カテゴリー: ISO

  • 【MBAまとめ】品質業務に必須な「活きた経営学」が身につく

    【MBAまとめ】品質業務に必須な「活きた経営学」が身につく

    「品質業務に経営学のスキルが必要なの?」と疑問に思いませんか。

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【MBAまとめ】品質業務に必須な活きた経営学が身につく
    品質=技術(エンジニア)×経営(MBA)
    1. ISO,品質管理のベースとなる経営戦略がわかる
    2. ISO,品質管理のベースとなる組織論がわかる
    3. ISO,品質管理のベースとなるマーケテイングがわかる
    4. 品質の目的である収益の理解を深めるアカウンティングがわかる
    5. 知っておくと便利なファイナンスの基本がわかる
    6. エンジニアのMBA体験記のご紹介

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    経験より経営・知恵を磨き、組織改善を実現できホンモノのあなたにするための品質管理MBA問題集を提供します。是非チャレンジください!

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    経営(MBA)を取得したから、エンジニアの私は
    品質の面白さ・大切さがわかった!

    経営(MBA)を取得前の自分なら、ISOなら、監査とか、鬱陶しいイメージしかありませんでしたし、まさかブロガーになるとも思ってもいませんでした。人生は変わりますね

    品質業務も経営のエッセンスは知っておくべきです。
    決められたルールに従うだけの品質ではなく、
    自分で考えて戦略的に品質向上できる提案力が身につく記事を用意しました。

    品質管理に必要なMBA記事をまとめました。MBAについて、これだけ書いているサイトはなかなか無いでしょう。

    ①MBAの合格方法を伝授します

    QC模試 MBAの合格方法がわかりますか?本記事では国内MBAの合格方法を実体験をもとに解説します。学校側、卒業生側から「こういう人に来て欲しい」人物像を解説します。自分と向き合って新しい自分を手に入れましょう。

    ②品質管理に必要なMBA要素を冊子にまとめました

    1. ISO,品質管理のベースとなる経営戦略がわかる
    2. ISO,品質管理のベースとなる組織論がわかる
    3. ISO,品質管理のベースとなるマーケテイングがわかる
    4. 品質の目的である収益の理解を深めるアカウンティングがわかる
    5. 知っておくと便利なファイナンスの基本がわかる
    6. エンジニアのMBA体験記のご紹介

    をしっかり、1つの冊子にまとめましたので、是非読んでみてください。

    品質管理に必要なMBA要素

    No テーマー
    1 品質業務は若手には無理なのか?
    2 【MBA体験記】MBAは無駄か?
    3 【MBA体験記】エンジニアがMBAを取得した理由
    4 【MBA体験記】MBAと家庭の両立はできる
    5 【MBA体験記】MBAに通う人はどんな人?がわかる
    6 【MBA体験記】MBAの学校の選び方
    7 【MBA体験記】MBAの費用
    8 【MBA】マーケティングがわかる
    9 【MBA】損益分岐点がわかる
    10 【MBA】マーケティングのAIDMAがわかる
    11 【MBA】プラットフォーマーが儲かる理由がわかる
    12 【MBA】イノベーションのジレンマがわかる
    13 【MBA】損益計算書よりバランスシートで考える人は金持ち
    14 【MBA】簿価と時価の違いがわかる
    15 【MBA】赤字よりヤバい黒字倒産がわかる
    16 【MBA】ROAとROEがわかる
    17 【MBA】お金の現在価値がわかる
    18 【MBA】キャッシュフローとDCF法がわかる
    19 【MBA】メンタルヘルスの重要さがわかる


    【冊子のダウンロード】

    まとめ

    【MBAまとめ】品質業務に必須な活きた経営学が身につくを解説しました。

  • 【MBA体験記】MBAの合格方法がわかる

    【MBA体験記】MBAの合格方法がわかる

    「MBAに合格するにはどうしたらいいの?」と疑問に思いませんか。

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【MBA体験記】MBAの合格方法がわかる
    私、英語ができないので国内MBA限定です。
    • ①意外と落ちるMBA
    • ②MBA合格体験記
    • ③自分の将来の姿とMBAがマッチしているかどうか

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    ①意外と落ちるMBA

    入学者数は増加傾向

    国内MBAに限定しますが、
    ●1学校あたりの入学者数増加
    ●学校の増加

    で、MBAに通う人が増加しています。

    国内でもMBAに通学しやすい環境になってきました。

    参考にグロービスの例では下のリンクのとおり、年々増加しています。1学年1000人以上と巨大化しています。

    でも不合格情報はあちらこちらから聞こえて来る

    「生徒がほしいんでしょう!ビジネスとして」と軽々しく思えますが、
    実際はSNSで卒業生間の情報では、不合格者数も増加も聞いています。

    意外と落ちる人が多いんです。

    なので、慎重かつ大胆に、合格を勝ち取るための準備が必要です。本記事では、実体験をもとに解説します。

    ②MBA合格体験記

    合否基準は1つだけ

    はっきり言って、合否基準は1つだけです。

    あなたは、MBAを取得して、
    どうなりたいのか?をはっきり語れるかどうか!

    あなたの将来像、なるべき姿を設計して、
    その思いがブレずに語れるかどうか?、
    そしてその行動を今から取っているかどうか?
    が最も重要です。

    取らなくても生きていける資格だけに、
    しっかり相手(学校)に伝えるのは難しいです。
    綺麗で内容のある願書や面接テクニックを磨くより、
    どれだけ自分と向き合い、夢を考えぬく方に時間をかけてほしいです。

    なぜなら、

    卒業生から見てMBAに通って欲しい人

    こんな人には、MBAに来てほしくないし、後輩として扱いたくありません。

    1. 学位・資格だけ欲しい人
    2. MBAに通う目的が明確でない人
    3. お勉強君
    卒業生から見て、「この人はMBA学校で何がしたいんだろう?経営学などの知識はよく頭もいいけど、だから何なの?」な人にはMBAに来てほしくない。

    卒業生として、来てほしい人は、

    1. 失敗などの経験が豊富
    2. 知識暗記より意味・目的を深く考える人
    3. とにかく挑戦して行動する人
    卒業生から見て、「この人欲しい!」な人は、行動力が半端なく、そこで得た経験が豊富で、活きた知恵が豊富な人。会うごとに新鮮な話が聞ける。

    志望理由書、研究計画書

    あなたの将来像、なるべき姿を設計して、
    その思いがブレずに語れるかどうか?、
    そしてその行動を今から取っているかどうか?
    が最も重要です。

    この理念をもとに、提出する書類を作成しましょう。

    志望理由書

    あなたの理念や将来像をしっかり記述する書類ですね。模範解答や、綺麗な文章である必要はありません。

    1. あなたはどんな人か?
    2. うれしかったこと、許せなかったこと、そしてその理由
    3. あなたの軸
    4. なぜMBAなのか?MBA後、あなたはどうなりたいのか?
    5. 今、何を挑戦しているか?

    期限まで急いで書いても、読み手から内容スカスカと見抜かれます。入学はいつでもできるわけですから、上の5つをまず行動しましょう。

    MBAは手段。目的は、「あなたが挑戦すること」。
    まず挑戦してはいかがでしょうか?
    その経験を志望書に書くと、その志望書の価値は数百倍に高まります。

    入学は手段にすぎません。

    研究計画書

    研究計画書は、アカデミックな学校に出されます。上の志望書のように、熱い思いよりは、逆に冷静となって、研究者として、研究したいテーマを書いていきます。

    でも、漠然と勉強・研究しても成果はいまいちでしょうから、入学前からそのテーマを熟考しましょう。

    1. なぜ、それを研究・調査したいの?
    2. なぜ、自分ではなく学校で研究がしたいの?
    3. 研究によって何を得たいの?
    4. 研究の門に入る前に、今何を挑戦している?

    経営の研究なら、今から家でもできますよね。まずやってみて、その気づきを計画書に書くと、質の高い計画書ができるはずです。

    合格が目的はありません。あなたが成長して変化することが目的です。
    ならば、入学前から行動できるはずですよね。

    そういう人がMBAに来て欲しい。指示待ち、受動的な人は来ないでほしいし、来てもしんどいだけ。

    試験を課す学校もある

    試験を課す学校もあります。これは過去問とか、情報入手して対応しましょう。アカデミックな学校で形式的試験を課すところもあります。

    本人の熱い思いもOKですが、その学校が求める基礎学力、人間性などをチェックしたいはずです。

    面接

    ●一番大事なのが面接です。

    面接官と対決して勝とうという考えは浅いです。
    面接官も入学後ともに歩む人です。
    自分がこの学校にふさわしいメリットと
    面接官が受験者と一緒に学びたい、歩みたいと思えるかどうかが大事。

    ビジネススクールは全員大人です。講師と生徒がいますが、講座以外は同じビジネスパーソンです。パートナーとしてともに励み、歩み寄る仲間です。その環境にふさわしいことを面接で訴求できるかどうかが重要です。

    MBAの卒業生、通学生、講師が集まると、
    ・最近挑戦していること
    ・最近気づいたこと
    ・悩みごと
    など、鮮度の高い情報や仮説・思考などを共有します。

    その中に入っていくわけですから、当然
    ・自分がやりたいこと
    ・実際に挑戦して得られたこと
    ・次にやりたいこと
    は常に求められます。

    志望書に必要な項目が、学校内の普段の会話に求められます。
    ともに歩める人かどうか、面接で問われます。

    ③自分の将来の姿とMBAがマッチしているかどうか

    合格基準は、「うちの学校に来て欲しい」人かどうか

    MBAの卒業生、通学生、講師が集まると、
    ・最近挑戦していること
    ・最近気づいたこと
    ・悩みごと
    など、鮮度の高い情報や仮説・思考などを共有します。

    この環境にマッチするかどうかが大事です。

    試験の成績は、点数より、「うちの学校に来て欲しい」人かどうかが大事になります。

    専門知識よりあなたの志の方が重要

    ●はっきり言いますが、経営学の知識や勉強はほとんど不要です。

    専門知識よりあなたの志の方が重要です。
    知識より知恵に価値があるから

    お勉強よりは、自分と向き合う時間をかけてください。向き合って、悩むようなら、新しい行動や挑戦をしてみてください。そこで、得た事や感じたことをノートでもいいので振り返りましょう。

    採点側で考えると、
    ググれば出て来る経営学知識より、
    その人の独自の考えや思いを聞くことに興味があります。

    誰も答えの知らないことが聞けるのだから、価値がありますよね。
    面接を受ける当の本人は自分のエピソードを恥ずかしい思いをしながら話しているだけと思うでしょうけど。

    何度もいいますが、
    専門知識よりあなたの志の方が重要です。
    その人の話が聞きたいからMBAに来て欲しいのです。

    入学前にその学校の環境に馴染んでおくこと

    入学もある意味「縁」です。「縁」があるかどうかは、入学前にその学校に馴染めるかどうか確認しましょう。これも「行動・挑戦」ですね。

    入学前に試しに「単科目」制度がある学校もあります。入学前にその学校に馴染めるかどうか確認できるし、その期間で自分と向き合う時間を作って、入学対策をとればOKでしょう。

    入学してから行動ではなく、今始めよう!と思ったときから
    あなたのMBAがスタートします。
    そして、卒業してもずっとMBAをやっていくのです。

    そんな熱い人に出会えるMBA学校はワクワクします。

    合格頑張ってください
    最大の敵は、自分です。
    試験官は合格後共に歩む仲間です。仲間を巻き込んで勝ち取りましょう!

    まとめ

    【MBA体験記】MBAの合格方法を解説しました。

    • ①意外と落ちるMBA
    • ②MBA合格体験記
    • ③自分の将来の姿とMBAがマッチしているかどうか

  • ISO9001 2015がわかる

    ISO9001 2015がわかる

    「ISO9001 2015の内容がわからない」、「ISO9001 2015で何をしたらよいかわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015がわかる
    • ①ISO9001 2015で理解すべきポイント
    • ②各要求事項をわかりやすく解説
    • ③【必読】ISO9001 2015各要求事項のリンク集

    本記事の最も伝えたいこと

    要求事項は暗記不要です。
    「品質向上には、何が必要か?」が自分で説明できるようになることです。
    品質管理は「哲学」です。
    用語を暗記しても意味が無い。
    試験で点数とれても、体に浸透しないと効果がない。
    自分で考えて、自分なりに説明できて品質管理が身につくのです。
    要求事項に書いているから、指示通りやれ!
    と言っても、人や組織は動きません。
    納得して理解して行動するまで時間がかかるものです。

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    ①ISO9001 2015で理解すべきポイント

    4点あります。個々の要求事項の解説の前におさえてください。

    1. 暗記しない、自分の言葉で説明できること
    2. ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること
    3. ISO9001 2015は全体像を最初に理解すること
    4. 品質向上には何が必要かを考えること

    暗記しない、自分の言葉で説明できること

    ●いきなり暗記しても、頭に入りません。

    1. 用語の定義を辞書や言葉の意味から考える
    2. なぜ、その要求事項が必要なのか?を考える
    3. 自分なりの言葉で説明できること

    ●上の3段階に事例として「力量」を挙げましょう。
    ・用語の意味⇒力量って何?を調べて自分の言葉で理解する。
    ・必要性⇒力量管理や力量向上はなぜ必要なのか?組織にとってどんなメリットがあるか?を考える
    ・説明できること⇒自分の言葉でわかりやすく説明できること
    をやりましょう。

    時間がかかるけど、一回説明できるようになれば、永久に理解でき、説明もできます!

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること

    ●品質管理も、ISOも、所詮は手段にすぎません
    目的は何かを理解しましょう。

    目的は何か?

    ●組織の事業成長
    ●事業の収益向上
    ●社会的責任
    ●給料アップ

    品質活動する目的を理解し、それが達成するための手段がいろいろあります。

    品質目標達成のための手段は
    ISO9001に準拠してもいいし、
    自己流でもいい

    ISO9001 2015は全体像を最初に理解すること

    要求事項を1ページから入ると、眠くなります。
    最初は 全体像を理解しましょう。

    全体を俯瞰して、気になる所から個別に詳しく理解していけばOKです。

    品質マネジメントシステム

    ●図の見方を解説します。

    1. 4.組織の状況から、内部・外部の課題、リスクを抽出します。
    2. 5.リーダシップが組織内の活動をPDCAして、課題やリスクを解消します。
    3. 組織の品質活動のために計画、支援・運用、評価、改善が必要と理解できます。
    全体像を理解すれば、「大枠として何が必要か?」が理解できます。
    ここが理解できたら、個別の要求事項を理解していけばOKです。

    品質向上には何が必要かを考えること

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること

    あなたの業務での、品質要求事項が何か?を考えて、行動することが最も大事です。

    1. やみくもに仕事せず、まずは計画を立てる
    2. 業務のリスクは何か?
    3. 業務の責任と権限はどこまであるのか?
    4. 業務中、チームメンバーとのコミュニケーションは取っているか?
    5. 自分の業務における評価、振り返りはしているか?
    6. 次の業務に向けて、何を改善・習得・成長するか?

    自己成長のために、何を普段から意識して取り組むか? があなたに求められるISO9001要求事項でもあります。

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること
    あなたが成長することが最もおさえてほしい目的・目標です。
    少しずつでいいので、一歩ずつ継続して前進すればOK!

    ②各要求事項をわかりやすく解説

    わかりにくい解説ばかり

    教科書やサイトにいっぱいISO9001の解説があります。しかし、それを読んで理解できたためしがありません。その理由は,

    1. 教科書は間違った解釈は絶対NGなので、ISO原文通り解説する。だから理解できない。
    2. 教科書は読者を考えさせるためなので、十分理解させる気はない。
    3. コンサルタントのサイトに解説があるが、顧客獲得のためのもので、十分知りたい内容がない。
    4. 品質管理業務の実担当が解説したものが一番わかりやすい。なぜなら、実際それで組織の品質を回しているから。でも、実担当の視点で解説したものがない。

    「品質管理業務の実担当が解説したものが一番わかりやすい。なぜなら、実際それで組織の品質を回しているから。でも、実担当の視点で解説したものがない。」という課題を解決するために、QCプラネッツが、実業務で実際使っている、わかりやすい解説を持ってきました。

    【必見】QCプラネッツがわかりやすい解説集を公開します!

    わからなくなったら、QCプラネッツにお任せください。では、リンク集から理解していってください。

    ③【必読】ISO9001 2015各要求事項のリンク集

    0章 一般

    理解しにくい用語をわかりやすく解説しました。




    4章 組織の状況

    ●内部・外部の課題、リスクと機会、利害関係者についての章です。




    5章 リーダーシップ

    リーダー、リーダーシップ、コミットメントをしっかり理解しましょう。



    6章 計画

    PDCAのPです。品質方針、品質目標と品質マネジメントシステムのコアな部分を理解しましょう。要求事項の解説だけでなく、品質目標の実際の作り方も解説しています。


    7章 支援

    資源、力量、認識、コミュニケーション、文書化した情報の理解と、実務でのポイントを解説しています。





    8章 運用

    ●実際の業務プロセス(営業、設計、研究開発、購買、製造、検査)についての要求事項を解説しています。







    9章 評価

    評価、内部監査、マネジメントレビューの方法や実際の業務について解説します。

    9.2内部監査は後日リンクアップします。

    10章 改善

    改善し続けるポイントを解説します。


    ISO9001 2015なんて怖くない! 要求されるのではなく、自主的に成長できるツールとしてうまく活用しましょう! 成長したもん勝ちです!

    まとめ

    ISO9001 2015 をわかりやすく解説しました。

    • ①ISO9001 2015で理解すべきポイント
    • ②各要求事項をわかりやすく解説
    • ③【必読】ISO9001 2015各要求事項のリンク集

  • ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる

    「品質マネジメントの原則ってなぜ7原則もあるのか?がわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる
    • ①品質マネジメントの原則とは
    • ②なぜ、7原則なのか?
    • ③品質マネジメントの原則を自分で考える

    本記事の最も伝えたいこと

    品質マネジメントの原則はよく試験で出ます!
    でも、丸暗記するな!
    原則の意味を理解しよう!
    自分の組織に必要な品質マネジメントの原理を考えよう!
    品質管理は「哲学」です。
    用語を暗記しても意味が無い。
    自分で考えて、自分なりに説明できて品質管理が身につくのです。
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    ①品質マネジメントの原則とは

    品質マネジメントの7原則

    7原則ありますが、列挙します。

    1. 顧客重視
    2. リーダーシップ
    3. 人々の積極的参加
    4. プロセスアプローチ
    5. 改善
    6. 客観的事実に基づく意思決定
    7. 関係性管理

    よく試験に出ます! 暗記せず、何でこの7つなの?と疑問に思って考えましょう。

    各用語の解説

    ●「顧客重視」

    「顧客満足」もよくISO9001では出て来ます。品質の最終目的は
    ・顧客満足
    ・収益向上
    ・社会的責任
    ・自己実現
    ・未来のため
    など、いろいろあります。

    品質の目的の1つが「顧客重視」、「顧客満足」です。

    ●「リーダーシップ」

    ●「リーダーシップ」は、すぐわかる用語ですね。関連記事にも解説しています。

    ISO9001 2015 5.1 リーダーシップ及びコミットメント がわかる
    ISO9001 2015 5.1 リーダーシップ及びコミットメント が説明できますか? 本記事では「トップマネジメント」、「リーダシップ」「コミットメント」の重要な意味を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    「リーダ」=「経営者」、「管理者」の場合にありますが、
    「リーダシップ」はどなたでも自主的に動いて欲しいという思いがあります。

    「リーダ」でなくても「リーダシップ」は必要!

    ●「人々の積極的参加」

    「リーダシップ」にあるように、
    「リーダ」でなくても「リーダシップ」は必要!です。,

    自分の業務だけではなく、組織全体を俯瞰して積極的に活動してほしいという思いがあります。

    ●「プロセスアプローチ」

    「プロセスアプローチ?」って何?

    非常にわかりにくい用語です。関連記事に解説しています。一言で言うと「全体最適化」です。

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチがわかる
    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチをわかりやすく解説します。プロセスアプローチをわかりやすく説明できるポイントや、組織で求められるプロセスアプローチについてを実務経験をもとに解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    ●「改善」

    改善、PDCAとよく聞きますね。

    改善のポイントは、一気に改善せずに
    少しずつ、継続して改善すると、元の状態に戻ることなく
    良い状態が維持できること

    これを「継続的改善」といいます。関連記事にも解説しています。

    ISO9001 2015 10.3 継続的改善がわかる
    ISO9001 2015 10.3 継続的改善を説明できますか? 本記事では、品質監査に必須な継続的改善をわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    ●「客観的事実に基づく意思決定」

    経験、勘、権力ではなく、客観的データに基づいて意思決定しましょう。

    ●「関係性管理」

    「関係性管理?」って何?

    非常にわかりにくい用語です。関連記事に解説しています。一言で言うと「相手とうまく付き合っていこう!」という意味です。

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる
    ISO9001 2015 関係性管理をわかりやすく解説します。「関係性管理」って何?どういう意味か?をわかりやすく解説します。丸暗記せず、言葉の意味から品質活動すべきポイントを解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    7原則を一通り解説しました。
    ここで疑問に感じたらOK

    1. なぜ7原則もあるのか?
    2. なぜ、上の7つが原則になるのか?
    3. 自分で原則を考えたらダメのなのか?
    疑問に浮かぶのは、「考える力がある」証拠です。
    これらの疑問を解説します!

    ②なぜ、7原則なのか?

    まず、品質を作りこむには何が必要かを考える

    下図を使って、あなたが所属する組織全体において、品質の良い製品及びサービスを提供するために、何が必要かを考えましょう。

    品質マネジメントの原則

    ●縦方向は、組織内
    TOP(経営陣),MIDDLE(管理職),BOTTOM(担当者)から構成される1組織とします。

    ●横方向は、組織間
    上流工程から下流工程の各工程にある組織間を考えます。

    ●最後は各単位での品質活動
    各工程にある各組織内の担当者ごとの品質活動を考えます。

    品質を作りこむには?

    品質マネジメントの原則

    図から考えると、次の式が作れそうです。
    (全体の品質)=(各単位での品質活動)×(1組織内の品質活動)×(組織間全体)

    図では、1単位×縦×横のイメージです。

    では、
    ●(各単位での品質活動)
    ●(1組織内の品質活動)
    ●(組織間全体)
    それぞれに該当する品質マネジメントの原則を考えましょう。

    品質の作りこみ方 品質マネジメントの原則
    (各単位での品質活動) 改善
    客観的事実に基づく意思決定
    (1組織内の品質活動 リーダーシップ
    人々の積極的参加
    (組織間全体) プロセスアプローチ
    関係性管理
    顧客重視

    7原則がどの3つの枠に入るかは、人によって異なる箇所もあるでしょう。しかし、大事なのは、

    自分で考えた「品質を作りこむための必要な3項目」に
    品質マネジメントの7原則が入ったこと

    7原則を暗記しなくても、
    ●(各単位での品質活動)
    ●(1組織内の品質活動)
    ●(組織間全体)
    ごとに品質を作りこむために必要なことを考えたらよいと、理解すれば、品質マネジメントの原則は自分で作れます。

    ③品質マネジメントの原則を自分で考える

    品質マネジメントの原則は自分で作っていい

    ISO9001の品質マネジメントの7原則は厳守!
    変更、追加はダメ!

    では、ありません。

    品質マネジメントの原則は自分で作っていい

    もちろん、ISO9001認証審査のために7原則は含めておいてください。

    何も考えずに、7原則に従って、丸暗記はせず、意味を理解して使いましょう。

    自組織で必要な原則があれば加えてもよい

    品質マネジメントの原則以外に、自組織で必要なものを考えてみましょう。

    例えば、

    1. ITスキル(リモートワーク、DX)
    2. 力量向上
    3. 正直であること
    4. など

    ●ITスキルはコロナ禍のリモートワーク対応や、DXの事業化が背景にあります。

    ●力量向上は、個人の能力向上が事業課題として重い場合は追加してもいいでしょう。

    ●正直は、品質不正などで反省が強く必要な場合追加してもいいでしょう。

    自分で作った品質マネジメントの原則は
    時期、期間、内容、効果などを組織内で評価していろいろアレンジしてもよいでしょう。

    品質マネジメントの原則の考え方を、マッピングを使って紹介しました。自分で原則を考えて組織の品質向上に役立てれば幸いです。

    まとめ

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則 をわかりやすく解説しました。

    • ①品質マネジメントの原則とは
    • ②なぜ、7原則なのか?
    • ③品質マネジメントの原則を自分で考える

  • ISO9001 2015 関係性管理がわかる

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる

    「関係性管理って何かわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    「関係」を「管理」(関係管理)なら、周囲と良い関係を維持すればよいとわかる
    でも「関係性管理」って何?「関係管理」とどう違うの?
    ISOはどう定義しているの?

    わかりやすく解説します。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる
    • ①ISO「関係性管理」の説明
    • ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?
    • ③「関係性管理」できるために必要なこと
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    ①ISO「関係性管理」の説明

    ISO9000に説明があります。ISO9001が主役ですが、ISO9001を読んでもよくわからない時は、ISO9000シリーズも読みましょう。補足説明があります。

    ISO9000 2.3.7 関係性管理
    2.3.7.1 説明
     持続的成功のために、組織は、例えば提供者のような、密接に関連する利害関係者との関係をマネジメントする。
    2.3.7.2 根拠
     密接に関連する利害関係者は、組織のパフォーマンスに影響を与える。持続的成功は、組織のパフォーマンスに対する利害関係者の影響を最適化するようにすべての利害関係者との関係をマネジメントすると達成しやすくなる。提供者及びパートナとのネットワークにおける関係性管理は特に重要である。
    2.3.7.3 主な便益
     あり得る主な便益を、次に示す。
    -それぞれの利害関係者に関連する機会及び制約に対応することを通じた、組織及びその密接に関連する利害関係者のパフォーマンス向上
    -利害関係者の目標及び価値観に関する共通理解
    -資源及び力量の共有、並びに品質関連のリスクの管理による、利害関係者のための価値を想像する実現能力の向上
    -製品及びサービスの安定した流れを提供する、よく管理されたサプライチェーン
    2.3.7.4 取り得る行動
     取り得る行動を次に示す。
    -密接に関連する利害関係者(例えば、提供者、パートナ、顧客、投資者、従業員、社会全体)及びそれらの組織との関係を明確にする。
    -マネジメントする必要のある利害関係者との関係性を明確にし、優先順位をつける。
    -短期的な利益と長期的な考慮とのバランスがとれた関係を構築する。
    -情報、専門的知識及び資源を、密接に関連する利害関係者との間で収集し、共有する。
    -改善の取組みを強化するために、適切に、パフォーマンスを測定し、利害関係者に対してフィードバックを行う。
    -提供者、パートナ及びその他の利害関係者と協力して開発及び改善活動を行う。
    -提供者及びパートナによる改善及び達成を推奨し、認める。

    意外と簡単でした。一言でまとめると、

    自分の組織は、関連する相手と良好な関係を維持しましょう。

    これがISOが定義する「関係性管理」です。

    言葉の定義をよく考えよう!

    良い関係を維持・管理するなら、「関係管理」でいいじゃん!となりませんか?

    ISOは英語だし、「relationship management」を厳密に和訳したから「関係性管理」となったの!!と言われそうですが

    言葉の定義をよく見ると、

    「関係」と「関係性」は若干意味合いが変わります。
    「関係管理」(ISOの言う関係性管理ですけど)と、「関係性管理」は少し意味合いが変わるはずです。

    なぜ、言葉の定義にこだわるかというと

    ISO、QMS用語は最初意味を考えずに暗記するが、
    時間が経過すると、理解が深まり、言葉の定義から意味を解釈するようになるから

    ●最初は、
    「関係管理も関係性管理もどっちでもいいよ! 業務できたらいいから」
    な感じです。

    ●でも、品質管理担当など、ある程度QMSに関わるようになる頃は、考える力がついているので
    「関係性管理」って何?
    「関係」を「管理」って何?
    「関係性管理」 の「性」は何でついているの?

    と考えるようになります。

    ISOを読んだり、自分で言葉の意味や定義を考えるようになるはずです。

    「関係管理」(ISOの言う関係性管理)と、「関係性管理」の違いを考えてみましょう
    わかりにくい用語は似たような用語の意味を比較すると理解が深まります。

    ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?

    ①では、

    1. ISOの「関係性管理」は意味から考えると「関係管理」でよい
    2. relationship managementを素直に和訳したから

    では、日本語の意味をよく考えて、「関係管理」と「関係管理」の違いを考えます。

    「関係」と「関係」は意味合いが異なる

    よく「性」をつける言葉を使って意味の違いを確認しましょう。

    1. 「安全」と「安全性」
    2. 「可能」と「可能性」
    3. 「関係」と「関係性」

    「安全」と「可能」を例に持ってくると、

    ●「安全」は安全そのもので、安全か逆の危険かの0,1判定。
    ●「安全性」は安全の程度も含む。「安全性が高い」、「安全性が低い」

    同様に、

    ●「可能」は可能そのもので、可能か逆の不可能かの0,1判定。
    ●「可能性」は可能の程度も含む。「可能性が高い」、「可能性が低い」

    図で確認しましょう。

    関係性管理

    ●「性」が加わると、程度・度合いの範囲を意味に含めることができますね。

    では、「関係」と「関係性」は?

    ●「関係」は関係そのもので、関係の有無の0,1判定。
    ●「関係性」は可能の程度も含む。「関係性が高い」、「関係性が低い」

    つまり、

    ●「関係」:今付き合っている相手(利害関係者)との関係
    ●「関係性」:今は付き合いが少ない相手も関係構築しようという意味が含まれる

    図にしましょう。

    関係性管理

    「関係」管理を自主的にとる

    「関係性」の言葉の定義をそのまま読み取ると、
    ●今付き合っている相手も
    ●これから付き合いかもしれない相手も
    良好な関係を維持しようという意味が出て来ます。

    ●ISOの「関係性管理」は今付き合っている相手だけで十分。
    ●自主的に「関係性管理」として今もこれから付き合う相手にも視野を広げることと良いでしょう。

    ③「関係性管理」できるために必要なこと

    2軸で考えましょう。

    1. 社内、社外
    2. 今関わっている相手、これから関わる相手

    事業戦略変更により、「関係性管理」が必要になる

    既存事業が永久に続くなら、新たな相手との関係は不要でしょう。しかし、事業収益の悪化や新技術導入によって事業戦略が変わることは頻繁にあります。

    新たな戦略、施策次第では、付き合う相手(利害関係者)を変えていく必要があります。

    付き合う相手が変わらざるを得ない状況を、逆にチャンスととらえるのが「関係性管理」。

    社内の「関係性管理」

    特に、新規事業の挑戦やビジネスコンテストなどを実施すると、社内に、意外な特技やスキルを持った人が登場することがあります。これも、今まで付き合ったことのない相手ですよね。

    CFT(クロスファンクションチーム)やプロジェクトチームを組んで臨時に開発検討することがあります。これも、社内で新たな関係を構築する上で大事な「関係性管理」ですね。

    今関わっている相手、これから関わる相手

    ●ISOの「関係性管理」の指示通り、今関わる利害関係者との良好な関係を維持します。品質マネジメントシステムを組織で機能させ、顧客満足、品質向上、社会的責任を果たすことが大事です。

    これは、今までどおり真面目に業務遂行すればOKですね。

    ●さらに、新規事業、新技術、事業戦略変更の波に乗って、新たな関係を構築する必要もあります。

    自組織にブランド力があれば、周囲から声がかかりやすいですが、逆の場合は、自分の今の業務範囲にこだわらず、軽いフットワークで外との交流を図っていく必要があります。

    ●現行関わっている相手との良好な関係を維持・管理

    ●これから関わり得る相手との関係構築を継続・管理
    するのが
    「関係性管理」。

    ISOの「関係性管理」から拡大解釈しましたが、言葉そのもの定義をじっくり考えると、
    ISOの「関係性管理」は「関係管理」
    「関係性管理」は「関係管理」より広義にとらえるべき
    と考えて解説しました。

    まとめ

    ISO9001 2015 関係性管理 をわかりやすく解説しました。

    • ①ISO「関係性管理」の説明
    • ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?
    • ③「関係性管理」できるために必要なこと

  • ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる

    ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる

    「リスクと機会って何か?わからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる
    • ①「リスク」とは?
    • ②「リスク」と「機会」の関係
    • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える
    「リスクと機会」をよく使います。
    ●リスクは、良くない事が起こること
    ●機会は、良い事が起こること
    でしょう!
    厳密に言うと違います!
    なので、解説しますね。
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    ①「リスク」とは?

    よく使う「リスク」

    「トラブルが起こるリスクがあります。」
    「大きな災害が発生するリスクがあります。」
    などよく使いますよね。

    「リスク」=危険性、ヤバさ
    という認識が強いでしょう。

    「リスク」とは、危機・危険が不確定であるが発生しうるときに、よく使います。

    ISOで使う「リスク」の定義

    リスク(ISO900 3.7.9)とは
     不確かさの影響
      期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
      期待から好ましくない方向に乖離することを含む

    「リスク」の類似語を使って、意味を比較してみましょう。

    「リスク」と「ハザード」の違い

    「ハザード」は「ハザードマップ」とかに使います。「リスク」ほどは使用頻度は少ないですね。

    「リスク」と「ハザード」はどう違うのでしょうか?

    「ハザード」は、悪い状況のみに使います。
    「リスク」は実は、不確定さだけ意味するので、良いことも、悪いことも起こりうる場合に使います。

    金融、薬でも「リスク」は使うが「ハザード」は使わない

    「くすり」を逆に読むと「りすく」です。

    でも、薬は「良くなる可能性があるから」飲むんですよね。ひょっとしたら、副作用で「悪い結果になる可能性」もありますけど。

    金融もそうです。
    今日の1万円は
    為替、インフレなどで明日1.1万円の価値になるかもしれないし、
    明日9千円の価値になるかもしれない
    というリスクがあります。

    薬は「ハザード」なら、飲みますか? 体が悪くなる可能性しかないものは薬ではありませんよね。

    ●「リスク」は良い・悪い可能性両方を含む
    ●「ハザード」は悪い可能性のみ

    では、「リスク」と「機会」はどんな関係であるべきでしょう?

    ②「リスク」と「機会」の関係

    「リスク」と「機会」は対義語としてよく使われる

    ●リスク⇒「良くない、悪い可能性」
    ●機会⇒「良い可能性」
    とよく使いますね。

    図のように、対義語としてよく使われます。

    リスクと機会

    「リスク」と「機会」は関連し合う関係

    しかし、「リスク」はISOの定義によると、

    リスク(ISO900 3.7.9)とは
     不確かさの影響
      期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
      期待から好ましくない方向に乖離することを含む

    で、「リスク」の一部、良い可能性が「機会」としてとらえています。

    「機会」は「リスク」の一部

    図にすると下図のイメージです。

    リスクと機会

    わかりにくいので、事例を挙げて考えましょう。

    リスクと関連し合う機会の事例

    次の例を考えます。

    排ガス規制が厳しい社会になってきた。自動車メーカにとっての「リスク」と「機会」を挙げよ。

    排ガス規制が厳しくなると、
    ・ガソリン車のイメージが悪くなり売れなくなる
    ・ガソリン車の技術開発が難しくなるため、値段が上がり売れなくなる
    などは、自動車メーカにとっては、「好ましくない不確定さ」ですね。

    一方で、排ガス規制が厳しくなると、
    ・ハイブリッド車、EVが普及し市場拡大のチャンス
    などは、自動車メーカにとっては、「好ましい不確定さ」で「機会」ですね。

    例を挙げて、リスクと機会の関係を整理します。

    リスクと機会

    「リスク」と「機会」は「ピンチ」と「チャンス」と混同しがち

    よくスポーツ観戦すると、「ピンチ」と「チャンス」をよく使います。
    「ピンチ」と「チャンス」は対義語ですね。

    ●「リスク」≒「ピンチ」
    ●「機会」=「チャンス」
    と認識しやすいから、
    「リスク」と「機会」を対義語として頻繁に活用します。

    ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える

    「リスク」を第1に考える

    「リスク」の一部に「機会」が含まれることを解説しました。

    ISOは「リスク」を第1に考えます。

    「リスク」と「機会」の1セットではなく、ISOは「リスク」をメインに抽出し、品質マネジメントシステムに活動や施策を落とし込んでいきます。

    「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来る

    無意識に「リスク」と「機会」を1セットで考えますが、よく見たら、「リスク」が先に来ていますね。

    「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来ます。

    実用上は、「リスク」と「機会」1セットで良い

    本記事では、「リスク」と「機会」の厳密な関係を解説しましたが、実用上は、「リスク」と「機会」1セットでOKです。でも、厳密な意味を知っておいてください。

    本記事の結論

    「リスク」と「機会」は1セットだから
    対義語のように使ってもOK
    でも、「リスク」と「機会」は関連し合う関係
    であることを知っておいてください。

    まとめ

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチ をわかりやすく解説しました。

    • ①「リスク」とは?
    • ②「リスク」と「機会」の関係
    • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える

  • ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチがわかる

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチがわかる

    「プロセスアプローチって何?、言葉の意味がわからない」、「プロセスアプローチって何をしたらよいかわからない」と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチがわかる
    • ①要求事項を見る
    • ②「プロセスアプローチ」は言葉がおかしい
    • ③「プロセスアプローチ」とは全体最適化
    • ④目標への活動は全体最適化を考えること
    プロセスアプローチは重要な用語。
    でも言葉の意味がわからないし、理解できない。
    何をしたらよいかイメージがつかない。
    プロセスアプローチって何なん?
    ISO,品質の人に聞いても、意味不明だし

    わかりやすく解説します。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①要求事項

    ISO9001要求事項

    0.3 プロセスアプローチ
    0.3.1 一般
    この規格は,顧客要求事項を満たすことによって顧客満足を向上させるために,品質マネジメントシステムを構築し,実施し,その品質マネジメントシステムの有効性を改善する際に,プロセスアプローチを採用することを促進する。プロセスアプローチの採用に不可欠と考えられる特定の要求事項を4.4に規定している。 システムとして相互に関連するプロセスを理解し,マネジメントすることは,組織が効果的かつ効率的に意図した結果を達成する上で役立つ。組織は,このアプローチによって,システムのプロセス間の相互関係及び相互依存性を管理することができ,それによって,組織の全体的なパフォーマンスを向上させることができる。 プロセスアプローチは,組織の品質方針及び戦略的な方向性に従って意図した結果を達成するために,プロセス及びその相互作用を体系的に定義し,マネジメントすることに関わる。PDCAサイクル(0.3.2参照)を,機会の利用及び望ましくない結果の防止を目指すリスクに基づく考え方(0.3.3参照)に全体的な焦点を当てて用いることで,プロセス及びシステム全体をマネジメントすることができる。 品質マネジメントシステムでプロセスアプローチを適用すると,次の事項が可能になる。
    a) 要求事項の理解及びその一貫した充足
    b) 付加価値の点からの,プロセスの検討
    c) 効果的なプロセスパフォーマンスの達成
    d) データ及び情報の評価に基づく,プロセスの改善
    結局、プロセスアプローチって何なん?

    ②プロセスアプローチは言葉がおかしい

    理解しにくい理由は言葉がおかしい

    まず、アプローチは「近づける」で、プロセスはインプットとアウトプットへ「近づける」と同じ用語なんです。

    変な用語を、専門用語のように解釈するから、さらにわからなくなります。

    変な言葉なので、自分なりにわかりやすい別の用語を使えばよいです。
    相手に伝えて品質を向上するのが目的だから。言葉の定義は所詮、手段にすぎない

    せっかくなので、3つ考えてみましょう。

    1. アプローチって何?
    2. プロセスって何?
    3. プロセスをアプローチって何?

    アプローチって何?

    そもそも、「アプローチ」は、目的語が必要ですよね。
    ○○を「アプローチ」
    (ゴルフのように、カップへアプローチとか言います)

    また、目的語の○○はゴールを意味する言葉が入りやすいですよね。

    ●顧客へアプローチする(顧客ターゲットがゴール)
    ●ゴルフの、カップへアプローチ(勝つことがゴール)

    プロセスアプローチ

    じゃー、
    ●プロセスのアプローチ(ん! 何がゴールなんだ!)

    プロセスのアプローチ(ん! 何がゴールなんだ!)
    まだ、よくわからない

    プロセスって何?

    プロセスは、関連記事で解説したように、

    プロセスは、インプットをアウトプットに変換(アプローチ)するもの

    プロセスアプローチ

    プロセスは工程だけでなく、広い意味でとらえる

    ある意味、プロセスもアプローチするものなんです。

    「プロセス」=「アプローチ」だから
    プロセスアプローチは
    ●アプローチをアプローチする?
    ●プロセスをプロセスする?
    さらに、わけがわからなくなってしまった!

    プロセスをアプローチって何?

    そろそろ、プロセスアプローチと言う変な用語は、概念だけ理解して、別の用語に変えましょう。

    「あるプロセス」を「あるプロセス」へアプローチすると考えると
    「イケてない現状のプロセス」を
    「イケてる理想のプロセス」へ
    「アプローチ」する

    となる

    プロセスアプローチ

    「プロセスアプローチ」が理解しやすいはずです。

    ③プロセスアプローチとは全体最適化

    プロセスアプローチは、「イケてない現状のプロセス」を「イケてる理想のプロセス」へ「アプローチ」すると解釈しました。

    品質活動すると、プロセスアプローチの意味はもう少し味付けが必要です。

    品質目標達成するためのプロセスアプローチ

    品質目標を達成するために、「イケてない現状のプロセス」を「イケてる理想のプロセス」へ「アプローチ」する必要があります。

    大事なのは、

    品質目標達成のためには、全体最適化が必須
    プロセスアプローチは「全体最適」の意味合いが強くなる

    つまり、組織全体を最適化した状態が「イケてる理想のプロセス」の集まりとなるのです。

    組織で運用する品質マネジメントシステムは
    組織全体をよくするため、つまり、組織全体を最適化するためにある。

    部分最適ではダメで、全体最適を考えるように、各プロセスを改善していく必要があります。

    ④品質目標は全体最適化を考えること

    ここで、プロセスアプローチの例を挙げます。

    歩留まりが70%で良品が出ず困っている。
    歩留まりを99%に向上するように、品質目標を掲げて活動してほしい。

    と、トップから指示が下りました。

    部分最適と全体最適の結果の違いを見てみましょう。

    品質目標を部分最適化しても効果が出ない

    プロセスアプローチ

    プロセスアプローチの概念「全体最適にアプローチする」が無いと、各部門は、自分たちの領域内で最適化(ベストをつくす)します。

    これ自体は良い事ですが、ある部門の最適化と別の部門の最適化が必ずしもつながるわけではありません。

    上図のように、
    ●受注・仕様では、顧客要求事項の確実な伝達を達成した。
    ●設計・開発では、設計精度を飛躍的に向上させた。
    それぞれいい感じですが、
    設計・開発しにくい顧客要求事項があれば、歩留まりは向上しませんよね。

    上図のように、
    ●設計・開発では、設計精度を飛躍的に向上させた。
    ●製造では、ポカミス防止に成功した。
    それぞれいい感じですが、
    製造しにくい設計図なら、歩留まりは向上しませんよね。

    部分最適しても、全体で結果が出ないのは、やってても意味が無い。
    全体で良い結果になるように品質マネジメントシステムは要求してきます。

    品質目標を達成するために全体最適を狙う

    品質目標を達成するために、全体を俯瞰してから各部門がやるべき施策を考えると、下図のように変化します。

    プロセスアプローチ

    1. 歩留まり低下する原因を全体で考える
    2. 仮に力量ばらつきが原因と決めたら、力量ばらつき低減策を全体で講じる
    3. 各部門へ最適化が伝播するので、全体最適化できる

    たしかに、各部門の施策がかわりましたよね。

    部分最適 全体最適
    受注・仕様 顧客要求事項の
    確実な伝達
    顧客要求提案
    設計・開発 設計精度向上 作業標準
    自動設計
    購買 部材検査厳格化 製品知識強化
    製造 ポカミス防止 作業標準化
    技量継承

    ●受注・仕様は、顧客要求の伝達から、力量ばらつき低減のために要求提案に変わり、
    ●設計・開発は、精度向上から、力量を考慮した標準化や自動化に変わり、
    ●購買は、検査から力量向上のための製品知識強化に変わり、
    ●製造は、ミス防止から、力量向上のための標準化、技量継承に変わりました。

    ばらばらに動くのではなく、1つの課題を全体で解決した方が確かに目標達成できるとわかります。全体最適化へアプローチするのがプロセスアプローチです。

    プロセスアプローチが理解できましたね!

    ⑤プロセスアプローチができる組織になるには

    プロセスアプローチができる組織になるには、何が必要なのか?

    3点あります。

    1. 各部門へ指示するトップの本気とトップへの尊敬
    2. 各部門間の密な情報共有
    3. 仕組みづくりより、日々の業務の積み重ね

    各部門へ指示するトップの本気とトップへの尊敬

    全体最適化するためには、関係部門の関係者が自発的に行動する必要があります。それを後押しする上の姿勢が必要です。

    担当に丸投げ、任せっきりなると、部門間に壁が生まれ、部分最適に陥りやすくなります。

    全部門を横断した会議、情報収集や、トップからのメッセージを定期的に出していくことが重要です。

    仕組みだけ作っても、有機的に動きません。ドライブするためのリーダシップが求められます。

    各部門間の密な情報共有

    営業は営業、設計は設計、製造は工場と切り分けるのではなく、レビューや顧客打合せ対応にて、それぞれの担当者が同席して随時情報共有する必要があります。

    技術的な課題、工程の課題があり、それが仕様を変えることで解決するならば、顧客へ仕様提案することができます。上流⇒下流の流れに限らず、全組織が目標達成するためのネックとなる箇所をともに解決することが重要です。

    受注の打合せに、設計・製造担当者を同席させたり、製造の検査に営業を立ち会わせるなど、常に1つの目標に対してバラで活動しないことが重要です。

    担当者どうしの課題が見えることでそれぞれの課題を解決する策を見つけ出すようになり、全体最適につながります。

    仕組みづくりより、日々の業務の積み重ね

    すぐれた仕組みを作りこむのも大事ですが、仕組みだけで自動的に品質を作りこむことはできません。

    泥臭いですが、人々が積極的に参加して、自分たちのアウトプットが最大になるように日々業務をこなすことが大事です。

    自分の業務範囲だけで考えずに、担当業務が製品全体のどこに影響を受けるかを意識して取り組んでいきましょう。

    プロセスアプローチを機能させる秘訣は、仕組みではなく、泥臭いけど、全体を意識して行動する人々にかかっています。

    まとめ

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチ をわかりやすく解説しました。

    • ①要求事項の簡略化
    • ②プロセスアプローチは言葉がおかしい
    • ③プロセスアプローチとは全体最適化
    • ④品質目標は全体最適化を考えること
    • ⑤プロセスアプローチができる組織になるには

  • ISO9001 2015 10.2 不適合及び是正処置がわかる

    ISO9001 2015 10.2 不適合及び是正処置がわかる

    「不適合及び是正処置って何をしたらよいかがわからない?」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 10.2 不適合及び是正処置がわかる
    • ①要求事項の簡略化
    • ②不適合とは何か?
    • ③是正処置とは何か?
    • ④不適合から是正処置の流れは組織力にかかっている

    不適合、是正処置は10.2以外の要求事項にもあります。関連記事を紹介します。

    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理
    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理をわかりやすく解説します。不適合発生時の対応、是正処置の仕方、品質不正防止へのポイントについて実務経験を交えながら解説しますISO9001 に関わる方は必読です。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①要求事項

    ISO9001要求事項

    10.2 不適合及び是正処置
    10.2.1 苦情から生じたものを含め,不適合が発生した場合,組織は,次の事項を行わなければならない。
    a) その不適合に対処し,該当する場合には,必ず,次の事項を行う。
    1) その不適合を管理し,修正するための処置をとる。
    2) その不適合によって起こった結果に対処する。
    b) その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため,次の事項によって,その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する。
    1) その不適合をレビューし,分析する。
    2) その不適合の原因を明確にする。
    3) 類似の不適合の有無,又はそれが発生する可能性を明確にする。
    c) 必要な処置を実施する。
    d) とった全ての是正処置の有効性をレビューする。
    e) 必要な場合には,計画の策定段階で決定したリスク及び機会を更新する。
    f) 必要な場合には,品質マネジメントシステムの変更を行う。
    是正処置は,検出された不適合のもつ影響に応じたものでなければならない。
    10.2.2 組織は,次に示す事項の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。
    a) 不適合の性質及びそれに対してとったあらゆる処置
    b) 是正処置の結果

    シンプルにまとめると次になります。

    10.2 不適合及び是正処置
    10.2.1組織がやるべきこと。
    a) 不適合の管理と修正処置
    b) 不適合の原因の除去と再発防止・未然防止
    1) レビューと分析、原因の明確。
    2) 類似の不適合の可能性を明確。
    c) 必要な処置を実施。
    d) 是正処置の有効性をレビュー。
    e) 必要に応じてリスク及び機会、品質マネジメントシステムを変更。
    10.2.2 文書化した情報を保持
    a) 不適合と処置
    b) 是正処置の結果

    要するに、次の5点をやりましょう。これはISO9001要求事項でなくても、考えたらわかる内容です。考えたらわかる内容を要求事項にしています。

    1. 不適合の原因追及
    2. 不適合の処置
    3. 不適合の再発防止、未然防止
    4. 水平展開
    5. 文書に保持

    ②不適合とは何か?

    適合と不適合

    適合しているか?適合していないか?

    適合の可否は、意外とあいまいな感じを受けます。

    法令違反!ダメ!までは強く言わないからです。

    つまり、

    ●あるべき方向に、合っていないなら、合わせるべき
    ●そうしないと、今後トラブルや損失が出うる
    ●また、あるべき方向自体を見直してもよい

    適合、不適合の判断と対応は、自由度が高いので、わかりにくいです

    法令遵守なら、絶対決まった通り守れ!ですが、ISOの適合性は、対応策の自由度が高いのです。

    不適合の事例

    わかりやすい事例とわかりにくい事例を挙げます。

    わかりやすい事例

    実際にトラブルが発生したもの

    ●納入後の製品及びサービスのトラブル
    ●各プロセスで発生したトラブルや事故
    など

    わかりにくい事例

    これからトラブルが発生しうるもの

    ●品質マネジメントシステムに不備が見られる場合
    ●未承認の文書が運用
    ●力量不足な担当者が作業

    ●品質目標と実績が整合していない場合
    ●目標と作業が整合していない場合
    など

    トラブル発生していないわりに、細かく監査され、修正指示されるのが面倒です。しかし、ここを放置すると今後どんなリスクが発生するかわかりません。将来のリスクを想像することが重要です。

    不適合は発生してからでは遅い!

    ●トラブル発生は氷山の一角

    是正処置

    見えているトラブルは、ごく一部で、まだ顕在化していない、潜在リスクが水面下にいっぱい潜んでいます。

    不適合発生前に、潜在リスクを想像して事前につぶしておく必要があります。ミスさせない組織の空気づくりなどが重要です。

    では、不適合が発生してしまったら、どう対処するかを次に解説します。

    ③是正処置とは何か?

    3つの是正処置があります。

    1. 応急処置
    2. 恒久処置
    3. 予防処置(水平展開)

    怪我の対処と同じように考えれば、すぐにわかります。

    関連記事にも解説していますので、こちらも確認ください。

    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理
    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理をわかりやすく解説します。不適合発生時の対応、是正処置の仕方、品質不正防止へのポイントについて実務経験を交えながら解説しますISO9001 に関わる方は必読です。

    応急処置

    怪我したら、ばんそうこうつけるのと同じように、
    不適合、トラブル、事故を停止させます。

    ・停電事故なら、復電
    ・装置損壊したら、仮装置で復旧
    ・システムダウンしたら、再起動や部分運用で復旧
    など、顧客が通常運用に困らない最低限の動作を復活させることが重要です。

    保守担当が、現場へ急行してすぐ対応しましょう。時間が速いほど、顧客からの評価や信頼が高まるチャンスです。

    恒久処置

    応急処置が終わったら、不適合の真因調査、再発防止・未然防止策を講じて、恒久処置に入ります。二度と同じ不適合を起こさせないことを顧客に説明し、了承を得られた後に恒久処置を対応します。

    応急処置から数カ月後、くらい後になる場合もあります。

    ●恒久処置は時間の速さより、精度の高さが要求される
    ●恒久処置は担当者だけでなく、組織内で共有して十分伝達・理解できた時点からでもよい
    ●急がば回れが重要

    予防処置(水平展開)

    ISO9001 2008まであった用語ですが、2015年版からは無くなりました。しかし、予防処置(水平展開)はピンチをチャンスに変える重要な伝達なので、確実に実施しましょう。

    起きた不適合は不運だったではなく、
    一般化すると他組織でも起こりうるリスクが浮かび上がります。
    情報展開によって未然に防ぎましょう。

    トラブル・不適合の未然防止は、みんな喜ばしいことですから。

    ④不適合から是正処置の流れは組織力にかかっている

    関連記事にも解説していますので、こちらも確認ください。

    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理
    ISO9001 2015 8.7 不適合なアウトプットの管理をわかりやすく解説します。不適合発生時の対応、是正処置の仕方、品質不正防止へのポイントについて実務経験を交えながら解説しますISO9001 に関わる方は必読です。

    重要なのは、4点です。

    1. 報告のスピード
    2. 冷静に対処
    3. 組織で内省
    4. できることから改善

    不適合時は報告のスピードが重要

    重要なのは、3点です。

    1. 普段から報告しやすい空気を組織で作る
    2. 事実だけでいいから迅速に現場から情報を吸い上げる
    3. 電子システムなどで、管理職以上へ一斉情報発信できるとベター

    特に、3点目の「電子システムなどで、管理職以上へ一斉情報発信できる」と、速く伝わる以上に、組織内の不正や隠ぺい防止につながります。トラブった!どうしよう!ではなく、報告用電子システムに
    機械的に入力して発信しましょう。

    情報を関係者で共有した方が、処置対策も講じやすいし、品質不正防止も効果があります。

    冷静に対処

    リスクのないプロセスはありません。上長は冷静に担当者をなだめつつ、的確な指示と情報の吸い上げをしてください。不適合・トラブル経験は上長の方が多いから、冷静にできるでしょう。

    逆に、優秀すぎて、トラブル経験の少ない上長の場合は、要注意です。激高せず、冷静にお願いします。

    悪い報告ほど、「ありがとうを伝えよう!」

    組織で内省すること

    応急処置後になりますが、担当者に叱って、なぜ不適合起こした?と責めないでください。

    不適合の真因を見えるところから深堀すると、品質マネジメントシステムの不備や基本動作の徹底の不備などに必ず行きます。深い分析をすると組織運用方法に課題が見つかるからです。組織で内省しましょう。

    是正は精神論ではなく、仕組化して再発防止しましょう。

    ●仕組化とは、例えば、
    ・不適合するプロセス自体を変えてしまう
    (二度とそのプロセスは使わないので不適合が発生しない)
    ・チェックを設ける
    (複数の人間でチェックする)
    ・規定やルール、文書にミスしないよう注意書きを追加
    (ルールに従えば、不適合はしない)
    などの対策を講じましょう。

    仕組化して再発防止できたら、仕組が醸成するまで一定期間待ちましょう

    組織内で、講じた対策が、運用できるまでには数カ月はかかるはずです。一定期間見て、運用できているか(有効性)を確認しましょう。

    対策打って、すぐできると言われても監査する側は信じません。

    できることから改善

    関連記事にも解説している、継続的改善がポイントです。

    ISO9001 2015 10.3 継続的改善がわかる
    ISO9001 2015 10.3 継続的改善を説明できますか? 本記事では、品質監査に必須な継続的改善をわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    できることから、ちょっとずつ改善する!

    上層部への報告で、「でかいことやって評価されよう!」はNGです。
    組織内でできることから少しずつでよいので改善しましょう。

    改善がストレスなら、みんな辞めてしまい、改善できないから

    不適合⇒是正処置⇒改善⇒不適合⇒…と何度も繰り返しますが、繰り返しながら組織の品質マネジメントシステムのレベルを少しずつ上げていってください。

    ピンチはチャンスです!

    以上、「不適合及び是正処置」をわかりやすく解説しました。

    まとめ

    ISO9001 2015 10.2 不適合及び是正処置 をわかりやすく解説しました。

    • ①要求事項の簡略化
    • ②不適合とは何か?
    • ③是正処置とは何か?
    • ④不適合から是正処置の流れは組織力にかかっている

  • ISO9001 2015 9_3 マネジメントレビューがわかる

    ISO9001 2015 9_3 マネジメントレビューがわかる

    QCプラネッツのISO9001 2015関連ブログを多くの方に読んでいただき、とてもうれしいです。ブログの内容をさらにパワーアップして更新しました。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 9_3 マネジメントレビューがわかる
    • ①要求事項
    • ②マネジメントレビューのインプット
    • ③マネジメントレビューのアウトプット
    • ④マネジメントレビューの活かし方
    マネジメントレビューのポイントと、実態(本音)を書きます。「期末に品質管理部門ってこんな仕事してんの?」と知って欲しいからです。

    ①要求事項

    ISO9001要求事項

    9.3 マネジメントレビュー
    9.3.1 一般
    トップマネジメントは,組織の品質マネジメントシステムが,引き続き,適切,妥当かつ有効で更に組織の戦略的な方向性と一致していることを確実にするために,あらかじめ定めた間隔で,品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。

    9.3.2 マネジメントレビューへのインプット
    マネジメントレビューは,次の事項を考慮して計画し,実施しなければならない。
    a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
    b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
    c) 次に示す傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
    1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
    2) 品質目標が満たされている程度
    3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合
    4) 不適合及び是正処置
    5) 監視及び測定の結果
    6) 監査結果
    7) 外部提供者のパフォーマンス
    d) 資源の妥当性
    e) リスク及び機会への取組みの有効性(6.1参照)
    f) 改善の機会

    9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項に関する決定及び処置を含めなければならない。
    a) 改善の機会
    b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性
    c) 資源の必要性
    組織は,マネジメントレビューの結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。

    マネジメントレビュー

    実際レビューに関わると、気になるのが次の4点

    1. 誰に報告するのか?
    2. 開催頻度は?
    3. どうやって報告するのか?
    4. いろいろ指示事項が来たらどうするのか?

    個別に回答すると、

    1. 報告の相手は、経営陣(社長、事業部長など)
    2. 開催頻度は、半期か年に1回程度
    3. 品質部門の長(管理責任者)が今年度の指示事項や品質活動を報告(インプット)
    4. 指示事項は、経営陣がその場で指示した内容をまとめて次年度の活動に盛り込む
    品質マネジメントシステムは、
    トップマネジメントから始まって、
    トップマネジメントに終わる。
    トップへ返すのがマネジメントレビュー
    一定期間のPDCAサイクルが1回転し、次のサイクルへ回る通過点がマネジメントレビュー。

    実際やると、形式的な儀式に近いものでもあります。経営陣は品質は最後の砦として重要言っていますが、多忙ですので。

    経営陣の気質に合わせて、あまり怒らせない報告にするのも大事ですね。これは品質部門長の腕次第ですが。。。

    ②マネジメントレビューのインプット

    インプットはISO9001 要求事項どおりまとめる

    形式的な儀式としてやってもよいですが、ISO9001認証審査(外部審査)で、「ISO9001 2015 9.3要求事項どおりまとめろ」と改善の指示が出ましたので、要求事項どおりまとめるとよいでしょう。

    内容的には問題ないが、要求事項どおりインプットがまとめられていないという点で、不適合を受けるところをまけてもらった経験があります。。。

    インプット情報の作り方と実態(本音)

    要求事項にはインプットを以下のように書くように指示されますが、何を書きましょうかね?

    a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
    b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
    c) 次に示す傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
    1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
    2) 品質目標が満たされている程度
    3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合
    4) 不適合及び是正処置
    5) 監視及び測定の結果
    6) 監査結果
    7) 外部提供者のパフォーマンス
    d) 資源の妥当性
    e) リスク及び機会への取組みの有効性(6.1参照)
    f) 改善の機会

    1つずつ見ましょう。ポイントは、
    ●要求事項に対する具体的な活動、
    ●インプット情報に書いておきたいこと

    の2点です。

    a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況

    ●具体的な活動:経営陣からのアウトプット(指示事項)に対する結果

    ●入れるべき情報:ちゃんとやったよ!と報告したい。「できませんでした」はQMS的にも上を怒らせる意味でもまずい!。できないなら、できない正当な理由を入れ、できるための条件と施策と完了目標年月を入れる。

    ここはパワポ1枚ですが、作る方はレビュー直前まで胃が痛いですね。自信持って報告するネタが無いのが常なので(笑)。毎年同じ事業活動していたら、そんなに変わらんし、そんな大きな変革に結果なんて出てこないよ!ですよね。

    でも、

    事業を一定期間同じサイクルで回すから一見、毎回同じ報告になりがちになるのは、日ごろから課題を必死に探していない証拠。
    同じようなデータを同じようにまとめていないか?
    普段見ていない、気にかけていないところに課題はないか?と探しさないと課題は見つからない。
    目の前に見えるものだけ追いかけていると、何も発見できない。常に考えて自ら行動しようと汗をかかないと見つからない!
    課題は皆平等に与えられるものではない!

    最近、強く思います。品質課題は見える人は見え、見えない人は見えません。実力差がはっきりしますね。これをマネジメントレビューのインプットとすべきであり、経営陣もここが聞きたいはず。

    b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化

    ●外部の課題、内部の課題については、関連記事「ISO9001 2015 4.1 組織及びその状況の理解 がわかる」で、解説しています。

    組織及びその状況の理解 ISO9001 2015 4.1 組織及びその状況の理解 がわかるを説明できますか? 本記事では「内部の課題と外部の課題とは何か?」、「内部の課題と外部の課題はどのように考えればよいか?」、「実務や品質監査で要求されることは何か?」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    ●マネジメントレビューにおける、外部及び内部の課題変化に注目します。

    外部及び内部の課題は
    ●外部の課題:自分たちでコントロールできない課題
    (3C,5F,SWOT分析)
    ●内部の課題:自分の組織内でコントロールできる課題
    (SWOT分析)

    で、注意が必要なのが、変化なので、

    前年度、今年度、次年度で、
    外部の課題、内部課題に変化があるものに限定

    結構難しいので、事例を挙げます。

    ●外部の課題の変化の事例
    ・法改正、規格改訂が間近にあるもの
    ・コロナ禍の影響
    ・戦禍、物価高、為替
    ・AI,DXなどの新技術
    など

    ●内部の課題の変化の事例
    ・疫病、戦禍、為替などによる納入製品のQCDの影響
    ・高齢化による大量退職者
    ・DXによるデジタル人材の強化
    など

    事例に挙げた、外部の課題、内部課題に変化に対して、品質マネジメントシステムをどう回したのかをまとめて、トップへ報告します。

    外部の課題、内部課題に変化を明確にしておかないと、マネジメントレビューの構成がブレるので、要注意です。

    外部の課題、内部課題に変化の特定は、マネジメントレビューのとりまとめができる人に任せましょう。皆で決めるとブレます。

    c) 次に示す傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報

    ここは、いろいろな組織内の品質活動結果を入れていけばOKです。

    1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
    顧客満足度が分かる指標(アンケート、苦情など)をもとにまとめましょう。

    2) 品質目標が満たされている程度
    品質目標については、関連記事「ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 がわかる」で、解説しています。

    ISO9001_2015_6_3_品質目標 ISO9001 2015 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 が説明できますか? 本記事では「品質目標の書き方」、「品質目標で監査質疑されるポイント」を実務経験をもとにわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    各組織、部門の品質目標、計画、実績をまとめて評価しましょう。

    3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合
    4) 不適合及び是正処置
    5) 監視及び測定の結果
    6) 監査結果

    4つまとめてよいです。品質目標の中に、計画・実績・評価をいれて管理すれば、1枚の品質目標に結果評価ができます。

    7) 外部提供者のパフォーマンス
    購買、外注の実績評価とか、第2者監査の実施結果を評価します。

    cの内容は、四半期や半期ごとに実績値を入れて常に準備しておくと報告資料を早くまとめる事ができます。分担も可能な内容ですね。

    d) 資源の妥当性

    資源の妥当性って何や?
    妥当かを調べる資源って何がある?
    どうやって妥当性を評価する?
    上層部に報告できるネタがあるか?

    毎年悩みます。

    ★資源は、「ヒト、モノ」なので、
    ●ヒト:人数、力量、年齢構成、数年後の構成などからネタを持ってくる
    ●モノ:施設、設備、環境などから課題となりそうなネタを持ってくる

    ★妥当性はどうやって見るか?
    定性、定量評価があるデータがあるもの、あるいは普段とっていないが、マネジメントレビューのために別途データを作る(作れる)もので何とかまとめたい

    資源に該当する課題であること
    定量的評価できるもの
    難しいですが、これを見つける訓練をすれば見えない課題が見えてきます。

    e) リスク及び機会への取組みの有効性 と f) 改善の機会

    これは、内部監査や外部審査などの、審査の結果で改善を指摘された内容をまとめればよいです。内容、改善終息する日、横展開の必要性をまとめればOKですね。

    マネジメントレビューをしっかり作りこむと、結構大変なんです。所詮、社内資料と会議なんですけどね。

    あと、この資料頑張って作ると、作成者は平社員でも報告したくなるんですよね。資料に愛着があるので、でも、ここでキツイ現実をお伝えします。

    マネジメントレビュー内容のような、重要な報告事項は、
    すでに経営陣やトップは知っているし、情報が別ルートから来ている。

    逆に「知らんかった!」だと、それは重要な情報が上に上がらないので、コミュニケーション不足な組織といえます。

    知っていることをあえて、資料作って報告するマネジメントレビューって必要なのか?ISO9001認証のためにやっている感じがしますが、
    品質部門から経営陣に活動通じてわかったことや、次なる課題は何か?どれくらい汗をかいて改善し、次のテーマを見つけたかを示す場とすると組織力がより強化されます。

    レビュー資料作成の実態

    マネジメントレビューをしっかり作りこむと結構大変なことを伝えました。
    当然、
    ●時間がかかるし、
    ●担当者がたくさん必要
    ●あーでもない、こーでもない、誤字脱字まで見て来る管理職だと永久に終わらない
    ●所詮社内資料なのに、人件費がかかりすぎる資料 経営陣は知らんのかな?

    社内の雰囲気や空気によって手間がかかりすぎたり、できる管理職なら、うまく対応してコンパクトにまとめる場合もあります。

    一番困ることは、

    上司の資料を長い期間使って作り、議事録書く仕事だと担当者が思い込んでしまうこと。
    一定期間品質活動して、何が改善し、何が課題とわかったのか?をつかむことが一番大事!

    ③マネジメントレビューのアウトプット

    資料作成でみんな疲れている

    報告者の器量と経営陣の器量次第でインプット業務の疲労度が変わる。。。

    疲れ切って作った資料で報告当日を迎えます。資料作成担当としても同席しますが、「疲れたから、あとはどうにでもなれ~」と他人事です。

    こういうマネジメントレビューでは、次のステップに組織は進めない!

    マネジメントレビューでしっかり聞いておくべきところ

    • a) 改善の機会⇒改善すべき点、もっと良くしろ!と指示された場合
    • b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性⇒根本的に品質のやり方を変えたいと言われない限り、変更する場合はありません。
    • c) 資源の必要性⇒リソース増強やシステム導入の話ですが、品質の報告なので、これもあまり指示されません。

    基本は、a) 改善の機会 だけ意識してレビューを聞いておきましょう。

    1. ●その年に起きた大きなトラブルの再発防止、未然防止の策
    2. ●品質に大きな問題が無かった場合は、評価分析結果のさらなる調査
    3. ●次年度の品質改善や品質コスト低減につながる新たな策を考えること
    4. ●経営陣がその場で思いついた指示事項より、日ごろから発信していること
    5. ●次年度の品質方針や品質目標の新テーマにつながるヒント

    などの指示が大体きます。

    マネジメントレビューを体験してわかるこ

    たった1,2時間のレビューですが、とても準備が大変です。体験してわかることをお伝えします。

    1. 資料はインプットが目的。品質部門が期内で頑張ったことを発表するのではない。(勘違いしている品質部門担当が必ずいます。)
    2. 本来は発表者が発表資料を作るべき。
    3. トップが指示しやすいようシンプルにまとめる。
    4. トップへ報告する部門長の力量が問われる。
    5. トップの指示が最も重要。インプット資料作成で疲弊させてはならない。
    6. トップが的確に指示できるよう、重要ポイントをインプットする。資料はてんこ盛りにしないこと。
    7. マネジメントレビューにかかる時間、費用を考慮し、費用対効果で価値を出すこと。資料作成に課のメンバー使って1カ月以上かけないこと。

    マネジメントレビューの実態を読んでいただきましたが、マネジメントレビュー以外の「あるある」がいっぱいあったと思います。

    ④マネジメントレビューの活かし方

    マネジメントレビューの運営について指導するようになり、そこで気づいたことをまとめます。

    1. マネジメントレビューの成功は経営陣との日頃のコミュニケーション密度で決まる
    2. マネジメントレビューの時期になったら始めるのではなく、毎月や毎四半期などの一定期間でマネジメントレビューの各要求事項の進捗度合いを測ることが大事。
    3. 上に見せるデータは基本2次データである。真実を写す1次データを日頃集めておくべき。
    4. 品質管理部門だけでなくライン部門との良いコミュニケーションを常にこころがけ、課題を見つけ、解決していく地道な活動が重要。
    5. どうしても目の前になるものが全てと信じてしまいがち。上司も同じ傾向になる。見えないものを見つけ、実現させることが本来の品質の仕事。PDCAサイクルを回しながら実現するための通過点がマネジメントレビューである

    いかがでしょうか?
    かなり高いレベルを書いていますが、これに少しでも近づくことが大事です。

    品質管理は簡単そうで誰もおしえてくれない
    誰も知らないところに次なる目標がある。
    そこを目指し、その結果を振り返るのがマネジメントレビュー

    次のマネジメントレビューに向けて、継続的改善を進めましょう。

    まとめ

    ISO9001 2015 9_3 マネジメントレビュー をわかりやすく解説しました。

    • ①要求事項
    • ②マネジメントレビューのインプット
    • ③マネジメントレビューのアウトプット
    • ④マネジメントレビューの実状

  • ISO9001 2015 9.1 監視,測定,分析及び評価

    ISO9001 2015 9.1 監視,測定,分析及び評価

    「監視,測定,分析及び評価って何をしたらよいかがわからない?」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 9.1 監視,測定,分析及び評価
    • ①わかりにくい要求事項
    • ②9.1 監視,測定,分析及び評価の全体像
    • ③品質方針、品質目標と兼ねてよい
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    ①わかりにくい要求事項

    ISO9001要求事項

    ちょっと長いですが、掲載しますね。

    9.1 監視,測定,分析及び評価
    9.1.1 一般
    組織は,次の事項を決定しなければならない。
    a) 監視及び測定が必要な対象
    b) 妥当な結果を確実にするために必要な,監視,測定,分析及び評価の方法
    c) 監視及び測定の実施時期
    d) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期
    組織は,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評価しなければならない。 組織は,この結果の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。
    9.1.2 顧客満足
    組織は,顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について,顧客がどのように受け止めているかを監視しなければならない。組織は,この情報の入手,監視及びレビューの方法を決定しなければならない。
    注記 顧客の受け止め方の監視には,例えば,顧客調査,提供した製品及びサービスに関する顧客からのフィードバック,顧客との会合,市場シェアの分析,顧客からの賛辞,補償請求及びディーラ報告が含まれ得る。
    9.1.3 分析及び評価
    組織は,監視及び測定からの適切なデータ及び情報を分析し,評価しなければならない。 分析の結果は,次の事項を評価するために用いなければならない。
    a) 製品及びサービスの適合
    b) 顧客満足度
    c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性
    d) 計画が効果的に実施されたかどうか。
    e) リスク及び機会への取組みの有効性
    f) 外部提供者のパフォーマンス
    g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性

    注記 データを分析する方法には,統計的手法が含まれ得る

    要求事項がわかりにくい理由

    2つ理由があります。

    1. 「9.1.1 一般」、「9.1.2 顧客満足」、「9.1.3 分析及び評価」と粒度が合っていない
    2. 目的と手段が混在して書かれている

    わかりやすく整理しましょう。

    ②9.1 監視,測定,分析及び評価の全体像

    わかりやすく整理するために、次の問いを考えます。

    1. 何を「監視,測定,分析及び評価」するのか?
    2. 何のために「監視,測定,分析及び評価」するのか?

    上の2つの問いを満たすために、必要な要素を追加してもOKです。

    何を「監視,測定,分析及び評価」するのか?

    まず、「監視,測定,分析及び評価」は目的語を必要とする言葉ですね。

    「○○を監視する」
    「○○を測定する」
    「○○を分析する」
    「○○を評価する」

    ○○に何を入れますか?

    目的対象の1つが「顧客満足」

    「顧客満足」は目的対象にすっと入りますね。

    「顧客満足」以外に目的対象は無いのか?

    「顧客満足」は売上向上のためですから、売上以外の理由を追加しましょう。

    ●売上向上⇒顧客満足とか
    ●原価低減⇒品質コスト(無償修理対応費用)低減とか、生産性向上とか
    ●事業停止リスク回避⇒法令遵守、モラル向上とか

    「監視,測定,分析及び評価」の目的対象が増えましたね。

    一旦、下表にまとめます。

    PLAN DO CHECK ACTION ACTION
    目的対象 目的の理由 監視 測定 分析 評価
    顧客満足 売上向上 「顧客満足」
    を監視
    「顧客満足」
    を測定
    「顧客満足」
    を分析
    「顧客満足」
    を評価
    品質コスト
    低減
    原価低減 「品質コスト
    低減」
    を監視
    「品質コスト
    低減」
    を測定
    「品質コスト
    低減」
    を分析
    「品質コスト
    低減」
    を評価
    生産性向上 原価低減 「生産性向上」
    を監視
    「生産性向上」
    を測定
    「生産性向上」
    を分析
    「生産性向上」
    を評価
    法令遵守 事業リスク回避 「法令遵守」
    を監視
    「法令遵守」
    を測定
    「法令遵守」
    を分析
    「法令遵守」
    を評価
    モラル向上 事業リスク回避 「モラル向上」
    を監視
    「モラル向上」
    を測定
    「モラル向上」
    を分析
    「モラル向上」
    を評価

    何のために「監視,測定,分析及び評価」するのか?

    目的対象がわかったら、さらに、目的の目的を考えましょう。

    「顧客満足」、「品質コスト低減」、…、「モラル向上」、は何のために活動するのか?

    この答えはいくつかあります。

    1. 事業収益向上
    2. 事業内の品質マネジメントシステム(QMS)の成果、有効性のため
    3. 社会貢献

    つまり、品質方針や品質目標に書く内容へ近づくことがわかりますね。

    組織の意義と
    意義を達成するための活動ができているかを
    「監視,測定,分析及び評価」するためです。

    ③品質方針、品質目標と兼ねてよい

    よって、「監視,測定,分析及び評価」は品質方針、品質目標と兼ねてよく、品質目標に「監視,測定,分析及び評価」を入れて1枚にまとめると、品質管理しやすいです。

    私の組織は実際に、品質目標に「監視,測定,分析及び評価」を入れて1枚にまとめています。

    所属している組織の品質関連の文書は、
    そのまま使う前に、
    文書の目的や意義を考えることが重要。

    品質目標に「監視,測定,分析及び評価」を入れて1枚にまとめていても、それがなぜなのか?を問うと品質管理の能力が向上します。

    手段は追うな!目的を考えよ!
    目的思考が重要です。

    品質目標の例

    品質方針、品質目標とその活動に対する「監視,測定,分析及び評価」を1枚にすると全体が俯瞰しやすく、課題の抽出など管理しやすくなります。

    品質目標

    上層部への報告や品質監査に役立つ

    品質方針、品質目標とその活動に対する「監視,測定,分析及び評価」を1枚にすると全体が俯瞰しやすいので、上層部への報告や次期の品質活動の指示、品質監査がスムーズにできるなどのメリットがあります。

    上位の品質方針、品質目標と整合がとれていること

    当然ですが、品質方針、品質目標と施策で互いに整合が取れていることと、「監視,測定,分析及び評価」すると品質方針、品質目標を達成できるようにしておく必要があります。

    「監視,測定,分析及び評価」といって、統計手法をガンガンいれて計算することよりも、目的である品質方針、品質目標の達成を意識してください。

    以上、「監視,測定,分析及び評価」をわかりやすく解説しました。

    まとめ

    ISO9001 2015 9.1 監視,測定,分析及び評価 をわかりやすく解説しました。

    • ①わかりにくい要求事項
    • ②9.1 監視,測定,分析及び評価の全体像
    • ③品質方針、品質目標と兼ねてよい

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