カテゴリー: 手法

  • 【まとめ】抜取検査(1回抜取)の基礎がわかる

    【まとめ】抜取検査(1回抜取)の基礎がわかる

    本記事のテーマ

    【まとめ】抜取検査(1回抜取)の基礎がわかる
    • ①検査の種類を理解する
    • ②抜取検査はOC曲線で考える
    • ③抜取検査とOC曲線で理解しておくべきこと

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    抜取検査の初歩ですが、とても重要です。なぜなら、この記事の内容が抜取検査のベースだからです。

    関連記事とテキストにまとめたPDFの内容をご紹介します。

    抜取検査(1回抜取)の関連記事

    No 記事 内容
    1 ブログ 全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる
    2 ブログ 抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    3 ブログ OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう
    4 ブログ 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    5 ブログ 【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる
    6 ブログ 抜取検査設計補助表(JISZ9002)はすごい!
    1 テキスト
    (PDF)
    OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする
    2 テキスト
    (PDF)
    【重要】検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる
    3 テキスト
    (PDF)
    【重要】計数規準型一回抜取検査表(JISZ9002)はOC曲線から作れる

    ①検査の種類を理解する

    抜取検査の前に、検査とは何で、どんな検査があるかを理解しましょう。抜取検査の特性や適用場面が理解できます。最初に確認してほしい関連記事です。

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる
    抜取検査を学ぶ前に、無検査、全数検査、抜取検査の違いを理解しましょう。また、検査の違いを不良率とコストの観点からまとめました。さらに臨界不良率の導出も説明します。

    ②抜取検査はOC曲線で考える

    抜取検査はOC曲線で考える。
    これが、抜取検査で最も重要です。
    抜取検査の関連記事のすべてにOC曲線が出てきます。

    OC曲線の描き方を解説した関連記事です。ロット合格率の立式、OC曲線で重要な値の読み方を理解しましょう。

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えていきます。OC曲線を構成する二項分布の導出や式の意味、OC曲線の描き方や描くために必要な制約条件について解説します。教科書のように表面的な理解しかできない本当のOC曲線がわかり、自分で抜取検査が設計・計画できるようになります。

    ぜひ、OC曲線の描くプログラムを活用ください。このプログラムがあれば、サンプル数nと合格判定数cを入れるだけでOC曲線が一瞬で描けます。OC曲線をいっぱい描かないと抜取検査の全容が理解できません。関連記事からプログラムを活用しましょう。二項分布も苦手なポアソン分布もあります。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線をマスターするには、二項分布、ポアソン分布、超幾何分布を理解する必要があります。3つの確率分布関数についてわかりやすく解説しています。ポアソン分布は、抜取検査とOC曲線に慣れると理解は早まります。

    【QCプラネッツ抜取検査(1回抜取)プレミアム勉強プリント】リンク

    【1】OC曲線を作る超幾何分布、二項分布、ポアソン分布をマスターする」をご覧下さい。

    抜取検査の要である、OC曲線と描くプログラムが入手できたところまで来ました。

    ③抜取検査とOC曲線で理解しておくべきこと

    抜取検査でよく使う表や変数について、関連記事で解説します。

    抜取検査の最も基本である、計数規準型一回抜取検査の抜取表を解説します。単に抜取表の読み方だけ理解して終わるのではなく、抜取表の値を導出する過程を解説します。自分で計算できてはじめて、抜取表が習得できます。

    【QCプラネッツ抜取検査(1回抜取)プレミアム勉強プリント】リンク

    【3】【重要】計数規準型一回抜取検査表(JISZ9002)はOC曲線から作れる」をご覧下さい。

    その他、たくさんの抜取検査を解説しますが、すべて抜取表の中の値を実際に計算していきます。

    合格品質水準(AQL)は抜取検査の重要な変数です。JISや教科書も詳しくAQLの定義が解説しています。しかし、実際にどの値がAQLかがはっきり書いていません。関連記事でAQLの定義について、白黒はっきりさせました。

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる
    AQL(合格品質水準)はOC曲線上でどの値なのかが説明できますか?JISや教科書の説明ではよくわからないはずです。本記事では、AQLの定義をわかりやすく解説します。

    主抜取表のAQLと不良率の間隔がある一定の倍数になっています。これは何か?「標準数」です。なじみのない標準数について解説します。

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    規準型抜取検査や調整型抜取検査の抜取表の範囲や区分はどのように決めているかご存じですか?本記事は、抜取表の範囲や区分や、抜取表を自分で作る方法を解説します。抜取表の作り方が知りたい方は必見です。

    抜取検査に慣れると、目にするのが抜取検査設計補助表です。この表と値の精度が高いので驚きました。計算機が未発達な時代でも近似式を使って正確な値を求める昔の先輩方に脱帽です。JIS規格の値とExcelから計算した値を比較しました。

    JISの表は魔法の表ではなく、自分で計算して確かめる習慣をつけましょう。

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)はすごい!
    抜取検査にある抜取検査設計補助表の式やサンプル数の求め方を説明できますか?本記事では、サンプル数を導出する近似式とExcelを使ってOC曲線からサンプル数を導出する方法の2つを解説します。抜取検査をマスターしたい方は必見です。

    検査の誤りによるOC曲線に与える影響を解説します。検査対象以外で検査ミスがある場合のOC曲線に与える影響を考えます。実務向きな関連記事です。

    【QCプラネッツ抜取検査(1回抜取)プレミアム勉強プリント】リンク

    【2】【重要】検査の誤りがOC曲線へ与える影響がわかる」をご覧下さい。

    検査は品質の要。
    最も基本で重要な1回抜取方式の抜取検査を
    マスターしましょう

    まとめ

    抜取検査(1回抜取)の基礎について解説しました。

    • ①検査の種類を理解する
    • ②抜取検査はOC曲線で考える
    • ③抜取検査とOC曲線で理解しておくべきこと
  • 【まとめ】調整型抜取検査がわかる

    【まとめ】調整型抜取検査がわかる

    本記事のテーマ

    【まとめ】調整型抜取検査がわかる
    • ①調整型抜取検査もOC曲線描けばすべてわかる
    • ②なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の基準がわかる
    • ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表の作り方がわかる
    • ④調整型抜取検査は自分で考えて設計できる

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

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    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    調整型抜取検査は
    ①検査基準と検査水準を決めて
    ②抜取回数と合格判定数をJIS規格表から求めたらOK!
    ですが、
    調整型抜取検査の理論は説明できますか?
    JIS規格の使い方の勉強より、
    抜取検査の理論が説明できることが重要です。
    なぜなら、品質を決める検査は、必ず顧客から説明責任が求められます。

    なので、QCプラネッツでは、JISでも教科書にも書いていない、抜取検査の理論をしっかり解説します。

    調整型抜取検査についての関連記事を紹介します。併せて読んでください。個別に内容紹介をしていきます。

    ①調整型抜取検査もOC曲線描けばすべてわかる

    OC曲線は抜取検査の根幹です。

    すべての抜取検査は、OC曲線で設計できます。

    ●計数抜取検査
    ●計量抜取検査
    ●選別型抜取検査
    ●逐次抜取検査
    ●調整型抜取検査
    すべて共通です。

    たくさんの抜取検査手法がありますが、理論はすべてOC曲線から始めます。

    OC曲線から調整型抜取検査を考える方法

    OC曲線から調整型抜取検査に必要な値が求められます。
    合格品質水準AQL,サンプル数n,合格判定個数Ac
    これに、検査のきびしさ、検査水準が加わるだけです。

    OC曲線は抜取検査の母です。

    OC曲線

    OC曲線から
    ●第1種の誤りとなる不良率p0=AQL(合格品質水準)
    ●第2種の誤りとなる不良率p1がわかります。
    ●また曲線を構成する、サンプル数n,合格判定個数Acもわかります。

    ②なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の基準がわかる

    OC曲線から必要なデータが読めたら、検査のきびしさを考えましょう。

    最初に、OC曲線から、なみ検査の主抜取表が作れることを関連記事で解説します。

    OC曲線(二項分布とポアソン分布)を使って、合格品質水準AQLが0~1000における、合格判定個数Acと合格品質水準AQLの関係を解説しました。主抜取表を作る過程は是非知っておいてください。魔法の表でもなく、あなたも作ることができます。

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる
    本記事では、OC曲線を描きながら調整型抜取検査の重要な値(抜取表のAc,Reの値など)の導出方法を解説します。

    自分で作ると、主抜取表が身近な存在になります。

    調整型抜取検査の主抜取表を見ると、サンプル数nとAQLの値の間隔がある一定の法則であることや、合格判定個数Ac,不合格判定個数Reが主抜取表の対角線上に同じ値となり、きれいにまとまっていることがわかります。これ、なぜそうなるのか?を次の関連記事で解説しています。

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    本記事では、主抜取表の値(AQLサンプルサイズ、合格判定数Ac,不合格判定数Re)をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    以上の2つの関連記事から、なみ検査の場合の主抜取表の作り方が理解できます。

    どこにも主抜取表の作り方が書いていないので、研究して調べたら自分でも作れることがわかりました。

    ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表の作り方がわかる

    なみ検査で、主抜取表が理解できたら、検査のきびしさの定義を理解しましょう。ゆるい検査、きつい検査もまとめてマスターできます。

    OC曲線を使って、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いの定義を明らかにし、3つの検査共通の合格品質水準AQLが何であるかもはっきりさせました。調整型抜取検査でわからないことはすべてOC曲線が解決してくれます。

    なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表(一回抜取方式)の作り方がわかる
    本記事ではJISの抜取表に頼らずに、自分で考えて調整型抜取検査(なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表(一回抜取方式))を設計できるように解説!

    1回抜取検査だけでは物足りないので、2回抜取検査についても、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表をOC曲線から求めた結果を解説しています。手計算ではきびしく、Excelなどの解析ツールが必須です。

    調整型抜取検査 【QCプラネッツ調整型抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    ここまで、来れば、JIS規格が定義する、なみ検査、ゆるい検査、きびしい検査がマスターできます。

    しかし、1つ問題があります。

    検査は品質の要。
    品質に問題があれば、顧客から説明責任が問われる。
    「JISどおり検査した」では顧客は納得しない。
    検査は品質の要。
    JIS規格を参考にしながら
    自分で考えて検査して、その結果を説明できることが重要。

    検査は、顧客への説明責任を負います。
    自分で考えて抜取検査を設計することが重要です。
    これについても、関連記事で詳しく解説します。

    実務に活かせることが重要。
    お勉強だけでは通用しません。

    ④調整型抜取検査は自分で考えて設計できる

    検査の選択する考え方をまとめました。基本はJIS,教科書ですが、あなたが担当する製品やシステム、顧客要求に合わせて抜取検査を実施することが重要です。関連記事で詳しく解説します。

    調整型抜取検査 【QCプラネッツ調整型抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    検査のきびしさの切替え方法は、JISにあります。しかし、このルールの根拠は数学的に解けませんし、
    あなたが担当する製品やシステム、顧客要求によって、切替え方法は変わります。よく吟味すべきであることを関連記事で詳しく解説します。

    検査のきびしさの切替え方法はJISに頼るな!(調整型抜取検査)
    本記事では、JISZ9015にある検査を切り替える基準と実務での注意点について解説します。

     

    検査水準(特別検査水準、通常検査水準)とロットサイズとサンプル数の関係もJISに規定されています。しかし、そのまま使うべきかどうかは、あなたが担当する製品やシステム、顧客要求を考慮するべきです。よく考えて、抜取検査を設計してほしいことを、関連記事で詳しく解説します。

    調整型抜取検査の検査水準がわかる
    本記事では、検査水準の中身を解説し、JIS規格の活用と、自分で抜取検査を設計するポイントを解説します。

    検査は品質の要。
    その抜取検査の理論が非常にわかりにくい!
    わかりにくい理由は抜取検査規格の歴史にあります。

    QCプラネッツは自分で研究して、仮説を立てながら、抜取検査の理論をほぼ解明しました。その結果は、すべてOC曲線で抜取検査は設計できることです。

    調整型抜取検査の関連記事をぜひご覧ください。

    まとめ

    調整型抜取検査について解説しました。自分で設計できるレベルになっていますよ。

    • ①調整型抜取検査もOC曲線描けばすべてわかる
    • ②なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の基準がわかる
    • ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表の作り方がわかる
    • ④調整型抜取検査は自分で考えて設計できる
  • 抜取検査設計補助表(JISZ9002)はすごい!

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)はすごい!

    本記事のテーマ

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)に頼るな!(OC曲線で考える)
    • ①抜取検査設計補助表の導出式の意味はわからない
    • ②自力でサンプル数n、合格判定数cは計算できる!
    • ③計算機がない時代でも精度良い値を作れるのはすごい!

    ●You tube動画でも確認ください。

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ①抜取検査設計補助表の導出式の意味はわからない

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)

    試験に頻出である抜取検査設計補助表を解説します。

    ロット合格率L(p)=1-α(第1種の誤りα)なpをp0
    ロット合格率L(p)=β(第2種の誤りβ)なpをp1
    として、
    比 p1/p0の値が大きすぎる場合、小さすぎる場合に抜取検査設計補助表を使いますね。

    OC曲線

    抜取検査設計補助表のモデル式

    サンプル数n,合格判定数c、係数\(a_0\),\(a_1\)を使って、
    \(n=\frac{a_0}{p_0}+\frac{a_1}{p_1}\)
    と計算でき、係数\(a_0\),\(a_1\)が表の通りとなっています。

    \(p_1/p_0\) c \(n=\frac{a_0}{p_0}+\frac{a_1}{p_1}\)
    17以上 0 2.56/\(p_0\)+115/\(p_1\)
    16~7.9 1 17.8/\(p_0\)+194/\(p_1\)
    7.8~5.6 2 40.9/\(p_0\)+266/\(p_1\)
    5.5~4.4 3 68.3/\(p_0\)+334/\(p_1\)
    4.3~3.6 4 98.5/\(p_0\)+400/\(p_1\)
    3.5~2.8 6 164/\(p_0\)+527/\(p_1\)
    2.7~2.3 10 308/\(p_0\)+770/\(p_1\)
    2.2~2.0 15 502/\(p_0\)+1065/\(p_1\)
    1.99~1.86 20 704/\(p_0\)+1350/\(p_1\)

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)のここがわからない

    古書や論文を調査しましたが、次の2点がわかりません。

    1. サンプル数nのモデル式がわからない。なぜ、p1,p0の逆数の和なのかがわからない
    2. 係数の求め方が分からない。どうやって値が決まったのかわからない

    もし、知っている方は教えてください。どの文献見ても、式と値の引用だけで、式の導出は書いていません。

    ②自力でサンプル数n、合格判定数cは計算できる!

    抜取検査設計補助表を使わないとしたら、どうするか?

    自分でOC曲線を描いて、(n,c)を求めたらOKです。

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    ③計算機がない時代でも精度良い値を作れるのはすごい!

    計算機がない時代でも精度良い値を作れるのはすごい

    今は、Excelで簡単に計算ができるからJIS規格表はそれほど必要ない。
    けど、計算機がほとんど無かった1950年代から精度が高い抜取検査設計補助表がある。

    計算機がないのに、精度が出せる!
    昔の先輩方はすごいと思いませんか?

    計算機がない時代は、近似式を駆使して、値を取りに行っていました。
    しかし、今は計算機(Excel)があるので、値自体の価値は下がり、むしろ、理論・理由・本質を理解する方が重要になります。
    計算機がない時代の方が、抜取検査の良書は多い。
    時代が進み、現在は値の求め方より、抜取検査の理論や考えが重要になっている。
    しかし、抜取検査の理論や考えを解説した良書が無いのが現状

    なので、QCプラネッツは研究して理論を解説しています。

    では、どれくらい精度がよいか調べてみましょう。

    抜取検査設計補助表とExcelの値の比較

    抜取検査設計補助表を再掲します。

    抜取検査設計補助表のモデル式

    サンプル数n,合格判定数c、係数\(a_0\),\(a_1\)を使って、
    \(n=\frac{a_0}{p_0}+\frac{a_1}{p_1}\)
    と計算でき、係数\(a_0\),\(a_1\)が表の通りとなっています。

    \(p_1/p_0\) c \(n=\frac{a_0}{p_0}+\frac{a_1}{p_1}\)
    17以上 0 2.56/\(p_0\)+115/\(p_1\)
    16~7.9 1 17.8/\(p_0\)+194/\(p_1\)
    7.8~5.6 2 40.9/\(p_0\)+266/\(p_1\)
    5.5~4.4 3 68.3/\(p_0\)+334/\(p_1\)
    4.3~3.6 4 98.5/\(p_0\)+400/\(p_1\)
    3.5~2.8 6 164/\(p_0\)+527/\(p_1\)
    2.7~2.3 10 308/\(p_0\)+770/\(p_1\)
    2.2~2.0 15 502/\(p_0\)+1065/\(p_1\)
    1.99~1.86 20 704/\(p_0\)+1350/\(p_1\)

    Excelで計算するOC曲線も再掲します。

    OC曲線

    では、個々のcの値に対して、Excelと抜取検査設計補助表のそれぞれから求めたサンプル数nを比較します。

    c=0の場合

    ●近似式 2.56/\(p_0\)+115/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 1000
    c 0 0 0 0 0
    p0 0.26 0.1 0.05 0.01 0.01
    p1 10.88 4.5 2.28 0.47 0.24
    p1/p0 42.42 43.87 42.97 34.28 27.3
    n'(近似式) 20.56 50.5 98.81 435.69 767.13
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。
    n=500,1000の場合はちょっとずれていますね。

    c=1の場合

    ●近似式 17.8/\(p_0\)+194/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 600
    c 1 1 1 1 1
    p0 1.81 0.71 0.35 0.06 0.04
    p1 18.1 7.56 3.83 0.78 0.65
    p1/p0 10.02 10.57 10.83 13.93 15.67
    n'(近似式) 20.57 50.57 100.84 567.34 725
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。
    n=500,600の場合はちょっとずれていますね。

    c=2の場合

    ●近似式 40.9/\(p_0\)+266/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 900
    c 2 2 2 2 2
    p0 4.22 1.65 0.82 0.15 0.08
    p1 24.48 10.3 5.24 1.06 0.59
    p1/p0 5.8 6.22 6.37 6.9 7.42
    n'(近似式) 20.57 50.56 100.6 515.06 961.07
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。
    n=900の場合はちょっとずれていますね。

    c=3の場合

    ●近似式 68.3/\(p_0\)+334/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 1000
    c 3 3 3 3 3
    p0 7.14 2.78 1.38 0.27 0.13
    p1 30.42 12.88 6.56 1.33 0.67
    p1/p0 4.26 4.63 4.76 5 5.38
    n'(近似式) 20.55 50.52 100.54 506.16 1042.47
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    c=4の場合

    ●近似式 98.5/\(p_0\)+400/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 1000
    c 4 4 4 4 4
    p0 10.41 4.02 1.99 0.39 0.19
    p1 36.07 15.36 7.84 1.59 0.8
    p1/p0 3.47 3.82 3.94 4.05 4.09
    n'(近似式) 20.55 50.53 100.55 501.55 1006.39
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    c=6の場合

    ●近似式 164/\(p_0\)+527/\(p_1\)

    n(Excel) 20 50 100 500 1000
    c 6 6 6 6 6
    p0 17.73 6.76 3.33 0.65 0.32
    p1 46.73 20.11 10.29 2.1 1.06
    p1/p0 2.64 2.98 3.09 3.21 3.28
    n'(近似式) 20.53 50.47 100.44 502.17 1008.73
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    c=10の場合

    ●近似式 308/\(p_0\)+770/\(p_1\)

    n(Excel) 100 500 1000 1500 2000
    c 10 10 10 10 10
    p0 6.29 1.23 0.61 0.41 0.31
    p1 14.99 3.07 1.54 1.03 0.78
    p1/p0 2.38 2.48 2.51 2.53 2.54
    n'(近似式) 100.32 500.48 1001.28 1501.82 2000.61
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    c=15の場合

    ●近似式 502/\(p_0\)+1065/\(p_1\)

    n(Excel) 100 500 1000 1500 2000
    c 15 15 15 15 15
    p0 10.3 2.02 1 0.66 0.5
    p1 20.61 4.23 2.13 1.42 1.07
    p1/p0 2 2.1 2.11 2.15 2.13
    n'(近似式) 100.4 500.64 1000.67 1508.83 1996.61
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    c=20の場合

    ●近似式 704/\(p_0\)+1350/\(p_1\)

    n(Excel) 500 1000 1500 2000 2500
    c 20 20 20 20 20
    p0 2.83 1.41 0.93 0.7 0.55
    p1 5.37 2.7 1.8 1.36 1.08
    p1/p0 1.9 1.91 1.93 1.93 1.97
    n'(近似式) 500.14 1000.29 1505.15 1996.41 2523.37
    Excelから求めたサンプル数nと
    抜取検査設計補助表から求めたサンプル数n’はほぼ一致します。

    調べてわかりますが

    計算機がほとんど無かった1950年代から精度が高い抜取検査設計補助表があるのはすごいことですね。

    公式や解法の暗記だけではなく、実際に計算して比較することが重要です。

    まとめ

    抜取検査設計補助表(JISZ9002)の式の意味がわからないけど、ExcelからOC曲線を描くと、抜取検査設計補助表の精度が高く、すごい表であることを解説しました。

    • ①抜取検査設計補助表の導出式の意味はわからない
    • ②自力でサンプル数n、合格判定数cは計算できる!
    • ③計算機がない時代でも精度良い値を作れるのはすごい!
  • 検査のきびしさの切替え方法はJISに頼るな!(調整型抜取検査)

    検査のきびしさの切替え方法はJISに頼るな!(調整型抜取検査)

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査の検査切替え方がわかる
    「調整型抜取検査の切替えルールの理由」
    「JISの切替えルールは必須なのか?」
    がはっきりします!
    • ①JISの切替えルールの規準の理論はわからない
    • ②切替えルールは検査対象に合わせて考えるべき

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tubeでも解説しています。ご確認ください。

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    ①JISの切替えルールの規準の理論はわからない

    JISZ9015を読むと、検査のきびしさ(なみ検査、ゆるい検査、きつい検査)の切替え方法が下図のように書いています。

    切替えルール

    試験にも頻出です。検査回数と不良品の数でどのタイミングで検査のきびしさを切り替えるかを勉強する必要があります。

    ところが、よく考えると、この検査のきびしさの切替える基準の根拠がどこから決まっているのか?疑問に思うはずです。

    切替えスコアが30以上なら、ゆるい検査でよい。
    ⇒30ってどこから決まっているの?

    連続5ロット以内に2ロットが不合格ならきつい検査に切り替える。
    ⇒5ロットと2ロットはどこから求めた値なのか?

    連続5ロットが合格ならなみ検査に切り替える。
    ⇒連続、5ロットの根拠は?

    JISだから全部正しいですが、
    鵜呑みせず、値や判断基準の理由を考えることが重要です。

    わからないことをまとめると、次の2つです。

    切替える基準のここがわからない!

    1. 基準を決める値や数式がわからない。
    2. 実際の検査は対象によって切替え基準はばらばらなはず。1つの規格に従うのは無理がある

    QCプラネッツでは、研究中ですが、知っている方は教えてください。

    ②切替えルールは検査対象に合わせて考えるべき

    検査結果で最も重要なことは、

    不良品や事故を許容範囲外で出ないよう社内で検査すること。
    それは、JIS規格どおり検査することではなく、自分たちで抜取検査を設計すること。

    検査結果は顧客が評価する

    関連記事にあるように、品質は顧客が満足する期待値です。

    5分でわかる品質用語
    品質管理に急に関わるようになったあなた。難しい品質管理用語を丸暗記しても理解できず困っていませんか?本記事では、品質管理用語をわかりやすく解説します。

    顧客要求レベルを上回る結果を出すように検査を設計しなければなりません。

    抜取検査が調整型だからとして、JISZ9015の切替え基準そのまま準拠しても、顧客は満足しない可能性もあります。

    検査対象ごとに要求される検査を考えるのが重要

    全数検査なら、不良は確実に見つかりますが、大量の製品の場合は抜取検査にならざるを得ません。顧客要求を満たすために、どんな調整型抜取検査を考えるべきか?

    自分でゼロベースで考えてみましょう。

    以下は、QCプラネッツの1つの考え方を紹介します。

    検査のきびしさを自分で定義

    次のように2つだけでよいと考えます。
    ●なみ検査: 顧客要求レベルを満たすきびしさ
    ●きつい検査:初期流動管理の場合、不良品が見つかりトラブル発生した場合

    ゆるい検査は、不要としてもよいでしょう。ゆるくしてよい理由が無いからです。ゆるい検査は手抜き検査であってはなりません。

    ゆるい検査のきびしさを入れたい場合

    検査のきびしさを3段階にしたければ、次のように考えます。
    ●ゆるい検査:顧客要求レベルを満たすきびしさ
    ●なみ検査: 重要顧客の要求レベルを満たすきびしさ
    ●きつい検査:初期流動管理の場合、不良品が見つかりトラブル発生した場合

    ●ゆるい検査≡なみ検査
    ●なみ検査≡ちょっときびしい検査
    ●きつい検査≡最悪の条件以上に厳しくした場合の検査
    と、なみ検査ときつい検査がきびしくした条件にした方がよいでしょう。

    切替え基準も自分で定義

    なみ検査、きつい検査のみで考えた場合に話を戻します。
    ●なみ検査: 顧客要求レベルを満たすきびしさ
    ●きつい検査:初期流動管理の場合、不良品が見つかりトラブル発生した場合

    なみ検査ときつい検査を切り替える条件とタイミングは、
    担当部門や経営陣との調整で決めるべきで、JIS規格のような値で決めるものではない。

    新しい製品を出荷するときは、
    きつい検査で始めるでしょう。

    その後、
    ●ある一定期間(半年、年のスパンですが)経過して、製造工程が安定、成熟した場合
    ●納品後、目立ったトラブルや不良が出ていないことが確認した場合
    の条件がそろったら、きつい検査⇒なみの検査へ切り替えてもOKでしょう。

    ただし、工場のある部門だけの判断ではなく、営業、技術、工場と顧客との調整で決める必要があります。

    不良確率が一定以下だからといって、きつい検査からなみ検査に一方的に変えても、NGとなる場合があります。関係者間の調整が重要となります。

    抜取検査では、検査しない製品の不良はそのまま外部に流れてしまいます。そのリスク評価と不良・事故発生の対応も関係者間で調整しておく必要があります。

    検査の切替えは、JIS規格の方法で機械的に変わるものではなく、多くの関係者間の調整が必要となります。

    品質を決める検査だけに、慎重に考える必要があります。

    検査は品質を決める要。
    トラブルがあると説明責任が問われます。
    なぜ、そのような検査をしたかを技術的に説明できるように
    抜取検査を勉強する必要があります。

    まとめ

    検査のきびしさ(調整型抜取検査)を切り替える方法について解説しました。

    • ①JISの切替えルールの規準の理論はわからない
    • ②切替えルールは検査対象に合わせて考えるべき
  • 調整型抜取検査の検査水準がわかる

    調整型抜取検査の検査水準がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査の検査水準の背景が理解できる
    「調整型抜取検査の検査水準が7つに分かれる理由」、
    「ロットの大きさごとにサンプルサイズが決まっている理由」
    をわかりやすく解説!
    • ①検査水準の根拠がわからないことがわかる
    • ②調整型抜取検査の理論がわかりにくい理由
    • ③規格に頼らず、自力で抜取検査を設計すべき

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも解説しています。ご確認ください。

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    ①検査水準の根拠がわからないことがわかる

    調整型抜取検査で、サンプルサイズを決めるために、必須な表が、検査水準表です。

    4つの特別検査水準(S-1,S-2,S-3,S-4)と通常検査水準(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)の7つに区分され、
    ロットサイズごとにサンプルサイズ(文字)が決まっています。

    ロットサイズ 特別検査水準 通常検査水準
    S-1 S-2 S-3 S-4
    2~8 A A A A A A B
    9~15 A A A A A B C
    16~25 A A B B B C D
    26~50 A B B C C D E
    51~90 B B C C C E F
    91~150 B B C D D F G
    151~280 B C D E E G H
    281~500 B C D E F H J
    501~1200 C C E F G J K
    1201~3200 C D E G H K L
    3201~10000 C D F G J L M
    10001~35000 C D F H K M N
    35001~150000 D E G J L N P
    150001~500000 D E G J M P Q
    500001以上 D E H K N Q R

    でも、この表に対して、いろいろ疑問に思いませんか?

    1. なぜ、4つの特別検査水準と3つの通常検査水準があるのか?
    2. 各検査水準の定義があいまい
    3. 「何も制約がなければ、通常検査水準Ⅱを使うこと」ってなぜ?
    4. 水準ごとのサンプルサイズが若干変わる根拠は何?
    5. ロットサイズとサンプルサイズの比は妥当なのか?

    つっこみどころ満載です。学校の試験や資格試験では、素直に表を使って合格しましょう。でも、それじゃ、抜取検査がわかるとは十分言えません。

    JIS・教科書・論文を調査しても、検査水準の各々気になる点がわかる根拠が明記していません。
    では、使い方だけ暗記して使えばよいのか?
    NGです!
    検査は検査の妥当性を証明することが最重要なので、使う値や表は確実に納得して説明できるようにすべきです。

    なぜ、JIS・教科書・論文を調査しても、わからないのかを次に解説します。

    ②調整型抜取検査の理論がわかりにくい理由

    調整型抜取検査の理論がわかりにくい理由

    調整型抜取検査の規格は米軍規格を直輸入した版の改良版
    自分たちで考えて標準化する前に、強制的に規格導入となった。
    1950年以前の米軍規格に関する知見が少ない。
    これが、調整型抜取検査の理論がわかりにくい理由です。

    QCプラネッツは知見が少ないため、抜取検査の理論のすべてを理解はできていません。その代わり、自分で仮説を立てて、論理に矛盾がない説明をしっかりブログで解説しています。

    調整型抜取検査の歴史

    品質管理の歴史と重なりますが、簡単に紹介します。

    抜取検査の歴史

    1. 1945年まで日米が戦争
    2. 終戦後は米国が日本を統治するが、対戦相手だった日本を発展させる気は全くなかった
    3. どころが、1950年に、朝鮮戦争(冷戦)が勃発してしまった。
    4. 戦場に近い供給元が必要になった米国が日本を製造拠点に選択。
    5. ところが、当時の日本は品質管理レベルが低かった。
    6. 品質の悪い供給品では戦争に勝てないため、急遽デミングらを来日させた。
    7. 米国の秘伝のタレである品質管理や標準化・規格を日本企業に従わせた。
    8. 戦敗国は戦勝国に反発するのが常である。他国のテロ活動がその例。
    9. しかし、実際に、失業者が多く、経済がどん底だった日本は、供給品を爆買してくれる米国にうまく対応した。
    10. 明日を生き抜くだけで精一杯な日本と、冷戦に勝ちたい米国の利害関係がうまく一致した。
    11. 多くの品質管理や標準化の概念が日本に伝わり、日本企業の品質レベルが上がった。

    よくある教科書では、
    ●日米友好のために、デミング博士が来日、
    ●日本の品質レベルが向上し、経済発展
    と優しめに書いています。正しいけど、そんな理由で、簡単に変革が起こるかは疑問です。

    もともと対戦国に対して、米国の秘伝のタレである「科学管理」、「品質管理」を教えるはずがありません。でも、「そうは言っていられない緊急事態が起きた」ため、早く日本に品質管理を教えなければならなくなった。とするのが自然です。

    また、日本側も、焦土化された相手の要求に簡単には乗りません。本来は反発活動が増えて荒れるはずです。しかし、経済が冷え切っており、失業者が多い暗い時代に、突如爆買いする相手がいれば、ハングリー精神で、何でも吸収しますよね。生活が楽になるなら、何でも頑張る状況だったのです。

    冷戦が日本の品質管理を高めるきっかけであったはずです。

    その後、日本は戦後復興・経済発展して落ち着いてくると、
    「いろいろ米国から伝わったものって、本当に正しいの? ルールの背景や理由が知りたい」
    と本質的な研究が深まるようになります。

    調整型抜取検査は、
    1940年代に米軍規格としてスタートし、
    1950年にMIL-STD-105Aが日本に直輸入されます。

    その後、しばらく米軍の規格の改定が進み、
    1971年に日本規格であるJISZ9015 1971が制定されます。

    日本人が考えて作った規格ではなく、米国のものを改良した規格であるため、規格の背景や理由を調べてもなかなか知見が得られないのが現状です。
    品質管理は技術に親和性が高いですが、意外と世界史・地政学も関係していきます。なぜなら、ルールづくりをするのが品質管理や標準化です。ルールづくりは国家間の思惑が入ってきます。

    品質管理は世界史・地政学、経済・経営など幅広く俯瞰するとさらに面白さが広がります。

    ③規格に頼らず、自力で抜取検査を設計すべき

    調整型抜取検査に話を戻します。,

    調べてもわからないで終わらせずに、自分で考えて抜取検査を設計しましょう。JIS通り検査するより、検査内容を技術的に説明できることが重要です。

    自分で抜取検査を設計する

    抜取検査の設計ポイント

    1. OC曲線で抜取検査を設計するのが大前提
    2. 検査対象の消費者危険、生産者危険を品質コストや経営の影響から設定する
    3. 消費者危険、生産者危険の2点を通るOC曲線を描く
    4. OC曲線を決定するサンプル数nと合格判定数cを決める

    この基本ができていれば、抜取検査は、検査対象の許容不良率から設計できるので、説明責任が十分果たせます。数値を早く求めるときに、JISの規格表を活用すればよいのです。

    サンプル数はOC曲線を見ながら決める

    消費者危険、生産者危険の2点を通るOC曲線は複数描ける。
    そのうちのサンプル数nが最小のものを選ぶとよい。

    サンプル数nと合格判定数cが異なっていても、OC曲線がぴったりであれば、合否判定基準は同じなので、サンプル数nを小さい方を選んでも、合否結果は同じです。

    検査コストも考慮すれば、サンプル数nは小さくしたいですよね。

    実際に近いOC曲線を描いてみましょう。
    ●n=50,c=2
    ●n=200,c=11
    ●n=2000,c=125

    OC曲線

    不良率の軸を拡大しているので、3本はややずれてはいますが、不良率1%,2%前後は許容範囲とすれば、
    サンプル数をn=2000からn=50と1/40にサンプル数を減らしても
    合否判定結果精度は変わらないといえます。

    このように、OC曲線カーブと不良率を見て、検査コストも考慮しながら、サンプル数を決定してもよいです。

    検査設計が面倒ならJISの検査水準表を見ればOKですが、
    値を決める理由を説明できるなることも重要です。

    まとめ

    調整型抜取検査の検査水準と、自分で抜取検査を設計することの重要さを解説しました。

    • ①検査水準の根拠がわからないことがわかる
    • ②調整型抜取検査の理論がわかりにくい理由
    • ③規格に頼らず、自力で抜取検査を設計すべき
  • なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表(一回抜取方式)の作り方がわかる

    なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表(一回抜取方式)の作り方がわかる

    なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表(一回抜取方式)の作り方がわかる

    「なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の主抜取表のAc,Reの値の求め方がわからない」、「なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いがわからない」など困っていませんか?
    【簡単】\(χ^2\)乗分布がすぐ使いこなせる【初心者向け】
    • ①なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いがわかる
    • ②ゆるい検査、きつい検査の合格判定個数をOC曲線から導出
    • ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査を選ぶ時の注意点

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも解説しています。

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    ①なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いがわかる

    結論

    JISZ9015-1では、AQL(合格品質水準)とサンプル数nを標準数\(10^{0.2}\)=1.58倍ずつずらしたものと定義。

    1つずつずらしたものと定義しただけです。どんな抜取検査でも、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いはJISの定義と同一にする必要はありません。

    主抜取表で比較

    0.65 1 1.5 2.5 4 6.5 10
    検査 サイズ Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re
    ゆるい 20 1,2 2,3 3,4 4,5 6,7
    なみ 20 1,2 2,3 3,4 5,6
    きつい 20 1,2 2,3 3,4
    ゆるい 32 1,2 2,3 3,4 4,5 6,7 8,9
    なみ 32 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8
    きつい 32 1,2 2,3 3,4 5,6
    ゆるい 50 1,2 2,3 3,4 4,5 6,7 8,9 10,11
    なみ 50 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8 10,11
    きつい 50 1,2 2,3 3,4 5,6 8,9
    ゆるい 80 2,3 3,4 4,5 6,7 8,9 10,11
    なみ 80 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8 10,11 14,15
    きつい 80 1,2 2,3 3,4 5,6 8,9 12,13

    同じ色を見ると、対角線に1つずつずれているのがわかりますね。

    数式で比較

    OC曲線の式で、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いを比較します。
    詳細は関連記事に解説しています。

    検査のきびしさを変えても同じAQLにするために、ゆるい検査ときつい検査では、OC曲線の式を一部補正しています。

    補正変数mは、主抜取表のAQLの1列のずれを考慮して、標準数\(10^{0.2}\)を入れます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (なみ検査) (m=1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (m=\(10^{-0.2}\))
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m=\(10^{0.2}\))

    AQL

    AQL

    上の図では、
    ●なみ検査 (n,Ac)=(20,3)
    ●ゆるい検査 (n,Ac)=(13,3)
    ●きつい検査 (n,Ac)=(32,3)
    について、ゆるい検査ときつい検査の曲線を補正し、なみ検査 (n,Ac)=(20,3)のOC曲線に近づけて、AQL=6.5%と求めました。

    なお、サンプル数どおしを比較すると
    32/20=1.6≒\(10^{0.2}\)
    20/13=1.53≒\(10^{0.2}\)
    の関係があります。不思議ですが、そうなるように主抜取表を作ったのでしょう。すごいですね。

    ②ゆるい検査、きつい検査の合格判定個数をOC曲線から導出

    ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を定義

    もう一度書きますが、下の3つの式からOC曲線を描いて、合格判定個数を求めます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (なみ検査) (m=1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (m=\(10^{-0.2}\))
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m=\(10^{0.2}\))

    ゆるい検査、きつい検査の合格判定個数を導出

    OC曲線を描いて合格判定個数を求めます。

    サンプル数n=20を固定し、合格判定個数c=Acを0から20まで変化させます。
    なみ検査、ゆるい検査、きつい検査でそれぞれ
    c=Acを0から20まで変化させた場合のOC曲線を描きます。

    OC曲線

    AQLとAcの関係をまとめてみましょう。

    AQL 0.15 0.25 0.4 0.65 1 1.5 2.5 4 6.5 10 15 25 40 65 100
    ゆるい 0 1 1 1 1 2 2 3 4 6 8 12 16 20 20
    なみ 0 0 1 1 1 1 2 2 3 4 6 8 12 16 19
    きつい 0 0 0 1 1 1 1 2 2 3 4 6 8 12 16

    OC曲線からAcを導出して抜取表を作ると、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査では合格判定個数Acが1つずつずれていることがわかります。

    主抜取表の作り方がわかると、JISが提供する魔法の表ではなく、自力でも作れる身近な表になりますね。
    主抜取表の使い方を勉強して終わるのではなく、
    主抜取表をどのように作るのかを考えることが抜取検査をマスターする上で重要です

    ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査を選ぶ時の注意点

    あなたが抜取検査する対象の、「なみ、ゆるい、きつい」の定義と
    JISが定義する「なみ、ゆるい、きつい」の定義は一致しない
    点に注意が必要

    JISが定義する「なみ検査、ゆるい検査、きつい検査」

    JISには明記していない点が、わかりにくくしていますが、
    JISの定義は、AQLを1つずらしたもので定義しているようです。

    また、AQLは公比が標準数\(10^{0.2}\)=1.58の等比数列として、JISの主抜取表があります。

    あなたが抜取検査する対象の「なみ検査、ゆるい検査、きつい検査」

    一方、あなたが検査する対象では、検査対象によって、「なみ、ゆるい、きつい」の程度が変わるはずです。

    次の3点に注意しましょう。

    1. 「なみ、ゆるい、きつい」の差はJISの定義(標準数\(10^{0.2}\)=1.58)と同じとは限らない
    2. 「あなたの「なみ検査」はJISの「なみ検査」と同じとは限らない
    3. 「JIS規格だからそのまま活用しても良いとは限らない
    JIS規格の表だから何でも正しいではなく
    あなたが実施したい抜取検査の合否判定基準や調整したい幅(ゆるさ、きつさ)を自分で考えることが重要です。

    あなたが抜取検査すべき「なみ検査、ゆるい検査、きつい検査」

    まとめると、

    1. あなたの「なみ検査」の合否判定基準を設計する
    2. あなたの抜取検査の調整の幅(ゆるさ、きつさ)を自分で定義して設計する
    3. JIS規格に合う検査条件ならJIS規格を活用する

    あなたの「なみ検査」の合否判定基準を設計する

    検査の合否判定基準を、製品出荷後の品質コストや経営リスクを考慮して、決める必要があります。そこから、消費者危険(p0,1-α)、生産者危険(p1,β)をいくらにすべきか?がわかります。

    消費者危険(p0,1-α)、生産者危険(p1,β)が決まると、そこを通るOC曲線を引くと、サンプル数n,合格判定個数cの候補がいくつか出てきます。(n,c)によって、同じ点を通るOC曲線が複数描けるからです。

    サンプル数n、合格判定個数cを1つに絞ります。

    あなたの抜取検査の調整の幅(ゆるさ、きつさ)を自分で定義して設計する

    調整型抜取検査を実施したいならば、調整の幅をJISの表を見る前に、自分で考える必要があります。

    出荷実績が少なく、初期流動管理が必要なら、最初は、きつい検査とし、半年経過して、品質に問題がなければ、なみ検査とするなど考えます。

    初期流動管理の場合の、製品不良率が、工程管理が成熟した場合の不良率と比較して、どの程度違うのか?を検討します。それをカバーできる、きつい条件を設定して、きつい検査と定義します。

    品質はどの工程でも、「なぜそうしたか?」を自分で説明できる責任があります。自分で考えて設計し、それがOKならそのままでも良く、NGなら改善していけばよいです。そして、自分で改善案を考えることができます。

    JISに頼ると、なぜかもわからず、検査し続けることになってしまいます。

    JIS規格は、調整の幅をAQLの公比(標準数)として、さまざまなサンプル数とAQLにおける合格判定個数を定義しています。ただ、どんな調整型抜取検査にするかは、あなたが考える必要があります。
    抜取検査対象となる製品で、JIS規格に従って検査したら、
    「なぜ、サンプル数n,合格判定個数Acを決めたのか?」と品質監査で聞かれて時に
    「JISどおりにやったから」としか回答できず、監査で不適合と言われる可能性があります。

    JISの調整型抜取検査の主抜取表を使う前に、抜取検査を自分で考える力を身につけましょう。

    まとめ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表(なみ検査、ゆるい検査、きつい検査)の作り方について解説しました。

    • ①なみ検査、ゆるい検査、きつい検査の違いがわかる
    • ②ゆるい検査、きつい検査の合格判定個数をOC曲線から導出
    • ③なみ検査、ゆるい検査、きつい検査を選ぶ時の注意点
  • 調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方がわかる
    「調整型抜取検査の抜取表にあるAc,Re値の求め方」、「AQLの100以上の意味」をわかりやすく解説します。
    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    自分で抜取検査の理論を理解して、抜取検査を先に自分で設計して、必要な値をJISや教科書を使うようにしたいです。

    ●You tube動画でも確認ができます。

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    調整型抜取表1回なみ

    ①主抜取表はOC曲線から導出できる

    結論

    抜取検査はOC曲線で考えます。
    主抜取表もOC曲線から導出できます。

    二項分布のOC曲線からn,Ac,AQLを導出

    OC曲線を描きましょう。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決めます。
    サンプル数nとAQLについて、主抜取表では標準数を使って値をふっています。

    標準数については、関連記事で確認ください。

    標準数 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    抜取検査に必須な標準数についてわかりやすく解説!

    サンプル数n,合格判定個数AcとAQL(合格品質水準)を決め方

    ①各サンプル数nにおいて、主抜取表にあるAQL値に近い、合格判定個数Acを決める。
    ②すべてのn,AQLについてOC曲線を描いて、それぞれの合格判定個数Acを決めれば主抜取表が完成する

    AQLについては、関連記事で確認ください。

    調整型抜取検査 AQL(合格品質水準)とは何かを
    はっきり解説します!

    ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる

    主抜取表で確認

    AQLは%だから100%以下のはず。
    でも、主抜取表は100以上の場合がある。
    どういう意味?

    と不思議ですよね。

    主抜取表は下表のように書いています。色枠部はAQLが100以上の箇所です。

    AQL 0.01 100 150 1000
    文字 サイズ Ac,Re Ac,Re Ac,Re Ac,Re
    A 2 0,1 5,6 7,8 30,31
    B 3 0,1 7,8 10,11 44,45
    0,1
    0,1
    0,1
    P 800 0,1
    Q 1250 0,1

    ポアソン分布でAQLを個数と定義するから、100以上もあるのです。

    と、主抜取表には書いていますが、実際に計算して確認しましょう。

    ポアソン分布で計算

    ポアソン分布を使ってOC曲線の導出方法は、関連記事にあります。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    二項分布、ポアソン分布からOC曲線を求める式を描きます。

    ●二項分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)

    ●ポアソン分布
    L(p)=\(\sum_{r=0}^{c} exp(-np) \frac{(np)^r}{r!}\)
    で、サンプル数n,合格判定個数cを与えます。

    AQLが100超過する場合ですから、主抜取表を見て、以下の値でOC曲線を描きます。

    n 5 5 5 5 5
    Ac 10 14 21 30 44

    明らかに サンプル数nより、合格判定個数Acが大きいですね。
    すると、OC曲線を描くと、AQLが100以上になることが下図からわかります。

    OC曲線

    ポアソン分布から導出したAQLの値と、主抜取表のAQLの値を比較すると、大体あっていることがわかります。

    (n,Ac) (5,10) (5,14) (5,21) (5,30) (5,44)
    主抜取表 100 150 250 400 650
    自力で計算 123 185 298 449 691

    ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる

    作り方の基本は、関連記事にも解説しています。

    調整型抜取検査 主抜取表の値をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    主抜取表の作り方

    どんどんOC曲線を描いて、AQLに該当する合格判定個数Acを求める。不合格判定個数ReはAc+1とすればOKです。

    主抜取表のサイズと合格判定個数を用意してOC曲線を求めて、AQLに該当するAcを算出し、それを主抜取表に埋めていけば完成します。

    実際に、主抜取表にある(n,Ac)をOC曲線で描きます。

    OC曲線

    この各曲線からAQLをそれぞれ求めて、その値と主抜取表にあるAQLを比較して、近ければ、そのときの合格判定個数を主抜取表に代入します。

    実際にn=20の場合で、自力で計算した場合と主抜取表の値を比較します。

    OC曲線

    c AQL(自力) AQL(主抜取表) OC曲線
    0 0.28 0.65 二項分布
    1 1.77 2.5 二項分布
    2 4.19 4 二項分布
    3 7.12 6.5 二項分布
    4 10.38 6.5 二項分布
    5 13.95 10 二項分布
    6 17.71 10 二項分布
    7 21.69 15 二項分布
    8 25.86 15 二項分布
    9 30.18 15 二項分布
    10 34.68 25 二項分布
    11 39.34 25 二項分布
    12 44.19 25 二項分布
    13 49.21 25 二項分布
    14 54.42 40 二項分布
    15 59.89 40 二項分布
    16 65.62 40 二項分布
    17 71.72 40 二項分布
    18 78.37 40 二項分布
    19 86.08 40 二項分布
    20
    21 75 65 ポアソン分布
    22 112 150 ポアソン分布
    23 172 250 ポアソン分布

    全体的は大体合っている結果ですが、大きくずれるところもあります。

    実際に計算すると、主抜取表の特徴やすごさがわかります。

    まとめ

    調整型抜取検査(1回方式)の主抜取表の作り方について解説しました。

    • ①主抜取表はOC曲線から導出できる
    • ②AQL100超過の場合の合格判定個数Acの導出方法がわかる
    • ③なみ検査の主抜取表の作り方がわかる
  • 【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる

    本記事のテーマ

    【簡単】AQL(合格品質水準)がすぐわかる
    「AQL(合格品質水準)とは何か?」、
    「AQL(合格品質水準)はどの値にすればよいか?」
    を明快に解説します!
    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる
    AQLって何と聞かれたら、「すぐに答えられますか?」
    JISや教科書に明記していないので、答えられないはずです。

    だから、困るはずです!

    本記事では、明快に解説します!
    理論を理解して、抜取検査を自分で設計できるようになってほしいです。

    ●You tube動画でも解説しています。ご確認ください。

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    ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    その理由を、詳細に解説します!

    AQLの定義がJISや教科書に詳細に書いているが、どの値なのかが結局わからない

    1. 工程平均として満足だと考えられる品質の上限(教科書の定義)
    2. 継続して連続のロットが抜取検査に提出されるときに、許容される工程平均の上限の品質水準(JISZ9015-1 3.1.26)

    確かに、AQLの定義が詳細に書いています。けど、

    実際抜取検査するときに、
    ①手持ちのデータや値でいうと、どれがAQLなのかわからない!
    ②仮に工程平均を満足する値があったとして、その値を使ってよい理由がはっきりしない。(JISに書いているからOKとしか説明できない。

    自分の理論でAQLを定義したい!ですよね。

    抜取検査はOC曲線ですべて考えるのだから、
    OC曲線でいうとどの値なのかをはっきりさせたい!はずです。

    AQL(合格品質水準)はOC曲線のp0でよい

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    実際に計算して、JISの主抜取表と比較してみればわかりますので、計算してみましょう。

    ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい

    OC曲線からp0を導出

    なみ検査の1回抜取方式で、実際にOC曲線から、AQLと合格判定個数を求めてみましょう。

    OC曲線から抜取表を作る方法

    ①サンプル数n,合格判定数c、からOC曲線を描いて、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り =0.05)となるp0を求めます。

    ②次に合格品質水準AQLとp0の大小を下図のように比較します。
    ●p0 ≤ AQL なら、合格判定個数c⇒c+1に増やす。
    ●p0 > AQL なら、合格判定個数cは変えない

    この方法で、各AQLにおける、合格判定数c(これが合格判定個数Acになります)を求め、この結果を抜取表と比較します。

    OC曲線

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線から抜取表を作成

    サンプル数n=20において、各AQLとAcの関係について、
    ●自分で作った結果
    ●JISZ9015-1の主抜取表
    を比較します。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    関連記事にも同じ表を載せています。

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    本記事では、主抜取表の値(AQLサンプルサイズ、合格判定数Ac,不合格判定数Re)をOC曲線から導出し、自力で主抜取表が 作れることを解説します。

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる

    ゆるい検査、きつい検査も、なみ検査と同じ結論になりますが、1点注意が必要です。

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    OC曲線でなみ検査、ゆるい検査、きつい検査を比較

    同じAQL,同じ合格判定個数Acで、なみ検査、ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を描いてみます。

    検査 サンプル数n 合格判定個数Ac AQL(%)
    なみ検査 20 3 6.5
    ゆるい検査 13 3 6.5
    きつい検査 32 3 6.5

    同じAQL,同じ合格判定個数Acでは、サンプル数nがなみ検査、ゆるい検査、きつい検査で異なります。

    AQL

    <

    div style=”padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333; background-color: #f5f5f5;”> OC曲線を見ると、ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの不良率p0は、1点で集まっていないことがわかります。

    OC曲線では、合格判定数cを固定して、サンプル数nが変わると曲線の形は変わります。OC曲線の基本です。

    ゆるい検査、きつい検査のOC曲線を補正する

    AQLが1点で決まらない点に注意。
    ただし、補正すればAQLが1点で決まる。

    つまり、グラフの左側にあった、きつい検査を右側にずらし、
    グラフの右側にあった、ゆるい検査を左側にずらすと、
    なみ検査の曲線に近づきます。

    補正した3つの曲線が1つに集まったときの、p0をAQLとすればよいのです。下図にイメージ図を描きます。

    AQL

    AQL

    図はわかりやすいのですが、数学的には問題ないのか?が気になりますので、式でも追跡します。

    ロット合格率L(p)の公式を書きます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)

    JISの主抜取表をよく見ると、ゆるい検査ときつい検査は、なみ検査に比べて、AQLの列が1つずれています。つまり、これを補正式として代入します。

    ロット合格率L(p)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr p^r (1-p)^{n-r}\) (なみ検査)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (0 < m < 1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m > 1)

    補正変数mは、主抜取表のAQLの1列のずれを考慮して、標準数\(10^{0.2}\)を入れてみます。
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (なみ検査) (m=1)
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (ゆるい検査) (m=\(10^{-0.2}\))
    ●\(L(p)\)=\(\sum_{r=0}^{c} {}_nCr (pm)^r (1-pm)^{n-r}\) (きつい検査) (m=\(10^{0.2}\))

    すると、補正した3つの曲線が1つに集まります。

    AQL

    AQL

    結論

    OC曲線

    AQLはOC曲線でいうと、
    ロットの合格率L(p)が1-α(α:第1種の誤り)となるときの
    不良率p0のことである

    断言します!

    自信もって、AQL=p0でOKです。

    以上から、自信もって、AQL=p0でOKとして活用ください。

    まとめ

    AQL(合格品質水準)の定義について明快に解説しました。

    • ①AQL(合格品質水準)はOC曲線でいうp0である
    • ②なみ検査のAQLはOC曲線のp0でよい
    • ③ゆるい検査、きつい検査のAQLはOC曲線のp0に補正した値となる
  • 調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる

    本記事のテーマ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表がわかる
    「主抜取表の値の決め方」
    「サンプルサイズ、AQLの値の決め方」
    「抜取表の値の決め方」
    をわかりやすく解説!
    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
    主抜取表の値の作り方は、どこにも書いていません。QCプラネッツで研究してわかったことをお伝えします。

    ●You tube動画も確認ください。

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    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    調整型抜取表1回なみ

    ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる

    サンプルサイズ

    主抜取表を見ると、サンプル文字とサンプルサイズをまとめた表があります。

    文字 サイズ 文字 サイズ
    A 2 K 125
    B 3 L 200
    C 5 M 315
    D 8 N 500
    E 13 P 800
    F 20 Q 1250
    G 32 R 2000
    H 50
    J 80

    (合格品質限界)AQL

    主抜取表を見ると、AQLの値は下表のようになっています。

    0.01 0.1 1 10 100
    0.015 0.15 1.5 15 150
    0.025 0.25 2.5 25 250
    0.04 0.4 4 40 400
    0.065 0.65 6.5 65 650

    サンプルサイズとAQLの決め方

    標準数で決めています。
    ですが、標準数でなければならない義務はなく、
    使いやすい主抜取表になるように、好きな値を決めてよいです。

    この場合の標準数は10の0.2乗である1.58としています。
    \(10^{0.2×0}\)=1
    \(10^{0.2×1}\)=1.5
    \(10^{0.2×2}\)=2.5
    \(10^{0.2×3}\)=4
    \(10^{0.2×4}\)=6.5
    \(10^{0.2×5}\)=10
    と見ると、確かにサンプルサイズ、AQLの値に一致しますね。

    ただし、別に、値は何でもOKです。
    1⇒2⇒4⇒8⇒16⇒32⇒…とか
    1⇒2⇒5⇒10⇒20⇒50⇒100⇒…とか
    でもOKです。

    ISOやJISの規格はみんなが使いやすいようにするために標準数を使っています。
    あなたが、使いやすい抜取表を作ってもOKです。

    標準数については、関連記事で解説しています。ご確認ください。

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる
    規準型抜取検査や調整型抜取検査の抜取表の範囲や区分を作る方法を解説します。

    ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる

    合格判定数Ac、不合格判定数ReはOC曲線から求める

    抜取検査はすべてOC曲線から始まります。

    図で確認しましょう。計数抜取検査で不良率について考えます。二項分布のOC曲線を下図に出します。

    OC曲線

    OC曲線の(n,c)と第1種の誤りαになる不良率p0が重要です。
    ●n=サンプルサイズ
    ●c=合格判定数Ac
    ●不合格判定数Re=Ac+1
    ●p0=AQL(合格品質限界)

    となります。

    サンプルサイズn,合格判定数c,合格品質限界AQLを求めるために、たくさんOC曲線を描けば、主抜取表が作れます。

    抜取表は実際作ってみた方が、理解は深まりますね。

    OC曲線から実際に合格判定数Ac、不合格判定数Reを求める

    1回抜取方式で、実際にOC曲線を描きながら、主抜取表を作ってみます。

    OC曲線の描き方については、関連記事があります。Excel VBAでOC曲線が作れます。

    OC曲線自動生成プログラム OC曲線の自動作成プログラムの使い方を解説します!

    OC曲線からAQLを導出

    n=20、c=0,1,2,…,19の場合のOC曲線を描きます。

    OC曲線

    OC曲線の左側がc=0で右側に行くにつ入れてcが増えますね。

    次に、第1種の誤りαである、合格率が1-α=95%の不良率pを求めます。

    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    c P0
    (AQL)
    0 0.26 5 13.96 10 34.69 15 59.9
    1 1.81 6 17.73 11 39.36 16 65.63
    2 4.22 7 21.71 12 44.2 17 71.74
    3 7.14 8 25.86 13 49.22 18 78.39
    4 10.41 9 30.2 14 54.44 19 86.09

    次に、AQLを満たすcを見ます。すると、AQLから合格判定数Acがわかります。

    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    AQL(%) 自分で
    導出
    JISZ
    9015Z-1
    0.01 0 0 1 1 1
    0.015 0 0 1.5 1 1
    0.025 0 0 2.5 2 1
    0.04 0 0 4 2 2
    0.065 0 0 6.5 3 3
    0.1 0 0 10 4 5
    0.15 0 0 15 6 7
    0.25 0 0 25 8 10
    0.4 1 0 40 12 14
    0.65 1 0 65 16 21

    自分で求めた値と、JISZ9015-1 なみ検査(1回抜取方式)を比較します。結構、一致しています。
    主抜取表の作り方が理解できましたね。

    ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる

    主抜取表を対角線上で見ると、合格判定数Ac、不合格判定数Reがそろっています。

    使いやすさのためにうまく作られています。
    また、対角線上に同じ合格判定数Ac、不合格判定数Reとなるように、サンプルサイズ、AQLの幅を標準数を使っているのがわかります。

    主抜取表の一部を見てみましょう。

    文字 サイズ AQL(Ac,Re)
    1 1.5 2.5 4 6.5
    D 8 1,2
    E 13 1,2 2,3
    F 20 1,2 2,3 3,4
    G 32 1,2 2,3 3,4 5,6
    H 50 1,2 2,3 3,4 5,6 7,8

    確かに、合格判定数Ac、不合格判定数Re数が対角線上では同じであることがわかります。

    数学的な理論では説明できず、何度も試行錯誤の結果、見やすい主抜取表ができたと考えられます。 主抜取表は努力の結晶です。

    まとめ

    調整型抜取検査のなみ検査の主抜取表について解説しました。

    • ①サンプルサイズ、AQLの決め方がわかる
    • ②合格判定数Ac、不合格判定数Reの決め方がわかる
    • ③合格判定数Ac、不合格判定数Reの工夫しているところがわかる
  • 実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    「実験計画法がよくわからない」、「どの本や、参考書を読めばいいの?」など、疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    実験計画法のおすすめ本を紹介します。

    本の選び方と推薦図書のご紹介

    • ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する
    • ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)
    • ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)
    • ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらに実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。

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    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する

    実験計画法の図書は専門性が高く難解なので、
    理解度に合わせた図書を選ぶ必要があります。

    3段階に分けます。

    1. 初級レベル
    2. 中級レベル
    3. 上級レベル

    どのレベルかを把握しましょう。意地を張る必要はありません。適正な参考書を見つけるために必要です。

    初級レベル

    試験や資格のために、初めて実験計画法を学ぶ方

    中級レベル

    試験や資格のためではあるが、実験計画法を学んだことがある方。苦手意識がある方。

    上級レベル

    実験計画法をさらに学んで究めたい方

    品質管理においては、QC検定®があります。QC検定®のランクに合わせると次のようになります。

    初級レベル

    ●QC検定®:QC検定2級®を受験
    ●公式を暗記して一元、二元配置実験の試験問題が解ける
    (内容理解できなくても正解はできるレベル)

    中級レベル

    ●QC検定®:QC検定®1級を受験
    ●公式を暗記して、直交表、乱塊法、分割法、多水準法、擬水準法、枝分かれ実験の試験問題が解ける
    (内容理解できなくても正解はできるレベル)

    ●資格試験などはなし
    ●自分で式を作るなど、何も見なくても実験計画法の各手法や特徴が
    説明できるレベル

    では、推薦図書を紹介します。

    ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)

    初級の方は、実験計画法の参考書は買わなくよいです。
    QC検定®2級の対策本から入りましょう。
    QC検定®2級の対策本の方が、具体的な解き方が丁寧に解説しており、
    初級の方は、二元配置実験(繰返し有り)の解き方で精一杯だからです。
    QC検定®2級の対策本は、実験計画法の分散分析や検定の基礎もわかりやすく解説しています。でも、初級の人にとってはそれでも難しいでしょう。

    私も、QC検定®2級の対策本だけ解いて合格しましたが、それでも難解でした。

    まず、目標は、二元配置実験(繰返し有り)を解き方暗記してもOKなので、解けることです。

    推薦図書

    シンプルに1冊だけあれば十分です。そして、何度も復習して習得することです。

    上の教科書で二元配置実験が解けるようになったら、演習問題として問題集を推薦します。

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    過去問題で学ぶQC検定®2級 2021年版 [ 仁科 健 ]
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    実験計画法の本は一切ありません。たった1,2冊ですが、それでも十分です。
    私は実験計画法を初めて勉強したときは、上の2冊だけ勉強し、合格率25%のQC検定®2級を一発合格しました。

    初級は基礎が大切なので、1,2冊だけに留めて、何度も復習が大切です。

    ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)

    中級の方は、実験計画法の参考書を買いましょう。
    直交表、線点図、乱解法、分割法といろいろ手法が増えるからです。
    中級の方は、実験計画法に慣れているとはいえ、
    手法の解き方を真似るところで精一杯と思います。
    公式や解き方が初級レベルに比べて数倍増えるからです。
    わかりやすい参考書が必要となりますね。

    推薦図書

    QC検定®1級の対策本を最初に薦めます。
    広範囲な内容を7,80ページ程度にまとめており、最初に勉強するには良いページ数です。

    最初から3,400ページの分厚い参考書は、キツイでしょう。
    私は試験終わって数年経ちますが、今もほぼ毎日読んでいます。

    上の本を読んで、理解するとちょっと練習問題が欲しくなるはずです。これがお薦めです。

    この2冊を勉強すると、実験計画法の問題が頭で理解できなくても正解できるようになります。
    それでも、まだ不安なはずです。私もそうでした。

    このレベルになっていない人が実験計画法の参考書を持っていても、あまり使いこなせていないはずです。

    ここから、実験計画法の専門書を読んでいきましょう。

    入門書としてわかりやすく書いていますが、中級レベルな本です。フィッシャーの三原則、データの構造式、乱解法・分割法、処理間差の区間推定などをわかりやすく解説しています。

    ページ数が少なく、わかりやすく解説しています。特に、平方和の分解、ラテン方格法と実験計画法の違いを分かりやすく解説しており、QCプラネッツの記事のベースにもなっています。

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    【送料無料】 よくわかる実験計画法 / 中村義作 【本】
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    実験計画法を自信もって学んだといえるレベルに誘ってくれる1冊です。一元~多元配置、乱解法、分割法、直交表、線点図、多水準表、擬水準法の分散分析、分散の期待値の導出の過程をわかりやすく解説しています。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    品質管理のための実験計画法テキスト改訂新版 [ 中里博明 ]
    価格:4620円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)

    これらの本を読破すると、「実験計画法が分かる」と自信もって言えますし、QC検定®1級合格は確実でしょう。

    ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

    ③の中級レベルでは、QC検定®1級合格レベルまで行くんだから十分だ!
    そうなんですけど、中級レベルまで達して、QC検定®1級合格しても、
    自分で使いこなせるレベルにはなっていません。

    各手法を個別に公式や解法を使って正解できるけど、
    実験計画法は何をやっているのか?本質まではあまり理解できていないはずです。

    私がそうでした。
    QC検定®1級合格したら、周囲がざわめきましたが
    実験計画法って結局何をやっているのか。まだわからないレベルでした。

    実は、まだ登るべき山があるので、紹介します。

    QC検定®1級合格しても7合目だった。。。

    ●分散分析表にあるE[V]はどうやって計算するのか?
    ●手法ごとに公式、解法を暗記して解くが、1つの解法でどの手法も解ける方法はないのか?
    ●いろいろなプーリングした残差の自由度や、μ(組み合わせ)の導出式が個々に変わるが1つの解法で導出できないか?
    ●乱塊法、分割法を使う場合と使わない場合の違いは何か?
    ●直交表を使うと何で実験回数が減らせるのか?
    ●直交表は自分で作れないか?
    ●実験計画法から何が得られるのか?
    などなど

    まだまだ、わからないことだらけでした。それを解決する参考書を紹介します。この上級レベルを超えて作られた記事をQCプラネッツでは紹介しています。

    永田先生の参考書は必須です。分厚いですが、分散分析の導出など計算でつまづきやすいポイントをたくさん書いています。現在、本屋で販売している中で最も濃密な1冊です。サタースウェイトの等価自由度も丁寧に解説しています。QCプラネッツではさらに丁寧に解説した記事があります。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    入門実験計画法 [ 永田靖 ]
    価格:4620円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)

    絶版ですが、誰もが思うなぜなぜな疑問をたくさん解説しています。データの構造式から区間推定の式の導出、直交表の繰返し使う場合の残差の扱いなどがわかりやすく解説しています。

    古書になりますが、分散分析表の分散の期待値E[V]の導出過程がわかりやすく解説しています。実験計画法をマスターするには、期待値E[V]の導出過程が自由自在にできることです。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    初等実験計画法テキスト改訂版 [ 石川馨 ]
    価格:3080円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)

    最後に、実験計画法といえば、田口先生です。田口先生の本も上下セットで一度は読んでおきたいです。実験計画法は多くても3因子までですが、4因子、5因子でも計算するガッツを身につけると、各手法の違いや特徴が簡単にわかるようになります。

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    実験計画法(上)第3版 復刻版 [ 田口玄一 ]
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    【中古】実験計画法 下 第3版/丸善出版/田口玄一(単行本)
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    最後に、QCプラネットが提供する演習問題集を紹介します。たくさんの良書を研究し、1つの手法で実験計画法をマスターできる演習問題集47題を作成しました。上級レベル向けではありますが、実験計画法をマスターしたい方は必須な問題集です。この問題集がマスターしたら、どの参考書でも簡単に読めるレベルになります。

    【まとめ9】実験計画法を究める演習問題集を販売します
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集を作成しました。是非本記事を読んで、勉強しましょう。

    まとめ

    実験計画法の推薦図書を紹介しました。難しい実験計画法がマスターできる一助になれば幸いです。

    • ➀あなたの実験計画法の習得度をまず把握する
    • ②実験計画法の推薦図書(初級レベル:QC検定®2級レベル)
    • ③実験計画法の推薦図書(中級レベル:QC検定®1級レベル)
    • ④実験計画法の推薦図書(上級レベル:さらに究めたい方)

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