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【QC検定®3級】必読!管理図がわかる

QC検定®3級

「QC検定®3級でよく出る、管理図でどこをおさえたらよいかがわからない」、と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【QC検定®3級】必読!管理図がわかる
試験では、管理図の描き方や用語の暗記だけでOKですが、
理論よく理解していないと実務に活かせませんよね。
でも、管理図の理論をまとめたものが無いので、本記事で詳しく解説します!
  • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
  • ①管理図で最初におさえておくべきポイント
  • ②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!
①は試験対策のためのもの
②が主旨で、管理図の本当の顔を見てほしいです。
管理図は難しい理論から作られていることを知ってほしい!

理論を知る事は、そのツールをうまく使いこなすために必須です。

公式暗記や異常ルールの暗記をしただけで、
「何もわかっていない」という印象を受ける管理図がたくさん見かけます。

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●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる

QCプラネッツでは、QC検定®3級受験者、および品質管理初心者の方に、馴染みにくい品質管理用語や概念をわかりやすく解説します。

QC検定®3級共通として、まず、勉強方法を読んでください。

【QC検定®3級】勉強方法がわかる
QC検定®3級受験や品質管理を初めてのあなたへ、勉強方法を解説します。直前の丸暗記の合否だけではなく、品質管理を得意・好きになれる方法をわかりやすく解説します。試験合格、品質管理の理解を深めたい方は必見です。

試験直前の丸暗記ではなく、
考えて活かせる品質管理を伝授します。

①管理図で最初におさえておくべきポイント

管理図の本質を知る前に、まずは使ってみよう!ですね。

よく出題されるポイントや、実務で活かせるポイントをシンプルにまとめます。確認して、ヌケモレがないか試験前にチェックしましょう。

  1. 管理図の種類
  2. 管理限界の式 代入
  3. 管理図の異常のパターン
  4. 工程能力指数Cp

管理図の種類

3種類の管理図をおさえましょう。QC検定®の階級があがると、管理図の種類が増えて、その管理図の土台となる統計分布関数も出て来ます。

  1. \(\bar{x}\)-R管理図
  2. p管理図
  3. pn管理図

管理限界の式 代入

それぞれの管理図の管理限界の公式があります。本来は自力で導出してほしいですが、最初は公式暗記から。

管理限界は何か?は説明できますか?関連記事で確認してください。

【QC検定®3級】管理項目、管理水準、管理限界がわかる
QC検定®3級受験や品質管理が初めてのあなたへ。「管理項目」、「管理水準」、「管理限界」を説明できますか?本記事では教科書や他のサイトでは解説していない3つの用語をわかりやすく解説します。実務に活かせます。試験合格、品質管理の理解を深めたい方は必見です。

●管理限界の公式を確認しましょう。

管理図 UCL LCL
\(\bar{x}\)管理図 \(\bar{\bar{x}}\)+\(A_2\)\(\bar{R}\) \(\bar{\bar{x}}\)-\(A_2\)\(\bar{R}\)
R管理図 \(D_4\)\(\bar{R}\) \(D_3\)\(\bar{R}\)
p管理図 \(\bar{p}\)+3\(\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\) \(\bar{p}\)-3\(\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\)
pn管理図 \(n\bar{p}\)+3\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\) \(n\bar{p}\)-3\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\)

●ここで、注意すべきは、
・\(\sqrt{n\bar{p}(1-\bar{p})}\)が難しいです。二項分布の分散の式から来てます。
・\(D_3\)はnが6以上という変な制約があること。この理由は②で解説します。

管理図の異常のパターン

●異常パターンはよく考えた上で、JISを見ると疑問に思うものばかりですが、一応試験対策として理解しましょう。

  1. 管理限界を超えている
  2. 並び方、傾向
  3. 連がある(「連」をおさえましょう。)

管理限界を超えるのは、納得できますが、管理限界の中にあるパターンで、何を工程異常とするかは、JISに頼る前に、実務では考えるべきです。自分で考えると、JISに書いている異常パターンに疑問に思うはずです。

工程能力指数Cp

工程能力指数Cp の式

工程能力指数Cpは
Cp=規格の幅/6σ (σ:標準偏差)
で計算できます。

標準偏差が慣れないですよね。標準偏差はいろいろな単元で練習しながら習得しましょう。

工程能力指数Cpの判断基準

本当は、自分で判断基準の値を決めるべきですが、試験対策では暗記でよいです。

●Cp ≥ 1.67 :十分すぎる。コストダウン検討対象
●1.67 > Cp ≥ 1.33 :十分満足している。
●1.33 > Cp ≥ 1 :まずまず。「十分な状態」に改善する
●1 > Cp ≥ 0.67 :不足しているので、1.33となるように改善する
●0.67 > Cp :非常に不足している

また、Cpと、「カタヨリを考慮したCpk」もあるので要注意です。

上の値、1.67,1.33.1.0.67の意味は分かりますか?3倍すると、5,4,3,2です。これは、平均から5σ、4σ,3σ、2σ先に管理限界があるという意味で、不良率はそれぞれ正規分布(平均0,標準偏差1と仮定)から、
5σ:不良率 1.49e-6
4σ:不良率 1.33e-4
3σ:不良率 0.0044
2σ:不良率 0.053
です。数字が大きいと不良率が小さいので、Cpが大きい方が良いとなりますね。

②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!

さて、使い方はよしとして、本題に入りましょう。

次の質問が回答できますか?これが回答できないと「管理図」の本質はわかっていないということです。

もっと大事なのは、「下の内容を疑問に思えるかどうか?」です。
  1. データによらず、1つの解法で管理図が描けるのはなぜか?
  2. 管理図係数表の値はどうやって求めるのか?
  3. 工程異常判定ルールはどうやって決まっているのか?
  4. 群内変動、群間変動の分割はどう決めるのか?(QC検定®1級対策)

1つずつ知ってください。関連記事も紹介します。

データによらず、1つの解法で管理図が描けるのはなぜか?

集めたデータはそれぞれ個性あるクセや傾向がありますよね。でも何で管理図にするときは、求め方が1つに決まっているのか?不思議ですよね。

その理由は、データは統計分布に従うという前提を入れるから。
それぞれの統計分布に合う管理図が用意されているから。

まず、統計分布に属するという前提を理解しましょう。

詳しくは、関連記事を読んで下さい。内容の理解より導出の流れをまず知ってください。どうやって管理図がつくられているのかをまず知りましょう。

●計量値管理図の係数値の変数の導出をまとめました。変な式が多く、導出が困難な印象を受けますね。

【重要】管理図(計量値)の変数の導出がわかる
シューハートの管理図の計量値の各係数表の求め方を解説します。A,B,D,d2とかいっぱい変数がありますが、すべて期待値±倍数×標準偏差で表記できます。シューハートの管理図をマスターしたい方は必見です。

統計分布に合う管理図

管理図の種類 変数 統計分布
x管理図 変位 正規分布
s管理図 標準偏差 χ2乗分布
R管理図 範囲 順位統計量
p,pn管理図 率、個数 二項分布
c,u管理図 個数 ポアソン分布

管理図係数表の値はどうやって求めるのか?

与えられるものではなく、自分で計算しようという姿勢が大事

関連記事にもありますが、係数表はこんな表ですね。

【試験対策】シューハート管理図の管理線公式と係数表を確認する
シューハートの管理図の中心・管理限界公式と、係数表をまとめました。大学の試験やQC検定®対策に活用ください。1つの表で全パターンを見やすくまとめました。

管理限界の係数 中心線の係数
\(\bar{X}\)管理図 s管理図 R管理図 s R
n A \(A_2\) \(A_3\) \(B_3\) \(B_4\) \(B_5\) \(B_6\) \(D_1\) \(D_2\) \(D_3\) \(D_4\) \(c_4\) \(d_2\)
2 2.121 1.88 2.659 3.267 2.606 3.686 3.267 0.7979 1.128
3 1.732 1.023 1.954 2.568 2.276 4.358 2.575 0.8862 1.693
4 1.5 0.729 1.628 2.266 2.088 4.698 2.282 0.9213 2.059
5 1.342 0.577 1.427 2.089 1.964 4.918 2.114 0.94 2.326
6 1.225 0.483 1.287 0.03 1.97 0.029 1.874 5.079 2.004 0.9515 2.534
7 1.134 0.419 1.182 0.118 1.882 0.113 1.806 0.205 5.204 0.076 1.924 0.9594 2.704
8 1.061 0.373 1.099 0.185 1.815 0.179 1.751 0.388 5.307 0.136 1.864 0.965 2.847

nが6以上でないと使えない変数とか、いろいろありますが、ほぼすべて導出できます。関連記事を紹介しますね。

【必読】導出がわかる関連記事





工程異常判定ルールはどうやって決まっているのか?

JISみると、工程異常判定ルールは決まっています。

No 異常パターン 理由 評価
1 ゾーンAを超えた1つの点 管理限界外
2 中心線の片側上ゾーンCの中で
又はそれを超えて、一列になった9点
低確率 ×
3 一列になって上下方向に増加又は減少する6点 低確率、工程異常可能性有
4 一列になって交互に上下する14点 低確率 ×
5 中心線の片側上ゾーンAの中で
又はそれを超えて、一列になった3つのうちの2つの点
低確率 ×
6 中心線の片側上のゾーンBの中で
又はそれを超えて、一列になった5つのうちの4つの点
低確率 ×
7 中心線の上下のゾーンの中で一列になった15点 低確率 ×
8 中心線の両側上で一列になった8つの点で、
ゾーンCにはない
低確率 ×

でも、

なぜ、上表のルールがあるのか? 本当に正しいのか?を考える姿勢が大事

関連記事に解説しています。

【重要】管理図の異常判定ルールは自分で設計すべき(JISに頼るな!)
管理図の異常判定ルールは8種類ありますが、各々のルールである理由を説明できますか?本記事では、JISでも、自力でも異常判定ルールを考えるヒントを解説します。管理図をマスターしたい方は必見です。

群内変動、群間変動の分割はどう決めるのか?(QC検定®1級対策)

「管理図」はQC検定®3級、2級と1級では難易度が全く違います。

●QC検定®3級、2級の「管理図」は簡単、点数稼ぎ
QC®検定1級「管理図」は激難

私もQC検定®1級受験のときは、管理図は半分もとれませんでした。ボロボロ。

「管理図」を激難にするのが、
群内変動、群間変動の分割

将来、QC検定®1級まで行こうとなるでしょうから、最初に知っておいてください。

敵を知ると、勉強戦略も変わってくる!

関連記事で紹介しますね。

【必読】計量値管理図の群内変動と群間変動の分散が推定できる
R管理図から群内変動と群間変動の分散が推定できますか?本記事では、群内変動と群間変動の分散を導出する方法を詳細に解説します。管理図をマスターしたい方、QC検定®1級合格したい方は必見です。

群内変動、群間変動の分散公式で最も重要なこと

●実は、平方和の分解から群内変動、群間変動の分散公式を導出しますが、下の結果になります。

\(σ_x^2\)=\(σ_b^2\)+\(σ_w^2\)は成り立つが、
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できない
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できないのに、このnで割った公式を使った式が教科書やQC検定®に出て来る

\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)は計算では導出できません。むしろ、
\(σ_{\bar{x}}^2\)=\(σ_b^2\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)と定義した、よくわからない\(σ_{\bar{x}}^2\)を計算させる問題ばかりが出題します。

上の2つの式の違いがわからないまま、QC検定®1級などに突入するので、受験者のほとんどは理解していません。だから管理図の点数がボロボロになるのです。

だいぶ先の話ですが、先に知っておいて損はありません。

まとめ

【QC検定®3級】管理図をわかりやすく解説しました。

  • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
  • ①管理図で最初におさえておくべきポイント
  • ②【絶対読んで!】理論を知ってから管理図を使うべし!


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