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  • 直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L9
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18(本記事)
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    混合系直交表L18についても、関連記事で解説しています。

    混合系直交表L18がわかる
    混合系直交表L18が使えますか? 本記事ではロバストパラメータ設計でよく使われれる直交表L18のパターン、データの構造式、平方和の分解、分散分析表、分散の期待値、母平均、有効繰返数、区間推定の一連の解法を解説します。平方和で注意すべき点があるので、必読です!

    ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L18を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L18

    直交表L18

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L18は2と3水準系の混合系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から2水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{2N}\)
    (\(N\)=9)
    で計算します。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    (\(N\)=6)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L18

    ここで、注意があります。

    18個のデータの平方和は公式から280になるが、
    混合系直交表L18の各列の合計からは241と小さくなる

    直交表全列の平方和と公式から算出される平方和の値は一致しませんので注意ください。なんでこんな変な直交表を使いたいのか、よくわかりませんが。

    ●分散分析表

    L18 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 18 1 18
    B 34.33 2 17.17
    C 24.33 2 12.17
    D 41.33 2 20.67
    E 67 2 33.5
    F 10.33 2 5.17
    G 8.33 2 4.17
    e 37.33 2 18.67
    合計 241 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+\(c\)+\(d\)+\(e\)+\(f\)+\(h\)+\(h\)(誤差項)

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 11 3.61 13 4.44
    B 13.5 4.18 10.17 1.94 12.33 5.28
    C 10.5 2.95 12.17 4.75 13.33 4.46
    D 11.67 3.88 14 3.52 10.33 4.5
    E 14.67 3.56 10.17 4.22 11.17 3.49
    F 11.17 3.87 11.83 5 13 3.74
    G 12 1.9 11.17 3.49 12.83 6.21
    e 10 5.66 12.67 2.94 13.33 2.8

    例えば、
    ●因子A(2水準)において、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●因子A以外の因子(3水準)において、水準ごとの6個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L18の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 9.28 121 8.57 169
    B 10.43 182.25 27.48 103.43 5.45 152.03
    C 12.67 110.25 6.56 148.11 8.93 177.69
    D 9.05 136.19 15.82 196 5.27 106.71
    E 16.98 215.21 5.81 103.43 10.24 124.77
    F 8.33 124.77 5.6 139.95 12.08 169
    G 39.89 144 10.24 124.77 4.27 164.61
    e 3.12 100 18.57 160.53 22.66 177.69

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子ABCDEFの水準の高い方を選択します。

    \(μ(ABCDEF)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(ABCDEF)\)
    =\(μ\)+(\(μ_a-μ\))+(\(μ_b-μ\))+(\(μ_c-μ\))+(\(μ_d-μ\))+(\(μ_e-μ\))+(\(μ_f-μ\))
    =\(μ_a\)+\(μ_b\)+\(μ_c\)+\(μ_d\)+\(μ_e\)+\(μ_f\)-5\(μ\)
    となります。

    SN比η、感度Sは
    ●\(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    ●\(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,C,D,E,Fで値のSN比が大きい水準をみると
    A1,B2,C1,D2,E1,F3なので、
    \(η_{ABCDEF}\)=\(η_a\)+\(η_b\)+\(η_c\)+\(η_d\)+\(η_e\)+\(η_f\)-5\(\bar{η}\)
    =9.28+27.48+12.67+15.82+16.98+12.08-5×12.06
    =34.03

    ●感度において、
    A,B,C,D,E,Fで値の感度が大きい水準をみると
    A2,B1,C3,D2,E1,F3なので、
    \(S_{ABCDEF}\)=\(S_a\)+\(S_b\)+\(S_c\)+\(S_d\)+\(S_e\)+\(S_f\)-5\(\bar{S}\)
    =169+182.25+177.69+196+215.21+169-5×145.71
    =380.59

    と計算できました。

    直交表L18を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L18を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L18を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
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    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

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    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

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    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16
    ●L27(本記事)
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L27を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L27

    直交表L27

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L27は3水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    関連記事から3水準系の各列の平方和\(S[k]\)は
    \(S[k]\)=\(\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}\)
    で計算します。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L27

    ●分散分析表

    L27 平方和S 自由度φ 平均平方V
    A 800 2 400
    B 1134 2 567
    C 98 2 49
    AB 108 4 27
    AC 14 4 3.5
    BC 504 4 126
    e 72 8 9
    2730 26

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2,3\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2、3に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    A 15 10.44 22.5 5.55 30 10.07
    B 12.38 8.35 25.88 6.93 29.25 9.04
    C 19.88 6.89 22.5 13.47 25.13 10
    AB 21.38 13.44 23.06 13.3 23.06 10.91
    AC 21.94 12.87 22.31 13.04 23.25 11.94
    BC 27 8.36 19.13 11.66 21.38 9.37
    e 22.78 11.75 22.22 12.72 22.5 12.82

    例えば、
    ●因子Aにおいて、水準ごとの9個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●交互作用ABは、2列あるので、水準ごとの18個のデータの平均と標準偏差を計算します。
    ●残差eは、4列あるので、水準ごとの36個のデータの平均と標準偏差を計算します。

    直交表L27の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    No 水準1 水準2 水準3
    SN比η 感度S SN比η 感度S SN比η 感度S
    A 2.06 225 16.44 506.25 8.88 900
    B 2.2 153.26 13.95 669.77 10.47 855.56
    C 8.33 395.21 2.79 506.25 6.32 631.52
    AB 2.53 457.1 3.01 531.76 4.47 531.76
    AC 2.91 481.36 2.93 497.74 3.79 540.56
    BC 10.43 729 2.69 365.96 5.21 457.1
    e 3.76 518.93 3.05 493.73 3.08 506.25

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =3.79-5.68=-1.89

    ●感度において、
    ACで値の感度が大きい水準をみると
    AC_3なので、
    \(μ(AC_3)\)= (\(\widehat{μ+ac_3}\))-\(μ\)
    =540.56-521.62=18.94

    と計算できました。

    直交表L27を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    直交表の種類に関係なく1つの解法で解ける事がわかりますね。

    まとめ

    「直交表L27を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L27を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8(本記事)
    ●L16
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L8を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L8

    直交表L8

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L8は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    直交表L8

    ●分散分析表

    L8 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 60.5 1 60.5
    2 B 24.5 1 24.5
    3 A×B 128 1 128
    4 C 32 1 32
    5 A×C 24.5 1 24.5
    6 B×C 12.5 1 12.5
    7 e 18 1 18
    15 e 18 1 18
    合計 T 300 7

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijk}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)
    +\(e_{ijk}\)
    (\(i,j,k=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 17.88 8.54 20.63 2.63
    2 B 18.38 6.34 20.13 7.18
    3 A×B 18.25 5.97 20.25 7.33
    4 C 21.25 5.45 17.25 5.26
    5 A×C 20.13 5.5 18.38 7.85
    6 B×C 18.63 5.56 19.88 8.06
    7 e 18.5 5.16 20 8.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31
    ●水準2:44,39,43,39
    なので、それぞれ4個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの7列分を計算します。

    直交表L8の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 4.38 319.52 61.5 425.39
    2 B 8.39 337.64 7.85 405.02
    3 C 9.34 333.06 7.64 410.06
    4 A×B 15.22 451.56 10.76 297.56
    5 A×C 13.39 405.02 5.48 337.64
    6 B×C 11.22 346.89 6.08 395.02
    7 e 12.83 342.25 5.94 400

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i C_k)\の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(c_k\)+\(ac_{ik}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    +\((\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{i・・}}-\bar{x_{・・k}}+\bar{\bar{x}})\)
    =\((\bar{x_{i・k}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =13.39-12.85=0.53

    ●感度において、
    A,Cで値の感度が大きい水準をみると
    AC_1なので、
    \(μ(A_ i C_k)\)= (\(\widehat{μ+ac_1}\))-\(μ\)
    =405.02-371.90=33.11

    と計算できました。

    直交表L8を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L8を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L8を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16(本記事)
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    直交表L16の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    実験計画法の、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、主効果・交互作用の区間推定の導出ができますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事は、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説します。分散分析、期待値の導出、区間推定をマスターしたい方は必見です。

    ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L16を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L16

    L16

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L16は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    L16

    ●分散分析表

    L16 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 42.25 1 42.25
    2 B 182.25 1 182.25
    3 A×B 6.25 1 6.25
    4 C 81 1 81
    5 A×C 4 1 4
    6 B×C 25 1 25
    7 A×B×C 9 1 9
    8 D 169 1 169
    9 A×D 9 1 9
    10 B×D 49 1 49
    11 A×B×D 0 1 0
    12 C×D 12.25 1 12.25
    13 A×C×D 2.25 1 2.25
    14 B×C×D 20.25 1 20.25
    15 e 110.25 1 110.25
    合計 T 721.75 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijkl}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(d_l\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(ad_{il}\)+\(bc_{jk}\)+\(bd_{jl}\)+\(cd_{kl}\)
    +\(abc_{ijk}\)+\(abd_{ijl}\)+\(acd_{ikl}\)+\(bcd_{jkl}\)+\(e_{ijkl}\)
    (\(i,j,k,l=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 38.5 6.55 41.75 7.36
    2 B 36.75 7.4 43.5 4.72
    3 A×B 40.75 8.56 39.5 5.37
    4 C 37.88 7.06 42.38 6.46
    5 A×C 40.63 6.99 39.63 7.33
    6 B×C 38.88 8.43 41.38 5.34
    7 A×B×C 39.38 5.42 40.88 8.51
    8 D 43.38 5.34 36.88 7.1
    9 A×D 40.88 6.92 39.38 7.35
    10 B×D 41.88 4.29 38.38 8.81
    11 A×B×D 40.13 7.83 40.13 6.47
    12 C×D 39.25 4.33 41 9.09
    13 A×C×D 39.75 8.56 40.5 5.42
    14 B×C×D 41.25 6.82 39 7.33
    15 e 37.5 5.95 42.75 7.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31,44,39,43,39
    ●水準2:42,27,42,40,40,47,53,43
    なので、それぞれ8個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの15列分を計算します。

    直交表L16の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 34.55 1482.25 32.18 1743.06
    2 B 24.66 1350.56 84.94 1892.25
    3 A×B 22.66 1660.56 54.11 1560.25
    4 C 28.79 1434.89 43.04 1796.06
    5 A×C 33.79 1650.8 29.23 1570.54
    6 B×C 21.27 1511.65 60.05 1712.3
    7 A×B×C 52.79 1550.78 23.08 1671.17
    8 D 65.99 1881.82 26.98 1360.13
    9 A×D 34.9 1671.17 28.71 1550.78
    10 B×D 95.3 1753.93 18.98 1473.02
    11 A×B×D 26.27 1610.42 38.47 1610.42
    12 C×D 82.17 1540.56 20.34 1681
    13 A×C×D 21.56 1580.06 55.84 1640.25
    14 B×C×D 36.58 1701.56 28.31 1521
    15 e 39.72 1406.25 35.16 1827.56

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,B,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(abc_{ijk}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・j・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))+\((\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・j・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{・jk・}}-\bar{x_{・j・・}}-\bar{x_{・k・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{・jk・}}\)+\(\bar{x_{i・・・}}+\bar{x_{・j・・}}+\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+b_j+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    ABC_1なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_1}\))-\(μ\)
    =52.79-40.014=12.776

    ●感度において、
    A,B,Cで値の感度が大きい水準をみると
    ABC_2なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_2}\))-\(μ\)
    =1671.17-1613.235=57.93

    と計算できました。

    直交表L16を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 品質工学のSN比が導出できる

    品質工学のSN比が導出できる

    「品質工学のSN比、感度Sが導出できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学のSN比が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
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    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
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    ①品質工学のSN比

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)でいいけど

    QCプラネッツ自身は、数値より、式の意味が大事ととらえるので、

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    でOKですね。

    対数 10logとかも要らないですよ。

    SN比 η=10 log \( \frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)をよく使う

    ですが、よく、

    η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を使いますよね!

    しかも、
    分子に変動\(S_m\)と単位が異なる分散\(Ve\)を引く意味がわからない
    変動\(S_m\)を分母にある単位が異なる分散\(Ve\)を割る意味がわからない
    教科書は「公式だから」ってあるけど、何でこの式なの?
    と疑問に沸きますよね。

    「公式は暗記!」
    はアカンよ!
    ちゃんと導出して納得してから使おう!

    ということで、

    SN比 η=10 log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を導出します。

    ➁品質工学のSN比が導出できる

    SN比 η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)を導出

    (i)SN比の定義

    SN比ηは
    SN比 η=10log \(\frac{S_m}{V_e}\)≡10log \(\frac{m^2}{σ^2}\)
    とします。個人的には10logは無くてもいいと思います。大事なのは、平均とばらつきの比をとっていることですね。

    (ii)平均\(m\)の式を変形

    まず、データが正規分布N(\(m\),\(σ^2\))に従うとし、
    そこから\(n\)個(\(y_1\),…,\(y_n\))のサンプルを抜き出し、
    その平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)を考えます。

    分散の公式V[X]=E[X2]-(E[X])2から
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\((E(\bar{y}))^2\)
    =\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)
    と表現できます。
    (ここで、\((E(\bar{y})=m\)です。)

    また、平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)は、もとの正規分布からサンプル数を抜き取った時のばらつきなので、
    \(V(\bar{y})\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    とも書けます。

    まとめると、
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    =(式1)
    となります。

    (式1)を変形します。
    \(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(n・\bar{y}^2)-σ^2\))
    とします。

    もともと、変動\(S_m\)は
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n} \bar{y}^2\)=\(n \bar{y}^2\)
    なので、

    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    =(式2)
    となります。

    (iii)推定値に置き換える

    推定値に置き換えましょう。

    1. 母集団分散\(σ^2\)の推定値を\(V_e\)に置き換える
    2. 母集団平均\(m\)の推定値を\(\hat{m}\)に置き換える

    (式2)は
    (式2)= \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    ≡\(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    と書けます。

    よって、SN比 ηは
    η=10log \(\frac{\hat{m^2}}{σ^2}\)
    ≡10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e) }{V_e}\)
    と導出できます。

    シンプルだけど、自力で導出と言われると難しいですよね。

    ➂品質工学の感度Sが導出できる

    ついでに、感度Sも導出しておきます。

    感度S=10log\(m^2\)
    ですから

    \(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    を代入すれば、

    感度S=10log\(m^2\)≡10log\(\hat{m^2}\)
    =10log\(\frac{1}{n}(S_m-V_e)\)
    となります。

    教科書によく出て来る式が導出できました!。

    まとめ

    「品質工学のSN比が導出できる」を解説しました。

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる

  • 品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    「品質工学の静特性がよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
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    ①静特性を解く目的を理解する

    品質工学を解く目的を理解する

    ちゃんと理解できていますか?

    1. 品質工学で何を解いているか?
    2. 実験計画法と品質工学の違いは何か?
    3. タグチメソッドを使って何とかく解を求めているだけかどうか?

    ちゃんと、理解しましょう。

    品質工学を解く目的は関連記事で紹介したとおり、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    実験計画法・回帰分析は誤差の評価や最小化をすることが目的

    と、目的が違い、
    ●品質工学は、目標値との差分を見る
    ●実験計画法・回帰分析は平均値との差分を見る

    全変動

    ですね。分散分析するから品質工学と実験計画法・回帰分析の区別がつきにくいし、区別つかないなら品質工学は不要ですよね。

    詳細は、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    【初心者必見】品質工学で全変動と平方和の違いがわかる
    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで、全変動、平方和などの2乗和の計算を区別して計算できていますか?本記事では品質工学の入り口である全変動と平方和の違いをわかりやすく解説します。ここがわからないと品質工学で何を解いているかさっぱりわからなくなりますので、必読です!

    品質工学の静特性とは

    まず、「静特性」と「動特性」の2種類がありますが、その違いは、

    ●静特性:システムの入力が固定され、出力に対する目標が一定
    ●動特性:入力の値に応じて出力の値が変化する

    実は、品質工学領域の独特な表現方法で書いているだけで、実際は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。
    ●動特性:回帰分析そのもの(単回帰分析、重回帰分析)

    です。わざわざ別の言い方で「静特性」なり、「動特性」と使わなくてもいいんでしょうけど、品質工学を1つの学問として立ち上げたかったんでしょうね。

    だから、今回解説する「静特性」は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。

    の点に意識して解説するし、
    データの構造式がそうなっているから
    ですね。

    ➁静特性の全変動を導出

    静特性を表すデータの構造式を作る

    品質工学の目的は、何度も言いますが、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    品質工学は、目標値との差分を見る!

    静特性を図で表現すると下図になり、この図をもとにデータの構造式を作ります。

    全変動

    データの構造式は、

    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)

    (全変動)=(平均変動)+(誤差分散(実は平方和))
    と書けますね。

    ➂静特性の変動の注意点

    教科書に書いてあるデータの構造式

    教科書に出て来る式は、なぜか、

    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、目標値の\(m\)がありません。

    実は、

    目標値の\(m\)を省くところが、
    品質工学の目的がぼやけてしまい、理解しにくくなる点なのです。

    定義どおり立式しても目標値の項は省ける

    じゃー、

    目標値\(m\)を省いたデータの構造式
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の式自体が間違っているんじゃないの?

    と思いますよね。

    実は、

    静特性の目的を網羅した式
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の2乗和を計算すると、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    でもいいことが分かります。

    また、シンプルだから教科書では、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    のデータの構造式から解説しています。

    シンプルとはいえ、肝心な目標値\(m\)を省くから
    静特性は何を計算しているかがわかりにくくなる!
    実験計画法、回帰分析、品質工学を1つずつちゃんと理解するには、2乗和の分解を解くスキルがとても大事です!

    2乗和を計算して目標値\(m\)の項が不要か確かめよう!

    では、2乗和を計算して、目標値\(m\)が不要になるか確かめましょう。

    データの構造式

    確かに計算結果みると、目標値\(m\)が不要になっているのがわかります。

    ➃SN比の注意点

    SN比の定義

    SN比は、有効成分と有害成分の比として、
    SN比が大きいほど良いとする変数です。

    データの構造式からは、
    (全変動)\(S\)=(平均変動)\(S_m\)+(誤差分散=平方和)\(S_e\)
    ですから、

    (SN比)=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    となります。
    なお、\(log_{10}\)を教科書では取りますが、
    QCプラネッツは対数化に対しては重要な意味は感じません。
    なぜなら、比という考えが大事だからです。

    SNのSはいくらか?

    データの構造式をよく見ると、
    ●元(定義通り):\((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    ●簡略化: \((y_i)\)=\((\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、平均変動\(S_m\)を
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)

    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    のどちらを取るべきか、迷いますよね。

    QCプラネッツの考えは、


    ●品質工学の目的は目標値に近づける事だから、本来は、
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすべき

    ただし、


    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすると、\(S_m\)の値が高くなり、SN比が高くなり、
    過大評価になるので、調整の上、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、\(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    を使うことが多いのではないか?

    教科書どおり解くと、品質工学の目的を見失うことが多々あります。
    よく考えることが大事です。

    まとめ

    「品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる」を解説しました。

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点

  • 混合系直交表L18がわかる

    混合系直交表L18がわかる

    「混合系直交表L18がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    混合系直交表L18がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①混合系直交表L18とは

    混合系直交表L18って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表L18や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表L18や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

    【簡単】2水準の直交表のつくり方【必見】
    実験計画法の直交表のつくり方や平方和の分解や水準の数の求め方をご存知ですか?本記事では、教科書では書いていない直交表の構成やデータの構造式から直交表が作れることをわかりやすく解説します。直交表を鵜呑みでわかった気で済ませているが不安な方は必見です。

    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表L18や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、混合系直交表L18を攻略しましょう。

    直交表L18とは

    下表が直交表L18です。狙って設計するよりは、振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L18はたまたまできた副産物的なイメージがありますし、結構、計算機を何度も回して見つけた努力の結晶かもしれません。

    L18 A B C D E F G e
    1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 3 3 3 3 3 3
    4 1 2 1 1 2 2 3 3
    5 1 2 2 2 3 3 1 1
    6 1 2 3 3 1 1 2 2
    7 1 3 1 2 1 3 2 3
    8 1 3 2 3 2 1 3 1
    9 1 3 3 1 3 2 1 2
    10 2 1 1 3 3 2 2 1
    11 2 1 2 1 1 3 3 2
    12 2 1 3 2 2 1 1 3
    13 2 2 1 2 3 1 3 2
    14 2 2 2 3 1 2 1 3
    15 2 2 3 1 2 3 2 1
    16 2 3 1 3 2 3 1 2
    17 2 3 2 1 3 1 2 3
    18 2 3 3 2 1 2 3 1

    特徴的なのが、

    1列だけ2水準で、残り7列が3水準系という不規則な混合系であること
    交互作用が一切ないところ

    L18について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L18はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➁L18のデータの構造式

    L18は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(g\)+\(ε\)
    (8番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L18の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表7列目の平方和\(S_7\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{gi}})+6\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表8列目の平方和\(S_8\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系,3水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    ●2水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)
    ●3水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2}{3N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L18の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L18 A B C D E F G e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 12
    2 1 1 2 2 2 2 2 2 14
    3 1 1 3 3 3 3 3 3 16
    4 1 2 1 1 2 2 3 3 8
    5 1 2 2 2 3 3 1 1 10
    6 1 2 3 3 1 1 2 2 11
    7 1 3 1 2 1 3 2 3 14
    8 1 3 2 3 2 1 3 1 4
    9 1 3 3 1 3 2 1 2 10
    10 2 1 1 3 3 2 2 1 6
    11 2 1 2 1 1 3 3 2 18
    12 2 1 3 2 2 1 1 3 15
    13 2 2 1 2 3 1 3 2 11
    14 2 2 2 3 1 2 1 3 13
    15 2 2 3 1 2 3 2 1 8
    16 2 3 1 3 2 3 1 2 12
    17 2 3 2 1 3 1 2 3 14
    18 2 3 3 2 1 2 3 1 20
    1の合計 99 81 63 70 88 67 72 60 216
    2の合計 117 61 73 84 61 71 67 76
    3の合計 0 74 80 62 67 78 77 80
    216 216 216 216 216 216 216 216 平方和計
    平方和 27 34.33 24.33 41.33 67 10.33 8.33 37.33 250

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{18}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{18}x_i)^2}{12}\)
    =280
    になります。

    ん???
    おかしいぞ!
    って気が付きませんか?

    【注意!】直交表の平方和総和 <総平方和

    直交表の全列の平方和の総和は、「250」
    総平方和は、「280」
    直交表の平方和総和 <総平方和!
    何で一致しないの?
    L12は一致したぞ!

    直交表の平方和総和 <総平方和の理由

    理由は簡単で、

    3水準系の直交表に
    1列だけ3より少ない2水準系を割り当てているから、
    直交表の平方和総和がその分少なくなる

    総平方和と直交表の平方和総和の差は何か?

    自由度で評価すると、

    ●L12の場合、直交表は 11列、データは12個ある。自由度は12-1=11で列分ある。だから
    直交表の平方和総和=総平方和
    一方
    ●L18の場合、直交表は 8列、データは18個ある。自由度は18-1=17で
    各列の自由度の和は (2-1)×1+(3-1)×7=15と17に比べて2少ないだから
    直交表の平方和総和 <総平方和

    つまり、

    3水準系に2水準系を割当たため
    自由度が2だけ小さくなった分
    直交表の平方和総和 <総平方和

    面白いですね。初めて知った人も多いはず。

    さらに面白いのが、

    少ない自由度2を
    2=(2-1)×(3-1)と書くと
    2水準系1列と3水準系1列の交互作用に相当する成分の差が
    総平方和と直交表の平方和総和の差ともいえる

    なので、その列をA、Bとすると、
    \(S_{AB}\)成分の差が、総平方和と直交表の平方和総和の差と言うこともできますね。

    式で書くと
    ●L12の場合
    \(S_T\)=\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_K\)
    と(両辺)が一致するが、
    ●L18の場合
    \(S_T\) >\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    と(両辺)が一致せず、自由度2の交互作用に該当する成分を入れると
    \(S_T\) =\(S_{A×B}\)+\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    となる。

    そうなると、

    L18に
    \(S_{A×B}\)成分の1列を追加したらいいじゃん!
    と思いますが、
    1列追加すると直交表の各列の直交条件が満たせなくなるため、
    \(S_{A×B}\)成分の1列追加は直交表にはできません!
    「混合系直交表の平方和の総和は
    総平方和より小さくなる点に注意しよう!」
    を理解しておきましょう。
    混合系直交表などのトリッキーな直交表を使うと
    追加で注意しないといけないことが増えるので、QCプラネッツはL8,L16,L9,L27を使いたいという気持ちになってしまいます。

    ➃L18の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    先に結論を述べると、

    混合系直交表の分散の期待値は綺麗に導出できない。式を立てて終わり

    です。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{18}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =ここから文字式で計算ができません。

    おそらく、
    E[\(S_1\)]= E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+1×\(σ_e^2\)
    となるはずです。これ以上、首をつっこんでも収集つかないので、一旦止めます。

    直交表の全列も同様に途中まで解けます。
    分散分析表をまとめます。

    S Φ V F E[V]
    A 27 1 27 1.45 ??+\(σ_e\)
    B 34.33 2 17.17 0.92 ??+\(σ_e\)
    C 24.33 2 12.17 0.65 ??+\(σ_e\)
    D 41.33 2 20.67 1.11 ??+\(σ_e\)
    E 67 2 33.5 1.79 ??+\(σ_e\)
    F 10.33 2 5.17 0.28 ??+\(σ_e\)
    G 8.33 2 4.17 0.22 ??+\(σ_e\)
    e 37.33 2 18.67 \(σ_e\)
    250 15

    分散の期待値が??としていますが、話を続けます。

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =99/9=11

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =99/9+61/6+63/6-2×216/18
    =7.67

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{9}σ_e^2\)=18.67/9=2.07

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{9}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{18})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=18.67/3=6.22

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(2,0.05)=4.303)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=7.67(=母平均)±4.303(=t(Φe,α))×2.494(=\(\sqrt{V}\))=-3.06,18.40
    となります。

    まとめ

    「混合系直交表L18がわかる」を解説しました。

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

  • 直交表L12がわかる

    直交表L12がわかる

    「直交表L12がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L12がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①直交表L12とは

    直交表L12って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

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    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、直交表L12を攻略しましょう。

    直交表L12とは

    下表が直交表L12です。狙って設計するよりは、1,2全パターンを振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L12はたまたまできた副産物的なイメージがあります。

    L12 A B C D E F G H I J K
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1

    特徴的なのが、

    交互作用が一切ないところ

    L12について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L12はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

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    ➁L12のデータの構造式

    L12は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(j\)+\(ε\)
    (11番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L12の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表10列目の平方和\(S_{10}\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表10列目の平方和\(S_{11}\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L12の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L12 A B C D E F G H I J e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 8
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 12
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2 14
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2 16
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1 8
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1 10
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1 9
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2 6
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1 3
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2 10
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2 6
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1 18
    1の和 68 52 63 62 55 75 49 62 53 53 56 120
    2の和 52 68 57 58 65 45 71 58 67 67 64
    120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 平方和計
    平方和 21.33 21.33 3 1.33 8.33 75 40.33 1.33 16.33 16.33 5.33 210

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{12}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{12}x_i)^2}{12}\)
    =210
    になりますから、確かに、
    \(S_1\)+…+\(S_{11}\)=S=210
    が成り立っています。

    ➃L12の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{12}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =1\(σ_A\)+1\(σ_e\)

    分散の期待値は自由度が1なので、
    E[\(V_1\)]=1\(σ_A\)+1\(σ_e\)
    と計算できます。

    直交表の全列も同様に解けるので、分散分析表は以下になります。

    S Φ V F E[V]
    A 21.33 1 21.33 4 \(σ_A+σ_e\)
    B 21.33 1 21.33 4 \(σ_B+σ_e\)
    C 3 1 3 0.56 \(σ_C+σ_e\)
    D 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_D+σ_e\)
    E 8.33 1 8.33 1.56 \(σ_E+σ_e\)
    F 75 1 75 14.06 \(σ_F+σ_e\)
    G 40.33 1 40.33 7.56 \(σ_G+σ_e\)
    H 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_H+σ_e\)
    I 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_I+σ_e\)
    J 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_J+σ_e\)
    e 5.33 1 5.33 \(σ_e\)
    ST 11

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =68/6=11.33

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =68/6+68/6+63/6-2×120/12
    =13.17

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{6}σ_e^2\)=0.89

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{6}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{12})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=1.77

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(1,0.05)=12.7)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=13.17(=母平均)±12.7(=t(Φe,α))×0.94(=\(\sqrt{V}\))=-3.72,30.06
    となります。

    12.7(=t(Φe,α))の値が大きすぎるため、範囲が広すぎですが、求め方を理解することが大事です!

    まとめ

    「直交表L12がわかる」を解説しました。

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

  • 工程能力指数の区間推定が導出できる

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    「工程能力指数の区間推定がわからない、どうやって導出するの?」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)
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    工程能力指数の区間推定の式を導出します!
    めっちゃ難しいけど

    ①工程能力指数の区間推定

    工程能力指数の区間推定ですが、こんな式どうやって作られたの?って疑問に思いませんか?

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ●片側規格の場合
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    どうやって、この式求めたの?
    って不思議に思いますよね!
    じゃー、導出してみますね。

    ➁両側規格の場合は自力で導出できる

    この式は、自力で簡単に導出できるし、できないといけません!

    1. 工程能力指数の式は平方和とσの比
    2. 平方和とσの比はχ2乗分布の定義
    3. χ2乗分布を使えば、導出できる!

    の3点セットで導出しますね。

    工程能力指数の式は平方和とσの比

    まず、工程能力指数の定義ですが、

    \(C_p\)=\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)

    ですね。

    ちょっと変形していくと、
    \(C_p\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6s}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    (\(\hat{C_p}\)=\(\frac{S_U – S_L}{6s}\))

    ここで、
    \(\frac{s}{σ}\)からχ2乗分布をおびきよせます。

    平方和とσの比はχ2乗分布の定義

    ところで、\(s\)と\(σ\)は、

    ●\(s\):標準偏差
    (生データの平方和から計算できる)
    ●\(σ\):母標準偏差
    (母集団がわからないから、計算できない)

    次に、平方和\(S^*\)と標準偏差\(s\)の関係式と
    χ2分布の定義式を書きます。

    ●\(\frac{S^*}{n-1}\)=\(s^2\) (分散は標準偏差の2乗)
    ●\(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)

    整理すると、
    \(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)
    =\(\frac{s^2 (n-1)}{σ^2}\)
    より

    \(\frac{s}{σ}\)=\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    よって、工程能力指数の区間推定の式は
    \(C_p\)=\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    χ2乗分布から信頼区間を入れればよいので、

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)

    両側規格の場合は、χ2乗分布の式をいじれば導出できます。

    ➂片側規格の場合を導出(激難)

    導出が書いている本を紹介

    1冊だけ導出過程が書いている本があります。紹介します。

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    工程能力指数 実践方法とその理論 (JSQC選書) [ 永田靖 ]
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    この本を読んでわかったことは、

    1. 難しいから結局わからない
    2. 定理で導出されるよりは、数学者や日本規格協会が設計した式という印象が強い
    3. だったら、自分の経験式でもいいんじゃないの?と思った

    ですね。
    片側規格の式は
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    という変な式で、

    √の中にある +\(\frac{1}{9n}\)
    がどういう意味かもよくわからない

    なので、わかり補足した資料を作りました。

    本が難しいので、わかりやすく補足

    すいません、補足資料は販売とさせていただきます。

    1000円でメルカリで販売します。ご購入よろしくお願いいたします。

    資料のポイントは、

    1. 両側規格はχ2乗分布だが、片側規格はt分布から攻めており、異なる確率分布で計算していいのか?疑問
    2. 厳密な計算の途中に、値だけ近い関数に無理矢理近似している
    3. 最終形の式を両側規格にできるだけ近づけるように設計した印象がある
    4. JISにも書いているから正しいと信じこみやすいが、導出過程見ると強引さがある
    5. 式の精度が高そうで高くないから、自分の経験式でやってもいいんじゃないの?
    6. なのに、教科書や試験はこの式を代入させたい意思がある

    QCプラネッツなら、

    ●片側規格の推定区間の式は使わない
    ●両側規格の区間×α倍とざっくり区間を広げておく感じで済ませる

    大学の先生や日本規格協会が作ったから正しいわけじゃないし、
    JISにあるから絶対正しいと信じ込まず、
    式の導出過程をみて、その式の強み・弱みを理解することが大事!

    まとめ

    「工程能力指数の区間推定が導出できる」を解説しました。

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)

  • 【まとめ】サンプリングがわかる

    【まとめ】サンプリングがわかる

    「サンプリングがわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【まとめ】サンプリングがわかる
    • ①有限母集団の修正項が導出できる
    • ➁条件付き確率がわかる
    • ➂2変数の分散・共分散がわかる
    • ➃全分散の公式が導出できる
    • ➄2段サンプリングの分散が導出できる

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    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

    サンプリングしたデータの期待値、分散をちゃんと解こうとすると結構難しい
    2段サンプリングの分散の公式
    V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)
    が理解できないし、解けないし

    なので、本記事は2段サンプリングの分散が導出を目標に解説していきます。

    目標達成のために必要なこと

    2段サンプリングの分散を導出するまでに必要なテクニックを先に磨いておきましょう。これも結構難しいので関連記事で丁寧に解説しています。

    1. 有限母集団の修正項
    2. 条件付き確率
    3. 2変数の分散・共分散
    4. 全分散の公式

    では、関連記事を紹介しながら、進めていきます。
    まず、全関連記事のリンクです。











    ①有限母集団の修正項が導出できる

    サンプリングの前提ですが、標本分散と標本平均の分散の違いを最初に確認しましょう。

    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる
    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式を暗記して済ませていませんか? 本記事では、最適配分になる条件式を丁寧に導出します。サンプリングを勉強する人は必読です。

    サンプリングでよく出て来る、有限母集団の修正項ですが、公式導出も難しいです。関連記事で丁寧に導出過程を解説しています。

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる
    有限母集団の修正項(N-n)/(N-1)を導出できますか?本記事では修正項の導出を丁寧にわかりやすく解説しました。式の機械的な変形以外はすべて省かずに解説しました。

    ➁条件付き確率がわかる

    有限母集団の修正項を理解したら、次は条件付き確率、2変数の確率密度関数、全分散の公式と進み、ボスである2段サンプリングの分散を攻略します。

    条件付き確率の定義、期待値、分散の解法を丁寧に解説します。公式暗記より理解するまでじっくり行きましょう。急がば回れです!

    条件付き確率がわかる(2段サンプリングの分散式導出)
    高校でも習う「条件付き確率」はちゃんと解けますか?みんなが苦手とする2段サンプリングの分散の公式導出に必須な条件付き確率を本記事でわかりやすく解説します。サンプリングの分散の導出したい方は必読です。

    期待値、分散の導出過程が大事です!

    【必読】条件つき期待値・条件つき分散がわかる(連続型)
    条件付き期待値、条件付き分散を計算できますか?本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、全分散の公式を実例を使って,積分で計算して確認します。教科書では公式導出ばかりです。具体的な計算が 苦手な人は必読です。

    【必読】条件つき期待値・条件付き分散がわかる(離散型)
    条件付き期待値、条件付き分散を計算できますか?本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、 全分散の公式を実例を使って、数列で計算して確認します。教科書では公式導出ばかりです。具体的な計算が 苦手な人は必読です。

    ➂2変数の分散・共分散がわかる

    2変数の確率分布を次に攻略します! 全分散の公式や2段サンプリングの分散は2変数の処理スキルが前提となります。

    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)がわかる
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)が説明できますか?本記事では、2変数の確率分布関数の基礎をわかりやすく解説します。サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    同時確率分布の分散、共分散の導出がわかる(その1 離散系の場合)
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)の期待値・分散が簡単に求められますか? 本記事では、2変数の確率分布関数(離散系)の期待値・分散をわかりやすく解説します。 期待値・分散の計算が結構難しいので、復習がとても大事です。また、サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    同時確率分布の分散、共分散の導出がわかる(その2 連続系の場合)
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)の期待値・分散が簡単に求められますか? 本記事では、2変数の確率分布関数(連続系)の期待値・分散をわかりやすく解説します。 期待値・分散の計算が結構難しいので、復習がとても大事です。 また、サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    ➃全分散の公式が導出できる

    2段サンプリングの分散に使う、全分散の公式をようやく攻略できるところまで来ました。条件付き確率、2変数の解法がいっぱい出て来ますので、この関連記事は、良い演習になります。

    【必読】全分散の公式の導出がわかる
    全分散の公式が導出できますか?本記事では、全分散の公式の導出をわかりやすく解説しています。途中端折りたくなるが大事な計算過程をすべて載せています。全分散の公式、条件つき期待値、条件つき分散を 得意になりましょう。

    ➄2段サンプリングの分散が導出できる

    ラスボスの2段サンプリングの分散の導出を解説します。公式でも暗記しにくいので、導出方法がわかれば覚えなくてもいいと思います。でも、導出過程も難しいです。①~➃の解法を駆使して関連記事で丁寧に解説しています。

    【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる
    2段サンプリングの分散V(bar(x))が導出できますか? 本記事では、2段サンプリングの分散を丁寧に導出解説します。公式暗記で逃げたいところですが、導出過程は必ず読んでおきましょう。期待値、分散、有限母集団、全分散の公式をフル活用します!

    費用関数についての小ネタを1つどうぞ。

    【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる
    サンプリングするとなんで、分散Vをサンプル数で割る必要があるのか?疑問に思いませんか? 統計の教科書でもおなじみのV/nですが、V/nとVの違いをわかりやすく解説します。公式丸暗記せず、しっかり理解してほしい、必読な記事です。

    サンプリングをマスターすべき内容

    どれも難しいですが、確率統計力を高める大事な関連記事です。焦らず、時間かけて読み進めてください。相当力がつきますよ!

    1. 有限母集団の修正項
    2. 条件付き確率
    3. 2変数の分散・共分散
    4. 全分散の公式
    5. 2段サンプリングの分散

    まとめ

    「【まとめ】サンプリングがわかる」をわかりやすく解説しました。

    • ①有限母集団の修正項が導出できる
    • ➁条件付き確率がわかる
    • ➂2変数の分散・共分散がわかる
    • ➃全分散の公式が導出できる
    • ➄2段サンプリングの分散が導出できる

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