投稿者: QCプラネッツ

  • 【初心者必見!】確率変数の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    【初心者必見!】確率変数の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    「確率変数の期待値と分散がいまいち解けない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】確率変数の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)

    おさえておきたいポイント

    • ①確率分布関数と確率の違いを理解する
    • ➁確率変数の期待値と分散が解ける演習問題
    • ➂確率変数の期待値と分散が解ける演習問題1
    • ➃確率変数の期待値と分散が解ける演習問題2
    • ➄確率変数の期待値と分散が解ける演習問題3
    • ⑥確率変数の期待値と分散が解ける演習問題4
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    確率分布関数と確率の違いは説明できますか?
    確率計算には数列、積分が有効です。是非、慣れましょう!
    高校数学で解ける演習問題で慣れましょう!

    ①確率分布関数と確率の違いを理解する

    確率分布関数とは

    確率分布関数
    累積分布関数
    確率密度関数
    とかいろいろありますが、
    違いがわかりますか?

    実は、そんなに違いを意識する必要なく、

    ある点の確率をプロットしたのが確率分布関数で
    求めたい区間の確率を数列の和・積分で計算するのが確率

    確率分布関数

    という感覚でOKです。

    確率分布関数
    累積分布関数
    確率密度関数
    とかいろいろありますが、
    違いを理解するよりは
    確率は数列と積分を使いまくる!
    の意識の方が大事です!

    確率分布関数の和・積分が確率

    確率を求める際、

    離散系の場合、数列を使うので
    ●確率Pr=ΣP
    ●期待値E[X]=ΣxPr, E[X2]=ΣxPr
    ●分散V=E[X2]-E[X] 2
    を活用します。

    数列のΣが出て来ます。

    連続系の場合、積分を使うので
    ●確率Pr=∫f(x)dx
    ●期待値E[X]=∫x f(x)dx, E[X2]= ∫x2 f(x)dx
    ●分散V=E[X2]-E[X] 2
    を活用します。

    積分の∫が出て来ます。

    なので、数列・積分・確率の練習をしましょう。

    ➁確率変数の期待値と分散が解ける演習問題

    4問用意しました。

    演習問題1

    【問1】
    1から10まで1枚ずつ記入した10枚のカードがある。この10枚の中から1枚任意に取り出し、k=1,2,3,4,5に対し、取り出したカードの数が2kなら、kをその値に、2k-1なら2k-1をその値にもつ確率変数Xを考える。このとき、E(X),V(X)を求めよ

    演習問題2

    【問2】
    2個のサイコロを同時に1回振るとき、
    (1) 2つの目の和の期待値と分散を求めよ。
    (2) 2つの目の積の期待値と分散を求めよ。

    演習問題3

    【問3】
    確率密度関数\(f(x)=\frac{1}{36}(-x^2+9)\) (-3 ≤ \(x\) ≤ 3)で定義される確率分布がある。
    (1) \( \displaystyle \int_{-3}^{3} f(x)dx \)を求めよ。
    (2) この確率分布の期待値と分散値を計算せよ。

    演習問題4

    【問4】
    正n面体(nは自然数)でできたサイコロがある。どの面も出る確率は同一で1/nとする。
    (1) 面i(1≤i≤n)が出る確率を離散型確率変数とする場合の期待値と分散値を計算せよ。
    (2) 面i(1≤i≤n)が出る確率を連続型確率変数とする場合の期待値と分散値を計算せよ。

    どうでしょうか? すべて高校数学で解ける問題で、大学入試で出題されても良い良問ばかりです。この4問を使って、確率を数列と積分で解く習慣をつけましょう。

    ➂確率変数の期待値と分散が解ける演習問題1

    問題

    【問1】
    1から10まで1枚ずつ記入した10枚のカードがある。この10枚の中から1枚任意に取り出し、k=1,2,3,4,5に対し、取り出したカードの数が2kなら、kをその値に、2k-1なら2k-1をその値にもつ確率変数Xを考える。このとき、E(X),V(X)を求めよ

    回答

    【解】大学入試で出題された問題です。実際に書き出して、期待値と分散を計算します。

    確率変数

    上表をもとに、数列を使って期待値、分散を計算します。

    ●期待値E(X)は
    E(X)=1・\(\frac{2}{10}\)+2・\(\frac{1}{10}\)+3・\(\frac{2}{10}\)+4・\(\frac{1}{10}\)+5・\(\frac{2}{10}\)+7・\(\frac{1}{10}\)+9・\(\frac{1}{10}\)=4

    ●分散V(X)は
    V(X)=\((1-4)^2\)・\(\frac{2}{10}\)+\((2-4)^2\)・\(\frac{1}{10}\)+\((3-4)^2\)・\(\frac{2}{10}\)+\((4-4)^2\)・\(\frac{1}{10}\)+\((5-4)^2\)・\(\frac{2}{10}\)+\((7-4)^2\)・\(\frac{1}{10}\)+\((9-4)^2\)・\(\frac{1}{10}\)=6

    数列を使った1問でした。

    ➃確率変数の期待値と分散が解ける演習問題2

    問題

    【問2】
    2個のサイコロを同時に1回振るとき、
    (1) 2つの目の和の期待値と分散を求めよ。
    (2) 2つの目の積の期待値と分散を求めよ。

    回答

    サイコロの問題は超有名なので、是非解きましょう。

    1つ目のサイコロの目と2つ目のサイコロの目の出方はそれぞれ独立とします。
    ●E(X)=\(\frac{1}{6}\)(1+2+3+4+5+6)=\(\frac{7}{2}\)
    ●E(X2)=\(\frac{1}{6}(1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2)\)=\(\frac{91}{6}\)
    ●E(X)E(Y)=E(X)E(Y)= \(\frac{49}{4}\)
    を使って問を解きます

    期待値E(X2)の計算も慣れましょう。

    (1)
    ● E(X+Y)=E(X)+E(Y)= \(\frac{7}{2}\)+\(\frac{7}{2}\)=7
    ●E((X+Y)2)=E(X2)+2E(X)E(Y)+E(Y2)
    = \(\frac{91}{6}\)+2・\(\frac{7}{2}\)・\(\frac{7}{2}\)+ \(\frac{91}{6}\)= \(\frac{329}{6}\)
    ●V(X+Y)= E((X+Y) 2)- E(X+Y) 2
    =\(\frac{329}{6}\)-49=\(\frac{35}{6}\)

    (2)
    ● E(XY)=E(X)E(Y)= \(\frac{7}{2}\)・\(\frac{7}{2}\)=\(\frac{49}{4}\)
    ●E((XY)2)=E(X2)・E(Y2)= \(\frac{91}{6}\)・\(\frac{91}{6}\)= \(\frac{8281}{36}\)
    ●V(XY)= E((XY)2)- E(XY) 2=\(\frac{8281}{36}\)-\(\frac{2401}{16}\)=\(\frac{11515}{144}\)

    機械的に計算しながら、公式や数列の計算に慣れていきましょう。

    ➄確率変数の期待値と分散が解ける演習問題3

    問題

    【問3】
    確率密度関数\(f(x)=\frac{1}{36}(-x^2+9)\) (-3 ≤ \(x\) ≤ 3)で定義される確率分布がある。
    (1) \( \displaystyle \int_{-3}^{3} f(x)dx \)を求めよ。
    (2) この確率分布の期待値と分散値を計算せよ。

    回答

    【問3】、【問4】は積分の演習問題です。

    高校数学ですね。簡単な式で期待値、分散の積分計算に慣れていきましょう。

    (1) \( \displaystyle \int_{-3}^{3} f(x)dx \)=\( \displaystyle \int_{-3}^{3} \frac{1}{36}(-x^2+9)dx \)
    =\(\frac{1}{36}\)\(\left[ -\frac{1}{3}x^3+9x \right]_{-3}^{3}\)=1
    全区間の積分、つまり、全確率は合計1です。そりゃ、そうですよね!

    (2)
    ●E[X]= \( \displaystyle \int_{-3}^{3} xf(x)dx \)=\( \displaystyle \int_{-3}^{3} \frac{1}{36}x(-x^2+9)dx \)
    =\(\frac{1}{36}\)\(\left[ -\frac{1}{4}x^4+\frac{9}{2}x^2 \right]_{-3}^{3}\)=0
    となります。確かにy軸に対象な関数なので、平均は0ですね!確かに!

    ●E[X2]= \( \displaystyle \int_{-3}^{3} x^2f(x)dx \)=\( \displaystyle \int_{-3}^{3} \frac{1}{36}x^2(-x^2+9)dx \)
    =\(\frac{1}{36}\)\(\left[ -\frac{1}{5}x^5+3x^3 \right]_{-3}^{3}\)=\(\frac{9}{5}\)
    より、
    ●V[X]= E[X2]―E[X] 2=\(\frac{9}{5}\)

    積分慣れていきましょう。
    ●E[X]= \( \displaystyle \int_{a}^{b} xf(x)dx \)
    ●E[X2]= \( \displaystyle \int_{a}^{b} x^2 f(x)dx \)
    を定義どおり、積分すれば確率・期待値・分散は計算できます。

    ⑥確率変数の期待値と分散が解ける演習問題4

    問題

    【問4】
    正n面体(nは自然数)でできたサイコロがある。どの面も出る確率は同一で1/nとする。
    (1) 面i(1≤i≤n)が出る確率を離散型確率変数とする場合の期待値と分散値を計算せよ。
    (2) 面i(1≤i≤n)が出る確率を連続型確率変数とする場合の期待値と分散値を計算せよ。

    回答

    (1)は離散系なので数列∑、(2)は連続系なので積分を使います。同じ問題ですが、連続系と離散系で計算結果が若干変わる点が面白いので、解いてみましょう!

    (1)
    ●期待値E=\(\sum_{i=1}^{n} i \frac{1}{n}\)=\(\frac{1}{n} \frac{1}{2}n(n+1)\)=\(\frac{1}{2}(n+1)\)
    ●分散V=\(\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{n}(i-\frac{n+1}{2})^2 \)=\(\frac{1}{12}(n+1)(n-1)\)

    (2)
    ●期待値E=\( \displaystyle \int_{0}^{n} xf(x)dx \)=\( \displaystyle \int_{0}^{n} x \frac{1}{n})dx \)=\(\frac{n}{2}\)
    ●分散V=E(X2)-E(X) 2=\( \displaystyle \int_{0}^{n} x^2 f(x)dx \)-\((\frac{n}{2})^2\)=\(\frac{n^2}{12}\)

    表にすると、離散系と連続系で結果が若干かわります。

    離散系 連続系
    期待値E \(\frac{1}{2}(n+1)\) \(\frac{1}{2}n\)
    分散V \(\frac{1}{12}(n+1)(n-1)\) \(\frac{n^2}{12}\)

    以上、数列・積分を使って、確率・期待値・分散が計算できることを確認しました。

    まとめ

    「【初心者必見!】確率変数の期待値と分散が解ける(高校数学で解ける!)」を解説しました。

    • ①確率分布関数と確率の違いを理解する
    • ➁確率変数の期待値と分散が解ける演習問題
    • ➂確率変数の期待値と分散が解ける演習問題1
    • ➃確率変数の期待値と分散が解ける演習問題2
    • ➄確率変数の期待値と分散が解ける演習問題3
    • ⑥確率変数の期待値と分散が解ける演習問題4

  • 【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)

    【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)

    「正規分布がいまいちよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)

    おさえておきたいポイント

    • ①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)
    • ➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)
    • ➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)
    [themoneytizer id=”105233-2″]
    正規分布は絶対勉強しないといけないけど、
    式が難しいし、
    正規分布表が何であるのかわからない
    など、最初悩みますよね!
    正規分布に慣れるには、
    高校数学の微分積分を使って
    実際にグラフを描いて、面積を求めてみましょう!
    \(e^{-\frac{x^2}{2}}\)の式に
    圧倒される必要はありません。
    自分の解けるテリトリーに持って行きましょう。

    正規分布に慣れる良問を持ってきましたので、一緒に解きながら慣れていきましょう!

    ①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)

    例題

    正規分布の分布関数\(f(x)\)=\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)のグラフを描く。
    (1) 極値と変曲点の座標を求めよ。
    (2) \(y=f(x)\)を描け

     理系の高校数学の定期試験問題レベルです。ここは、しっかり解けるようにしましょう。

    問(1)の回答

    微分します。
    ●\(f’(x)\)=\(-x e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    ●\(f’’(x)\)=\((-1+x^2 e^{-\frac{x^2}{2}}\)

    ここで、極値と変曲点を考えます。
    ●\(f’(x)\)=0のときは、\(x\)=0 で、
    ●\(f’’(x)\)=0のときは、\(x\)=±1 なので、
    増減表ができますね。

    正規分布

    増減表をもとに、概形を描くと下図になります。

    正規分布

    高校数学では、あまり\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)の式が出ませんが、特に気にせず、普通に微分積分すれば解けます!

    ➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)

    正規分布の式になぜ正規分布表があるのか?

    統計学やQCを勉強すると、必ず、正規分布表の読み方などを勉強しますが、
    何で、あんな表があるかわかりますか? この疑問を持つことの方が表の読み方の勉強より大事です!

    正規分布の式
    \(e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    は積分できない(不定積分が作れない)
    正規分布の式
    \(e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    の積分値は近似値で与えているのが現状
    でも、正規分布の式の定積分
    \( \displaystyle \int_{-∞}^{∞}e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)は計算できる!

    不定積分が計算できないのに、なぜか定積分は計算できる
    変な式です。だから、理解が難しい!

    だったら、簡単な近似式を作ってしまおう!

    次の例題に行きましょう。

    例題

    正規分布の分布関数\(f(x)\)=\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)をテイラー展開して4次の整式からなる近似式を作って、積分を考えたい。
    (1) \(f(x)\)=\(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8}\)と近似できることを示せ。
    (2) 正規分布から\( \displaystyle \int_{0}^{1} \frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)を求め、
    手計算から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)の結果と比較せよ。

    問(1)の回答

    テイラー展開は教科書どおりで、\(x=0\)のまわりで、テイラー展開すると
    \(f(x)\)=\(f(0)\)+\(\frac{f^{(1)}(0)}{1!} x^1\)+\(\frac{f^{(2)}(0)}{2!} x^2\)+\(\frac{f^{(3)}(0)}{3!} x^3\)+\(\frac{f^{(4)}(0)}{4!} x^4\)+…

    どんどん微分しましょう。この微分は良い練習です。是非計算しましょう!
    ●\( f^{(1)}(x)\)=\(-x e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    ●\( f^{(2)}(x)\)=\((-1+x^2) e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    ●\( f^{(3)}(x)\)=\((-x^3+3x) e^{-\frac{x^2}{2}}\)
    ●\( f^{(4)}(x)\)=\((x^4-6x^2+3) e^{-\frac{x^2}{2}}\)

    より、\(x=0\)を代入して、\(f(x)\)の近似式を計算すると、
    ●\( f^{(1)}(0)\)=0
    ●\( f^{(2)}(0)\)=-1
    ●\( f^{(3)}(0)\)=0
    ●\( f^{(4)}(0)\)=3
    となるので、

    \(f(x)\)=1-\(\frac{1}{2} x^2\)+\(\frac{1}{8} x^4\)

    近似式の概形と正規分布の概形を描いてみる

    近似式は4次関数で高2レベルですね。Excelでグラフを描いてみましょう。

    正規分布

    確かに、\(x=0\)付近は2つのグラフは重なっていますね。近似値からでも正規分布の定積分は精度よく求められそうですね。

    ➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)

    問(2)を再掲

    正規分布の分布関数\(f(x)\)=\(e^{-\frac{x^2}{2}}\)をテイラー展開して4次の整式からなる近似式を作って、積分を考えたい。
    (2) 正規分布から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)を求め、
    手計算から\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)の結果と比較せよ。

    では、2つの関数の積分を解いてみましょう。

    正規分布表から確認

    正規分布表から値を読みます。正規分布表の読み方は大丈夫でしょうか?一応解説します。

    Kp *=0 *=1 ・・・  *=9
    0.0* 0.5 0.496 ・・・ ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    1.0* 0.1587 0.1562 ・・・  ・・・
    1.1* 0.1357 ・・・  ・・・  ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

    上表のマーカ部でKp=1.00の値「0.1587」を見ますが、
    これは、\( \displaystyle \int_{1}^{∞}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)の値なので、
    0.5-0.1587=0.3413が、求めたい積分値\( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}} e^{-\frac{x^2}{2}}dx \)です。

    何を言っているかわからない場合は、正規分布の基礎を復習しましょう。関連記事を紹介します。

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    近似式の定積分

    \( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)を計算します。高2レベルです。

    \( \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{\sqrt{2π}}(1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^4}{8})dx \)
    =\(\frac{1}{\sqrt{2π}} \frac{103}{120}\)=0.3425
    となります。この計算もやってみてください。

    積分値の比較

    ●正規分布の場合は、0.3413
    ●近似式の場合は、0.3425
    とほぼ一致していますね。差は0.4%!

    グラフ見れば、x=0~1の区間は2つのグラフのyの値はほぼ一致していますね。

    正規分布

    以上、
    ①微分を計算してわかる正規分布の概形
    ➁正規分布の概形近似式の作り方
    ➂定積分の値の比較
    を解説しました! 正規分布にだいぶ慣れたはずです!

    まとめ

    「【初心者必見!】正規分布の概形、近似式、定積分が解ける!(高校数学で解ける!)」を解説しました。

    • ①正規分布の概形を描いてみよう!(高3レベル)
    • ➁正規分布に近いグラフを描いてみよう!(高3レベル)
    • ➂正規分布の積分の近似値を解いてみよう!(高2レベル)

  • 【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要なサンプリング問題集を発売します!

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要なサンプリング問題集を発売します!

    「QC検定®1級、2級合格したいけど、サンプリングが難解すぎてわからない!、解けない!」、など、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【QC検定®合格】サンプリング問題集を販売します

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらにQCをすべて研究して究めました。
    究めた結果、サンプリングがわかりましたので、問題集にしました!

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①サンプリング(特に分散)が難しすぎる

    QC検定®2級はサンプリングの種類を当てる問題⇒簡単
    QC検定®1級はサンプリングの標本平均の分散を求める問題⇒激ムズ
    ですよね。

    サンプリング(特に分散)の難しさ

    \(V(\bar{\bar{x}})\)が意味不明だし!
    V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)が覚えられないし!
    代入がうまくできない!
    V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)の導出が激ムズで
    結局公式暗記しかない!
    有限母集団近似って何?
    \(\frac{N-n}{N-1}\)項の導出も激ムズで
    有限母集団近似する・しないの判断も難しい
    問題文から\(V(\bar{\bar{x}})\)の式をどういじって、値を代入すればいいか躊躇する!

    ですよね。

    QC検定®1級のサンプリング問題はほぼ点数がとれず困っている
    だから受験もしたくない。。。

    ですよね。

    効率よく最小限の内容でカバーしたい

    と言っても、

    ●品質管理の仕事をしているから不合格は格好悪い
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    だから、

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    QCや統計の基礎がマスターできる教材はないの?

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    ご安心ください。
    QCプラネッツが作りました!

    サンプリングを理解するために必要な3要素

    QCプラネッツはQC検定®1級合格しましたが、
    合格しただけで、何もわかっていない状態でした。

    なので、3年以上研究して、650のブログ記事を書き上げて、
    QCを究めました!

    そして、わかったことがあります。

    サンプリングを理解するために必要な3要素がある

    「3要素」を具体的に書くと、

    1. まず、V⇒Vか、V⇒V/nの区別がつくこと
    2. サンプリングの分散を実データで計算体験をすること
    3. パターン問題と公式代入に慣れること

    の3つがベースです。

    今回の、サンプリング問題集は、
    QC検定®1級向けの
    2段サンプリングの分散公式攻略を
    中心にまとめました。

    数少ないサンプリング問題から20題まで拡張して作り上げた問題集です!

    では、商品を紹介します!

    ➁問題集のメリット

    本問題集を学ぶメリット

    1. 基本である、標本分散と標本平均の分散の違いを理解する
    2. 2段サンプリングの分散公式に慣れる
    3. 難しいけど、有限母集団近似、2段サンプリングの分散公式を導出する

    逆にデメリットは

    1. 勉強しないと習得できない
      ⇒それはしゃーない!ですよね(笑)

    是非、ご購入いただきたいです。
    次に、全問題の内容を紹介します!

    ➂内容の範囲

    QCのサンプリング問題集の全問題を紹介!

    20題の問題内容と単元を紹介します!

    苦手な問題があれば、勉強して強化しましょう!
    どこが苦手かをチェックしながら各問を見ましょう。
    問題 内容
    1 あるデータとその平均値の期待値と分散1
    2 あるデータとその平均値の期待値と分散2
    3 あるデータとその平均値の期待値と分散3
    4 有限集団の分散
    5 検定問題
    6 あるデータとその平均値の期待値と分散4
    7 あるデータとその平均値の期待値と分散5
    8 2段サンプリングの分散公式1
    9 2段サンプリングの分散公式2
    10 2段サンプリングの分散公式3
    11 2段サンプリングの分散公式4
    12 2段サンプリング1
    13 層別(比例)サンプリング
    14 2段サンプリング2
    15 2段サンプリングの費用関数1
    16 2段サンプリングの費用関数2
    17 2段サンプリング3
    18 2段サンプリングの費用計算3
    19 有限母集団の修正項の導出
    20 2段サンプリングの分散公式を導出

    特に、紹介したいのが、

    1. 標本と標本平均のばらつきの違いを理解
    2. 標本平均の分散公式を練習
    3. 2段サンプリングの演習問題

    という20題です。

    解説も充実!

    丁寧な解説ページやQCプラネッツのブログ記事を活用してわかりやすく解けますので、ご安心ください。

    全問解いた結果、結局
    標本分散と標本平均の分散の区別から
    確率変数、検定と推定への理解が増すこと

    サンプリングの問題はクリアーできます!

    是非、ご購入ください。

    ➃【問題集ご購入方法】

    本ブログとnoteから販売しております。
    「QCプラネッツ」で検索ください。

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    1500円/1冊
    とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

    問題集の閲覧アクセスのみ可とさせていただきます。(転売防止のため)
    ご購入後、メールにて、アクセス先をご案内させていただきます。

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    電子販売もしています。こちらへアクセスください。

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要なサンプリング問題集を発売します!

    まとめ

    「【QC検定®合格】サンプリング問題集を販売します」、ご購入よろしくお願いいたします。。

  • 2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる

    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる

    「2段サンプリングの費用関数で最適配分の式の求め方がわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる
    • ①2段サンプリングの費用関数
    • ➁最適配分の式を導出

    QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集を販売します!

    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

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    【2段サンプリングの費用関数】
    \(C=c_0+c_1m+c_2m\bar{n}\)
    としたとき、
    【最適配分の式】
    \(\bar{n}^2\)=\(\frac{c_1}{c_2} \frac{σ_w^2}{σ_b^2}\)
    を使って計算しますが、
    どうやって
    \(\bar{n}^2\)=\(\frac{c_1}{c_2} \frac{σ_w^2}{σ_b^2}\)
    が出て来るの?
    を解説します!

    ①2段サンプリングの費用関数

    費用関数をよく次のように定義します。

    【2段サンプリングの費用関数】
    \(C=c_0+c_1m+c_2m\bar{n}\)
    ●\(c_0\):初期コスト
    ●\(c_1\):1次サンプルの費用
    ●\(m\):1次サンプルの大きさ
    ●\(c_2\):2次サンプルの費用
    ●\(\bar{n}\):2次サンプルの大きさ
    と定義します。

    確かに、1次サンプルしてから、2次サンプルしますから、費用は加算されていくイメージですね。

    ➁最適配分の式を導出

    最適配分

    最適配分の式は、

    【最適配分の式】
    \(\bar{n}^2\)=\(\frac{c_1}{c_2} \frac{σ_w^2}{σ_b^2}\)

    最適配分の式を導出

    上の式をよく使いますが、導出します。

    導出過程は、

    1. 費用関数の式を変形する
    2. 2段サンプリングの標本平均の分散\(σ_{\bar{\bar{x}}}^2\)を定義する
    3. 標本平均の分散を\(\bar{n}\)の変数として偏微分=0の条件を作る

    で解いていきます。

    (i)費用関数の式を変形する

    費用関数
    \(C=c_0+c_1m+c_2m\bar{n}\)
    を\(m\)の式に直します。

    \(m\)=\(\frac{C-c_0}{c_1+c_2 \bar{n}}\)=(式1)

    (ii)標本平均の分散

    2段サンプリングの標本平均の分散を有限集団近似せずに次の式のようにおきます。計算がシンプルになるためです。

    \(σ_{\bar{\bar{x}}}^2\)=\(\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{σ_w^2}{n}\)
    とします。なお、\(n\)=\(m\bar{n}\)の関係から
    \(σ_{\bar{\bar{x}}}^2\)=\(\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{σ_w^2}{ m\bar{n}}\)=(式2)

    (式2)に(式1)を代入します。
    (式2)
    =\(σ_{\bar{\bar{x}}}^2\)=\(\frac{c_1+c_2 \bar{n}}{C-c_0}\)+\(\frac{c_1+c_2 \bar{n}}{ C-c_0} \frac{1}{\bar{n}} σ_w^2\)
    =\((\frac{c_1}{C-c_0}σ_b^2+\frac{c_2}{C-c_0}σ_w^2)\)+\(\frac{c_2 σ_b^2}{C-c_0} \bar{n}\)+\(\frac{c_1 σ_w^2}{C-c_0} \frac{1}{\bar{n}}\)
    =(式3)

    (iii)偏微分=0の条件

    (式3)において、偏微分\(\displaystyle \frac{\partial σ_{\bar{\bar{x}}}^2}{\partial \bar{n}} \)=0を解きます。

    \(\displaystyle \frac{\partial σ_{\bar{\bar{x}}}^2}{\partial \bar{n}} \)=\(\frac{c_2 σ_b^2}{C-c_0}-\frac{c_1 σ_w^2}{C-c_0} \frac{1}{\bar{n}^2}\)=0

    整理すると、
    \(c_2 σ_b^2\)=\(\frac{c_1 σ_w^2}{\bar{n}^2}\)
    となり、
    \(\bar{n}^2\)=\(\frac{c_1}{c_2} \frac{σ_w^2}{σ_b^2}\)
    より、最適配分の条件式が導出できました。

    公式暗記より導出を理解して、自力でできるようにしましょう!

    まとめ

    「2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる」をわかりやすく解説しました。

    • ①2段サンプリングの費用関数
    • ➁最適配分の式を導出

  • 【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる

    【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる

    「サンプリングするとなんで分散VがV/nになるのかがわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる
    • ①サンプリングするとなぜV/nなのか?
    • ➁標本の分散と標本平均の分散の違いを理解する
    • ➂標本平均の分散を実際に計算する
    • ➃ばらつきを減らすにはサンプル数を増やせばいいの?

    QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集を販売します!

    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

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    統計学、QC検定®を勉強すると必ず出て来るV/n
    nが大きくなると分散0になるけどいいの?
    有限なサンプル数で分散求めると母集団の分散からちょっとはずれるのはわかりけど、何でnで割るの?
    元の母集団と同じデータだから、どうサンプリングしても分散はVのままじゃないの?

    と混乱していませんか?

    QCプラネッツもずっと混乱していましたが、この記事書いてようやく区別できました!
    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    関連記事でも記述しましたが、今回はさらにパワーアップさせます!

    【本記事限定】標本平均の分散の注意点(nで割るな!)
    標本平均の分散や検定統計量では分散をサンプル数で割りますね。でも「サンプル数が大きいと分散が低減される」のは不思議だと思いませんか?本記事では、教科書やwebサイトに載っていない、標本平均の分散の注意点をわかりやすく解説します。公式としてサンプル数で割るべきかどうかを確認したい方は必見です。

    ①サンプリングするとなぜV/nなのか?

    設問文章にある何気ない文字が重要!

    サンプリングや、検定と推定の問題文を上げてみましょう。

    ●サンプリング
    12個のロットをランダムに取り出し、各々から1個の製品をランダムにサンプリングして12個のデータより標本平均を求めて特性の母平均を推定する。このとき、標本平均の推定精度(分散)はいくらか。
    ●検定と推定
    ある部品の特性は、母集団が正規分布に従っている。そのうち10個を抜き出して特性を測定した。次の結果が得られた場合,
    a1,a2,…,a10
    母平均がaといえるかを検定せよ。

    どこがキーポイントかわかりますか?

    慣れないと違和感は感じないのですが。

    ここです!

    ●サンプリング
    12個のロットをランダムに取り出し、各々から1個の製品をランダムにサンプリングして12個のデータより標本平均を求めて特性の母平均を推定する。このとき、標本平均の推定精度(分散)はいくらか。
    ●検定と推定
    ある部品の特性は、母集団が正規分布に従っている。そのうち10個を抜き出して特性を測定した。次の結果が得られた場合,
    a1,a2,…,a10
    平均がaといえるかを検定せよ。
    わかりましたね!
    そうです! 「平均」です。

    なので、もし、

    ●サンプリング
    12個のロットをランダムに取り出し、各々から1個の製品をランダムにサンプリングして12個のデータより標本平均を求めて特性の母平均を推定する。このとき、標本平均の推定精度(分散)はいくらか。
    ●検定と推定
    ある部品の特性は、母集団が正規分布に従っている。そのうち10個を抜き出して特性を測定した。次の結果が得られた場合,
    a1,a2,…,a10
    母平均母集団のデータがaといえるかを検定せよ。

    となっていたら、

    母集団の分散と同じです。
    標本の平均だから分散の式が変わるんです!

    V/nは数学的に正しい

    でも、1つ疑問が有ります。

    標本平均の分散V/nの式って実は正しくない?

    でも、

    数学的に正しいです。

    下の例題で確認しましょう。

    【例題】
    よく、母集団からn個抜き取る場合の、分散をVからV/nにするが、その理由を数式で説明せよ。

    実際に解いてみましょう。
    確率変数\(x_1\),\(x_2\),…, \(x_n\)において、それぞれ独立と仮定すると、
    \(V(\bar{x})\)=\(V(\frac{x_1+x_2+…+x_n}{n})\)
    =\(\frac{1}{n^2}(V(x_1)+V(x_2)+…+V(x_n))\)
    =\(\frac{n}{n^2}(V)\)
    =\(\frac{V}{n}\)
    と、数学的に正しいので、どうしてもこの式を避けることができません!

    1つ値に決まる平均にばらつきがあるのはなぜか?

    サンプリングすると母集団のデータよりばらつき(荒)があるから分散は母集団から変わるのは理解できるが、サンプル数nで割るのは納得できない!
    でも、数式は正しい。
    何か、しっくりこない!
    さまざまなデータ値を総和して個数で割った唯一の値である平均に、ばらつきがあるのはなぜか?もわからないし、この分散がV/nってさらに混乱する!

    ですよね!

    1つ値に決まる平均にばらつきがあるのはなぜか?

    この理由は、

    サンプリングする選び方がたくさんあるから、サンプリングの平均がたくさんできる

    例えば、下図のように、元データがあり、そこから無作為で、サンプリングしたデータの束を、番号1,2,…,nとします。平均は番号分n個あるので、

    標本平均の分散

    \(V(\bar{x})\)は\(\bar{x_1}\),\(\bar{x_2}\),…, \(\bar{x_n}\)のデータのばらつきを見ているわけです。

    まとめると

    ●標本分散は元データ\(x_i\)の集団のばらつきで母集団分散と同じ
    ●標本平均分散は\(V(\bar{x})\)は\(\bar{x_1}\),\(\bar{x_2}\),…, \(\bar{x_n}\)のデータのばらつき
    と、全く別物です。

    「平均」という言葉があるかどうかで判断しましょう。
    折角なので、練習してみましょう。

    ➁標本の分散と標本平均の分散の違いを理解する

    演習1

    問1
    ある部品が1000 個ある。その特性は正規分布N(\(μ,σ^2\))その中から、以下の条件で抜取り、その特性を測定した場合、あるデータ期待値EとVがいくらになるかを2人の部下に聞いた。
    部下A:もともと正規分布N(\(μ,σ^2\))に従うデータなので、どう抜き取っても、E=\(μ\)、V=\(σ^2\)である。
    部下B:教科書の公式からいうと、E=\(μ\)、V=\(\frac{σ^2}{n}\)である。
    どちらの言い分が正しいか? 判断せよ。

    意外と混乱しますよね。分散において、何を指しているかが両部下は違っています。
    ●Aさんは、抜き取ったデータ(標本)そのものの期待値と分散を言っている。
    ●Bさんは、抜き取ったデータ(標本)の平均についての期待値と分散を言っている。

    演習2

    検定と推定の問題もやってみましょう。途中のヒントまで解説しますので、解いてみてください。

    問2
    ある部品の特性は、母集団が正規分布N(100,0.2)に従っている。そのうち10個を抜き出して特性を測定した。次の結果が得られた場合、
    99.9、99.7、100.0、99.9、99.8、99.4、100.0、100.2、99.8、100.1 (平均:99.88)
    (1) 母平均が100.0mmといえるかを検定せよ。
    (2) データ値は100.0mmといえるかを検定せよ。
    ただし、抜き取ったロットの標準偏差はσ=0.2mmと母集団と同じとする。

    実は、
    (1) は教科書でもQC検定®でも必ず載っている問題
    (2) はないので、QCプラネッツが作成

    検定統計量\(z\)=\(\frac{\bar{x}-μ}{σ/\sqrt{n}}\)と暗記しますよね。ここに\(σ/\sqrt{n}\)があります。(1)(2)の違いが理解できるかを確認しましょう。

    (2)はQC検定®でも出題してほしいですね。そしたら面白い!

    ➂標本平均の分散を実際に計算する

    サンプリングがいまいち理解できない理由

    サンプリングがいまいち理解できない、難しいとする理由は

    実データがなく、変な公式しかないので、
    「この式でいいのか? 式の意味がよくわからない」
    まま、代入して終わるので、何を解いているかピントこない。

    なので、実際にデータを用意して、サンプリング後の、「標本平均」の分散を計算してみましょう。

    実際に計算しよう!

    よく、母集団から\(n\)個抜き取る場合の、分散を\(V\)から\(\frac{V}{n}\)にするが、正しいのかどうか、実際にデータを使って確認したい。そのため、母集団100個のデータを用意した。母集団から\(n\)個抜き取る場合の分散は、その\(n\)個ずつ抜き取った\(n\)個のデータの平均値\(\bar{x}\)が100/\(n\)パターンあるので、その\(\bar{x}\)に関する期待値E[\(\bar{x}\)]と分散V[\(\bar{x}\)]を計算すればよい。以下、\(n\)に値を代入して、実際の期待値E[\(\bar{x}\)]と分散V[\(\bar{x}\)]を公式の値と比較せよ。
    (1) n=5の場合(No.1~5,No.6~10,…,No.96~100のデータに区切る)
    (2) n=10の場合(No.1~10,No.11~20,…,No.91~100のデータに区切る)
    (3) n=20の場合(No.1~20,No.21~40,…,No.81~100のデータに区切る)
    (4) n=50の場合(No.1~50,No.51~100のデータに区切る)
    No data No data No data No data No data
    1 11 21 68 41 58 61 75 81 87
    2 2 22 4 42 82 62 45 82 82
    3 35 23 34 43 22 63 18 83 18
    4 34 24 24 44 46 64 26 84 71
    5 52 25 30 45 35 65 88 85 13
    6 54 26 13 46 22 66 51 86 34
    7 25 27 63 47 21 67 68 87 55
    8 57 28 29 48 48 68 32 88 55
    9 84 29 12 49 28 69 69 89 33
    10 95 30 20 50 44 70 31 90 83
    11 51 31 89 51 26 71 48 91 22
    12 49 32 69 52 61 72 50 92 65
    13 9 33 55 53 6 73 25 93 83
    14 85 34 30 54 29 74 50 94 29
    15 24 35 15 55 37 75 57 95 27
    16 19 36 41 56 57 76 81 96 75
    17 64 37 98 57 71 77 86 97 97
    18 83 38 44 58 4 78 64 98 77
    19 78 39 18 59 46 79 43 99 10
    20 65 40 1 60 67 80 23 100 17

    解説

    実際に計算してみましょう。

    結果をまとめると

    n 実際 公式V/n
    1 665.62 665.62
    5 115.98 297.67
    10 50.37 210.49
    20 33.33 148.84
    50 10.76 94.13

    グラフにすると、実際に計算したものと公式では値は異なりますが、傾向は同じことがわかり、サンプル数が増えると、標本平均の分散は小さくなることがわかります。

    また、期待値Eはサンプル数に関係なく同じですね。

    分散

    実際に計算した分散と、公式V/nの値にずれがありますが、公式は理想系なデータである場合、つまり、データが無限になる母集団の場合なので、実際のデータを無限に増やして、サンプル数も無限に増やすと両者は一致します。それを実際に示すのはムリですが、今回データ100個で実演しました。

    ➃ばらつきを減らすにはサンプル数を増やせばいいの?

    ばらつきを小さくしたいからサンプル数を増やすわけではない

    これ、よく勘違いしてしまいますが、

    ばらつきを小さくしたいからサンプル数を増やすわけではない!
    標本平均の分散が小さく見えるだけで、標本そのものの分散は生データのばらつきそのもの

    サンプル数をどの程度取ると、標本分散と標本平均の分散に差が出るかがわかる程度で、
    ばらつきを小さくしたいからサンプル数を増やすわけではない点に注意しましょう。

    「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかりましたね!

    まとめ

    「【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる」をわかりやすく解説しました。

    • ①サンプリングするとなぜV/nなのか?
    • ➁標本の分散と標本平均の分散の違いを理解する
    • ➂標本平均の分散を実際に計算する
    • ➃ばらつきを減らすにはサンプル数を増やせばいいの?

  • 【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!

    【QC検定®1級,2級合格!】QCに必要な数学問題集を発売します!

    「QC検定®1級、2級合格したいけど、数式が難解すぎてわからない!、解けない!」、など、困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【QC検定®合格】数学問題集を販売します

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらにQCをすべて研究して究めました。
    究めた結果、QCに必要な数学スキルがわかりましたので、問題集にしました!

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①QCは数学が難しすぎる

    QC検定®、統計検定も2級から上が、一気に難しくなりますよね。

    QCの数学の難しさ

    ベースとなる数学が難しいし、
    範囲が広大すぎる
    勉強時間もかかるし、
    全部勉強しても頭に入りきらない。。。
    どこから復習したらよいか?も
    わからないから、勉強しても頭に入らない。。。

    ですよね。

    高校から理系で数学バリバリ解ける人なら
    勉強が入りやすいけど、
    そんないい話はないし。。。

    ですよね。

    効率よく最小限の内容で数学をカバーしたい

    と言っても、

    ●品質管理の仕事をしているから不合格は格好悪い
    ●データサイエンティストを目指すから勉強しないわけにいかない
    ●資格が1つでもほしい

    という、プレッシャーもありますよね。

    だから、

    なるべく少ない問題数で、
    QCや統計の基礎がマスターできる教材はないの?

    と探したくなりますよね!

    ご安心ください。
    QCプラネッツが作りました!

    QCに必要な数学は実は1つだけでOK

    QCプラネッツはQC検定®1級合格しましたが、
    合格しただけで、何もわかっていない状態でした。

    なので、3年以上研究して、650のブログ記事を書き上げて、
    QCを究めました!

    そして、わかったことがあります。

    QCの数学は「ばらつき」の1つだけわかれば、全部解ける!

    「ばらつき」を具体的に書くと、

    1. 平方和の計算・分解
    2. ばらつき・分散を表現するχ2乗分布

    の2つがベースです。

    本当に「ばらつき」の1つだけのなの?
    ⇒本当です!

    「ばらつき」さえ数式で解けたらQC数学はOK!

    QCプラネッツの記事を全部読めばわかりますが、

    ●管理図
    ●実験計画法
    ●ロバストパラメータ設計
    ●単・重回帰分析
    ●多変量解析
    は平方和の分解をしているだけです。
    ●サンプリング
    ●検定・推定
    ●信頼性工学
    のベースはχ2乗分布の分布関数です。

    χ2乗分布は「分散・ばらつき」を表現しますから

    「ばらつき」さえ数式で解けたらQC数学はOK!

    今回の、数学問題集は、
    「ばらつき」を基本軸に様々な手法に展開できるように構成しました。

    数百冊、数万ページの教科書・参考書を全部マスターしてわかった結果です。

    では、商品を紹介します!

    ➁問題集のメリット

    QCの数学を学ぶためのマップを紹介します!

    「ばらつき」を基本軸に様々な手法に展開できるように構成するマップを紹介します。

    QC数学問題集

    平方和の計算から
    ●実験計画法
    ●回帰分析・多変量解析
    ●ロバストパラメータ設計
    ●管理図
    の基礎がすべて理解できる!
    χ2乗分布の確率分布から
    ●統計学
    ●サンプリング
    ●信頼性工学
    の基礎がすべて理解できる!

    あとは、二項定理からの抜取検査をおさえれば、QCの数学はすべて習得できます!

    本問題集を学ぶメリット

    1. やみくもに統計学、微分積分、線形代数に手を出す必要はない
    2. QCのエッセンスである「ばらつき」を意識して体系的に学べる
    3. 1問を何度も練習して、効率よく数学スキルが高まる
    4. QCに限らず、データサイエンスに必要な数学スキルも高まられる

    逆にデメリットは

    1. 勉強しないと習得できない
      ⇒それはしゃーない!ですよね(笑)

    是非、ご購入いただきたいです。
    次に、全問題の内容を紹介します!

    ➂内容の範囲

    QCの数学問題集の全問題を紹介!

    60題近くの問題内容と単元を紹介します!

    苦手な問題があれば、勉強して強化しましょう!
    どこが苦手かをチェックしながら各問を見ましょう。
    カテゴリ
    1 二項定理、二項分布 基本統計量
    2 確率が最大になる条件 基本統計量
    3 指数分布からガンマ分布への証明 統計学
    4 平方和の計算 基本統計量
    5 確率変数の期待値と分散の計算 基本統計量
    6 χ2乗分布、平方和、標準偏差の関係式 基本統計量
    7 固有方程式 重回帰分析
    8 べータ関数 統計学
    9 ガンマ関数 統計学
    10 正規分布の定積分 統計学
    11 期待値E,分散Vの公式 統計学
    12 コーシー分布 統計学
    13 分割表の検定統計量の導出 統計学
    14 確率変数の変数変換(1変数、1次式) 統計学
    15 確率変数の変数変換(1変数、2次式) 統計学
    16 確率変数の変数変換(1変数、0.5次式) 統計学
    17 確率変数の変数変換(2変数、積) 統計学
    18 確率変数の変数変換(2変数、商) 統計学
    19 畳み込み積分(離散系と連続系、一様分布) 統計学
    20 畳み込み積分と2変数積分 統計学
    21 畳み込み積分(離散系と連続系、指数分布) 統計学
    22 順序統計量の導入 統計学
    23 順序統計量の一般式 統計学
    24 順序統計量(指数分布) 統計学
    25 順序統計量の同時確率密度関数 統計学
    26 ミーンランク法(順序統計量)を理解する整式 統計学
    27 同時確率質量関数(2変数) サンプリング
    28 同時確率分布の分散・共分散(2変数) サンプリング
    29 条件付き期待値、分散 サンプリング
    30 平方和の分解 実験計画法
    31 直交表の各列の平方和の導出 実験計画法
    32 直交表の実験回数と割当列の関係 実験計画法
    33 一元配置実験の分散の期待値 実験計画法
    34 一元配置実験とくりかえしのある単回帰分析 回帰分析
    35 重回帰直線 重回帰分析
    36 回帰平方和SR 重回帰分析
    37 重回帰分析の寄与率R 重回帰分析
    38 寄与率R(単回帰分析VS重回帰分析) 重回帰分析
    39 重回帰分析(ダミーデータ有無の違い) 重回帰分析
    40 主成分分析の解法 多変量解析
    41 主成分分析と回帰分析 多変量解析
    42 線形判別関数 多変量解析
    43 マハラビノス距離とユークリッド距離 多変量解析
    44 線形判別関数とマハラビノス距離による判別分析 多変量解析
    45 因子分析(1因子モデル) 多変量解析
    46 コーシ・シュワルツの不等式と相関係数 回帰分析
    47 無相関の検定 回帰分析
    48 スピアマンの順位相関係数 回帰分析
    49 主成分平方和と固有値が一致する理由 多変量解析
    50 固有ベクトルが直交する理由 多変量解析
    51 ロバストパラメータ設計の静特性 ロバストパラメータ設計
    52 ロバストパラメータ設計の動特性 ロバストパラメータ設計
    53 群間変動と群内変動 管理図
    54 抜取検査の基本(確率と二項定理) 抜取検査
    55 指数分布とポアソン分布の関係 信頼性工学
    56 ガンマ分布とχ2乗分布の関係 信頼性工学
    57 ワイブル分布、指数分布、ガンマ分布とχ2乗分布の関係 信頼性工学
    58 指数分布関数の信頼度の点推定 信頼性工学
    59 正規分布関数の信頼度の点推定 信頼性工学
    60 信頼度の計算(直列系、並列系、待機系) 信頼性工学
    61 信頼性工学と計数抜取検査 信頼性工学
    62 指数分布から確率紙を作る 信頼性工学

    特に、紹介したいのが、

    1. 高校数学の復習からスタート
    2. 確率変数、期待値・分散の積分に慣れる問いたくさん用意
    3. 公式暗記を極力不要とするように導出過程を丁寧に解説
    4. 重回帰分析、主成分分析、因子分析は解法暗記ではなく原理を理解すれば解けることを実感していただく
    5. ロバストパラメータ設計と実験計画法・回帰分析の比較など手法間の比較ができる
    6. QC検定®では一切出ないが、データを並び替えてもよいとする順序統計量をしっかり学べる

    という60題です。

    解説も充実!

    丁寧な解説ページやQCプラネッツのブログ記事を活用してわかりやすく解けますので、難しい数学でもご安心ください。

    全問解いた結果、結局
    覚えるべき公式は無い事
    数列・積分のスキルと、平方和とχ2乗分布をおさえておけば
    すべて解けることがわかります!

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    まとめ

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  • 【まとめ】品質工学がわかる

    【まとめ】品質工学がわかる

    「品質工学がよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【まとめ】品質工学がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①【重要】品質工学を研究してわかったこと
    • ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!
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    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    は昔から何をやる手法かがわからなかった。
    でも、教科書や他サイトを研究してもピンとこなかった
    だからQCプラネッツ独自の解釈を解説!
    実験計画法、品質工学って
    過去の研究実績がすべて正しいとして
    今の教科書に反映するから、
    これから学ぶ人にとって理解しにくい
    だからQCプラネッツ独自で品質工学を哲学しました!

    ①【重要】品質工学を研究してわかったこと

    品質工学を研究して、やっぱりわからないのは、次の3つですね。

    1. なぜ品質工学の教科書がわかりにくいのか?
    2. 品質工学は何をする手法か?が見えない
    3. 今の時代にあう手法なのか?

    1つずつ解説します。

    (i)なぜ品質工学の教科書がわかりにくいのか?

    どの教科書もこの流れで解説するので、読者として思考停止になります。

    1. 品質工学は実験計画法と違う手法だから混合系直交表を使うのが当たり前!
    2. SN比に10logをつけるのが当たり前!
    3. 直交表の各列に割当てるための直交実験をやるのが当たり前!

    と、これらが前提として品質工学はみなさんに押し付けて来ますが、

    1. 実践手法より理論(モデル式)が理解したい
    2. 混合系直交表は直交表の中でも特殊だから使いたくない
    3. 実験計画法と同様にモデル式であるデータの構造式を軸に考えるべきではないのか?
    4. SN比って、知りたい変動と誤差変動の比だからlogは不要
    5. 最適条件が出たからといって、それがなぜ最適条件かを理論的に説明つかない!
    6. 品質工学は何を計算して、何がわかるのか?ピンとこない

    となっていませんか?

    (ii)品質工学は何をする手法か?

    品質工学は何を求めているかを研究してわかりました。

    1. 実験計画法と同様に、データがもつばらつきをデータの構造式を構成する効果で分配しているだけ
    2. 実験計画法は平均からのズレを見て、品質工学は目標値からのズレを見たい点では実験計画法と品質工学は違うといえる
    3. でも、データの構造式から変動の分解をすると、品質工学(静特性)は目標値を無視した式になっているし、動特性は回帰分析にすぎない
    4. 結局、実験計画法と品質工学は同じで、品質工学オリジナリティを出したいために混合系直交表を使っている

    データの構造式において、交互作用を避けたいために混合系直交表を使うと教科書で言いますが、
    データの構造式やモデルはデータが決めることで、データを構成する要因たちは互いになにかしらの交互作用を受けているのは当然です。ただ、交互作用の大小はばらつくでしょうけど。

    (iii)これから学びたい人は何を品質工学で学べばよいか?

    なぜ、品質工学がわかりにくいのか?というといろいろツッコみましたが、昭和の時代背景も大きく影響しています。

    昭和の時代のような昔は、データを取得するが大変で、計算でカバーしようとしていた。そのため、実験計画法や品質工学・タグチメソッドが計算でカバーする手法として活躍した。
    でも、現在、データはとても簡単に作れて、モデル式からシミュレーションして精度を高めてから、部分実験で真偽を確かめるようになっている。
    計算よりデータ取得の方が簡単になっている現代からして、データの手間を計算でカバーする手法がいまいちピンと来ないのではないか?

    と研究して強く感じます。

    なので、

    実験計画法・品質工学・タグチメソッドは何を解いているか?その目的は何か?を理解することは現在も大事!

    なので、QCプラネッツは実験計画法と同様に

    1. モデル式(データの構造式)を最初に立てる
    2. 変動の分解ができるかを確認する
    3. 分散分析・F検定をする
    4. 変動の期待値を計算する
    5. 最適条件をデータの構造式から計算する
    6. SN比にlogはつけない
    7. 解析結果を信じることより、理論を理解する方に重視する

    という考えで、関連記事をまとめました。

    教科書を鵜呑みせず、自分なりの理論を追究した方が、自分のものにしやすいですよね。

    では、30弱ある関連記事を紹介します。

    ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!

    1つずつ関連記事を紹介します。

    品質工学に頻出する、直交表L12、混合系直交表L18を解説します。でも、どの直交表使うかより、どんなデータの構造式をモデル化すべきかの方が大事です。

    直交表L12がわかる

    直交表L12がわかる
    直交表L12が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L12のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。

    混合系直交表L18がわかる

    混合系直交表L18がわかる
    混合系直交表L18が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L18のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。平方和で注意すべき点があるので、必読です!

    品質工学のSN比が導出できる

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる
    品質工学の静特性のデータの構造式に目標値が無い理由が説明できますか? 本記事では、教科書にある簡略化された静特性のデータの構造式の導出を丁寧に解説します。簡略化することで品質工学の目的が見えにくくなる点をわかりやすく解説します。品質工学を学ぶ人は必読です。

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L8を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L16を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L27を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。教科書や他のサイトでは出てこない一般の直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる
    直交表L18を使ったパラメータ設計を実際に解きながら解説します。混合系直交表を使った場合のロバストパラメータ設計を解説します。実験計画法と品質工学の両方が学べる大事な記事です。

    ★【品質工学】勉強に必須な21項目をまとめました。

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください

    No テーマ
    1 混合系直交表L18の擬水準法がわかる
    2 混合系直交表L18の多水準法がわかる1
    3 混合系直交表L18の多水準法がわかる2
    4 【初心者必見】品質工学で全変動と平方和の違いがわかる
    5 品質工学,静特性、誤差因子が1つの場合がわかる
    6 品質工学,静特性、誤差因子が2つの場合がわかる
    7 品質工学の動特性は回帰分析と同じ(その1)
    8 品質工学の動特性は回帰分析と同じ(その2)
    9 品質工学、動特性、誤差因子1つの場合がわかる
    10 品質工学、動特性、誤差因子1つで繰返し有りの場合がわかる
    11 品質工学,動特性の理想直線は原点通らなくてOKな理由がわかる
    12 品質工学、動特性、誤差因子2つの場合がわかる
    13 品質工学、動特性、誤差因子1つの変動の分解がわかる
    14 品質工学、動特性、誤差因子1つで繰返しありの分解がわかる
    15 品質工学、動特性、誤差因子2つの分解がわかる
    16 品質工学,静特性の演習問題が解ける(誤差因子1つの場合)
    17 品質工学,静特性の演習問題が解ける(誤差因子2つの場合)
    18 品質工学 動特性(誤差因子なし)の演習問題が解ける
    19 品質工学、ここがわからない!と思ったら読んで!
    20 直交表L12を使ったパラメータ設計がわかる
    21 品質工学、変動の期待値が導出できる

    以上、30の関連記事を紹介します。確認ください。

    まとめ

    「【まとめ】品質工学がわかる」を解説しました。

    • ①【重要】品質工学を研究してわかったこと
    • ➁品質工学の関連記事(30記事)を紹介!

  • 直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L9
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18(本記事)
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    混合系直交表L18についても、関連記事で解説しています。

    混合系直交表L18がわかる
    混合系直交表L18が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L18のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。平方和で注意すべき点があるので、必読です!

    ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L18を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L18

    直交表L18

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L18は2と3水準系の混合系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から2水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{2N}\)
    (\(N\)=9)
    で計算します。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    (\(N\)=6)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L18

    ここで、注意があります。

    18個のデータの平方和は公式から280になるが、
    混合系直交表L18の各列の合計からは241と小さくなる

    直交表全列の平方和と公式から算出される平方和の値は一致しませんので注意ください。なんでこんな変な直交表を使いたいのか、よくわかりませんが。

    ●分散分析表

    L18 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 18 1 18
    B 34.33 2 17.17
    C 24.33 2 12.17
    D 41.33 2 20.67
    E 67 2 33.5
    F 10.33 2 5.17
    G 8.33 2 4.17
    e 37.33 2 18.67
    合計 241 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+\(c\)+\(d\)+\(e\)+\(f\)+\(h\)+\(h\)(誤差項)

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 11 3.61 13 4.44
    B 13.5 4.18 10.17 1.94 12.33 5.28
    C 10.5 2.95 12.17 4.75 13.33 4.46
    D 11.67 3.88 14 3.52 10.33 4.5
    E 14.67 3.56 10.17 4.22 11.17 3.49
    F 11.17 3.87 11.83 5 13 3.74
    G 12 1.9 11.17 3.49 12.83 6.21
    e 10 5.66 12.67 2.94 13.33 2.8

    例えば、
    ●因子A(2水準)において、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●因子A以外の因子(3水準)において、水準ごとの6個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L18の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 9.28 121 8.57 169
    B 10.43 182.25 27.48 103.43 5.45 152.03
    C 12.67 110.25 6.56 148.11 8.93 177.69
    D 9.05 136.19 15.82 196 5.27 106.71
    E 16.98 215.21 5.81 103.43 10.24 124.77
    F 8.33 124.77 5.6 139.95 12.08 169
    G 39.89 144 10.24 124.77 4.27 164.61
    e 3.12 100 18.57 160.53 22.66 177.69

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子ABCDEFの水準の高い方を選択します。

    \(μ(ABCDEF)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(ABCDEF)\)
    =\(μ\)+(\(μ_a-μ\))+(\(μ_b-μ\))+(\(μ_c-μ\))+(\(μ_d-μ\))+(\(μ_e-μ\))+(\(μ_f-μ\))
    =\(μ_a\)+\(μ_b\)+\(μ_c\)+\(μ_d\)+\(μ_e\)+\(μ_f\)-5\(μ\)
    となります。

    SN比η、感度Sは
    ●\(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    ●\(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,C,D,E,Fで値のSN比が大きい水準をみると
    A1,B2,C1,D2,E1,F3なので、
    \(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    =9.28+27.48+12.67+15.82+16.98+12.08-5×12.06
    =34.03

    ●感度において、
    A,B,C,D,E,Fで値の感度が大きい水準をみると
    A2,B1,C3,D2,E1,F3なので、
    \(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)
    =169+182.25+177.69+196+215.21+169-5×145.71
    =380.59

    と計算できました。

    直交表L18を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L27(本記事)
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L27を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L27

    直交表L27

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L27は3水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L27

    ●分散分析表

    L27 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 800 2 400
    B 1134 2 567
    C 98 2 49
    AB 108 4 27
    AC 14 4 3.5
    BC 504 4 126
    e 72 8 9
    2730 26

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2,3\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 15 10.44 22.5 5.55 30 10.07
    B 12.38 8.35 25.88 6.93 29.25 9.04
    C 19.88 6.89 22.5 13.47 25.13 10
    AB 21.38 13.44 23.06 13.3 23.06 10.91
    AC 21.94 12.87 22.31 13.04 23.25 11.94
    BC 27 8.36 19.13 11.66 21.38 9.37
    e 22.78 11.75 22.22 12.72 22.5 12.82

    例えば、
    ●因子Aにおいて、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●交互作用ABは、2列あるので、水準ごとの18個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●残差eは、4列あるので、水準ごとの36個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L27の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 2.06 225 16.44 506.25 8.88 900
    B 2.2 153.26 13.95 669.77 10.47 855.56
    C 8.33 395.21 2.79 506.25 6.32 631.52
    AB 2.53 457.1 3.01 531.76 4.47 531.76
    AC 2.91 481.36 2.93 497.74 3.79 540.56
    BC 10.43 729 2.69 365.96 5.21 457.1
    e 3.76 518.93 3.05 493.73 3.08 506.25

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =3.79-5.68=-1.89

    ●感度において、
    ACで値の感度が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =540.56-521.62=18.94

    と計算できました。

    直交表L27を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8(本記事)
    ●L16
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L8を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L8

    直交表L8

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L8は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L8

    ●分散分析表

    L8 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 60.5 1 60.5
    2 B 24.5 1 24.5
    3 A×B 128 1 128
    4 C 32 1 32
    5 A×C 24.5 1 24.5
    6 B×C 12.5 1 12.5
    7 e 18 1 18
    15 e 18 1 18
    合計 T 300 7

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)
    +\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 17.88 8.54 20.63 2.63
    2 B 18.38 6.34 20.13 7.18
    3 A×B 18.25 5.97 20.25 7.33
    4 C 21.25 5.45 17.25 5.26
    5 A×C 20.13 5.5 18.38 7.85
    6 B×C 18.63 5.56 19.88 8.06
    7 e 18.5 5.16 20 8.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31
    ●水準2:44,39,43,39
    なので、それぞれ4個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの7列分を計算します。

    直交表L8の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 4.38 319.52 61.5 425.39
    2 B 8.39 337.64 7.85 405.02
    3 C 9.34 333.06 7.64 410.06
    4 A×B 15.22 451.56 10.76 297.56
    5 A×C 13.39 405.02 5.48 337.64
    6 B×C 11.22 346.89 6.08 395.02
    7 e 12.83 342.25 5.94 400

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
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    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =13.39-12.85=0.53

    ●感度において、
    A,Cで値の感度が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =405.02-371.90=33.11

    と計算できました。

    直交表L8を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

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