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【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる

QC検定®3級

「QC検定®3級に出て来る、標準化やISOがなぜ必要なのか、よくわからない。」、と困っていませんか?

こういう疑問に答えます。

本記事のテーマ

【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史がすぐわかる
標準化、ISOが社会に浸透していった背景・理由をよく考えましょう。
標準化、ISOの成り立ちが理解できると、
「やらされる標準化、ISO」から
「自分で考える標準化、ISO」に変えることができます。
  • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
  • ①標準化の歴史で学ぶべきこと
  • ②標準化の歴史は意外と浅い
  • ③ISOが出来た理由
  • ④ISO9001が有名になった理由

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●商標使用について、
①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる

QCプラネッツでは、QC検定®3級受験者、および品質管理初心者の方に、馴染みにくい品質管理用語や概念をわかりやすく解説します。

QC検定®3級共通として、まず、勉強方法を読んでください。

【QC検定®3級】勉強方法がわかる
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①標準化の歴史で学ぶべきこと

●先に本記事の結論を書きます。

  1. 標準化やISOは自然にできて浸透したわけではない
  2. 新しい概念は、最初は皆から嫌われる
  3. 互いの利益を満たすものや、強制せざるを得ない環境が、新しい概念を浸透させる
  4. 戦略的に新しい概念を浸透させる活動が重要

標準化社会、ISOが当たり前の社会ですが、そもそもは
「標準化、ISOが無いのが当たり前の社会だった」し
「標準化に反対した人は多かった」し、
「標準化せざるを得ない時代に突入した」し、
その結果、標準化社会、ISOが世界中に浸透していったのです。

自然に浸透することはありません。浸透するまでの歴史観を解説します。

②標準化の歴史は意外と浅い

標準化は160年くらいしかない

標準化の最初は、1850年ごろのアメリカです。第1次産業革命のイギリスよりかなり後です。意外ですよね。

産業革命があっても、その場で個別の部品交換で済むなら、標準化は不要でした。だから、大型機械を向上で稼働する第1次産業革命では、標準化は社会に浸透しませんでした。

第2次産業革命以後、特に米国では、銃が浸透します。当時の銃は品質が悪く、現地・戦闘中での部品の交換が必須になりました。いつでも、どこでも交換できる部品でなければ、戦闘で負けてしまいます。

このような、現地ですぐ交換できる製品の登場によって標準化の必要性が出て来ました。

標準化の歴史は浅い!
「意外?」なのか?「そうだよな!」と両方思う人が必ずいます。
なぜか、わかりますか?

標準化はメリットが多いのに歴史が浅い

標準化とは、同レベルの品質のものが安価ですぐ手に入る便利なことですよね。

●いつでもどこでも簡単に安く手に入る
●どのメーカーの部品でも使ってもよい

標準化していないと、個別の部品を個別の会社から発注しないといけません。これじゃ、面倒くさいです。

だから、標準化は現代には必須。
標準化していない社会なんてありえない!

標準化を嫌がる人は多い

でも、過去も、今も、標準化を嫌がる人はたくさんいます。

標準化を嫌がる理由は何でしょうか?

理由は、簡単です。

  1. 今までの仕事のやり方を変えないといけないから嫌だ
  2. 薄利多売になるから商売があがったりで困る

誰がやっても、同じ結果にするのが「標準化」ですから、そりゃ、仕事がなくなりますよね。だから皆、嫌がるんです。

20年同じ仕事で飯食ってきた人に、「自動化するんで仕事不要です!」って言うと、めっちゃ、反対されますのを簡単に想像できるでしょ! それと同じです。「俺はこれで飯食ってきたんだ!」という必死さ。

標準化は使い手には便利だけど
作る手にとっては死活問題

いい概念であっても、社会が受け入れない理由がここにあります。
現代では、リモートワーク環境がIT技術で整っていても、コロナ禍前までは通勤していましたよね。

便利なリモートワーク技術があるのに、わざわざ遠方の会社まで通勤していたのと同じ感覚です。

③ISOが出来た理由

強制的に標準化せざるを得ない時代に入った

アメリカでは、標準化や管理科学が発展しました。でも、皆からの反対を受けて、社会に導入されるまで数十年かかっています。現代でいうとリモートワーク技術があるのに、会社への通勤を数十年やっていたのと同じです。

ここに、「強制的に標準化せざるを得ない時代に入ります。」

強制的に導入せざるを得ない状況は、
「戦争」、「疫病」、「自然大災害」
など、生死にかかわる状況に陥った場合

標準化は、「2つの世界大戦」によって皮肉にも発展を遂げました。
デジタル技術は「コロナ禍」ですね。

コロナ禍によって、生活が変わるので不自由な気持ちになりましたよね。戦争はさらにひんどいものです。

第1次世界大戦で標準化に切り替えた国

アメリカですが、第1次世界大戦では、「標準化」する法律を作って、統制しました。

●部品、生産管理、製造工程の標準化
●作業員の作業工程の標準化
など、私生活を含め、行動に標準化を求めました。

今は、アメリカは強大国になり、
トヨタウェアなどの標準化の成功事例があるので、
皆ある程度は標準化に賛成しますが、
最初、成功するかわからない中で、すべての行動が統制される
生活にさせられるってのは、相当ストレスだったと想像できます。

標準化を浸透させた国は強くなった

●実は、軍事品の標準化や品質管理を発展させた国は、世界大戦によって強大国になることがわかったのです。

日本は、ゼロ戦を作って、開戦時は有利でしたが、物量と生産管理の有無によって敗戦となりましたね。

だから、戦後は、どの国も、標準化して統制すると国家が強くなる!ことを理解していたのです。

世界大戦の先は、国際協調より世界支配ではないか?

●日本の歴史の教科書をよく考えると、事実は間違っていないけど、ちょっと変です。

「戦後、戦いはこりごりなので、国際協調として国連、ISOなどの国際機関が整備された」

という、感じで書いていますよね。

でも、戦勝国から見ると、

「世界大戦」で勝ったから「世界支配」したいと考える方が自然

なので、「世界支配」したい国々が争うようになります。
ただ、争うにしても、戦争はこりごりなので、軍事ではなく、ビジネスなどの民事の方で、有利になるよう競争を加速しようとするはずです。

●ジャイアンどうしが争うイメージです。
・「俺のルール」は「俺のもの」
・「お前のルール」も「俺のもの」
つまり、国際ルールをジャイアンのように、何でも自分ペースでことを進ませたい国が出て来たわけです。

これが、国連やISOなどの国際機関の登場と考えましょう。

1947年に設立されたISO
・建前は「国際協調」、「みんな仲良く」
・本音は、「俺のルールに従え!」

本音の部分を良く理解しましょう。これがわかると、国際協調や、標準化戦略が平和ボケした日本人的感覚から世界的感覚に進化できるはずです。

ISOの各規格は、ジャイアンが決めたルールと見てもよいでしょう!

④ISO9001が有名になった理由

ISOが1947年にできました。その40年後にISOのヒット作であるISO9001がスタートします。

いまでは、ISO9001がISOの代名詞なので、マネジメントシステムを管理する規格の色が強いです。

でも、ISO9001が出るまでは、各製品の作り方や寸法の規定しかなかったISOにとっては異色の規格だったのです。

ここで、質問!。下の問いがわかりますか? 何となくISO9001が発展したわけではありません。

  1. なぜマネジメントシステムという異色の規格ができたのか?
  2. なぜ、40年もかかったのか?
  3. なぜ90年代以降取に取得する組織が一気に増加したのか?

なぜマネジメントシステムという異色の規格ができたのか?

実は、冷戦が大きく影響しています。

冷戦が世界標準につなげた

●ISOが発足した時代は、世界大戦から冷戦へ突入したころです。

冷戦が標準化を世界規模に拡大させた

冷戦は「ヤバい時代」でした。今もそうですけど、
いつでも、どこでも戦争ができる状態だからヤバい!

でも、よく考えると、いつでも、どこでも戦争ができる状態には、
・同盟国間での軍事品のルールや規格をそろえる必要がある
・同盟国からいつでもどこでも調達を可能にしたいから標準品が求められる
・同盟国間の軍事コストを下げたいので、標準化は加速する
・同盟国は世界中に分散しているので、世界標準が作りやすくなった

と、民事やビジネスにとっては、発展しやすい土壌ができたと言えます。

マネジメントシステムを標準化する必要性

●実は、米国は旧ソ連に対して軍事開発競争をしており、なかなか成果が出ないことにいら立て、優秀大学の研究生を送り込んで、原因調査させました。その結果が、意外すぎるものでした。

  1. 使っている文書が人によってバラバラで伝達ミスが多い
  2. コミュニケーション不足でヌケモレが多い
  3. トップの考えが担当者に浸透していない

など、技術的な要素ではなく、組織管理の要素が原因とわかったのです。これがマネジメントシステムのきっかけです。

なぜ、1947年から40年もかかったのか?

簡単に冷戦時代によって国際標準化の土壌ができたと書きましたが、それなりに時間がかかります。

ざっと、3つのステップでISOにマネジメントシステムを導入することになります。1つのステップで10年くらいはかかります。規定して実行して効果を確かめて、何度も何度も改善していくわけですから。

  1. 米国内での軍事規格にマネジメントシステムが導入
  2. 徐々に同盟国側にもマネジメントシステム規格が浸透
  3. 軍事規格をベースに民事(商慣習)へのルールへ浸透

なぜ90年代以降取に取得する組織が一気に増加したのか?

ここで、疑問に思ってほしいのは、

1991年までは、国際協調、国際標準化は冷戦と強くリンクしていた。
冷戦が終わった後、不要と思われる国際標準化がなぜさらに浸透したのか?

冷戦までは、建前ではあるが、国際協調、国際標準化が必要でした。でも、冷戦が終わると、別に要らないとしてもよいですよね。不思議と思いませんか?

実は、時代の進化によって2つの新しい流れができたからです。

  1. デジタルの発展による多種多様な産業の創出
  2. 新興国の発展によるビジネスのグローバル化

半導体やソフトウェアの発展によって、90年代以降にサービス産業がたくさんできました。日本ならソフトバンク、楽天などの企業、米ならGAFAなどあります。80年代からあった企業はアップルだけですよね。

80年代まではハードウェアが中心だったモノづくりに、ソフトウェアが組み合わせることによって、たくさんのビジネスが生まれました。

また、グローバル化が加速し、GATTからWTOに国際機関も進化させて、取引先企業のグローバル化が加速しました。

産業が一気に増えて、取引先も一気に増えると
共通ルールの整備が必要ですよね!

だから、ISO、ISO9001が90年代以降、どんどん取得組織数を増やす結果になったのです。

そのときの時代背景をよく考えて想像して、現在に至った背景・理由をよく考えると深く理解できます。
過去のISOの流れがわかると、今後のISOを使ったビジネス戦略をうまく立てることができます。

QC検定®に関係なく、重要な歴史観として読んでください。

まとめ

【QC検定®3級】標準化、ISOの歴史をわかりやすく解説しました。

  • ⓪(QC検定®3級共通)QC勉強方法がわかる
  • ①標準化の歴史で学ぶべきこと
  • ②標準化の歴史は意外と浅い
  • ③ISOが出来た理由
  • ④ISO9001が有名になった理由


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