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【簡単】実験回数を減らせるラテン方格法がわかる

実験計画法

「たまに出てくるラテン方格法って何?」、「直交表をよく使うけど、ラテン方格法はなんであまり使わないの?」、「なぜ、実験回数が減らせるの?」などが説明できずに困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

実験回数を減らせるラテン方格法がわかる

実験計画法の直交性がすぐわかる

  • ➀実験回数が減らせるラテン方格法
  • ②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較
  • ③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法
  • ④ラテン方格法より直交表が主流な理由

さっそく見ていきましょう。

本記事を読む前に

ラテン方格法を学ぶ上で基礎となる関連記事を紹介します。







実験計画法を究めるトップページです。

➀実験回数が減らせるラテン方格法

ラテン方格法を使う目的

➀実験回数が減らしたい。
②調べたい因子以外の因子が入らないようにしたい(直交性)。

上の目的をクリアーする手法の1つがラテン方格法です。手法より、目的が大事です。

関連記事である、 にある、完全配置実験と部分配置実験と同じ考え方です。

部分配置は、他の因子のすべての水準が同回数入るように割り当てる必要があるため、並べるのが難しいです。
これを簡単に並べるためのラテン方格法です。

ラテン方格法の使い方

➀実験回数が減らしたい。
②調べたい因子以外の因子が入らないようにしたい(直交性)。

3水準のラテン方格は、
1 2 3
2 3 1
3 1 2
です。

横、縦を見ると1,2,3が1回ずつ割り当てられ、重複していません
ラテン方格法は実験計画法の直交性を満たしています。

例えば、3因子3水準の三元配置実験を考えるとき、
完全配置実験は27回ですが、
ラテン方格法は9回で済みます。

②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較

ラテン方格法の分散分析はここで解説します。期待値の算出に注意する箇所があります。

それより、実験回数を減らしても問題ないのかを実例で確かめてみましょう。

分散分析の結果を比較

3水準の三元配置実験を例に挙げます。

完全配置実験
No A B C データ
1 1 1 1 10
2 1 1 2 3
3 1 1 3 6
4 1 2 1 11
5 1 2 2 12
6 1 2 3 9
7 1 3 1 19
8 1 3 2 14
9 1 3 3 8
10 2 1 1 17
11 2 1 2 12
12 2 1 3 13
13 2 2 1 13
14 2 2 2 10
15 2 2 3 16
16 2 3 1 17
17 2 3 2 14
18 2 3 3 17
19 3 1 1 15
20 3 1 2 15
21 3 1 3 10
22 3 2 1 16
23 3 2 2 19
24 3 2 3 12
25 3 3 1 19
26 3 3 2 19
27 3 3 3 14

次がラテン方格法です。

ラテン方格法
No No A B C データ
1 1 1 1 1 10
5 2 1 2 2 12
9 3 1 3 3 8
11 4 2 1 2 12
15 5 2 2 3 16
16 6 2 3 1 17
21 7 3 1 3 10
22 8 3 2 1 16
26 9 3 3 2 19

橙色部が同じ実験Noを意味します。

それぞれの分散分析表を比べましょう。

完全配置実験
平方和S 自由度 平均平方 F F0
A 136.22 2 68.11 8.59 3.49
B 89.56 2 44.78 5.64 3.49
C 57.56 2 28.78 3.63 3.49
e 158.67 20 7.93
T 442 26

次はラテン方格法の場合です。

完全配置実験
平方和S 自由度 平均平方 F F0
A 50 2 25 3.15 3.49
B 32 2 16 2.02 3.49
C 18 2 9 1.13 3.49
e 14 2 7
T 114 8

注目すべき点は、主効果の平方和Sと残差eの自由度ですね。実験回数が27回と9回と異なるので平方和も3倍程度違います。ただし、残差の自由度が20と2なので、F検定の結果が完全配置実験とラテン方格法で変わることがあります。

完全配置実験では3因子とも有意であるが、ラテン方格法では3因子とも有意ではないことがわかります。

これは、データのランダムばらつきや、データ27個からどの9個に選ぶかによって、
F検定が変わることを言っています

部分配置実験の検定結果と完全配置実験の検定結果は変わる可能性があるので注意しましょう。

③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法

グレコ・ラテン方格法

水準数をどんどん増やしてみましょう。4水準系で実験回数を減らす方法を考えます。

4水準の因子A,B,C,Dを実験します。
四元配置実験で全パターンを実験すると、\(4^4\)=256回実験が必要です。ちょっと大変ですよね。
そこで、次のように調べたい因子以外の因子が入らないようにする(直交性)方法で割り付けてみましょう。下の表になります。

B1 B2 B3 B4
A1 C1D1 C2D3 C3D4 C4D2
A2 C2D2 C1D4 C4D3 C3D1
A3 C3D3 C4D1 C1D2 C2D4
A4 C4D4 C3D2 C2D1 C1D3

上図のように、二元配置にグレコ・ラテン方陣を組み込んだ実験計画をグレコ・ラテン方格法といいます。実験回数は256回から16回に減らせます。

なお、4水準4因子のグレコ・ラテン方格法で実験すると分散分析表は次のようになります。

グレコ・ラテン方格法
平方和S 自由度 平均平方 F F0
A SA 3 VA FA
B SB 3 VB FB
C SC 3 VC FC
D SD 3 VD FD
e Se 3
T 0 15

5水準も実験回数が減らせるのか?

4水準5因子の場合を例に挙げます。各水準の組み合わせは下表になります。

B1 B2 B3 B4
A1 C1D1E1 C2D3E4 C3D4E2 C4D2E3
A2 C2D2E2 C1D4E3 C4D3E1 C3D1E4
A3 C3D3E3 C4D1E2 C1D2E4 C2D4E1
A4 C4D4E4 C3D2E1 C2D1E3 C1D3E2

ここで、1点注意が必要です。分散分析表を作ると、残差の自由度が0となり、分散分析できません。

超グレコ・ラテン方格法
平方和S 自由度 平均平方 F F0
A SA 3 VA FA
B SB 3 VB FB
C SC 3 VC FC
D SD 3 VD FD
E SE 3 VE FE
e Se 0
T ST 15

水準数は因子数以上が必要です。

【問】5水準5因子の場合、実験回数を\(5^5\)=3125回を25回に減らしたい。各水準の組み合わせ表と分散分析における各因子と残差の自由度を求めよ。
(解説は解説集をご覧下さい。)

④ラテン方格法より直交表が主流な理由

交互作用効果を調べたいから。

シンプルにこの理由につきます。

ラテン方格法やグレコ・ラテン方格法のように方陣を使って、調べたい因子以外の因子が入らないように(直交性)しますが、この方法では、互いの割り当て列が独立となるため、交互作用を調べることができません

一方、直交表は因子数に対し、すべての組み合わせを割り当て列にするため、主効果の列や交互作用の列があります。これが実験で調べたい列として使いやすいのです。しかし、ある列にまったく異なる列を割り当てる(交絡)して、実験回数を減らすため、
交絡による分散分析の結果の影響があります。

交絡については、をご覧下さい。

実験データの精度を追求するなら、実験回数を減らしてはいけません。少ない実験回数で、そこそこの精度の結果があれば良いとするなら、実験計画法を活用しましょう。

まとめ

実験回数を減らすためのラテン方格法とグレコ・ラテン方格法について、解説しました。

  • ➀実験回数が減らせるラテン方格法
  • ②ラテン方格法と完全配置実験の分散分析を比較
  • ③ラテン方格法とグレコ・ラテン方格法
  • ④ラテン方格法より直交表が主流な理由

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