【MBA】ROAとROEがわかる
「ROAとROEって何?」と疑問に思いませんか。
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①ROAとは?
- ②ROEとは?
- ③自社株買いする理由
●企業の収益性を評価する指標で、ROA,ROEが高いと、投資側にとって魅力的な企業であると評価されます。よく、外資ではROE10%以上を要求されます。国内企業はROE10%もいく企業は少ないですが。
①ROAとは?
●覚えにくい用語が2つあり、若干意味が異なるので解説します。どちらか1つと言われたらROEだけ覚えておけばよいです。
ROAとは?
総資産からどれくらい利益が出るか? 収益性を見る指標です。
●ROAの公式
ROAを分解して考える
この式を分解します。
●\(\frac{経常利益}{総資産}\)は、売上高経常利益率として、売上に対する利益の割合がわかります。
●\(\frac{売上高}{総資産}\)は、総資産回転率として、資産に対する売上の割合がわかります。
●\(\frac{売上高}{総資産}\)は、効率性を重視します
●まとめると、
ROAは収益性と効率性を評価する指標です。
ROAを上げるには?
●2つの企業はそれぞれROAが5%とします。ROAを分解すると次のようになりました。ROAを10%に上げるにはどの値を上げたらよいか考えましょう。
- A社 ROA(5%)=\(\frac{経常利益2}{売上高5}\)×\(\frac{売上高5}{総資産40}\)
- B社 ROA(5%)=\(\frac{経常利益2}{売上高20}\)×\(\frac{売上高20}{総資産40}\)
●ROAから収益性と効率性を分析しましょう。
– | 収益性 | 効率性 |
A社 | \(\frac{2}{5}\)=40% | \(\frac{5}{40}\)=12.5% |
B社 | \(\frac{2}{20}\)=10% | \(\frac{20}{40}\)=50% |
細かく見ると、数値が小さいところを改善すればよいですね。
●A社なら、効率性を上げればよく、売上を5⇒10にして、収益率を維持すれば利益も40%の4に上がり、ROAが5%⇒10%に上がる可能性がある。
●B社なら、収益性を上げればよく、利益を2⇒4にすれば利益も40%の4に上がり、ROAが5%⇒10%に上がる可能性がある。
– | 収益性 | 効率性 |
A社 | \(\frac{4}{10}\)=40% | \(\frac{10}{40}\)=25% |
B社 | \(\frac{4}{20}\)=20% | \(\frac{20}{40}\)=50% |
②ROEとは?
ROEとは?
自己資産からどれくらい利益が出るか? 収益性を見る指標です。
●ROAの公式
ROEを分解して考える
この式を分解します。
●\(\frac{当期純利益}{売上高}\)は、売上高当期純利益率として、売上に対する利益の割合がわかります。
●\(\frac{売上高}{総資産}\)は、総資産回転率として、資産に対する売上の割合がわかります。
●\(\frac{総資産}{自己資産}\)は、財務レバレッジとして、自己資産によって総資産が何倍できるかがわかります。
●\(\frac{売上高}{総資産}\)は、効率性を重視
●\(\frac{総資産}{自己資産}\)は、安全性を重視します。
●まとめると、
ROEは収益性と効率性と安全性を評価する指標です。
ROEを上げるには?
式を見るとすぐわかります。
まずは、当期純利益を増加して、自己資産を下げたらROEは増加します。少ない自己資産で利益が出る
ことは株主によってうれしいことです。
さて、利益を上げるには、売上高と総資産を増加、減少どちらにすればよいか?が問題になります。上の式では、売上高と総資産をともに増加させました。
●中には、利益率重視の企業なら売上高を下げて、総資産も下げるところもあるし、その逆もあります。
●株主はROEを評価して、その企業の戦略を推理して、その考えと合う企業に投資します。
②ROAとROEの違いとは?
ROEをROAの式で書いてみる
●覚えにくい用語が2つあり、
「経常利益」と「当期純利益」
「総資産」と「自己資本」
と用語を使い分けているので、さらに覚えにくいです。
仮に、当期純利益⇒経常利益で統一すると、
ROA(総資産利益率)=\(\frac{経常利益}{総資産}\)=\(\frac{経常利益}{売上高}\)×\(\frac{売上高}{総資産}\)
ROE(自己資本利益率)=\(\frac{経常利益}{自己資産}\)=\(\frac{経常利益}{売上高}\)×\(\frac{売上高}{総資産}\)×\(\frac{総資産}{自己資産}\)
ROE(自己資本利益率)= ROA(総資産利益率)×\(\frac{総資産}{自己資産}\)
という関係が見えます。ROAに総資産/自己資産かけたものという雰囲気で覚えておくとよいでしょう。
ROAとROEの違いは目的が違うから
●ROAは、企業の全体評価のために、経常利益と総資産の比を見る
●ROEは、株主が評価しやすいために、当期純利益と自己資産の比を見る
違いがあります。
目的別に理解すると、ROAとROEの式の違いもより理解できます。
③自社株買いする理由
よく、こういうニュースが出ます。
なんで、自分の株を買うん?と思いますよね。ちゃんとした理由・戦略があります。
- 企業の財務のスタイルをよくするため
- ハゲタカから守るため
- 株流通量を減らして単価を上げるため
どういう意味か?解説します。
企業の財務のスタイルをよくするため
自社株買いのイメージは、
つまり、
出すところは出して、
ひっこめるところはひっこめる
です。
これをやる理由は、
●ROE(自己資本利益率)=\(\frac{当期純利益}{自己資産}\)
です。期末決済時には、分子の「当期純利益」は決定しています。
この状態でROEを上げるには、
「自己資産を減らせばいい」
ので、自社株買いして、外からの投資額を減らして自己資産を減らす作戦をします。
ただし、やりすぎに注意が必要で、ある程度の自己資産・自己資金がないと、借入ができないリスクもあります。適度なクビレで魅力ある企業へ!
ハゲタカから守るため
自社株買いすると、当然現金もなくなります。ただし、内部留保が多かったり、現金をたくさん保有していると、ハゲタカファンドから狙われます。
ハゲタカファンドから経営権を強奪されないためにも、経営に影響のない範囲で現金を軽くしておくことも重要です。
適度な現金と、それを活かしたレバレッジで収益を上げるのが企業です。
株流通量を減らして単価を上げるため
●自社株を爆買いするので、株式市場に出回る自社株の流通量は減ります。買いたい投資家が増えると、株価は当然上昇し、自己資金が自然に増えます。有利な株価に持って行くにも自社株を買うのです。
まとめると、
●ROEを高めて、
●株価も高める
魅力的な自社株買いです。
でも、爆買いなので、相当現金を保有している時期しかできません。
まとめ
【MBA】ROAとROEを解説しました。
- ①ROAとは?
- ②ROEとは?
- ③自社株買いする理由
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