【MBA】赤字よりヤバい黒字倒産がわかる
「黒字なのにどうして倒産する企業があるの?」、と疑問に思いませんか。
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
- ①黒字なのになぜ倒産する?
- ②運転資金WCの確保
- ③「掛け」をみればすぐヤバさがすぐわかる!
- ④下請法の意義
①黒字なのになぜ倒産する?
次の2社は同じ利益が50円ですが、片方は事業継続でき、片方は倒産します。どこが違うか?見てみましょう。
ー | A社 | B社 |
現在 | 60円現金あり | 60円現金あり |
1カ月後 | 50円原価支払い | 50円原価支払い |
2カ月後 | 150円売上回収 | 50円原価支払い |
3カ月後 | 50円原価支払い | 150円売上回収 |
計 | 110円現金あり | 110円現金あり |
倒産する場合
●どちらが継続できて、どちらが倒産するかわかりますか?
●倒産する企業は「企業B」ですね。なぜか?わかりますか?
その理由は、一回現金がマイナスに陥ってしまったからです。期末は確かに利益が出て現金が増加していますが、B社は黒字倒産します。
ー | A社 | A社の現金 | B社 | B社の現金 |
現在 | 60円現金あり | 60 | 60円現金あり | 60 |
1カ月後 | 50円原価支払い | 10 | 50円原価支払い | 10 |
2カ月後 | 150円売上回収 | 160 | 50円原価支払い | -40 |
3カ月後 | 50円原価支払い | 110 | 150円売上回収 | 110 |
計 | 110円現金あり | 110 | 110円現金あり | 110 |
現金がマイナスになった時点でアウト
●人間の血液の輸血でイメージするとわかりやすいです。A社は血液の一部を確保しつつ、輸血(利益)によって血液が増えました。
一方、B社は自分の血液を全部抜いてさらに足りない状態に陥ってから、大量の輸血をした感じですね。B社の場合は生命の危機に陥ることが理解できます。
赤字の場合は、借入などでテコ入れが可能ですが、手元に現金がないと事業活動ができず倒産となります。
手元に数か月分もつ現金が常に必要
●一般的に、事業活動の数か月分必要な現金を手元に持っておくのが理想です。家庭でも同じですよね!ある程度の貯蓄をもって、いざという時に慌てずに済むように!と同じです。
●一方、心配のあまり、多額の現金を確保するのは、逆に狙われます。ハゲタカファンドとか、現金のにおいでいろいろな誘惑が来ます。家庭でも、同じで、無駄使いとかやってしまうのと同じです。
②運転資金WCの確保
運転資金とは
●黒字倒産を防ぐには、どの値を注視しておけばよいか?を解説します。それが「運転資金(WC:Working Capital)」といいます。
運転資金の定義は広義・狭義といろいろありますが、一番わかりやすいのが次の式です。
運転資金の確保が重要
●手元に残す運転資金を増やす方法はシンプルで、
つまり、
- 売掛金⇒現金回収を早める
- 棚卸在庫⇒在庫を早く売る
- 買掛金⇒支払時期を延ばす
とすればよいですね。
③「掛け」をみればすぐヤバさがすぐわかる!
●運転資金にある2つの掛け金(売掛金)、(買掛金)を解説します。
売掛金
●個人のお店での売買なら、買ってすぐに支払うので、瞬時に売り上がります。しかし、実際は、あとで売上を回収する方が多いです。
メルカリで出品して500円の商品が売れたとしても、購入された瞬間に500円は入りませんよね。購入者が完了してから入金されます。購入時と回収時は一致せず、その差に数日のズレがあります。
●大きな例でいうと、大きな機械100億円を納入するメーカーがあったとします。大きな金額なので、3か月後とかだいぶ後になって入金されるのですが、その3カ月間は入金0円ですから、その状態でも事業活動ができるように現金管理が必要です。
●物件が大きいと、入金も大きいけど、回収までは現金が無いので倒産リスクも上がる点に注意です。
買掛金
●売掛と逆で、支払う時期に支払うものです。買った瞬間に支払うのではなく、支払期限がついているものですね。
●個人なら、クレジット支払いが相当します。企業なら、購入瞬時の支払いはほぼ無く、期限を設けて支払います。
●昔、クレジット破産する人がいました。これは、買掛金ばかり増えて、支払時期に現金がマイナスになって破産するケースですね。
掛け金の支払い時期は、力関係で決まりがち。
●気を付けておかないと、売掛金が増えて、買掛金が減る状態になります。つまり、
相手は自分からはすぐに支払って欲しいから
掛けのバランスが、日々の現金に影響しますので、会計、調達部門はいつも目を張っています。
④下請法の意義
資本が少ない企業ほど運転資金はカツカツ
事業活動すると、様々な企業から買い物が増えますが、支払いについては下請法をよく勉強しなければなりません。
下請法の背景は、資本が少ない企業ほど運転資金はカツカツで、すぐに支払わなければ黒字倒産につながるからです。
●優良な企業がたくさんあるのに、運転資金の枯渇で倒産は社会にとって、もったいないことです。
●下請法にかかる企業と取引する際は、相手先の運転資金を考慮して、迅速な支払いや適正な価格取引をしましょう。会社間の力関係だけでなく、各々の企業の運転資金を維持するためです。
まとめ
【MBA】赤字よりヤバい黒字倒産を解説しました。
- ①黒字なのになぜ倒産する?
- ②運転資金WCの確保
- ③「掛け」をみればすぐヤバさがすぐわかる!
- ④下請法の意義
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