★ 本記事のテーマ
- ➀データの構造式から有効反復数を導出する方法
- ②田口の式、伊奈の式の紹介
- ③有効反復数の導出事例
「田口の式や伊奈の式」が使いこなせる!
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➀データの構造式から有効反復数を導出する方法
田口の式、伊奈の式を使えば有効反復数はすぐ求まりますが、
自力で有効反復数を求めることができます。
【重要】有効反復数の導出方法
- (A)データの構造式を用意する(関連記事)
- (B)母平均の式を作る(関連記事)
- (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
- (D)戻したデータの構造式の分散を求める
(A)(B)は、
関連記事「【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる」
にあります。
(C)(D)は本記事です。
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【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる 母平均の点推定の公式はデータの構造式から導出できます! |
この4つの流れで、多元配置実験、直交表、乱塊法、分割法、多水準法などすべてのパターンに適応できます。
4つの流れを理解して、速く計算したくなったら、田口の式や伊奈の式に代入でしましょう。
二元配置実験の場合
★(A)データの構造式を用意する(関連記事)
\(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}\)+\(e_{ijk}\)
とします。因子A,Bと繰り返しの自由度はそれぞれa,b,cとします。
最適条件\(μ(A_i B_j)\)の点推定値の有効反復数を求めます。
ここで、\((αβ)_{ij}\)を無視した場合を紹介します。
その方が導出過程が理解しやすいからです。
★ (B)母平均の式を作る(関連記事)
\(μ(A_i B_j)\)
=\(μ+α_i+β_j\)
=\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}})\)
=\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
★ (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
\(μ(A_i B_j)\)
=\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
=(\(μ+α_i+\bar{e_{i‥}}\))
+(\(μ+β_j+\bar{e_{・j・}}\))
-(\(μ+\bar{\bar{e}}\))
=(\(μ+α_i+β_j+\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))
★ (D)戻したデータの構造式の分散を求める
V[\(μ(A_i B_j)\)]
=V[(\(μ+α_i+β_j+\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))]
=V[(\(\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))]
= \((\frac{1}{bc}+\frac{1}{ac}-\frac{1}{abc})σ_e^2\)
=\(\frac{a+b-1}{abc}σ_e^2\)
初めて見ると難しそうと思いますが、この(A)から(D)の方法で、全実験パターンで使えます。
以下応用事例を挙げますが、同じ方法で解説します。
②田口の式、伊奈の式の紹介
田口の式、伊奈の式の紹介
★田口の式、伊奈の式
\(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
(B) 伊奈の式
\(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
★二元配置実験の場合を田口の式で導出
\(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
\(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(a-1)+(b-1))}{abc}\)
=\(\frac{a+b-1}{abc}\)
となり、データの構造式から導出した結果と一致します。
★二元配置実験の場合を伊奈の式で導出
\(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
\(\frac{1}{n_e}\)=\((\frac{1}{bc}+\frac{1}{ac}-\frac{1}{abc})\)
=\(\frac{a+b-1}{abc}\)
となり、データの構造式から導出した結果と一致します。
田口の式、伊奈の式を使わずにデータの構造式から導出する理由
田口の式、伊奈の式は便利です。でも、
- (i)式を理解せず、暗記公式しても、実験計画法はマスターできない。
- (ii)データの構造式から実験計画法はすべてがわかることが本質。
- (iii)分割法、多水準法など応用事例になると公式が増加。
に注意しましょう。
また、
伊奈の式:点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
が日本語を式にするのは、慣れるまでは結構ミスります。
ならば
1パターンの解法でどんな応用事例も対処できます。
次に、複雑にした応用事例を解説します。
③有効反復数の導出事例
どんどん、複雑なデータの構造式にしますが、導出方法は同じです。もう一度、書いておきます。
【重要】有効反復数の導出方法
- (A)データの構造式を用意する(関連記事)
- (B)母平均の式を作る(関連記事)
- (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
- (D)戻したデータの構造式の分散を求める
多因子を割り当てた直交表の事例
データの構造式は
x=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)+e (eは誤差)
とする。この時、ABCDFの水準組み合わせで母平均を推定する。
この母平均の有効反復数を導出します。
同じデータの構造式は、
関連記事
「【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる」
にあります。
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【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる 母平均の点推定の公式はデータの構造式から導出できます! |
★(A)データの構造式を用意する(関連記事)
★(B)母平均の式を作る(関連記事)
μ(ABCDF)
=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)
=\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_a}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_b}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_c}-\bar{\bar{x}}\))
+(\(\bar{x_d}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_f}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{ab}}-\bar{x_a}-\bar{x_b}+\bar{\bar{x}}\))
+(\(\bar{x_{cd}}-\bar{x_c}-\bar{x_d}+\bar{\bar{x}}\))
=\(\bar{x_{ab}}\)+\(\bar{x_{cd}}\)+\(\bar{x_f}\)-2\(\bar{\bar{x}}\)
★ (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
慣れると、変量因子や残差項のみを書きましょう。
主効果や交互作用の項は書いても、分散を導出する時は0になるので、
最初から書かなくてもOKです。
μ(ABCDF)
=\(\bar{x_{ab‥}}+\bar{x_{cd‥}}+\bar{x_{f・‥}}-2\bar{\bar{x}}\)
=\(\bar{e_{ab‥}}+\bar{e_{cd‥}}+\bar{x_{e・‥}}-2\bar{\bar{e}}\)
直交表L16は添字4種類ですが、a,b,c,d,fの5種類を割当てています。
4種類から割り当てた種類を引いた分を・で表記します。
★ (D)戻したデータの構造式の分散を求める
V[μ(ABCDF)]
=V[\(\bar{e_{ab‥}}+\bar{e_{cd‥}}+\bar{x_{e・‥}}-2\bar{\bar{e}}\)]
= \((\frac{4}{16}+\frac{4}{16}+\frac{2}{16}-2\frac{1}{16})σ_e^2\)
=\(\frac{1}{2}σ_e^2\)
(E)田口の式、伊奈の式からも導出
追加で(E)も取り上げます!
★ 田口の式で導出
\(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
=\(\frac{1+φ_A+φ_B+φ_C+φ_D +φ_F+φ_AB +φ_CD}{16}\)
=\(\frac{1+1+1+1+1+1+1+1}{16}\)=\(\frac{1}{2}\)
となり、データの構造式から導出した結果と一致します。
★ 伊奈の式で導出
\(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
V[μ(ABCDF)]=V[μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)]
=8×\(\frac{1}{16}σ_e^2\)
\(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1}{2}\)
となり、データの構造式から導出した結果と一致します。
乱塊法と分割法を使った事例
\(x_{ijk}=μ+γ_k+α_i+e_{(1)ik}+β_j+e_{(2)ijk}
とする。γは反復(変量因子)、α、βは主効果とする。
自由度はα→a,β→b,γ→cとする。
この時、AiBj母平均と有効反復数を導出せよ。
同じデータの構造式は、
関連記事
「【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる」
にあります。
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【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる 母平均の点推定の公式はデータの構造式から導出できます! |
乱塊法と分割法のセットとなる、応用事例です。難しそうですが、
★(A)データの構造式を用意する(関連記事)
★(B)母平均の式を作る(関連記事)
μ(AiBj)
=\(μ+α_i+β_j\)
=\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\))
=\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
★ (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
μ(AiBj)
=\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
=\((μ+\bar{r}+α_i+\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i・・}})\)
+\((μ+\bar{r}+\bar{\bar{e_{(1)}}}+β_j+\bar{e_{(2)・j・}})\)
-\((μ+\bar{r}+\bar{\bar{e_{(1)}}}+\bar{ e_{(2)}})\)
=\((μ+\bar{r}+α_i+β_j+\bar{e_{(1)i・}})\)
+\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)
★ (D)戻したデータの構造式の分散を求める
V[μ(AiBj)]
=V[\((μ+\bar{r}+α_i+β_j+\bar{e_{(1)i・}})\)
+\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)]
= V[\((\bar{r} +\bar{e_{(1)i・}})\)
+\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)]
=\(\frac{1}{c}\widehat{σ_R^2}+\frac{1}{c}\widehat{σ_{e(1)}^2}+(\frac{a+b-1}{abc})\widehat{σ_{e(2)}^2}\)
ここで、分散分析表を作ります。必要なのは、効果、自由度、分散の期待値E[V]です。
さっと作れますか?
関連記事
「分割法(2因子1段分割)の分散分析・区間推定が解ける【必見】」
を確認しましょう。
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★分散分析表
| – | φ | E[V] |
| R | c-1 | \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\)+\(abσ_R^2\) |
| A | a-1 | \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\)+\(bcσ_A^2\) |
| e(1) | (a-1)(c-1) | \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\) |
| B | b-1 | \(σ_{e(2)}^2\)+\(acσ_B^2\) |
| A×B | (a-1)(b-1) | \(σ_{e(2)}^2\)+\(cσ_{A×B}^2\) |
| e(2) | a(b-1)(c-1) | \(σ_{e(2)}^2\) |
| T | abc-1 | – |
分散分析表から分散の推定値を導出します。
| V | |
| R | VR=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)+\(\widehat{bσ_{e(1)}^2}\)+\(\widehat{abσ_R^2}\) |
| e(1) | Ve(1)=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)+\(\widehat{bσ_{e(1)}^2}\) |
| e(2) | Ve(2)=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\) |
から、次を導出します。
●\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)= Ve(2)
●\(\widehat{σ_{e(1)}^2}\)=\(\frac{1}{b}\)( Ve(1)– Ve(2))
●\(\widehat{σ_R^2}\)=\(\frac{1}{ab}\)( VR– Ve(1))
まとめると
V[μ(AiBj)]
=\(\frac{1}{c}\widehat{σ_R^2}+\frac{1}{c}\widehat{σ_{e(1)}^2}+(\frac{a+b-1}{abc})\widehat{σ_{e(2)}^2}\)
=\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{a-1}{abc}\) Ve(1)+\(\frac{b-1}{abc}\) Ve(2)
分割法の有効反復数の導出は、慣れるまでは大変かもしれません。
なので、田口の式、伊奈の式から導出しましょう。
(E)田口の式、伊奈の式からも導出
追加で(E)も取り上げます!
★ 田口の式で導出
乱塊法+分割法になると変量因子Rや残差eの種類が増えるため、田口の式を拡張する必要があります。
これも結構、ややこしい話ですけど。
(i)反復因子Rを無視しない場合
V[μ(AiBj)]
=\(\frac{1}{全実験回数}\)VR+\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
+\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)
–
(ii) 反復因子Rを無視する場合
V[μ(AiBj)]
=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
+\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)
(ややこしい)
反復因子Rを無視しないので、
V[μ(AiBj)]
=\(\frac{1}{全実験回数}\) VR+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)
=\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和=a-1)}{全実験回数}\) Ve(1)
+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和=b-1)}{全実験回数}\) Ve(2)
=\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{a-1}{abc}\) Ve(1)+\(\frac{b-1}{abc}\) Ve(2)
と一致します。
★ 伊奈の式で導出
分割法になると、データの構造式からの有効反復数の導出が大変です。
なので、田口の式や伊奈の式に頼りたいですが、公式も乱塊法や分割法によって
式を変形する必要があります。
分割法の有効反復数はデータの構造式から導出しても、
公式暗記しても難しいです。
ですから、導出過程をよく見て、本質を理解してください。
まとめ
以上、「【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる」を解説しました。
- ➀データの構造式から有効反復数を導出する方法
- ②田口の式、伊奈の式の紹介
- ③有効反復数の導出事例









