数量化2類ができる(その1)
「数量化2類がわからない」などと困っていませんか?
こういう疑問に答えます。
本記事のテーマ
おさえておきたいポイント
- ①数量化2類は判別分析である(その1)
- ➁データ事例(その1)
- ➂線形判別関数で数量化2類(判別分析) (その1)
- ➃マハラビノス距離で数量化2類(判別分析)(その2)
- ➄線形判別関数とマハラビノス距離の分析結果を比較(その2)
ならば、判別分析でいいじゃん!
本当にそうです
くらいで、手法名変えるな!
判別分析や数量化Ⅱ類とかあると
かえって混乱する!
ただの判別分析ですよ。
①数量化2類は判別分析である
数量化2類は判別分析である
結論はこれです。
ならば、判別分析でいいじゃん!
本当にそうです
計数値(質的データ)である点だけが
判別分析と異なる
解析手法は同じ
判別分析の解析方法の復習
判別分析は2つ解析方法があります。
- 線形判別関数による判別
- マハラビノス距離による判別
この記事は両手法を数量化2類で解析しますので、
●線形判別関数の手法
●マハラビノス距離の手法
をベースに解析します。
先に関連記事で確認・復習しておきましょう。関連記事と同じデータを本記事で使います。
線形判別関数について
線形判別関数については、関連記事で解説していますので、先に確認してください。本記事では、線形判別関数の導出や具体的な計算ができる前提で話を進めていきます。
線形判別関数が計算できる(2次元、その1) 判別分析において、線形判別関数が計算できますか?本記事では2次元データを例に2記事にわたり線形判別関数の求め方をわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。 |
マハラビノス距離について
線形判別関数が計算できる(2次元、その2) 判別分析において、線形判別関数が計算できますか?本記事では2次元データを例に2記事にわたり線形判別関数の求め方をわかりやすく解説します。線形判別関数の結果と判別正誤率も解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。 |
この記事のベースとなる関連記事
判別分析で線形判別関数とマハラビノス距離を使った解析結果の比較を関連記事で解説しています。この関連記事の説明変数を質的データに変えた場合を本記事で考えます。
マハラビノス距離と線形判別関数から判別分析ができる 判別分析で線形判別関数、マハラビノス距離の結果の違いが説明できますか?本記事は、同じデータを使って、線形判別関数、マハラビノス距離を計算し、判別分析の結果の違いをわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。 |
➁データ事例
以下のデータを使って、線形判別関数とマハラビノス距離の両手法で判別分析をします。
関連記事の場合は下表のとおりです。
群 | No | \(x_1\) | \(x_2\) | 平均\(\bar{x_1}\) | 平均\(\bar{x_2}\) |
1 | 1 | 4 | 8 | 4 | 10 |
2 | 6 | 10 | |||
3 | 2 | 12 | |||
2 | 4 | 10 | 16 | 7.5 | 13.5 |
5 | 5 | 10 | |||
6 | 8 | 12 | |||
7 | 7 | 16 | |||
合計 | 42 | 84 | 全平均 | 6 | 12 |
関連記事の場合は下表のとおりですが、今回は数量化2類なので、説明変数\(x_1\),\(x_2\)を黄色マーカーのようにあえて変えてみます。
群 | No | \(x_1\) | \(x_2\) | 平均\(\bar{x_1}\) | 平均\(\bar{x_2}\) |
1 | 1 | 1 | 1 | 1.333 | 1.333 |
2 | 2 | 1 | |||
3 | 1 | 2 | |||
2 | 4 | 2 | 1 | 1.5 | 1.25 |
5 | 1 | 1 | |||
6 | 2 | 1 | |||
7 | 1 | 2 | |||
合計 | 10 | 9 | 全平均 | 1.429 | 1.286 |
グラフは下図のとおりです。
➂線形判別関数で判別分析
線形判別関数から判別分析を、関連記事で解いています。途中経過は関連記事でご確認ください。
線形判別関数が計算できる(2次元、その2) 判別分析において、線形判別関数が計算できますか?本記事では2次元データを例に2記事にわたり線形判別関数の求め方をわかりやすく解説します。線形判別関数の結果と判別正誤率も解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。 |
1.変動を計算
実際に、全変動\(S_T\)と群間変動\(S_B\)を計算して、ラグランジュの未定乗数法を使って固有方程式を作ります。解き方の流れは関連記事に書いています。
変動を求めるための表を作ります。
群 | N0 | x | y | Z | 群平均 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1\(a_1\)+1\(a_2\) | 1.33\(a_1\)+1.33\(a_2\) |
2 | 2 | 1 | 2\(a_1\)+1\(a_2\) | – | |
3 | 1 | 2 | 1\(a_1\)+2\(a_2\) | – | |
2 | 4 | 2 | 1 | 2\(a_1\)+1\(a_2\) | 1.5\(a_1\)+1.25\(a_2\) |
5 | 1 | 1 | 1\(a_1\)+1\(a_2\) | – | |
6 | 2 | 1 | 2\(a_1\)+1\(a_2\) | – | |
7 | 1 | 2 | 1\(a_1\)+2\(a_2\) | – | |
– | – | – | – | 全体の平均 | 1.429\(a_1\)+1.286\(a_2\) |
全変動\(S_T\)
=\(\sum_{i=1}^{7}(Z-\bar{Z})^2\)
=\(((1a_1+1a_2)-(1.429a_1+1.286a_2))^2\)+…
=1.714\(a_1^2\)-1.714\(a_1 a_2\)+1.429\(a_2^2\)
群間変動\(S_B\)
=\(\sum_{i=1}^{3}(\bar{Z_1}-\bar{Z})^2\)+\(\sum_{i=1}^{4}(\bar{Z_2}-\bar{Z})^2\)
=0.0486\(a_1^2\)-0.0476\(a_1 a_2\)+0.011\(a_2^2\)
1. ラグランジュの未定乗数法から固有方程式を作る
ラグランジュの未定乗数法から固有方程式を作ります。
ラグランジュの未定乗数法から
関数\(F\)を
\(F(a_1,a_2\))=1.714\(a_1^2\)-1.714\(a_1 a_2\)+1.429\(a_2^2\)-\(λ(0.0486a_1^2 -0.0476a_1 a_2 +0.011 a_2^2)\)
を定義して、偏微分=0の式を立てます。その後、固有方程式と流れますね。
係数が小数で複雑なので、文字式で簡単に表記します。
●\(\displaystyle \frac{\partial F(a_1,a_2)}{\partial a_1} \)=\(sa_1 + ta_2)-λ(ua_1 + va_2)\)=0
●\(\displaystyle \frac{\partial F(a_1,a_2)}{\partial a_2} \)=\((ea_1 + fa_2)-λ(ga_1 + ha_2)\)=0
行列表記しましょう。
\(\left(
\begin{array}{cccc}
s-uλ & t-vλ \\
e-gλ & f-hλ \\
\end{array}
\right)
\)\(
\left(
\begin{array}{c}
a_1 \\
a_2\\
\end{array}
\right)
\)=\(
\left(
\begin{array}{c}
0 \\
0\\
\end{array}
\right)
\)
計算すると
\(λ(6.857λ-0.190)\)=0
よって、固有値λは
λ=0,0.027
となります。
固有ベクトルを算出
固有ベクトルから\((a,b)\)を計算します。
固有値0のときは、固有ベクトルの成分がすべて0になるので、固有値が0.027についてのみ計算します。
固有値0.027のとき
固有値0のときは、
\(\left(
\begin{array}{cccc}
0.09542 & -0.04762 \\
-0.04762 & 0.02381 \\
\end{array}
\right)
\)\(
\left(
\begin{array}{c}
a_1\\
a_2\\
\end{array}
\right)
\)=\(
\left(
\begin{array}{c}
0 \\
0\\
\end{array}
\right)
\)
より、
●\(2a=b\)
となります。
3. 線形判別関数を作る
係数比は\(2a=b\)であり、
7つのデータの平均を通る関数を作ればよいので、
Z=\(x_1\)+2\(x_2\)+4
となります。
グラフを描くとわかりやすいですね。
➃マハラビノス距離で判別分析
ここまでで十分ボリューム感ある記事になりましたので、
数量化2類がわかる(その2)で解説します。
まとめ
「数量化2類ができる(その1)」を解説しました。
- ①数量化2類は判別分析である(その1)
- ➁データ事例(その1)
- ➂線形判別関数で数量化2類(判別分析) (その1)
- ➃マハラビノス距離で数量化2類(判別分析)(その2)
- ➄線形判別関数とマハラビノス距離の分析結果を比較(その2)
Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/qcplanets/qcplanets.com/public_html/wp-content/themes/m_theme/sns.php on line 119