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日本製鉄シアン流出の真因を分析!

品質不正

「日本製鉄シアン流出の真因は何か?」と疑問に思いませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

日本製鉄シアン流出の真因を分析
どの企業でも不正の危機が襲ってきます。
2022年6月に公表した、リアルタイムな記事を一緒に分析してきましょう!
  • ①大事なマインド
  • ➁不正の内容
  • ➂不正の原因と再発防止策
  • ➃不正のホントの真因を考えよう!
  • ➄(参考)過去の類似事件
  • ⑥今後の経過を見守ろう!(自分ごととして)
不正は、技術・製造・検査・品質部門だけの問題ではありません。
経営課題として全社的な問題です。
不正を解くとは、
経営×品質(または環境)の応用問題です。

不正をした相手への批判ではなく、表に出ない真因を考え抜く力を身に着けるためにブログ記事として解説していきます。

①大事なマインド

不正を学ぶ最も大切なマインドを最初に解説します。

●関連記事で解説しています。まず、こちらを読んでください。

【必読】品質不正を考える正しいマインドがわかる【褒めて応援すべし!】
品質不正の報道が出たら、その相手を叩こうとしていませんか?本記事では品質不正に対する正しいマインドを解説します。厳しい競争にさらされつつ、挑戦する社会では、失敗もつきものですよ。失敗をある程度許容して、反省して成功につなげやすいマインドが 必須です。

●大事な3つのマインドを再掲します。

  1. 不正を打ち明けた企業・組織を褒めよう!
  2. 対岸の火事ではない!
  3. 「失敗は成功のもと」につなげよう!

●悪い膿を出して、再生・復活する企業・組織を応援しましょう。もちろん、不正した相手の誠意が前提です。

➁不正の内容

日本製鉄の報告書と、ネットニュースからまとめると、

●日本製鉄東日本製鉄所君津地区(君津市)から有害物質シアン(脱硫液)が流出。
過去3年間で400回の測定中39回も水質基準を超過する有害物質が流出したにもかかわらず、千葉県に報告せず。
●水質測定データの不適切な扱い
関係機関に報告した値より、排水基準超過を含む高い(悪い)測定データが社内にあった。(データ改ざん?)

流出した物質が、シアン化合物とヤバい物質なので、事が大きくなっています。

➂不正の原因と再発防止策

報告書に書いている内容として

不正の原因

高炉で発生した処理水(シアンおよび窒素を含有)は、各処理槽へ移送された後、所内プロセスにおいて再使用する。しかし、再使用先での使用量変動や多量の降雨、設備トラブルなどにより各処理槽への流入と吐出のバランスが崩れ、処理槽上部から越流を起こすことがあった。そのため、処理槽から越流した排水が雨水排水系統に流入し、排水基準を超える有害物質が流出

不正の対策

  1. 水質測定における排水基準や協定値の超過が認められた場合の対応ルール強化
  2. より盤石な行政報告プロセスへの改善
  3. 有害物質除去設備強化

発覚から2か月経過して、現状わかる原因と再発防止策が書いてあり、納得感はあります。

➃不正のホントの真因を考えよう!

QCプラネッツとしては、

不正は、技術・製造・検査・品質部門だけの問題ではありません。
経営課題として全社的な問題です。

有害物質が流出するヤバさはわかっていたが、それができない経営課題があったのではないか?と考えると、ホントの真因も見えるし、他社にも同様のリスクが見えて、未然防止に活かせるのではないか?と考えています。

そこで、ホントの真因を見るために

  1. 真因がわかるようにもっとツッコむ!
  2. QCDバランスの崩れからホントの真因が見えないか?

真因がわかるようにもっとツッコむ!

  1. なぜ3年も放置だったのか?
  2. なぜ3年で表面化したか?
  3. シアンがヤバい物質とわかれば流出防止しようとプロなら対応するはずだが、なぜしかなったのか?できなかったのか?
  4. 過去に他社などの類似例はないか?

QCDバランスの崩れからホントの真因が見えないか?

関連記事のになるように、

品質不正は、QCDバランスが崩れて起きる事象です。30社の分析結果、すべてこのQCDバランスで品質不正の真因が説明できます!
今回は品質ではなく、環境問題であるが、同様に無理なコストカット(C)や納期必達(D)の圧力が企業内にかかっていなかったかどうかを想定できるかどうかを考える。

品質不正起こす企業あるあるは、

  1. 厳しい競争にさらされている
  2. 異様な権力者が牛耳っている
  3. 上にモノが言えない風土、組織内が疎
  4. 無理なコストカットや売上至上主義
  5. 無理な納期必達

これらが、結果的に、有害物質の流出防止を疎かにし、3年も不正が続いてしまったではないか?

まだ、真因が特定できる時点ではないので、いろいろ考えていきましょう。

➄(参考)過去の類似事件

よく調べると、過去に類似の事件が同業他社で起きていました。2004年の出来事です。

次の2つのサイトを引用します。


JFEシアン垂れ流し事件の概要

海上保安庁千葉海上保安部(以下千葉海保)がJFEスチール東日本製鉄所(旧川崎製鉄・千葉市中央区)の護岸付近から強アルカリ(pH12以上)の違法排水を発見し、千葉県と千葉市に通報(2004/12/16)。
その後のJFEによる内部調査で2001年4月から04年末にかけ、水質管理データ8万9,642件のうち1,109件のデータ改ざん(基準値内のデータに書き換え)があったが判明した。

JFEシアン垂れ流し事件の原因

原因は

  1. 製鉄過程から出る鉱さい(廃棄物)に雨水が入り、排水溝以外から海域へ浸出
  2. 製鉄工程、排水設備の不完全さ、防液堤の高度不足などが海域流出の原因
  3. 廃酸輸送のタンクローリー車の管理不徹底で漏れたろ液が舗装道路の雨水側溝に流出
  4. 水質管理担当者によるデータ改ざんは確認できただけでも3年余にわたっており、前任者もやっていたというからほぼ10年間もデータ隠しが行われていた

今回の日本製鉄の事件とよく似ていませんか?

過去の不正・事故・失敗は繰り返す。
忘れた頃に再発することが多い!

⑥今後の経過を見守ろう!(自分ごととして)

今後、情報が来次第、ブログを更新します。

大事なのは、

不正は、技術・製造・検査・品質部門だけの問題ではありません。
経営課題として全社的な問題です。
  1. 不正を打ち明けた企業・組織を褒めよう!
  2. 対岸の火事ではない!
  3. 「失敗は成功のもと」につなげよう!

あなたの企業、組織では大丈夫でしょうか? 再確認して、未然防止につなげましょう!

まとめ

「日本製鉄シアン流出の真因を分析!」を解説しました。

  • ①大事なマインド
  • ➁不正の内容
  • ➂不正の原因と再発防止策
  • ➃不正のホントの真因を考えよう!
  • ➄(参考)過去の類似事件
  • ⑥今後の経過を見守ろう!(自分ごととして)


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