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【MBA】簿価と時価の違いがわかる

アカウンティング

「簿価と時価って何が違うの?」、「なぜ、モノ言う株主やハゲタカファンドにつながる話なの?」と疑問に思いませんか。

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【MBA】簿価と時価の違いがわかる
  • ①簿価と時価
  • ②阪神電鉄と阪急電鉄が統合した理由
  • ③バランスシートを見れば、おいしいカネが見える!
簿価と時価の大きな乖離が、社会を騒がせる事態になることがしばしばあります。社長さん気を付けて!

①簿価と時価

簿価とは

●簿価とは、会計書類に記載されている資産・負債の価格のことです。

売買した時点の価格がずっと残ります。

例えば、不動産などの固定資産は一般的にそのとき、取得した価格で計上されます。

時価とは

●時価とは、今現在の価値のことです。例えば、1冊2,000円の本が、絶版されたが、人気が出てしまいプレミアムが出た場合、2,000円ではなく、20,000円とかで取引されますよね。

バランスシートでは簿価で評価

●会計書類は簿価で評価します。

だから何なの? とボーっとしている人は大損しています。
簿価と時価のズレから、何もしなくてもキャッシュ・カネが出てこないか?といういアイデアに気が付く人がいます。

その1つが、関西の人なら皆覚えている、

阪神電鉄と阪急電鉄の統合
(村上が余計なことしたなあ、懐かしい)

ですよね。QCプラネッツは阪急沿線で育ったのでよく覚えています。

村上ファンドが、なぜ阪神電車の大株主になろうとか、わかりますか?実は、バランスシートになる簿価と時価の大きな乖離が原因でした。
ファンド

まあ、ええけど。。。せやけど、。。。 ですよね!
(https://note.com/hideya11go/n/n5efe283cdc5dより引用)

②阪神電鉄と阪急電鉄が統合した理由

●関西以外の人は、あまりピンとこない話ですが、関西の人からすれば、

阪神電鉄と阪急電鉄がくっつくのはありえへん!
全然違う会社やで! ライバルやし、阪神は庶民!、阪急は高級感やで!

阪神尼崎駅に阪急電車が止まる!

色が全く違う会社が統合するので、世の中面白いです。

だから下の写真みると、関西人で電車好きな人は「おかしな写真を見る」くらい衝撃的でした。

電車
ええ!!!! この写真、ホンマにあり得へん! 何かおかしいでえ!なんでや!

私の正直な感想でした。
(Kats Blog阪神尼崎駅に阪急電車!?
https://plaza.rakuten.co.jp/kats0119/diary/201407160001/ より引用)

東京の人は、他の会社ので鉄道が走るのが当たり前なので、何も感じませんが、この写真は衝撃的でした。

こうした、原因を作ったのが、モノ言う株主で有名な村上ファンドですが、なぜでしょうか?

なぜ村上ファンドは阪神電鉄に目を付けたか?

村上ファンドが、なぜ阪神電車の大株主になろうとか、わかりますか?実は、バランスシートになる簿価と時価の大きな乖離が原因でした。

●実は、次の簿価の値みると、皆さんも「おかしい!」と気が付くはずです。2008年当時はそこまで意識がありませんでしたが、今思うと、「そりゃ、攻めるよね!」とみんな思うはず。

●バランスシート(貸借対照表)には、全部の資産の値を書きませんが、そこを分析して類推して資産の値と実態を比較する人が世の中にはいます。

保有資産 帳簿上の価格 取得
甲子園球場 800万円 戦前
阪神ビル 900万円 戦後?
阪神タイガース 4,800万円 戦前

(清友会計舎通信 https://seiyu-kaikei.com/tsushin_17.pdf より引用)

●どうですか?

おかしいですよね! 甲子園球場が800万円で、阪神タイガースが4,800万円と1億円しません。プロ野球選手みんな買える価格ですよね!

●では、時価はどれくらいですか? ざっと想像すると、

保有資産 帳簿上の価格 取得 時価?
甲子園球場 800万円 戦前 数百億円?
阪神ビル 900万円 戦後? 数百億円?
阪神タイガース 4,800万円 戦前 数百億円?

3桁くらい違いますよね!

そうなると、疑問がわきます!

どうして簿価と時価で大きな乖離があるの?

なぜ簿価と時価で大きな乖離があるのか?

●簡単にいうと、
戦前の値段と今の値段がまったく違うからですよね!
阪神タイガースが出来たのは1930年代です。この時の1,000万円は今の1,000億円に近い値でしょう。

簿価は取得時点の価格を記載し、そのバランスシートで経営戦略を考えるためです。
すべて時価でバランスシートを作るとなると作業が大変になります。全資産の時価評価が大変だから。

当時1円札があったくらいですからね。

戦後の復興によって、時価がどんどん上がっていったのが理由です。

戦前から取得している企業には、そういう簿価と時価が大きく乖離したものがあります。

●電鉄会社の鉄道の土地
●戦前からある企業の土地
●親会社より有名な子会社(フジテレビの例でホリエモン騒動が有名)
など。つまり、常に狙われている潜在的な資産です。

そうなると、疑問がわきます!

簿価を時価に変えて現金化するにはどうすればいいですか?
目的は、何もしないで、現金だけ生み出せばよいわけです!

簿価を時価に変えて現金化するには

分散

答えは簡単で、

株を新たに発行すればよいわけです。
大株主になって、経営権を握って株発行すればよいわけです。
ファンドは世界中から資金を集めて大株主として企業にしかけてきます。
数兆円あれば無敵だし、意外と簡単に集まる額です。

●よくニュースで「株式会社阪神タイガース」とか「村上タイガース」と世間を賑わせるましたが、まさに、

株を新たに発行して現金化しようとしたのです。

●ところが、実際は、阪神のファンや関西の生業などの圧力で結局は買収計画が頓挫して、阪急が阪神の株を買い取り、経営統合に落ち着きました。

村上が要らんことをした失態ととらえるのではなく、
キャッシュをどう生むかを考え抜いて行動した事例であり、
資本主義なら当然です。

③バランスシートを見れば、おいしいカネが見える!

企業のバランスシート見れば、潜在的なキャッシュが見つかる!

事業や製造以外で、キャッシュを生む株主は、日ごろから企業のバランスシートをよくチェックしています。

その中に、実態と乖離があり、おいしい資産が眠っているものを探しているのです。

●戦前から取得している遊休土地
●親会社より、高収益な子会社
●現金をたくさん持っている会社
など。つまり、常に狙われている潜在的な資産です。

高収益事業をどう守るか?逆にどう攻めるか?

●当然、高収益で高価値な資産は、企業にとっても大事な資産です。バランスシートを作るだけでなく、どこ資産が狙われているか、逆に資産を有効活用するかを考える必要があります。

ボッとしていると、ハゲタカに狙われますよ!

ハゲタカファンドは、バランスシートを見て、事業活動に影響させないつつ、潜在的な資産を現金化する提案をあなたの会社に突きつけてきます。

狙われそうなおいしい資産を早く売却して、余った現金と負債を組み合わせて事業活動の拡大を狙うことが大事です。

●企業は、少し現金が足りないくらいでバランスシートを出しておくと、外敵から守る事ができますし、あえてそうしている企業はたくさんあります。

バランスシートの特性がわかると、世の中の騒動も冷静に受け取ることができます。

まとめ

【MBA】簿価と時価の違いを解説しました。

  • ①簿価と時価
  • ②阪神電鉄と阪急電鉄が統合した理由
  • ③バランスシートを見れば、おいしいカネが見える!


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