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【MBA】投資判断に必要なNPV法とIRRがわかる

ファイナンス

「NPV法とかIRRって何?」と疑問に思いませんか。

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【MBA】投資判断に必要なNPV法とIRRがわかる

投資判断に必要なNPV法とIRRがわかる

  • ①NPV(正味現在価値)法とは
  • ②IRR(内部収益率)とは
  • ③割引率rの値の決め方

●この記事は、下の関連記事の続きです。ご覧ください

【MBA】キャッシュフローとDCF法がわかる
キャッシュフロー、DCF法が説明できますか? 本記事ではファイナンスの基本となるキャッシュフロー、現在価値の評価方法をわかりやすく解説します。ファイナンスは難しいですが、本記事が理解できるとファイナンスの基本がわかったとして自信もってよいです。

①NPV法とは

NPV法とは

●未来のお金は不確定要素分を割り引く、
●数年にわたり入ってくる収入は等比数列の和で求める
ことがわかれば、NPV法は簡単です。

NPV(Net Present Value:正味現在価値)法とは
将来得られるキャッシュフローと初期投資額の差分をみて、投資の意思決定する方法

DCF法を使って式で書くと、
NPV=\(\sum_{i=1}^{n}\frac{CF_i}{(1+r)^i}\)―初期投資額
後ろの「初期投資額」の項が入りますね。

NPV法を使った事例

●例えば、子供を大卒にするか?高卒で就職するか?どちらがお得か?を考えましょう。

●大学4年間:学費は全部で1,000万円
●就職後、大卒と高卒の給料の差 50万円/年(22歳-60歳定年の年平均)
の場合どうでしょうか?

お金がすべてではありませんが、NPV法を用いた演習例と割り切りましょう。

大学で勉強するもの偉い!し、18歳で仕事するのも偉い!です。

NPVで計算します。キャッシュフローは38年間で考えるので、永年年金法で計算します。
割引率は低めの5%とします。
NPV=50/0.05―1,000=0
つまり、投資してもしなくても、どちらでもよいという結論ですね。

もちろん
●学費、年収差によってNPVの正負が変わってきます。

こんなざっとした計算でも、将来の不確定要素を加味して現在価値で評価するので、適切な判断がしやすくなります。

あとは、
・投資マンションは妥当か?
・投資株は妥当か?
・この人と結婚しても大丈夫か?
なども、NPV法で評価してもよいでしょうね。

②IRR(内部収益率)とは

IRR(内部収益率)とは

●キャッシュフローCF、現在価値NPVについて、解説してきましたが、今度は、割引率rについて解説します。

NPV法で投資した方がよいとわかったら、
次はリスクである割引率rがいくらまでなら大丈夫か?
って気になりますよね。
IRR(内部収益率)とは、
NPV=0になるときの割引率r

NPV=\(\sum_{i=1}^{n}\frac{CF_i}{(1+r)^i}\)―初期投資額=0
となるrの値。

IRR(内部収益率)は手計算では厳しい

例えばi=1なら
NPV=0=\(\frac{CF}{1+r}\)-\(CF_0\) (\(CF_0\):初期投資額)
\(r=\frac{CF}{CF_0}-1\)
と計算できます。

i=2なら、2次方程式になるので、計算がしんどくなります。
NPV=0=\(\frac{CF}{1+r}\)+\(\frac{CF}{(1+r)^2}\)-\(CF_0\)

iが3以上なら3次方程式になり、手計算では出せません

IRR(内部収益率)はExcelを使って計算しよう!

Excelに関数「IRR(範囲)」を使って一発で計算してくれます。下表に例を挙げます。

初期投資2,000万円で毎年500万円が5年間入る場合

A B C D E F
1 初期投資 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
2 -2000 500 500 500 500 500
3 IRR 8% =IRR(A2:F2)

NPVとIRRの関係

上の投資の例をもとに、NPVとIRRの関係を考えます。下図のとおりです。

NPV-IRR

●割引率が0の場合は、当然500×5-2000=500万円となり、上図のy切片に来ます。
割引率rが増えるにつれて、キャッシュフローの現在価値が下がるので、NPVが低下します。

●割引率r=8%のときにNPV=0なので、IRR=8%とわかります。
さらに割引率rが増加するとNPVは負になるので、投資は妥当ではないという判断になります。

NPV法で投資した方がよいとわかったら、
次はリスクである割引率rがいくらまでなら大丈夫か?
がわかるようになりましたね。

③割引率rの値の決め方

●将来の不確定要素を割引く、割引率rをいくらにしたらよいか?が気になります。

割引率r の値は一律決まっていない。
投資者の経験で決める値

●周囲に聞いた話だと、

  1. 超安全な企業が倒産する確率r=5%
  2. ちょっとリスクを加味したい場合r=8%
  3. ベンチャー企業の場合r=10~15%
  4. あまり信用できない場合r=20%

●1万円の現在価値をそれぞれの割引率を持った人で評価すると下表のようになり、随分結果が変わります。

割引率r 5% 8% 10% 15% 20%
10000 10000 10000 10000 10000
1年目 9524 9259 9091 8696 8333
2年目 9070 8573 8264 7561 6944
3年目 8638 7938 7513 6575 5787
4年目 8227 7350 6830 5718 4823
5年目 7835 6806 6209 4972 4019
6年目 7462 6302 5645 4323 3349
7年目 7107 5835 5132 3759 2791
8年目 6768 5403 4665 3269 2326

割引率は、自分の経験や感覚、所属する組織で決めているので、その値を使いつつ、いくつか割引率rの値を変えてみて、対象とするものの現在価値の値が妥当かどうか確認しましょう。

DCF,NPV,IRRは計算が簡単なので、数字遊び程度で、何度も計算して確認できます。この繰り返しがファイナンスの理解を深めることができます!

ファイナンス専門家でなくても、ここまで頭でさっと計算できると、素人ではない目線で物事を考えることができます。

まとめ

【MBA】投資判断に必要なNPV法とIRRを解説しました。

  • ①NPV(正味現在価値)法とは
  • ②IRR(内部収益率)とは
  • ③割引率rの値の決め方


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