σ} exp(-\frac{(t-μ)^2}{2σ^2}) \)

    正規分布については、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    ➁尤度関数(ゆうど)を作る

    尤度関数とは?

    Wikipedia から引用すると、

    尤度関数とはある前提条件に従って結果が出る場合に、逆に観察結果からみて前提条件が「何々であった」と推測する尤もらしさ(もっともらしさ)を表す数値を、変数とした関数。

    意味不明!
    「尤度(ゆうど)」って読めないし!
    「もっともらしい」って何なん?

    尤度関数って何?

    簡単に言うと、

    テキトーに関数作って、とにかく微分=0で条件作って解析すると意外とうまく行くぜ!という、テキトーな処理

    とにかくやってみましょう。
    いい加減に定義した関数が、良い加減な条件を作るので不思議です。

    ➂最尤推定量(さいゆう)を導出

    正規分布の尤度関数を定義

    こんな関数を尤度関数として定義します。理由はテキトーで、指数なので掛け算とlogを使いこなしたいから

    尤度関数\(L(σ,μ)\)= \(\displaystyle \prod_{i=1}^n f(t_i)\)
    (\(f(t_i)\)=\(\frac{1}{\sqrt{2π}σ} exp(-\frac{(t_i-μ)^2}{2σ^2}) \))

    とにかく尤度関数をテキトーに設定して、微分=0となる条件式を作ります。

    尤度関数はとにかく「微分して0」を作る

    \( L(σ,μ)\)= \(\displaystyle \prod_{i=1}^n (\frac{1}{\sqrt{2π}σ} exp(-\frac{(t_i-μ)^2}{2σ^2}) \)
    =\((\frac{1}{\sqrt{2π}σ})^n\)\(exp(-\frac{1}{2σ^2} \sum_{i=1}^{n} (t_i-μ)^2)\)

    ここで、両辺をlogをとって、両辺を\(σ、μ\)それぞれで微分して、
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(σ,μ))}{\partial σ} \)=0
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(σ,μ))}{\partial μ} \)=0
    の式を作ります。

    最尤推定量は何が出るの?

    とりあえず、尤度関数を微分して0になる条件式を作ります。

    ●(式1):
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(σ,μ))}{\partial σ} \)
    =-\(\frac{n}{σ}\)+\(2σ^3 \sum_{i=1}^{n} \frac{(t_i-μ)^2}{2}\)=0
    まとめると
    \(σ^2\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n}(t_i-μ)^2}{n}\)

    ●(式2):
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(σ,μ))}{\partial μ} \)
    =-\(\sum_{i=1}^{n} \frac{(μ-t_i)}{σ^2}\)=0
    まとめると
    \(nμ\)=\(\sum_{i=1}^{n} t_i\)
    \(μ\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i }{n}\)

    ➃点推定の導出

    尤度関数を微分して0になる条件式から、
    ●(式1):\(σ^2\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n}(t_i-μ)^2}{n}\)
    ●(式2):\(μ\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i }{n}\)
    が出ました。

    これって、

    平均\(μ\)と分散\(σ^2\)そのものですよね!

    それっぽい尤度関数を勝手に定義して、強制的に微分=0すると、平均と分散が出るので不思議ですね。

    よって、点推定は

    \(\bar{μ}\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i }{n}\)
    \(\bar{σ^2}\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n}(t_i-μ)^2}{n}\)
    となります。

    ➄区間推定の導出

    区間推定は正規分布表から計算できる

    指数分布やワイブル分布は、とにかくχ2乗分布に直して区間推定しましたが、
    正規分布は正規分布表から区間を推定すればOKです。

    例題で確認すれば簡単にわかる!

    信頼性工学とはいえ、ただの正規分布の問題と思えば、難しい例題ではありません。

    【例題】
    ある材料の引張強度を測定したら以下の10個のデータを得た。
    179,190,193,194,198,201,204,210,211,220
    (1) 平均μと標準偏差σの最尤推定値を求めよ。
    (2) 部材に220の引張強度をかけた時の信頼度(部材が壊れない確率)を求めよ。
    (3) 仮にσが既知で15とすると、(2)の220の引張強度をかけた時の信頼度(部材が壊れない確率)を求めよ。

    一見、難しそうですが、正規分布と信頼性工学を組み合わせた問題で良問です。

    例題の解法

    (1)の最尤推定値

    (1)の最尤推定値は、

    \(\bar{μ}\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i }{n}\)
    \(\bar{σ^2}\)=\(\frac{\sum_{i=1}^{n}(t_i-μ)^2}{n}\)

    計算して、
    \(\bar{μ}\)=2000/10=200
    \(\bar{σ^2}\)=\(\sqrt{1268/10}\)=11.26
    です。

    平均、平方和、標準偏差を計算しただけです。

    (2)の信頼度

    正規分布はZ値を使いますよね。
    \(Z=\frac{x-μ}{σ/\sqrt{n}}\)
    代入して
    \(Z=\frac{220-200}{11.26}\)=1.776

    正規分布表からZ=1.776以上となる確率は、Pr=0.0384。

    引張強度が強すぎると壊れると考えると、信頼度は、
    R=1-0.0384=0.9616
    となります。

    (3)の信頼度

    参考に下図から問を考えます。

    信頼性工学

    正規分布はZ値を使いますよね。(2)と同じです。
    \(Z=\frac{x-μ}{σ/\sqrt{n}}\)
    代入して
    \(Z=\frac{220-200}{15}\)=1.333

    正規分布表からZ=1.333以上となる確率は、Pr=0.0918。

    引張強度が強すぎると壊れると考えると、信頼度は、
    R=1-0.0918=0.9082
    となります。

    正規分布の場合の信頼度の計算は、信頼性工学を意識せず、単にZ値を計算して正規分布表から確率を求めたら信頼度が出ることがわかります。難しそうですが意外と簡単です。

    まとめ

    「信頼度の点推定と区間推定がわかる(正規分布)」を解説しました。

    • ①分布関数
    • ➁尤度関数(ゆうど)を作る
    • ➂最尤推定量(さいゆう)を導出
    • ➃点推定の導出
    • ➄区間推定の導出

  • 信頼度の点推定と区間推定がわかる(ワイブル分布)

    信頼度の点推定と区間推定がわかる(ワイブル分布)

    「寿命分布がワイブル分布の場合の点推定と区間推定がうまく計算できない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    信頼度の点推定と区間推定がわかる(ワイブル分布)
    • ①分布関数
    • ➁尤度関数(ゆうど)を作る
    • ➂最尤推定量(さいゆう)を導出
    • ➃点推定の導出
    • ➄区間推定の導出
    どの分布関数も①~⑤の流れで解説!
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    ①分布関数

    3つの分布関数を解説!

    今回は、指数分布を取り上げますが、QCプラネッツでは以下の3つの分布関数についても解説します。

    1. 指数分布
    2. ワイブル分布
    3. 正規分布

    そして、3つの分布関数に対して、共通の解法で解説していきます。

    1回目の指数分布については、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    今回はワイブル分布

    ワイブル分布関数の確率密度関数を定義します。

    \(f(t)\)=\(\frac{α}{β}(\frac{t}{β})^{α-1} exp(-(\frac{t}{β})^α) \)

    ワイブル分布については、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    ➁尤度関数(ゆうど)を作る

    尤度関数とは?

    Wikipedia から引用すると、

    尤度関数とはある前提条件に従って結果が出る場合に、逆に観察結果からみて前提条件が「何々であった」と推測する尤もらしさ(もっともらしさ)を表す数値を、変数とした関数。

    意味不明!
    「尤度(ゆうど)」って読めないし!
    「もっともらしい」って何なん?

    尤度関数って何?

    簡単に言うと、

    テキトーに関数作って、とにかく微分=0で条件作って解析すると意外とうまく行くぜ!という、テキトーな処理

    とにかくやってみましょう。
    いい加減に定義した関数が、良い加減な条件を作るので不思議です。

    ➂最尤推定量(さいゆう)を導出

    ワイブル分布の尤度関数を定義

    こんな関数を尤度関数として定義します。理由はテキトーで、指数なので掛け算とlogを使いこなしたいから

    尤度関数\(L(α,β)\)= \(\displaystyle \prod_{i=1}^n f(t_i)\)
    (\(f(t_i)\)=\(\frac{α}{β}(\frac{t_i}{β})^{α-1} exp(-(\frac{t_i}{β})^α) \))

    とにかく尤度関数をテキトーに設定して、微分=0となる条件式を作ります。

    尤度関数はとにかく「微分して0」を作る

    \(L(α,β)\)= \(\displaystyle \prod_{i=1}^n \frac{α}{β}(\frac{t_i}{β})^{α-1} exp(-(\frac{t_i}{β})^α)\)
    =\((\frac{α}{β})^n \frac{(t_1 t_2 …t_n)^{α-1}}{β^{n(α-1)}} exp(-\sum_{i=1}^{n} (\frac{t_i}{β})^α)\)

    ここで、両辺をlogをとって、両辺を\(α、β\)それぞれで微分して、
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(α,β))}{\partial α} \)=0
    ●\(\displaystyle \frac{\partial log(L(α,β))}{\partial β} \)=0
    の式を作ります。

    最尤推定量は何が出るの?

    とりあえず、尤度関数を微分して0になる条件式を作るのですが、

    ●(式1):
    \(\displaystyle \frac{\partial log(L(α,β))}{\partial α} \)=\(\frac{n}{α}\)+\(\sum_{i=1}^{n}log t_i\)-\(nlogβ\)-\(log(\frac{1}{β})(\frac{1}{β})^α \sum_{i=1}^{n} t_i-α\)-\(\frac{α}{β^α}\sum_{i=1}^{n} t_i^{α-1}\)=0
    複雑すぎて、これ以上計算できませんね。。。

    ●(式2):
    \(\displaystyle \frac{\partial log(L(α,β))}{\partial β} \)=-\(\frac{nα}{β}\)+\(\frac{α}{β^{α+1}} \sum_{i=1}^{n} t_i-α\)=0
    まとめると、
    \(β\)=\((\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} t_i^α)^{\frac{1}{α}}\)
    となります。

    困ったのが、(式1)は教科書では、
    \(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i^α log t_i}{\sum_{i=1}^{n}t_i^α}\)-\(\frac{1}{α}\)-\(\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}log t_i\)=0
    となるようですが、そうなりませんでした。以後、(式1)はこの式を使います。

    計算すると、
    ●\(α\)を求める(式1)は手計算で求められないので、\(f(t)\)のグラフの形から\(α\)を求めます。
    ●\(β\)は(式2)から手計算で計算できます。

    ➃点推定の導出

    尤度関数を微分して0になる条件式から、

    ●(式1):
    \(\frac{\sum_{i=1}^{n} t_i^α log t_i}{\sum_{i=1}^{n}t_i^α}\)-\(\frac{1}{α}\)-\(\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}log t_i\)=0

    ●(式2):
    \(β\)=\((\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} t_i^α)^{\frac{1}{α}}\)

    の2式を使います。実際に、故障数を\(r\)、打ち切り数を\(n-r\)、打ち切り時間を\(t_s\)とすると、(式1)、(式2)は以下のように変形します。

    ●(式1):
    \(\frac{\sum_{i=1}^{r} t_i^α log t_i+(n-r)t_s^α log t_s}{\sum_{i=1}^{r}t_i^α+(n-r)t_s^α}\)-\(\frac{1}{α}\)-\(\frac{1}{r} \sum_{i=1}^{r}log t_i\)=0

    ●(式2):
    \(β\)=\((\frac{1}{r} \sum_{i=1}^{n} t_i^α+(n-r)t_s^α)^{\frac{1}{α}}\)

    ちょっと難しいですね。せっかくワイブル分布を使うけど、点推定で激ムズなので、指数分布で簡単に解くのもアリと思います。

    ➄区間推定の導出

    区間推定にχ2乗分布を使う理由

    寿命がワイブル分布に従う場合、区間推定はχ2乗分布を使います。この理由は関連記事で解説しています。

    関連記事からは、ワイブル分布から\(t_i\)を\(t_i^α\)に変えるとχ2乗分布に従う点が重要ですね。

    χ2乗分布から区間推定

    関連記事からは、ワイブル分布から\(t_i\)を\(t_i^α\)に変えるとχ2乗分布に従う点が重要ですね。

    なので、\(2Z=\sum_{i=1}^{n} t_i^α\)はχ2乗分布に従います。

    ところで、(式2)から、
    \(β\)=\((\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} t_i^α)^{\frac{1}{α}}\)
    の\(\sum_{i=1}^{n} t_i^α\)は\(Z\)に相当するので、
    \(β\)=\((\frac{1}{n} Z)^{\frac{1}{α}}\)
    から
    \(Z\)=\(nβ^α\)
    となり、
    \(2Z\)=\(2nβ^α\)はχ2乗分布に従います。

    \(χ^2(2n,1-\frac{a}{2})\) < (\(2n β^α\)) < \(χ^2(2n, \frac{a}{2})\)
    となります。

    自由度\(n\)と有意水準\(a\)を選択して、χ2を計算すれば、区間に該当する\(α、β\)が計算できます。

    ムズイですね。ワイブル分布!

    まとめ

    「信頼度の点推定と区間推定がわかる(ワイブル分布)」を解説しました。

    • ①分布関数
    • ➁尤度関数(ゆうど)を作る
    • ➂最尤推定量(さいゆう)を導出
    • ➃点推定の導出
    • ➄区間推定の導出

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