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02-03_整式の剰余がわかる

2_数と式

「整式の剰余がよくわからない」、などと困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

02-03_整式の剰余がわかる
  • ①おさえるべき重要問題
  • ②解法
  • ③全問題の解説は問題集にあります

数と式は、基礎は簡単
でも、発展は最難な領域

高校数学で一番難しい単元は何?と聞かれて
「数Ⅲの微積」という人は単に力がないだけ
数学ができる人は、「数Aの数と式」と答える
「数Ⅲの微積」は基礎は難しいが、その分応用・発展問題はないから、基礎ができたらすぐに入試問題が解ける!
逆に「数Aの数と式」は基礎は簡単な分、いくらでも難しくできる!難関大学の論証問題はすべて「数Aの数と式」!
2章の「数と式」は
基礎をしっかりおさえつつ
難関問題の入り口まで解説します。
  • ①重要問題
  • ②重要問題を解説
  • ③全問題の解説は問題集にあります

①重要問題

問1

【問1】
\(f(x)\)=\(2x^4+ax^3+bx^2+4x+4\)が次の各々を満たすように、定数\(a,b\)の値を定めよ。
(1) \(x-1\)で割り切れ、\(x-2\)で割ると4余る。
(2) \(x^2-x-2\)で割ると、\(5x+2\)余る。
(3) \(x^2-x-1\)で割ると、\(2x+1\)余る。
(4) \((x-1)^2\)で割ると、\(x+3\)余る。

問2

【問2】
実数\(x\)の整式\(f(x)\)をそれぞれで割ったときの余りを求めよ。
(1) \(x-1\)、\(x^2-x-2\)で割った余りがそれぞれ6、\(3x+5\)な場合、
整式\(f(x)\)を\((x-1)(x^2-x-2)\)で割った場合の余りはいくらか。
(2) \(x-1\)、\(x^2-x-1\)で割った余りがそれぞれ2、\(x+3\)な場合、
整式\(f(x)\)を\((x-1)(x^2-x-1)\)で割った場合の余りはいくらか。
(3) \(x-1\)、\((x-2)^2\)で割った余りがそれぞれ10、\(5x+3\)な場合、
整式\(f(x)\)を\((x-1)(x-2)^2\)で割った場合の余りはいくらか。

②重要問題を解説

本ブログでは、【問2】を解説!
それ以外の問いは、「③全問題の解説は問題集にあります」をご覧ください。

整式の剰余でおさえるポイント

ポイントは2つあります。

  1. 整式\(f(x)\)はどんな式かわからないけど、余りだけは1つに決まる不思議な問題
  2. 余りは割った\(x\)の次数より必ず1つ以上少ない

問2の解法

では、解いてみましょう。

問(1)

まず、整式\(f(x)\)を\((x-1)(x^2-x-2)\)の3次式で割るので、余りは2次式以下です。

商を\(h(x)\)、余り\(R(x)\)=\(ax^2+bx+c\)と置くと、条件式から
●\(f(x)\)=\(h1(x)\) \((x-1)\)+6
●\(f(x)\)=\(h2(x)\) \((x-2)(x+1)\)+\((3x+5)\)
●\(f(x)\)=\(h3(x)\) \((x-1)(x-2)(x+1)\)+ \(ax^2+bx+c\)
となりますね。

ここで、整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、はっきりわかる条件があります。
●\(f(1)\)=6
●\(f(2)\)=3×2+5=11
●\(f(-1)\)=3×(-1)+5=2
\(h(x)\)×(割った式)が0になる条件をうまく活用します。

\(f(1)\), \(f(2)\), \(f(-1)\)の値がはっきりわかるので、
●\(f(1)\)= \(a×1^2+b×1+c\)=\(a+b+c\)=6
●\(f(2)\)= \(a×2^2+b×2+c\)=\(4a+2b+c\)=11
●\(f(-1)\)= \(a×(-1)^2+b×(-1)+c\)=\(a-b+c\)=2
から\(a,b,c\)が計算できます。

よって、
\(a\)=1、\(b\)=2、\(c\)=3となるので、余り\(R(x)\)は
\(R(x)\)= \(x^2+2x+3\)
整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、余り\(R(x)\)は1つに決まる不思議な問題ですね。

問(2)

同様に、整式\(f(x)\)を\((x-1)(x^2-x-1)\)の3次式で割るので、余りは2次式以下です。

商を\(h(x)\)、余り\(R(x)\)=\(ax^2+bx+c\)と置くと、条件式から
●\(f(x)\)=\(h1(x)\) \((x-1)\)+2
●\(f(x)\)=\(h2(x)\) \((x^2-x-1)\)+\((x+3)\)
●\(f(x)\)=\(h3(x)\) \((x-1)( x^2-x-1)\)+ \(ax^2+bx+c\)
となりますね。

問(1)より難易度が上がる点は、

\((x^2-x-1)\)が因数分解できない、さあどうする?困った!

ここで、あえて、
\((x^2-x-1)\)=\((x-α)(x-β)\)という\(α,β\)を導入しましょう。解と係数の関係から、
●\(α+β\)=1
●\(αβ\)=-1
を活用します!

ここで、整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、はっきりわかる条件があります。
●\(f(1)\)=2
●\(f(α)\)=\((α+3)\)
●\(f(β)\)=\((β+3)\)
\(h(x)\)×(割った式)が0になる条件をうまく活用します。

\(f(1)\), \(f(α)\), \(f(β)\)の値がはっきり?わかるので、
●\(f(1)\)= \(a×1^2+b×1+c\)=\(a+b+c\)=2
●\(f(α)\)= \(a×α^2+b×α+c\)=\(aα^2+bα+c\)=α+3
●\(f(α)\)= \(a×β^2+b×β+c\)=\(aβ^2+bβ+c\)=β+3
から\(a,b,c\)が計算できます。

\(α,β\)があるのにうまく、\(a,b,c\)計算できるのか?心配?
計算してみましょう。

\(f(α)\)+ \(f(β)\)と\(f(α)\)- \(f(β)\)を計算します。
●(+):\(α+β+6\)=\(a(α^2+β^2)+b(α+β)+2c\)
→\(α^2+β^2\)=\((α+β)^2-2αβ\)=3
→ 7=\(3a+b+2c\)
と変形できます。
●(-):\(α-β\)=\(a(α^2-β^2)+b(α-β)\)
→ 1=\(a(α+β)+b\) (\(α\)≠\(β\)より)
→1=\(a+b\)と変形できます。

よって、\(a,b,c\)計算する連立方程式は
●\(a+b+c\)=2
●7=\(3a+b+2c\)
●1=\(a+b\)
と簡単になりましたね!

よって、
\(a\)=2、\(b\)=-1、\(c\)=1となるので、余り\(R(x)\)は
\(R(x)\)= \(2x^2-x+1\)
整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、余り\(R(x)\)は1つに決まる不思議な問題ですね。

問(3)

同様に、整式\(f(x)\)を\((x-1)(x^2-x-1)\)の3次式で割るので、余りは2次式以下です。

商を\(h(x)\)、余り\(R(x)\)=\(ax^2+bx+c\)と置くと、条件式から
●\(f(x)\)=\(h1(x)\) \((x-1)\)+10
●\(f(x)\)=\(h2(x)\) \((x-2)^2)\)+\((5x+3)\)
●\(f(x)\)=\(h3(x)\) \((x-1) (x-2)^2\)+ \(ax^2+bx+c\)
となりますね。

問(1)(2)より難易度が上がる点は、

\((x-2)^2\)から条件式が1つ減るので、定数\(a,b,c\)が計算できない!さあどうする?困った!

ここで、高1の人には禁じ手ですが、微分を使って、定数\(a,b,c\)が計算する条件式を1つ増やします。

●\(f(x)\)=\(h2(x)\) \((x-2)^2)\)+\((5x+3)\)の両辺を微分すると
\(f’(x)\)= \(h2’(x)\) \((x-2)^2\)+ \(h2(x)\) \(2(x-2)\)+5
より、
\(f’(2)\)=5
という条件が出て来ます。これを活用しましょう。

●\(f(x)\)=\(h3(x)\) \((x-1) (x-2)^2\)+ \(ax^2+bx+c\)も両辺を微分すると
\(f’(x)\)= \(h3’(x)\) \((x-1) (x-2)^2\)+ \(h3(x)\) \(1 (x-2)^2\)+ \(h3(x)\) \((x-1) 2(x-2)\)+ \(2ax+b\)
から、
\(f’(2)\)= \(2a×2+b\)=\(4a+b\)=5
という条件式が1つできます。

ここで、整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、はっきりわかる条件があります。
●\(f(1)\)=\(a+b+c\)=10
●\(f(2)\)= \(4a+2b+c\)=13
●\(f’(2)\)= \(4a+b\)=5
と\(a,b,c\)計算する連立方程式ができます。

よって、
\(a\)=2、\(b\)=-3、\(c\)=11となるので、余り\(R(x)\)は
\(R(x)\)= \(2x^2-3x+11\)
整式\(f(x)\)は、何次式かわからないけど、余り\(R(x)\)は1つに決まる不思議な問題ですね。

似たような式で割っても解き方が3パターン別々にある重要な問題なので是非習得しましょう。

③全問題の解説は問題集にあります

「第2章 数と式」で、大学受験も大学以降でも習得すべき、
数と式の重要問題を解説しています。
目次を紹介します。

「第2章 数と式」の目次
第2章 数と式

02-01 恒等式
02-02 因数分解
02-03 整式の剰余
02-04 整数の性質
02-05 方程式の整数解
02-06 背理法
02-07 根号を含む計算
02-08 指数と対数
02-09 常用対数
02-10 式の値
02-11 不等式の証明・相加相乗平均

問題集はメルカリでご購入いただけます。
(現在問題集作成中。)

問題集イメージ図(予定)

是非、ブログを参考にいただき、ご購入よろしくお願いいたします。

まとめ

「02-03_整式の剰余がわかる」を解説しました。

  • ①おさえるべき重要問題
  • ②解法
  • ③全問題の解説は問題集にあります


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