カテゴリー: 手法

  • 計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】

    本記事のテーマ

    計量抜取検査がすべてわかる【まとめ】
    計量抜取検査(JISZ9003,JISZ9004)
    の本質がよくわかる!
    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
    • ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる

    計量抜取検査はJISZ9003,JISZ9004に規定

    JIS規格を読むと、内容が多く、難解な図やグラフがあります。
    エッセンスは本記事でおさえましょう。エッセンスがわかれば、
    JISZ9003,JISZ9004を読まなくても自力で計量抜取検査は設計できます。

    計量抜取検査はモデル図が最重要

    計量抜取検査では、規準となる2つの平均・分布の関係を式にします。
    検定力でも同じ図を使うので、このモデル図から関係式を導出する流れをおさえましょう。

    計量抜取検査

    図からは、
    ①Uについて2つの式
    U=\(μ_0\)+\(K_{p0}\)σ
    U=\(μ_1\)+\(K_{p1}\)σ

    ②\(X_U\)について2つの式,
    \(X_U\)=\(μ_0\)+\(K_α\)\(σ_{\bar{x}}\)
    \(X_U\)=\(μ_1\)-\(K_β\)\(σ_{\bar{x}}\)

    ③また、\(σ_{\bar{x}}\)は
    \(σ_{\bar{x}}\)=σ/\(\sqrt{n}\)
    の関係式はモデル図をみれば作れます。

    これらの関係式から、サンプル数nと合格判定係数k、合格判定値\(X_U\)についての式を導出します。

    計量抜取検査はモデル図が描ければ、自力で設計できることが重要です。複雑な公式の暗記は不要です。

    ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる

    標準偏差σが、既知(JISZ9003)or未知(JISZ9004)の2パターン
    与えられた値が、規格値or合格判定値の2パターン
    の2×2=4パターンをおさえる

    4パターンは
    ●(Ⅰ):標準偏差σが既知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅱ):標準偏差σが既知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    ●(Ⅲ):標準偏差σが未知で、上下限規格値が与えられた場合
    ●(Ⅳ):標準偏差σが未知で、上下限合格判定値が与えられた場合
    があります。

    4パターンにおいて、それぞれ「上」、「下」の2パターンがあるので、全部で8個の解法を習得したいです。

    それぞれの手法を学ぶ前に、このパターン分けを理解しましょう。

    ③計量抜取検査をマスターできるテキストのご紹介

    ブログ記事でまとめていましたが、PDFとしてまとめました。ダウンロードして学習ください。

    計量抜取検査の流れが理解できる関連記事を紹介します。上から下に沿って、それぞれの関連記事を読んでいってください。

    以前、ブログ記事としていましたが、まとめて冊子にしました。
    どれも重要なテーマなので勉強しましょう!

    【QCプラネッツ計量抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    テキストの内容一覧です。

    No ブログ記事リンク 既知/
    未知
    規格値/
    判定値
    上/下
    1 計量抜取検査でOC曲線のサンプル数と合格判定個数の関係がわかる
    2 JISZ9003計量規準型一回抜取検査の抜取表にあるn,kが計算できる
    3 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    4 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限規格値が既知の抜取方式 既知 規格値
    5 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    6 JISZ9003計量抜取検査(標準偏差既知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 既知 判定値
    7 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上下限規格値が既知の抜取方式の理論 未知
    8 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    9 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限規格値が既知の抜取方式 未知 規格値
    10 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で上限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値
    11 JISZ9004計量抜取検査(標準偏差未知)で下限合格判定値が既知の抜取方式 未知 判定値

    一緒に勉強しましょう。

    まとめ

    計量抜取検査のエッセンスが理解できて、自力で計算・設計できるポイントを解説しました。JISZ9003,JISZ9004のエッセンスがすべて理解できるはずです。

    • ①計量抜取検査の基礎がわかれば自力で導出・設計できる
    • ②計量抜取検査は4つのパターンをおさえる
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  • 選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる

    本記事のテーマ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQがわかる
    「平均出検品質AOQって何?」、
    「平均出検品質AOQを求めるメリットは何?」
    を明快に解説します!
    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    選別型抜取検査に出て来る難解な用語

    平均検査量I、許容不良率LTPD(Lot Torelance Percent Defective)、平均出検品質(AOQ)、平均出検品質限界(AOQL)をよく使います。難しいし、すぐ忘れるので、簡単にまとめます。

    (1)平均検査量I:選別抜取検査は2回抜取検査するため、検査量の期待値を計算する必要がある。
    (2) 許容不良率LTPD:第2種の誤り(消費者危険)となる不良率pのこと。(L(p)=βのときのp)
    (3) 平均出検品質(AOQ):検査後の不良率
    (4) 平均出検品質限界(AOQL): 平均出検品質(AOQ)は最大値を持ち、その値のこと

    平均検査量Iについては、関連記事で解説しています。

    抜取検査 【QCプラネッツ2回抜取検査プレミアム勉強プリント】リンク

    プレミアムテキストの中の「2回抜取検査の第1サンプルの合格判定数acが導出できる」をご参照ください

    第1種の誤りや第2種の誤りについては、関連記事で解説しています。

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えていきます。OC曲線を構成する二項分布の導出や式の意味、OC曲線の描き方や描くために必要な制約条件について解説します。

    平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率

    検査後の不良率(AOQ)を式で表す

    元々、不良率pの製品を抜取検査したとします。
    検査後の不良率(AOQ)を次の式で定義します。

    検査後の不良率(AOQ)=\(\frac{不良率×ロット合格率+不良率×ロット不合格率}{ロット合格率+ロット不合格率}\)

    わかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式ですが、
    (不良率×ロットの合否確率の和)をロットの合否確率で割った、不良率の平均値みたいな値)
    と考えましょう。

    このわかりにくい「検査後の不良率(AOQ)」の式
    規準型抜取検査と選別型抜取検査の違いをうまく表現できます!

    ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    規準型抜取検査の平均出検品質(AOQ)

    不良率はp
    ロット合格率はL(p)
    ロット不良率は1-L(p)
    です。

    「検査後の不良率(AOQ)」の式は
    検査後の不良率(AOQ)
    = \(\frac{pL(p)+p(1-L(p))}{L(p)+(1-L(p))}\)
    =p

    規準型抜取検査の場合、検査前後の不良率はpであり、変わらない。
    当然ですよね。何も変わっていないので

    選別型抜取検査のメリット

    選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができる。

    規準型抜取検査のAOQはpです。
    選別型抜取検査のAOQはpL(p)です。
    ロット合格率L(p)は確率なので、0 <L(p) < 1です。

    つまり、
    p > pL(p)
    となります。

    この式から、選別型抜取検査は検査後の不良率を低減することができることがわかります。

    選別型抜取検査は、ロットが不合格な場合に全数検査をする手間をかける分、検査後の不良率がpからpL(p)に下げることができます。
    選別型抜取検査を実施する意義が、AOQの式から理解できます。

    ③平均出検品質限界(AOQL)の導出

    平均出検品質限界(AOQL)はAOQの最大値

    平均出検品質限界って何? ⇒気にしなくていいです。AOQの最大値です。計算して導出すれば、わかります。

    規準型抜取検査の場合、AOQ=pです。y=pのグラフは直線なので、規準型抜取検査のAOQLは考えません。

    選別型抜取検査の場合、AOQ=pL(p)です。
    L(p)は二項分布やポアソン分布の式が入ります。
    pL(p)が最大値を持つ特徴があります。

    平均出検品質限界(AOQL)の導出

    L(p)が二項分布とポアソン分布についてそれぞれ導出します。最大値を求めるのでpL(p)をpで微分します。

    L(p)が二項分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r p^r (1-p)^{n-r}\)
    +p\( \sum_{r=0}^{c} {}_nC_r (r p^{r-1} (1-p)^{n-r}+(n-r)p^r (-1) (1-p)^{n-r-1})\)

    L(p)がポアソン分布の場合

    \(\frac{d}{dp} pL(p)\)
    =L(p)+p \(\frac{d}{dp} L(p)\)
    = \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (np)^r}{ r!}\)
    + \( \sum_{r=0}^{c} \frac{e^{-np} (-np+r)}{r!}(np)^r\)

    非常に複雑な式になります。

    ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係

    平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)を導出しましたので、グラフにしましょう。

    AOQ

    赤い直線のy=pより下側にAOQ曲線があることがわかり、
    AOQ曲線にそれぞれ最大値AOQLがあることがわかります。

    AOQは最大値があり、AOQLより値が高くなることはない。検査後の不良率はAOQL以下になることが保証されていることが重要です。

    選別型抜取検査もOC曲線をベースに数式を使って、検査の特徴を理解することが重要です。
    QCプラネッツは、抜取検査を自力で考え、設計・計画できるよう、解説していきます。

    まとめ

    選別型抜取検査(JISZ9015)の平均出検品質AOQ とその最大値である平均出検品質限界(AOQL)について解説しました。

    • ➀平均出検品質(AOQ)とは検査後の不良率
    • ②規準型抜取検査と選別型抜取検査の平均出検品質(AOQ)
    • ③平均出検品質限界(AOQL)の導出
    • ④平均出検品質(AOQ)と平均出検品質限界(AOQL)の関係
  • 【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる

    【重要】抜取検査に欠かせない標準数がわかる

    本記事のテーマ

    標準数で抜取検査表の数値を決めている
    • ①抜取検査表に欠かせない標準数とは
    • ②抜取検査表は標準数でなくてもOK
    規準型抜取検査表のp1⇒0.91,1.13.1.41.1.81,…
    調整型抜取検査表のAQL⇒…,0.1,0.15,0.25,0.40,0.65,1,…
    これらの値はどうやって決まったのか? わかりますか?

    QCプラネッツは答えを知っています!

    標準数

    どこにも書いていない、標準数の活躍を本記事で紹介します。

    ●You tube動画もご覧ください。

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ①抜取検査表に欠かせない標準数とは

    検査表の数値

    規準型抜取検査表のp1⇒0.91,1.13.1.41.1.81,…
    調整型抜取検査表のAQL⇒…,0.1,0.15,0.25,0.40,0.65,1,…
    これらの値はどうやって決まったのか? わかりますか?

    規準型抜取検査表(黄色枠の数値)

    p1 (%) 0.71 0.91 1.13 1.41 ・・・ 22.5 28.1
    p0 (%) 0.90 1.12 1.40 1.80 ・・・ 28.0 35.5
    0.09 0.112 400 1 ・・・
    0.113 0.14 300 1 ・・・
    0.141 0.180 500 2 250 1 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    9.01 11.2 ・・・ 60 10 30 6

    調整型抜取検査表 (黄色枠の数値)

    AQL
    サンプル 0.01 0.015 0.025 0.04 0.65 ・・・ 650 1000
    文字 サイズ AC Re AC Re AC Re AC Re AC Re ・・・ AC Re AC Re
    A 2 ・・・ 21 22 30 31
    B 3 ・・・ 30 31 44 45
    C 5 ・・・ 44 45
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    Q 1250 0 1 1 2 14 15 ・・・
    R 2000 1 2 2 3 21 22 ・・・

    黄色枠の数字はよくわからないけど、規則性があります。

    規則性1

    ・0.1,0.015,0.025,0.4,0.65
    ・1,1.5,2.5,4,6.5
    ・10,15,25,40,65
    ・100,…
    1.5倍ずつ増えてそうですが、これらの数の関係性は何でしょうか?

    規則性2

    2,3,5,8,13,20,32,50,80,125,200,315,500,800,1250,2000
    1.5倍ずつ増えてそうですが、これらの数の関係性は何でしょうか?

    別に2倍ずつでもいいじゃん!
    2,4,8,16,32,64,128,256,512,・・・
    とか思いますよね。

    抜取検査表の数値は標準数(JISZ8601)

    同じJISだからかもしれませんが、標準数が抜取表の数値として使われています。

    知っている人は標準数とすぐに気が付きますが、
    普通は気が付きません。

    標準数って何?

    何乗かして10になる等比数列の公比のこと。いくつか種類があります。

    公比をRとして下表のように挙げます。

    R 2 5 10
    標準数 \(10^{1/2}\)=3.16 \(10^{1/5}\)=1.58 \(10^{1/10}\)=1.25
    1 1 1
    1.26
    1.58 1.58
    1.99
    2.51 2.51
    3.16 3.16
    3.98 3.98
    5.01
    6.31 6.31
    7.94
    10 10 10

    抜取検査表の数値と標準数R5を比較するとぴったり合います。

    規則性1 0.1 0.15 0.25 0.4 0.65 1
    規則性2 2 3 5 8 13 20
    規則性2の数÷2 1 1.5 2.5 4 6.5 10
    標準数R5 1 1.58 2.51 3.98 6.31 10
    抜取検査の数値は標準数が使われていることがはっきりしました。

    ②抜取検査表は標準数でなくてもOK

    抜取検査表の数値は何でもOKです。使いやすいように決めたらよいです。

    抜取検査表を自分で作ろう!

    規準型抜取検査表を作る場合、p1,p2の範囲と個々の区間をどう設定しますか?

    そして、

    調整型抜取検査表を作る場合、サンプルサイズとAQL(合格品質限界)の範囲と個々の区間をどう設定しますか?

    自由に決めてよいですが、結構難しいですよね!

    抜取検査表の作り方

    考えてわかることは、次の通りです。

    1. 不良率やサンプルサイズは1倍~100倍または1000倍までの範囲を扱う
    2. 個々の区間は等比数列で切った方がよい

    規準型抜取検査のp1,p2はなぜ0.71%,7.1%からスタートしています。
    自分で考えて、0.1%,1%などのわかりやすい値から表を作っても良いですね。

    実際作ってみましょう。抜取表を自ら描くwebサイトはQCプラネッツだけです。

    ●JISの規準型抜取検査をまず描きます。

    p1 (%) 0.71 0.91 1.13 1.41 ・・・ 22.5 28.1
    p0 (%) 0.90 1.12 1.40 1.80 ・・・ 28.0 35.5
    0.09 0.112 400 1 ・・・
    0.113 0.14 300 1 ・・・
    0.141 0.180 500 2 250 1 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    9.01 11.2 ・・・ 60 10 30 6

    ●次に自分で作った抜取検査表を紹介します。
    OC曲線は下の関連記事のVBAプログラムを入れたらすぐに描けます。

    OC曲線(二項分布、ポアソン分布)を描こう
    抜取検査はすべて、OC曲線をベースに考えます。OC曲線をすぐ描けるようプログラムを用意しました。

    p1 (%) 0.1 0.15 0.25 0.40 ・・・ 15 25
    p0 (%) 0.14 0.24 0.39 0.64 ・・・ 24 39
    0.01 0.015 2000 1 1500 1 ・・・
    0.015 0.024 1500 2 1000 1 ・・・
    0.025 0.039 ・・・
    ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
    6.5 9.9 ・・・ 50 6 40 6

    と自分で設計できますね。

    規準型抜取検査表のp1,p2が0.09%,0.71%から始まるのは、抜取表がきれいでわかりやすいように何度も描いて確かめたであろうと実感できます。

    同じ標準数R5を使いましたが、別に他の標準数でも別の公比r(r=2とか)でもOKです。

    自分で抜取表を描くと、理解度が高まります。

    まとめ

    抜取表の区分は標準数で決めている点と、区分は自由に設定してオリジナルな抜取表を作ってもよいことを解説しました。実際に自分で作ると抜取表の理解が高まります。

    • ①抜取検査表に欠かせない標準数とは
    • ②抜取検査表は標準数でなくてもOK
  • 【まとめ】実験計画法を究める演習問題集を販売します

    【まとめ】実験計画法を究める演習問題集を販売します

    本記事のテーマ

    実験計画法を究める演習問題集を販売します
    • ①演習問題集でマスターしてほしいポイント
    • ②実験計画法とは何か?のまとめ
    • ③演習問題を公開します
    • 【問題集ご購入方法】

    結論

    過去、現在の良書をすべて研究し、1つの軸で実験計画法をすべて解ける方法を本問題集にまとめました!
    1. ①実験計画法が苦手な人も大丈夫!
    2. ②実験計画法はデータの構造式ですべてわかる!
    3. ③1つのテクニックで実験計画法の全手法がわかる!
    4. ④実験計画法から何がわかるのかが、すべてわかる!
    5. ⑤もちろんQCプラネッツのブログ解説も見てね!
    日本中の実験計画法の本をすべて研究に悶絶したぜ!
    悶絶するのはQCプラネッツだけでいい。
    あなたは本問題集を解けば、実験計画法をすべて手に入る!

    ①演習問題集でマスターしてほしいポイント

    教科書、参考書の問題点

    いろいろな教科書や解説がありますが、どうもマスターした感じになりませんよね。その理由は

    1. 各手法をばらばらにそれぞれ人が独自の解法を解説しているから、つながらない。
    2. 本質がわからないから試験で要求される公式を丸暗記してしまう。
    3. 本質をおさえていないから、暗記したことがすぐ忘れてしまう。

    つまり、

    • 平方和の計算⇒分散分析⇒F検定ばかりの実験計画法と認識しがち。
    • 資格試験がそうだから、実験計画法の本質に気が付かない。
    • 実務でそれほど使わないから、すぐ忘れる。
    • だから結局実験計画法って何かがわからない。

    下表にまとめます。

    データの
    構造式
    平方和
    の導出
    分散分析 点推定 区間推定
    一元配置実験
    二元配置実験
    三元配置実験
    乱塊法
    分割法
    直交表
    多水準法
    擬水準法
    直交表+分割法
    枝分かれ実験
    ・・・

    表からわかることは、横方向だけしか見ておらず、縦方向(各手法間の関係)を全く見ていません。実験計画法を頭の中で整理したり、まとめりすることができなくしています。

    QCプラネッツの考え方

    QCプラネッツの考え方

    手法によらず、1つの考え方・解き方で実験計画法をマスターできるようにまとめる。
    こういう参考書や問題集があるべき!

    はっきり言おう!実験計画法とは、

    1. データの構造式から入る
    2. 試験問題にしやすい、平方和、分散分析が本質ではない!
    3. 誰も計算・勉強しない、試験でも出ない分散の期待値E[V]が実験計画法の本質!
    4. データの構造式とE[V]が計画によってどう変化するかを評価するのが実験計画法

    だから、

    誰も計算しない分散の期待値E[V]をめっちゃ演習します!
    当然、数式だらけとなります。
    分散の期待値E[V]が各手法でどのように変化するかを理解すれば実験計画法はマスターしたのも同然です!

    下表にまとめます。

    データの
    構造式
    平方和
    の導出
    分散分析 点推定 区間推定
    一元配置実験
    二元配置実験
    三元配置実験
    乱塊法
    分割法
    直交表
    多水準法
    擬水準法
    直交表+分割法
    枝分かれ実験
    ・・・

    各手法間の関係や1つの手法で必要な解法の縦横の関係がしっかり理解できます。これが実験計画法で手に入れてほしいとところ!

    ②実験計画法とは何か?のまとめ

    上表でQCプラネッツのまとめ方を紹介しました。実験計画法の勉強方法をまとめます。

    1. 実験計画法とは、調べたい効果がデータの影響を与えているかを調べるもの
    2. 実験計画法の中心は、データの構造式であること
    3. さまざまな手法は、データの構造式の一部の項が変化したに過ぎない
    4. 自由度、分散分析、分散の期待値E[V]、区間推定、有効繰返し数はすべてデータの構造式から導出できる

    この考えで、ブログも演習問題集も作成しています。

    日本中の実験計画法の教科書・参考書を読破して達した結論です。
    データサイエンスの時代に実験計画法は古臭いですが、実験計画法の理論や本質はしっかりおさえておく必要があります。
    本質がわかるから、皆が困る問題も作ることができ、それも本問題集に数問入れています。

    ③演習問題を公開します

    47題、全110ページ!
    少ない?
    大学の問題1題は解くのに数時間かかるので、十分なボリュームです!
    本当は100題にしたかったのですが、内容を凝縮して50問程度にまとめました。
    【1】帰無仮説と対立仮説について
     次の実験計画法における帰無仮説と対立仮説を明示せよ。
    3因子(A(α),B(β),C(γ))からなる三元配置実験で、データ構造式を、
    \(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+γ_k\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{ik}\)+\(ε_{ijk}\)
    で定義した場合。
    3因子(A(α),B(β),C(γ))からなり、因子Cは反復を意味する変量因子とし、因子A,Cを一次単位、因子Bを二次単位とする3因子,2分割の分割法を用いた場合で、データの構造式を、
    \(x_{ijk}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+ (αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)
    で定義した場合。

    実験計画法で手薄になりがちな検定の仮説をきちっとおさえましょう。

    【2】多元配置実験と直交表とラテン方格法の比較
    3因子A,B,Cで計27回の実験を行った。以下の方法で分散分析せよ。
    27回のデータを使って三元配置実験として分散分析する場合。
    直交表L27(313)を使った場合。
    ラテン方格法を使い、9回の実験を実施する場合。

    それぞれの手法による結果の違いを確認します。なお、(1)(2)は同じ結果になるとすぐに気づいてほしいです。

    【3】データの構造式の立式
     次の実験計画におけるデータの構造式を立てよ。
    (1)4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))を使って実験計画を立てる。2水準系直交表L16にすべての主効果、交互作用、残差eを割当てた場合。
    (2) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Dを反復因子(変量因子)とし、分割法を適用する。一次単位は因子AとD、二次単位は因子B、三次単位は因子Cとする。変量因子との交互作用だけ個々の単位の残差にプーリングする。
    (3) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Dを反復因子(変量因子)とし、2方分割法を適用する。
    一次単位に因子A,Bを割り当てるが、それぞれ2方に分ける。交互作用A×Bは二次単位、因子Cは二次単位とする。

    4因子はなかなかボリュームがありますが、本演習問題ではすらすら書けるようになります。(1)(2)(3)において、データ構造式のどの項が変わるのかを意識して比較しましょう。

    【4】直交表の割当数はデータの構造式から導出する
    2水準3元配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は7であることを確認せよ。
    3水準4元配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は40であることを確認せよ。
    r水準n配置実験において、取り出せる効果(主効果、交互作用、誤差)の総数は
    \(\frac{r^n-1}{r-1}\)であることを確認せよ。

    直交表の割当列が数式で決まっていることがわかるのは、QCプラネッツだけです。しかも、数学的に証明できます。

    【5】自由度の導出
     以下のそれぞれのデータの構造式において残差eの自由度を求めよ。ただし、因子A,B,C,Dの自由度はそれぞれa,b,c,dとする。
    分割法を適用した次のデータの構造式における各残差の自由度(γ反復因子とし、乱塊法を適用)
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)
    四元配置実験で主効果、交互作用をプーリングしない場合の各項の自由度。
    分割法を適用した次のデータの構造式における各残差の自由度(γ反復因子とし、乱塊法を適用)
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1)ik}\)+\(β_j+(αβ)_{ij}+ε_{(2)ijk}\)+\(δ_l+(αδ)_{il}+ε_{(3)ijkl}\)

    データの構造式から、どんな効果、残差でも自由度は1つの方法で導出できます。

    【6】四元配置実験 平方和の分解
    四元配置実験おいて、平方和の分解をせよ。

    問題文は2行ですが、平均、A,B,C,D,AB,…,BCD,eの各ijkl成分の値を導出します。教科書は二元配置実験までですが、QCプラネッツは四元配置実験まで攻めます!

    【7】文章からデータ構造式と分散分析表を作成
    次の実験に対応するデータの構造式と分散分析表を作れ。分散分析表の列は因子、自由度、分散の期待値とする。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、a×b=abのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実施する実験。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準、繰返し数cとして、a×b×c=abcのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実施する実験。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、a×b=abのすべての水準について繰返しのない完全ランダムな順序で実験を実施し、各実験において測定をc回繰り返す。
    因子Aをa水準、因子Bをb水準として、1日目はa×b=abの水準の組み合わせすべてに繰返しのない二元配置実験を行い、c日間繰返し、c日目も1日目と同じ二元配置実験を行う。
    【8】分散の期待値の導出
    (1) データ構造式\(x_{ij}=μ+α_i+β_j+ε_{ij}\)にて、E[Se]=\((a-1)(b-1)σ_e^2\)を導出せよ。
    (2) データ構造式\(x_{ijk}=μ+α_i+β_j+γj\)+\((αβ)_{ij}+(αγ)_{ik}+(βγ)_{jk}+ε_{ijk}\)にて、E[Se]=\((a-1)(b-1)(c-1)σ_e^2\)を導出せよ。

    残差の平方和・分散の期待値が端折らず導出過程を解説しています。

    【9】多元配置実験、乱塊法、分割法、2方分割法の比較
    4因子A(a水準),B(b水準,)C(c水準),D(d水準)において、以下のそれぞれの実験を実施する。
    各々のデータ構造式と分散分析表を作成せよ。分散分析表には効果、自由度、分散の期待値とする。分散の期待値を導出せよ。(【3】と同じ問いとする)
    (1)4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))を使って実験計画を立てる。2水準系直交表L16にすべての主効果、交互作用、残差eを割当てた場合。
    (2) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Cを反復因子(変量因子)とし、分割法を適用する。一次単位は因子CとA、二次単位は因子B、三次単位は因子Cとする。変量因子との交互作用だけ個々の単位の残差にプーリングする。
    (3) 4因子(A(α),B(β),C(γ) C(γ),D(δ))にて、因子Cを反復因子(変量因子)とし、2方分割法を適用する。一次単位に因子A,Bを割り当てるが、それぞれ2方に分ける。交互作用A×Bは二次単位、因子Dは二次単位とする。

    すべての効果の分散の期待値を導出します。導出過程と(1)(2)(3)の違いを比較します。ここまで来たら、データの構造式を書いただけで、分散分析、分散の期待値、区間推定が1つの解法ですべての実験で解けるようになります。

    【10】2方分割法(4因子)の区間推定
    以下の分割法のデータ構造式を定義する。因子A,B,C,Dそれぞれの自由度をa,b,c,dとする。因子Cは反復因子ととし、乱塊法を適用する。
    \(x_{ijkl}=μ+γ_k+α_i+ε_{(1A)ik}\)+\(β_j+ε_{(1B)_jk}+ε_{(2)ijk}\)+\(δ_l+(αδ)_{il}+ε_{(3)ijkl}\)
    分散分析表を作れ。分散分析表の列は、効果、自由度、E[V]とする。
    次の組み合わせ値において、100(1-α)%における区間推定を①,②それぞれについて導出せよ。
    (i) μ(AiBj)
    (ii) μ(AiBjDl)

    2方分割法の分散分析、分散の期待値、区間推定を演習するのはこの演習問題集だけでしょう。サタースウェイトの等価自由度もどんどん使って計算します。

    本質を突いた問ばかり!
    初めてみると難問ばかり。
    でも本問題集で本質がわかれば 上の問題は「実験計画法を理解しているか」を問うものばかり!
    是非勉強しましょう!

    全問の概要を紹介します。

    No 内容 ページ 本記事
    1 1 実験計画法の基本 1 帰無仮説と対立仮説について 4 【1】
    2 2 直交性の確認 5
    3 3 多元配置実験と直交表とラテン方格法の比較 7 【2】
    4 2 データの構造式 1 データの構造式について 9
    5 2 データの構造式の立式1(3因子) 10
    6 3 データの構造式の立式2(4因子) 11 【3】
    7 4 直交表の割当数はデータの構造式から導出する 12 【4】
    8 3 平方和の分解 1 自由度とは? 13
    9 2 自由度の導出1(2,3因子) 14
    10 3 自由度の導出2(3,4因子、乱塊法、分割法) 15 【5】
    11 4 平方和の分解 1 平方和の分解 中間項の和=0 の確認 16
    12 2 三元配置実験(繰返し有) 平方和の分解 17
    13 3 四元配置実験(繰返し有) 平方和の分解 22 【6】
    14 5 分散分析と分散
    の期待値の導出
    1 同データにおける多元配置実験と分割法+乱塊法の分散分析の違い 30
    15 2 文章からデータ構造式と分散分析表を作成 31 【7】
    16 3 平方和の分解は2 パターンある 40
    17 4 残差の分散期待値の導出 42 【8】
    18 5 多元配置実験、分割法、枝分かれ実験の比較 44
    19 6 多元配置実験、乱塊法、分割法、2 方分割法の比較 46 【9】
    20 7 四元配置実験(繰返し有)で分散分析表を比較 65
    21 8 多元配置実験と多水準法の比較 66
    22 9 多元配置実験と擬水準法の比較 67
    23 10 枝分かれ実験の分散の期待値の導出(直列型、並列型) 69
    24 11 プーリングしても残差e の分散の期待値は不変 73
    25 6 区間推定 1 二元配置実験の区間推定(処理間差) 74
    26 2 三元配置実験の区間推定 75
    27 3 四元配置実験の区間推定 76
    28 4 分割法+乱塊法(3 因子)の区間推定 78
    29 5 分割法+乱塊法(4 因子)の区間推定 80
    30 6 2 方分割法(4 因子)の区間推定 82 【10】
    31 7 直交表の多因子割当ての区間推定 85
    32 8 多水準法の区間推定 86
    33 9 直交表の区間推定 87
    34 10 擬水準法の区間推定 89
    35 11 分割表(直交表)の区間推定 90
    36 7 直交表の特徴 1 直交表L4は8 種類ある 92
    37 2 3 種類の直交表L9から分散分析 93
    38 3 直交表の割当列数はデータの構造式で決まる 94
    39 4 直交表L27の分散分析 95
    40 5 多元配置実験と直交表の分散分析 97
    41 6 平方和の導出の証明問題(2水準、3水準の主効果と交互作用) 98
    42 7 データの構造式から直交表を作成 103
    43 8 直交表と線点図の作成 105
    44 9 直交表の拡張 106
    45 10 直交表の繰返し実験と乱塊法の比較 107
    46 8 その他 1 繰返し数の異なる一元配置実験と欠測値の補完方法 109
    47 2 三元配置実験ですべての効果が有意になるデータを作る 110
    章立てに、乱塊法などの手法名がありません。データの構造式から入る構成にしております。QCプラネッツの構成の考え方が演習問題の章構成につなげています。

    ④【問題集ご購入方法】

    ●本ブログと
    ●メルカリと
    ●noteで
    販売しております。

    演習問題集

    本ブログからのご購入

    ご購入いただけます。ご購入後、QCプラネッツからアクセスサイト先(アクセスのみ可)をご案内いたします。データの拡散を防ぐため、ダウンロードと印刷は不可とさせていただきます。

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    2500円/1冊とさせていただきます。ご購入よろしくお願いいたします。

    メルカリのご購入

    メルカリで「QCプラネッツ」と検索ください。よろしくお願いいたします。

    まとめ

    実験計画法の演習問題集を販売しますご購入よろしくお願いいたします。。

    • ①演習問題集でマスターしてほしいポイント
    • ②実験計画法とは何か?のまとめ
    • ③演習問題を公開します
    • 【問題集ご購入方法】
  • 抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える

    本記事のテーマ

    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考える
    • ➀OC曲線の式の二項分布を理解する
    • ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ
    • ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める
    抜取検査はすべてOC曲線をベースに考えるとわかれば、暗記は不要です!

    抜取検査の記事はすべてOC曲線をベースに説明しています。OC曲線の構成式と曲線について本記事でしっかり理解しましょう。

    ●You tubeの解説動画もご覧ください。

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
    【QC検定®合格】「抜取検査」問題集を販売!①二項分布・ポアソン分布、OC曲線、➁多回抜取検査、➂選別型抜取検査、➃計量抜取検査、⑤逐次抜取検査、⑥調整型抜取検査、⑦抜取検査まとめ の7章全47題!

    ➀OC曲線の式の二項分布を理解する

    二項分布を理解する

    高校数学の確率がわかればOK!

    不良率pの製品がある。製品をn個取り出したとき、不良個数がr個ある確率はいくらか?

    組み合わせの問題です。
    不良品はr個で、不良率はp
    良品はn-r個で、良品率は(1-p)
    n個のうちどのr個が不良なのか、組み合わせは nCr通り
    です。

    確率は
    nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\)
    ですね。

    これは、高校数学の確率の問題です。公式ではなく、理解して立式しましょう。

    二項分布の式からOC曲線を作る

    再度、確率の問題を出します。

    不良率pの製品がある。製品をn個取り出したとき、不良個数が1個以下である確率はいくらか?

    不良個数が0個と1個の場合があります。加算します。
    nC0\(p^0 (1-p)^{n-0}\)+nC1\(p^1 (1-p)^{n-1}\)

    不良個数が1個以下でなく、もっとたくさんあった場合、例えば3個以下なら
    (0個の場合の確率)+(1個の場合の確率)+ (2個の場合の確率)+ (3個の場合の確率)
    の和を計算します。

    確率の和はOC曲線の(n,c)のcの変化に関係するので重要です。

    OC曲線を作ってみよう!

    確率の式 nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\) からn=5,r=0,p=0~0.1(10%)について計算してみましょう。

    P y
    0 1
    0.02 0.904
    0.04 0.815
    0.06 0.734
    0.08 0.659
    0.1 0.590

    これをグラフにしたものがOC曲線です。

    ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ

    グラフ例を下図に描きます。

    OC曲線

    OC曲線の横軸と縦軸を理解する

    OC曲線の縦軸が何か?すぐわかるか?

    横軸は不良率pとすぐわかるはずです。しかし、縦軸は何か?わかりますか?慣れないと、すぐに忘れてしまいます。でも暗記せずに、式から理解しましょう。

    確率の式に戻ります。二項分布(高校数学)⇒OC曲線と考えることが基本です。
    nCr\(p^r (1-p)^{n-r}\)
    nC0\(p^0 (1-p)^{n-0}\)+nC1\(p^1 (1-p)^{n-1}\)
    ですね。不良個数についての確率と、不良個数以下の確率の総和を計算しています。

    抜取検査では、ある不良個数の上限で検査の合否を決めます。

    不良個数以下についての確率の総和を、検査の合格率としてOC曲線の縦軸に描いている。

    となります。

    OC曲線でチェックする4つのパラメータ

    重要な4つのパラメータ

    下図と見ながら説明します。

    OC曲線

    変数 意味
    α 第1種の誤り,生産者危険,あわて者の誤り
    β 第2種の誤り,消費者危険,ぶんやりものの誤り
    P0 合格率が1-αとなる確率
    P1 合格率がβとなる確率

    αは、良品なのに、不良品と判定する誤りで、
    βは不良品なのに、良品と判定する誤りですね。
    どちらも避けたいものです。

    OC曲線にとって、第1種の誤りα、第2種の誤りβがどのように関わるかを次で解説します。

    ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める

    サンプル数、合否判定基準の決め方

    サンプル数nと合否判定基準の不良個数cを第1種の誤りαと第2種の誤りβから決める。

    サンプル数、合否判定基準の決め方

    1. 第1種の誤りα、第2種の誤りβの値を決める(α=0.05,β=0.10が多い)
    2. 第1種の誤りα、第2種の誤りβとなる不良率p0,P1を決める(検査ごとに異なる)
    3. 2点(p0,1-α), (p1,β) を通るOC曲線を作り(n,c)を決定する

    下図にまとめます。

    OC曲線

    サンプル数nと合否判定基準の不良個数を決める条件は、第1種の誤り、第2種の誤りを決めて、そこを通るOC曲線であることです。

    なお、OC曲線は1つではなく複数できるはずです。その場合は、検査対象に合わせて(n,c)を決めればよいです。

    教科書・JIS規格と本記事の違い

    (i)教科書・JIS規格
    OC曲線(n,c)を決める⇒第1種の誤りα、第2種の誤りβを決める⇒両者の条件が合うまで値を調べる
    (ii)本記事(QCプラネッツ)
    第1種の誤りα、第2種の誤りβを決める⇒OC曲線(n,c)を決める⇒両者の条件が合うものを選ぶ

    とα、βとn,cの決め方が教科書・JIS規格と本記事では逆です。
    それは導出の目的が異なるからです。

    (i)教科書・JIS規格は
    わかりやすく数値を選ばせることですが、
    (ii)本記事(QCプラネッツ)は
    数値がそうなる理由を考え、理解すること

    教科書やJIS規格に基づいて、抜取検査の基礎を習得すると、簡単に使いこなせます。しかし、実務で抜取検査するようになると、理由や背景を説明できる必要があります。説明力を習得するためには、理論を自分で考え抜くことが必要です。

    QCプラネッツは、抜取検査を自力で考え、設計・計画できるよう、解説していきます。

    まとめ

    抜取検査のベースであるOC曲線について解説しました。OC曲線を構成する式の導出、式の意味を理解することが重要です。

    • ➀OC曲線の式の二項分布を理解する
    • ②OC曲線でチェックする4つのパラメータ
    • ③OC曲線からサンプル数、合否判定基準を決める
  • 全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる

    本記事のテーマ

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかる
    • ➀全数検査と抜取検査と無検査
    • ②無検査と全数検査の違い
    • ③抜取検査と全数検査の違い
    • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)
    全数検査と抜取検査の違いは何? 検査は無検査、全数検査と抜取検査の3つがあるけど、どう違うの?をわかりやすく解説します。

    さっそく見ていきましょう。

    本物の「抜取検査」問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方、抜取検査の本質・理論をしっかり学びたい方におススメです。
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    ●You tube動画も確認ください。

    全数検査と抜取検査と無検査の違いがわかるについては、次の教科書などで解説しています。だたし、古く絶版なので、簡単に入手できないものです。なので、QCプラネッツのブログ記事で解説をします。

    新編抜取検査 (品質管理講座)【絶版】

    (https://haf.phasy.quest/item-qdbsa8ql9k.htmlから引用)

    【まとめ】抜取検査の本を紹介します
    抜取検査の良書を紹介します。

    抜取検査は良書ほど、絶版しています。頑張って入手しても、現代の我々のニーズに合わないものも多々あるため、
    過去の良書に負けない、我々のニーズに合うものを作るためにQCプラネッツで記事を量産しています。

    ➀全数検査と抜取検査と無検査

    抜取検査、全数検査、無検査の3種類は考えたらわかる

    いきなり抜取検査から入らないこと!

    教科書では、単元が「抜取検査」なので、抜取検査が前提で勉強しがちです。しかし、検査にはいろいろ種類があり、目的別によって使い分けます。検査の選び方を覚えるのではなく、理解しましょう。

    一部を抜き取る、「抜取検査」があれば、
    すべて見る、「全数検査」と
    全く見ない、「無検査」がある。

    と、抜取検査、全数検査、無検査の3種類があると考えればわかります。

    もちろん、無検査、抜取検査の方が手間は少なく、低コストですが、
    出荷後の品質トラブルリスクを下げたければ、全数検査にすべきです。

    抜取検査、全数検査、無検査の3種類の使い分け方

    どんな場合に、抜取検査、全数検査、無検査でよいかを考えましょう。試験に出るからといって、事例を暗記せず、考えて答えられるようにしましょう。

    無検査でいい場合

    実績がある量産品
    いちいち調べなくても信頼があり大丈夫という品質レベル

    抜取検査でいいor必要な場合

    実績がある量産品で、抜取で良い場合
    破壊検査の場合(全数検査にすると製品が全部破壊されるため)

    全数検査が必要な場合

    要求品質が高い場合
    高品質の実績が無い・少ない場合
    品質トラブルや不正をおかした場合

    検査の違いをさらに、不良率とコストの観点で比較してみます。

    ②無検査と全数検査の違い(臨界不良率の導出)

    無検査と全数検査にかかるコストを考える

    無検査の場合

    検査コストはありません。
    しかし、出荷後に不良があった場合は不良率pに比例して修理費が発生します。
    しかも、検査していないため、全数検査や抜取検査より修理費増大は大きいです。

    式で表現すると、
    検査コストT1=0
    修理費Y1=a1p+ T1= a1p
    ただし、傾きa1 > a2

    全数検査の場合

    全数検査コストが非常に高いです。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT2がある
    修理費Y2=a2p+ T2
    ただし、傾きa1 > a2

    無検査と全数検査にかかるコストを比較

    無検査と全数検査のコストをグラフで比較します。

    無検査と全数検査

    無検査と全数検査に交点p0があることがわかります。

    不良率p0なら、検査しない方が低コストであるが、
    不良率p≧p0になると検査した方が良い

    交点p0を臨界不良率と言います。導出しましょう。

    Y1= a1p
    Y2=a2p+ T2
    a1p= a2p+ T2より
    \(p=\frac{T_2}{a_1-a_2}\)

    全数検査と抜取検査にかかるコストを考える

    全数検査の場合

    全数検査コストが非常に高いです。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、無検査に比べて費用増大は大幅に抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT2がある
    修理費Y2=a2p+ T2
    ただし、傾きa1 > a2

    抜取検査の場合

    検査コストは、全数検査に比べて安価になります。
    しかし、出荷後の不良は少なく、不良率とともに修理費は増大しますが、増加幅は全数検査と同等か少し大きい程度で抑えることができます。

    式で表現すると、
    検査コストT3(< T2)がある
    修理費Y3=a3p+ T3
    ただし、傾きa3 ≧ a2

    全数検査と抜取検査にかかるコストを比較

    全数検査と抜取検査のコストをグラフで比較します。

    全数検査と抜取検査

    全数検査の方が抜取検査より不良率によらず、高コストであることがわかります。

    抜取検査は全数検査の一部で未検査な部分がありますが、OC曲線を描くと、全数検査も抜取検査も同じ曲線に乗るため、検査後の不良率は同程度とみることができると判断しました。

    そのため、グラフはa3 ≒ a2で描いています。

    ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)

    教科書、参考書では抜取検査のコストグラフが本記事と異なる

    教科書では、抜取検査のグラフが曲線であり、下図のように描いています。しかし、なぜそうなるのかがわかりません。本記事は私自身考えて抜取検査も直線型であると考えまとめました。

    抜取検査

    グラフを描くには、理論を式にする必要があります。
    曲線とする理由がわからないため、教科書のグラフを使わずに
    自分で考えたグラフを本記事で採用しました。

    まとめ

    無検査、全数検査、抜取検査の違いを不良率とコストの関係図を使って比較しました。検査の用途は覚えるのではなく、検査の特徴を考えて理解することが重要です。

    また、検査の違いについて教科書等は詳細に書いていますが、かえって頭に入らないはずです。
    そのときは、シンプルなモデルで比較できるようにしましょう。

    シンプルなモデルと1つの軸となる考え方で抜取検査の単元をまとめていきますので、他の関連記事も是非読んでください。

    • ➀全数検査と抜取検査と無検査
    • ②無検査と全数検査の違い
    • ③抜取検査と全数検査の違い
    • ④全数検査と抜取検査と無検査のコスト比較(教科書)
  • 回帰分析と相関係数をマスターする

    回帰分析と相関係数をマスターする

    「回帰分析と相関係数の重要なポイントを速く知りたいけど、どうすればいいの?」

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    回帰分析と相関係数をマスターする

    おさえておきたいポイント

    • ➀相関係数の導出方法を覚える
    • ②相関係数とグラフのイメージをつかむ
    • ③回帰分析と分散分析
    • ④回帰分析の導出を理解する

    回帰分析の試験問題で、絶対に落とせない範囲です。本記事で重要ポイントを網羅しておさえます。

    ●You tube動画でも解説しています。ご覧ください。

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    ➀相関係数の導出方法を覚える

    相関係数rの公式は、平方和の公式と合わせて覚える

    \(r=\frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx} S_{yy}}}\)

    \(S_{xx}\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{n} x_i)^2}{n}\)

    \(S_{yy}\)=\(\sum_{i=1}^{n} y_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{n} y_i)^2}{n}\)

    \(S_{xy}\)=\(\sum_{i=1}^{n} x_i y_i – \frac{\sum_{i=1}^{n} x_i \sum_{i=1}^{n} y_i}{n}\)

    平方和と似た公式なので、合わせて覚えると覚えやすいです。

    相関係数は-1≦r≦1と
    寄与率R=r2は0≦R≦1

    ②相関係数とグラフのイメージをつかむ

    相関係数r=-1,0,0.5のグラフ例を作る

    r=-1は、誤差のない完全な右下がりの直線
    r=0、直線ではないもの
    r=0.5は、中途半端にばらつきのある右上がりの直線

    相関係数r=-1、0,0.5のグラフ例(寄与率で表示)

    相関係数

    イメージしておきましょう。

    ③回帰分析と分散分析

    分散分析表はワンパターンなので、表ごと覚えましょう。

    平方和S 自由度φ 不偏分散V 分散比F
    回帰R \(S_R=\frac{(S_{xy})^2}{S_{xx}}\) \(φ_R \)=1 \(V_R \)=\(\frac{S_R}{φ_R}\) F=\(\frac{V_R}{V_e}\)
    残差e \(S_e=S_T-S_R\) \(φ_e \)=n-2 \(V_e \)=\(\frac{S_e}{φ_e}\)
    全変動T \(S_T=S_{yy}\) \(φ_T \)=n-1

    ④回帰分析の導出を理解する

    上の①②③だけでは、物足りないあなたは回帰分析の導出もできるようになっておきましょう。

    1.回帰直線の導出

    回帰直線を\(y=a+bx\)と定義します。
    測定データ(\(x_i,y_i\))と回帰直線との差を最小にする条件が、回帰直線の傾きとy切片です。

    \(Q(a,b)\)=\( \sum_{i=1}^{n} (y_i-(a+bx_i)^2\) → min
    \(Q(a,b)\)=\( \sum_{i=1}^{n} ((y_i-\bar{y})-b(x_i-\bar{x})+(\bar{y}-a-b\bar{x}))^2\)
    =\(S_{xx}(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}})^2\)+\(n(\bar{y}-a-b\bar{x})^2\)+\((S_{yy}-\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}})\)

    \(Q(a,b)\)が最小になる条件は、
    \(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\)=0かつ、\(\bar{y}-a-b\bar{x}\)=0

    b=\(\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\), \(a\)=\(\bar{y}-\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\bar{x}\)
    が回帰直線の傾きと、y切片になります。

    演習問題
    \(Q(a,b)\)=\(S_{xx}(b-\frac{S_{xy}}{S_{xx}})^2\)+\(n(\bar{y}-a-b\bar{x})^2\)+\((S_{yy}-\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}})\)を導出せよ。

    ブログなので、結論として完結にまとめていますが、実際は泥臭い展開をしています。力アップのためにもぜひ導出してください。

    2.平方和の分解

    ST= SR+ Seを導出します。

    平方和

    ①実測データ(xi, yi)、②回帰直線上の点(xi,y)と③データの平均値(\(\bar{x},\bar{y}\))を用いると、上図から下式のように分解できます。

    \(y_i – \bar{y}\) = \(ε_i\)+ \(r_i\)
    (回帰:\(r_i\)=\(u_i – \bar{y}\),
    残差:\(ε_i\)=\(y_i – u_i\))
    \(y_i – \bar{y}\) = \(b(x_i-\bar{x})+ε_i\)
    と書くことができます。

    平方和を計算します。
    \(\sum_{i=1}^{n} (y_i – \bar{y})^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} (b(x_i-\bar{x})+ε_i)^2\)
    =\(b^2\sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2+2b\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i +\sum_{i=1}^{n}ε_i^2\)

    ●\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – \bar{y})^2\)は合計Tの平方和ST
    ●\(b^2\sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2\)は回帰Rの平方和SR
    ●\(\sum_{i=1}^{n}ε_i^2\)は残差eの平方和Se
    に一致します。

    つまり、
    ST= SR+2b\(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)+ Se
    となります。

    ところで、回帰直線となる条件は残差eを最小にする条件です。
    残差の平方和Se=\(\sum_{i=1}^{n} ε_i ^2\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i))^2\)です。

    回帰直線は、残差Seが最小になる条件なので、次の式が成り立ちます。
    \(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial a }\)=0, \(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial b }\)=0

    つまり、
    ●\(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial a }\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i))\)
    =\(\sum_{i=1}^{n} (ε_i)\)=0
    ●\(\displaystyle \frac{\partial S_e}{\partial b }\)=\(\sum_{i=1}^{n} (y_i – (a+bx_i)) x_i\)
    =\(\sum_{i=1}^{n} (ε_i x_i)\)=0
    が成り立ちます。

    ST= SR+2b\(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)+ Se
    の第2項に注目します。
    \(\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar{x})ε_i \)=\(\sum_{i=1}^{n}(x_i ε_i \)-\(\bar{x}\sum_{i=1}^{n}ε_i \)
    =0-0=0
    と第2項は0になります。

    つまり、
    ST= SR+Se
    となります。

    3.寄与率の導出

    寄与率Rを平方和の比SR/ STで定義します。
    SR=b2Sxx
    ST= Syy
    b=\(\frac{S_{xy}}{S_{xx}}\)
    を代入します。

    R=\(\frac{S_R}{S_T}\)=\(b^2 \frac{S_{xx}}{S_{yy}}\)
    =\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}^2} \frac{S_{xx}}{S_{yy}}\)
    =\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx} S_{yy}} \)

    複雑な計算ですが、一通り導出しておけば、試験では完璧です。重回帰分析への準備にもなりますので、ぜひ解いておきましょう。

    まとめ

    回帰分析と相関係数について、おさえておくべき重要事項と導出方法を解説しました。

    • ➀相関係数の導出方法を覚える
    • ②相関係数とグラフのイメージをつかむ
    • ③回帰分析と分散分析
    • ④回帰分析の導出を理解する

  • 無相関の検定がわかる

    無相関の検定がわかる

    「相関係数があるのになんで相関の有無を検定する必要があるの?」、「無相関の検定の検定統計量の式がどうしてあの式なの?」など、疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    無相関の検定がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ➀相関係数があるのになんで相関の有無を調べたいのか?
    • ②無相関の検定の検定統計量を導出

    試験でよく出る問題なので、公式暗記して代入すれば試験はOKですが、意味がよくわからないはずです。どの教科書にも無相関の検定について十分な説明がないからです。

    ●You tube動画もごらんください。

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    ➀相関係数があるのになんで相関の有無を調べたいのか?

    相関係数rがある(0ではない)のに、無相関の検定ってどういうこと?
    と思いますよね。

    どの教科書にも書いていませんでしたので、私の考えを紹介します。

    標本データから相関係数を算出しますが、母集団は本当に相関性があるのか?は気になります。

    標本データから母集団の相関性を調べるための方法が、無相関の検定と考えるとよいでしょう。イメージ図を下図に書きます。

    無相関の検定

    よくあるのが、たまたま線形性(相関性)の高いデータが集まった標本データをとったが、データ全体を見ると均一にばらついていることがよくあります。木を見て森を見ずです。

    たまたま、標本データに強い相関性が出たからといって、母集団も相関性があるかどうかはわからない。だから、本当にデータ集団全体も相関性があるかを確認する必要あります。

    ②無相関の検定の検定統計量を導出

    検定統計量

    無相関の検定について、検定統計量は次式です。

    \( t(n-2,α)\)=\(\frac{|r|\sqrt{n-2}}{\sqrt{1-r^2}}\)

    t分布、相関係数の両方が出て来るので、テストによく出題されます。

    でも、どうやって導出したの? 自由度はなんで、n-2なの? 気になりませんか? なので、導出しましょう!

    検定統計量の導出

    F分布から導出

    検定統計量はt分布の式でした。でもなんでF分布なの? と不思議ですが、導出していきます。

    標本データから母集団を推測する方法

    分散を使って、標本データと母集団はそれほど差がなく同じものと仮定します。よって分散比を使ったF分布からスタートします。統計学は数学を使って厳密に解く場合と、統計だけにざっくり定義する場合もあります。

    相関の有無

    相関の有無を式で定義しましょう。相関Rが多いか?それとも残差eが多いか?を比較すればよいのです。

    回帰分析における分散分析は、回帰Rと残差eの比較ですね。

    \(\frac{V_R}{V_e}=F(φ_R,φ_e,α)=F(1, φ_e,α)\)ですね。

    \(\frac{V_R}{V_e}= F(1, φ_e,α)\)は一見難しいですが、分散分析表でF値を計算するときに、分散の比と自由度をそれぞれ使うことがわかれば、この式は理解できますね。

    \(\frac{V_R}{V_e}\)をどんどん変形する

    \(\frac{V_R}{V_e}\)=\(\frac{S_R / φ_R}{S_e / φ_e}\)
    =\(\frac{S_R / 1}{S_e / (n-2)}\)
    (\(S_e=S_T-S_R\)を代入)
    = \(\frac{S_R (n-2)}{S_T – S_R}\)
    =(あ)

    (回帰の自由度)=1,(残差自由度)=n-2ですね。

    また、回帰について、T,R,eの平方和を数式で表現します。
    \(S_T\)=\(S_{yy}\)
    \(S_R\)=\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx}} \)
    を(あ)に代入します。

    (あ)= \(\frac{ \frac{S_{xy}^2}{S_{xx}} (n-2)}{ S_{yy} – \frac{S_{xy}^2}{S_{xx}}}\)

    =\(\frac{S_{xy}^2 (n-2)}{S_{xx} S_{yy}- S_{xy}^2}\)

    =\(\frac{\frac{S_{xy}^2}{S_{yy}S_{xx}}(n-2)}{1-\frac{S_{xy}^2}{S_{yy} S_{xx}}}\)

    =\(\frac{r^2(n-2)}{1-r^2}\)

    ここで、\(r^2\)=\(\frac{S_{xy}^2}{S_{xx} S_{yy}}\)です。

    t分布の検定統計量\( t(n-2,α)\)=\(\frac{|r|\sqrt{n-2}}{\sqrt{1-r^2}}\)の2乗の式になりました。

    F分布とt分布の関係
    F(1,φA,α)=t(φA,α)2

    よって、無相関の検定で使う、検定統計量がt分布の式で作ることができます。

    \( t(n-2,α)\)=\(\frac{|r|\sqrt{n-2}}{\sqrt{1-r^2}}\)

    導出を見れば気づくと思いますが、

    無相関の検定はF検定でもよいのです。

    F(1,φe,α)ですから、t分布より簡単な式ですね。無相関の検定をt分布で計算させるのは試験だからと思ってもよいでしょう。

    F分布とt分布の関係(補講)

    t分布の確率変数は t=\(\frac{Z}{\sqrt{\frac{W}{n}}}\)
    (分子ZはN(0,12)の標準正規分布、分母は自由度nのχ2乗分布の平方根)
    とします。これは、t分布の定義です。なぜ?ではなく、そう決めたものです。

    両辺を2乗します。
    \(t^2\)=\(\frac{Z^2}{\frac{W}{n}}\)

    =\(\frac{χ^2(1,α)}{χ^2(n,α)}\)

    =F(1,n,α)
    となります。これは、F分布の定義です。なぜ?ではなく、そう決めたものです。

    まとめ

    無相関の検定について解説しました。相関係数があるのに、相関の有無を検定する理由と、無相関の検定の式が複雑な式である理由を解説しました。

    • ➀相関係数があるのになんで相関の有無を調べたいのか?
    • ②無相関の検定の検定統計量を導出

  • 究める!実験計画法

    究める!実験計画法

    本記事のテーマ

    究める!実験計画法
    • ➀QCプラネッツの解説ブログを紹介します!
    • ②ブログだった記事を冊子にまとめました!
    • ③実験計画法はなぜ難しいのか?
    • ④実験計画法を究める学び方を開発
    • ⑤データの構造式をおさえたら実験計画法は究められる
    • ⑥よく誤解される実験計画法あるある

    教科書の専門用語を丸暗記しただけでは、すぐに実験計画法がわからなくなります。上の5つが自分の言葉で説明できることが重要です。不安ならば、記事を読んで理解を深めていきましょう。

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    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

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    一元配置実験の分散分析・区間推定が解ける【必見】

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    一元配置実験の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説し、公式丸暗記ではなく本質を学ぶことができます。
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    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    【ポイント】

    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説します。これくらいはできるようになりましょう。
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    枝分かれ実験(直列型)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    【ポイント】

    直列型の枝分かれ実験の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説し、自力で式が導出できるようになりましょう。
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    【簡単】2水準の直交表のつくり方【必見】

    【ポイント】

    直交表はデータの構造式から自力で作ることができます。暗記不要で本質を理解しましょう。
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    【本記事限定】直交表の実験回数と割当て列数が決まっている理由がわかる【必見】

    【ポイント】

    実験計画法の直交表の列数はなぜ1つに決まっているの?と説明できますか?本記事では、実験計画法の直交表の列数を求める方法を解説します。
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    実験計画法の線点図がわかる【必見】

    【ポイント】

    本記事では、直交表への割当て方に役立つ線点図の書き方と種類について解説し、線点図を活用するときの注意点を紹介します。
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    【本記事限定】3水準以上の直交表には交互作用が複数列ある理由

    【ポイント】

    実験計画法の直交表で3水準以上なら交互作用列が複数必要な理由が説明できますか?本記事では、データの構造式から直交表の交互作用列が複数必要な理由を解説します。
    ★関連リンク★
    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】

    【ポイント】

    本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。

    ②ブログだった記事を冊子にまとめました!

    以前、ブログ解説していましたが、1つのPDFにまとめました。勉強に役立ててください。

    内容は以下です。応用レベルをわかりやすく解説しています。130ページあります。

    テーマ 内容
    1 一元配置実験の平方和の分解ができる【初心者必見】
    2 繰返し数が異なる場合は一元配置実験だけである理由がわかる
    3 繰返し数が異なる一元配置実験の分散の期待値が計算できる
    4 【簡単】母数因子と変量因子の違いがすぐわかる
    5 分散分析の比較(完全配置実験とラテン方格法と直交表)【必見】
    6 分散分析表の値を綺麗にするデータのつくり方
    7 【重要】分散分析の期待値は極限値としてとらえる
    8 二元配置実験(繰り返し無し)の分散分析・区間推定が解ける
    9 二元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける
    10 四元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    11 分割法(2因子1段分割)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    12 分割法(3因子1段分割)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    13 分割法(4因子3段分割)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    14 分割法(乱塊法無しの2因子1段分割)の分散分析・区間推定が解ける
    15 サタースウェイトの等価自由度の計算ができる【重要】
    16 乱塊法(2因子)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    17 乱塊法(3因子)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    18 乱塊法(4因子)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    19 分散分析の比較(完全配置実験と分割法)がわかる【必見】
    20 多水準法の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    21 多水準法(直交表)と完全配置実験の分散分析は一致する【必見】
    22 擬水準法(余る場合)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    23 擬水準法(不足する場合)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    24 擬水準法の分散分析の注意点【必見】
    25 【本記事限定】枝分かれ実験(並列型)の分散分析・区間推定が解ける
    26 2方分割法の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    27 直交表L16の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    28 直交表の列をランダムに割当てても分散分析は変わらない
    29 多くの因子を直交表に割り当てると分散の期待値が導出できない
    30 【本記事限定】直交表の拡張方法がわかる【必見】
    31 【本記事限定】交互作用を調べると直交表L27は複数ある【必見】
    32 【本記事限定】直交表の種類は無数にある【必見】
    33 【本記事限定】直交表の交互作用がある列は素数の水準系だけ【必見】
    34 【重要】直交表を繰返し使う場合の分散分析がわかる
    35 【本記事限定】残差eの分散の期待値の導出がわかる
    36 【簡単】分散分析表の検定結果とデータの関係が理解できる
    37 実験計画法で欠測値を推定する方法がわかる【重要】
    38 実験計画法の水準は等間隔が良い理由がわかる
    39 母平均差の区間推定の導出がわかる
    40 分散分析から母分散の推定区間が導出できる

    ③実験計画法はなぜ難しいのか?

    難しくしている理由

    1. 個々の手法をそれぞれ理解&暗記するような教科書の構成になっているから
    2. 昭和の時代から実験計画法の教科書の構成は決まっており、今更変えにくい
    3. 著者の書き方や解き方の癖があり、複数の教科書を比較するとかえって混乱する

    私は、日本にある実験計画法の教科書をほぼ全て読破しました。どの本も章立てが同じです。出版元が学会や規格団体なので、構成をそろえたのでしょう。それが難しくしている理由だと思います。

    よくある教科書の構成

    単元
    1 実験計画法の基本
    2 一元配置実験
    3 二元配置実験
    4 多元配置実験
    5 乱塊法
    6 分割法
    7 2水準系直交表実験
    8 3水準系直交表実験
    9 直交表を用いた分割法
    10 多水準法と擬水準法
    11 枝分かれ実験
    ・・・ ・・・

    上表のように、第1章で、因子、水準、交互作用、残差、データの構造式などの基本を一通り解説し、
    第2章以降は、章ごとにそれぞれの解法を解説するパターンがほとんどです。

    よくある教科書のメリット

    手法ごとに区分されているため、理解しやすい。

    よくある教科書のデメリット

    手法ごとに別々の解き方や公式を暗記しがちになる。結局、実験計画法とは何をするものなのか、本質が理解できない。
    さらに教科書の著者の書き方、解き方の癖の違いが理解しにくくしている。

    実際、私自身、多くの教科書を読んで研究しましたが、著者の癖が最後まで苦労しました。

    ④実験計画法を究める学び方を開発

    実験計画法を究める方法を提案

    1. 1つの解法でどの手法も解析できる
    2. 1人で書き上げ、著者によるばらつきを無くす
    3. みんなのすぐ手が届く所に提供する

    この3つが、重要と考え、ブログに挙げると決めました。

    再掲しますが、わかりやく実験計画法を究める順番を提示します。この順番でQCプラネッツは解説しています。

    単元
    1 実験計画法の基本
    2 データの構造式
    3 自由度の導出
    4 平方和の分解
    5 分散分析と分散の期待値の導出
    6 区間推定
    7 直交表の特徴
    8 その他(注意事項)
    9 演習問題集

    ⑤データの構造式をおさえたら実験計画法は究められる

    データの構造式をおさえる

    実験計画法は、分散分析表を作ることが重要と思われがちですが、実は違います。データの構造式をおさえてください。QCプラネッツは、実験計画法の全手法とも、データの構造式から入ります。

    なぜデータの構造式が最重要なのか?

    分析は自分が立てたモデル式が必要で、どんな実験や研究も自分が立てたモデル式と実データとの比較をするからです。モデル式が実験計画法の場合、データの構造式なのです。

    自分で立てたモデル式である、データの構造式が自由度、分散分析から推定区間などすべての分析結果を導きます。データの構造式の特徴によって手法の個性が出ているので、手法の違いはデータの構造式を比較すればよく理解できます。

    データの構造式を自分で立てて、手法によって比較することによって、実験計画法の本質が理解できるようになります。これをしないと、意味が理解できないややこしい問題となるだけです。

    データの構造式を活用した実験計画法の攻め方

    手法ごとに暗記せず、どの手法でも次の攻め方で解いていきます。

    1. データの構造式を作る
    2. データの構造式から自由度を算出
    3. データの構造式から平方和を分解
    4. データの構造式から分散分析、分散の期待値を導出
    5. データの構造式から工程平均μ、繰返し数neを導出

    手順1から5にすべて、「データの構造式」が入っていますね。1つの解法で、多元配置実験、直交表、乱塊法・分割法、多水準法・擬水準法などの手法が解けます。

    データの構造式を活用するメリットとデメリット

    データの構造式さえおさえれば実験計画法は簡単!までは言えません。メリットとデメリットを列挙します。

    データの構造式を活用するメリット

    1. 手法どおしの比較ができる。なぜなら、いろいろな手法(多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表など)はデータの構造式の一部が変化しただけだから。
    2. データの構造式が変わると、分散分析や分散の期待値E[V]の何が変化するかがすぐわかる
    3. データの構造式がわかると実験計画法の本質がわかる

    データの構造式を活用するデメリット

    1. データの構造式から分散の期待値E[V]の導出が文字式が多く、慣れるまでが大変
    2. 毎回データの構造式書くのが面倒

    デメリットは、「慣れるまでが大変!でも慣れると究められる」です。実は教科書は、最初の慣れるまでの大変さを少しでも簡単にするために、手法ごとに章立てしているのです。しかし、それでは実験計画法が何をやっているのかが見えにくくなるのです。

    デメリットもありますが、デメリットである煩雑な計算や導出過程は、QCプラネッツの各記事で解説していますので、目を通すと早く慣れます。大丈夫です。

    ⑥よく誤解される実験計画法あるある

    データの構造式から実験計画法を分析すると、実験計画法はいろいろ誤解されていることに気が付きます。

    よくある誤解 実際
    実験計画法は実験回数が
    減らせる魔法の方法
    実験回数低減は交絡するリスク
    をとっていることに注意
    直交表は実験回数が
    減らせる魔法の方法
    実験回数低減は交絡するリスク
    をとっていることに注意
    多元配置実験と直交表実験
    は別物
    データの構造式が同じなので
    多元配置実験=直交表
    それぞれの直交表は
    1種類のみ
    無数に存在
    分散分析の計算が重要で、
    分散の期待値E[V]は付け足し
    E[V]の導出が実験計画法
    を究める登山口
    平方和が小さい効果
    は残差にプーリング
    大小判断より
    効果の意味を考慮
    実験計画法は暗記すべき公式や
    解き方が多くて煩雑
    手法間の関連付けが
    無いと暗記依存
    乱塊法などの
    難解用語に苦戦
    データの構造式の変化
    を理解することが重要
    直交表になるべく多くの因子
    を割当ることが良いこと
    交絡のリスクに注意

    まとめ

    実験計画法のすべてを解説しました。

    • ➀QCプラネッツの解説ブログを紹介します!
    • ②ブログだった記事を冊子にまとめました!
    • ③実験計画法はなぜ難しいのか?
    • ④実験計画法を究める学び方を開発
    • ⑤データの構造式をおさえたら実験計画法は究められる
    • ⑥よく誤解される実験計画法あるある
  • 実験計画法のプーリングがわかる

    実験計画法のプーリングがわかる

    「プーリングの判断基準は何?」や「プーリングしても残差eの分散期待値E[V]が\(σ_e^2\)のまま変わらないのはなぜ?」と疑問に思いませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    実験計画法のプーリングがわかる

    実験計画法のプーリングがわかる

    • ➀プーリングの判断基準はよく考えるべき
    • ②プーリングしても残差eの分散期待値が変化しない理由がわかる

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。実験計画法の肝なので、必読です!

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    ➀プーリングの判断基準はよく考えるべき

    効果の大小でプーリングを判断することが多い

    3因子(Aが4水準、Bが5水準、Cが3水準の計60個)から構成される三元配置実験の分散分析をまとめます。

    S φ V F
    A 24 3 8 4
    B 16 4 4 2
    C 10 2 5 2.5
    A×B 3 12 0.25 0.125
    A×C 24 6 4 2
    B×C 2 8 0.25 0.125
    e 48 24 2
    T 127 59

    教科書どおりだと、F値の小さいものは無視できるので、交互作用A×B、B×Cを残差eへプーリングしますね。

    S φ V F
    A 24 3 8 6.64
    B 16 4 4 3.32
    C 10 2 5 4.15
    A×C 24 6 4 3.32
    e 53 44 1.2
    T 127 59

    プーリングして効果を消してよいかよく考えること

    プーリングはよく試験に出るので、練習しておくことは大事ですが、単にF値の大小で残差eに含めるかどうかはよく考えるべきです。

    プーリングすべきかどうかは、その効果の意味をよく考えることが大事です。

    調べたい効果が小さければ、影響が無いという知見が得られます。それを残差に入れて、無かったことにするのはもったいないです。

    私は、F値に関係なく、一旦は全効果の平方和を調べることをおすすめします。
    その理由は、各効果の関係を分散の大小から理解して、自分がやりたい実験が適正に計画できているかをチェックすることができるからです。

    全体を俯瞰する意味で、全効果の平方和を調べた方がよいです。エクセルで簡単に計算できますから。,

    まとめると、

    試験対策にはプーリングをマスターしよう!
    でも実務は全効果を一旦見た方がよい!

    ②プーリングしても残差eの分散期待値が変化しない理由がわかる

    口で説明するのは簡単

    理由は口で言うと簡単です。

    プーリングすると自由度も平方和も変化するがその比である分散は変化しない

    大正解です!

    でも、数式で説明できますか?

    口で言うのは簡単だけど、本当にも残差eの分散の期待値は変化しないのでしょうか?と言い寄られると、ちょっと不安になりますよね。

    事例1(三元配置実験でプーリングする前)

    プーリングする前の各効果を式で表現すると下表のようになります。

    A B C AB AC BC e T
    \(\bar{x_{i・・}}\) 1 -1 -1 1 0
    \(\bar{x_{j}}\) 1 -1 -1 1 0
    \(\bar{x_{k}}\) 1 -1 -1 1 0
    \(\bar{x_{ij}}\) 1 -1 0
    \(\bar{x_{ik}}\) 1 -1 0
    \(\bar{x_{jk}}\) 1 -1 0
    \(x_{ijk}\) 1 1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1 -1 -1 1 1 1 -1 -1

    黄色枠を見て、残差eの平方和の期待値が導出できます。
    E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((x_{ijk}-\bar{x_{ij・}}-\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{・jk}}\)
    \(+\bar{x_{i・・}}+\bar{x_{・j・}}+\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{ij・}}-\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{・jk}}\)
    \(+\bar{ε_{i・・}}+\bar{ε_{・j・}}+\bar{ε_{・・k}}-\bar{\bar{ε}})^2\)
    =(a-1)(b-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    となるのですが、簡単に導出方法を書いておきます。

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{ij・}}-\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{・jk}}\)
    \(+\bar{ε_{i・・}}+\bar{ε_{・j・}}-\bar{ε_{・・k}}-\bar{\bar{ε}})^2\)
    を(A)とします。

    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(ε_{ijk}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (abc-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}((A))^2\)] (??)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{ij・}}-\bar{ε_{i・・}}-\bar{ε_{・j・}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)(b-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{i・・}}-\bar{ε_{・・k}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{・jk}}-\bar{ε_{・j・}}-\bar{ε_{・・k}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (b-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (b-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (c-1)\(σ_e^2\)

    よって、(A)は
    (abc-1)-(a-1)(b-1)-(a-1)(c-1)-(b-1)(c-1)
    -(a-1)-(b-1)-(c-1)
    =abc-ab-ab-bc+a+b+c-1
    =(a-1)(b-1)(c-1)
    E[\(S_e\)]=(a-1)(b-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    となります。

    データの構造式で、全効果を展開すると、添え字が
    そのまま自由度になります。

    添え字:(ijk-ij-jk-ik+i+j+k-1)
    →自由度:(abc-ab-ac-bc+a+b+c-1)

    よって、分散の期待値は、自由度で割ります。
    残差eの自由度は(a-1)(b-1)(c-1)なので、
    E[\(V_e\)]=\(σ_e^2\)
    とシンプルになります。

    事例2(三元配置実験でプーリングする場合1)

    交互作用A×Bをプーリングします。

    交互作用A×Bをプーリングした後の各効果を式で表現すると下表のようになります。

    A B C (AB) AC BC e T
    \(\bar{x_{i・・}}\) 1 0 0 eへ -1 0 0 0
    \(\bar{x_{j}}\) 0 1 0 eへ 0 -1 0 0
    \(\bar{x_{k}}\) 0 0 1 eへ -1 -1 1 0
    \(\bar{x_{ij}}\) 0 0 0 eへ 0 0 0 0
    \(\bar{x_{ik}}\) 0 0 0 eへ 1 0 -1 0
    \(\bar{x_{jk}}\) 0 0 0 eへ 0 1 -1 0
    \(x_{ijk}\) 0 0 0 eへ 0 0 1 1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1 -1 -1 eへ 1 1 0 -1

    残差eの項が少し変わりました。

    黄色枠を見て、残差eの平方和の期待値が導出できます。
    E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((x_{ijk}-\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{・jk}}\)
    \(+\bar{x_{・・k}})^2\)
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{・jk}}\)
    \(+\bar{ε_{・・k}})^2\)
    =(a-1)(b-1)(c-2)\(σ_e^2\)
    となるのですが、簡単に導出方法を書いておきます。

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{ i・k }}-\bar{ε_{・jk }}+\bar{ε_{・・k}})^2\)
    を(B)とします。

    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(ε_{ijk}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (abc-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}((B))^2\)] (??)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{i・・}}-\bar{ε_{・・k}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{・jk}}-\bar{ε_{・j・}}-\bar{ε_{・・k}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (b-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (b-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (c-1)\(σ_e^2\)

    よって、(B)は
    (abc-1)-(a-1)(b-1)-(a-1)(c-1)-(b-1)(c-1)
    -(a-1)-(b-1)-(c-1)
    =(a-1)(b-1)(c-1)-(a-1)(b-1)
    =(a-1)(b-1)(c-2)
    E[\(S_e\)]=(a-1)(b-1)(c-2)\(σ_e^2\)
    となります。

    (A)の自由度からプーリングした交互作用A×Bの自由度(a-1)(b-1)を引けばOKです。

    よって、分散の期待値は、自由度で割ります。
    残差eの自由度は(a-1)(b-1)(c-2)なので、

    E[\(V_e\)]=\(σ_e^2\)
    とプーリングする前の期待値と等しくなります。

    事例2(三元配置実験でプーリングする場合2)

    さらに交互作用A×B、B×Cをプーリングします。

    交互作用A×B、B×Cをプーリングした後の各効果を式で表現すると下表のようになります。

    A B C (AB) AC (BC) e T
    \(\bar{x_{i・・}}\) 1 0 0 eへ -1 eへ 0 0
    \(\bar{x_{j}}\) 0 1 0 eへ 0 eへ -1 0
    \(\bar{x_{k}}\) 0 0 1 eへ -1 eへ 0 0
    \(\bar{x_{ij}}\) 0 0 0 eへ 0 eへ 0 0
    \(\bar{x_{ik}}\) 0 0 0 eへ 1 eへ -1 0
    \(\bar{x_{jk}}\) 0 0 0 eへ 0 eへ 0 0
    \(x_{ijk}\) 0 0 0 eへ 0 eへ 1 1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1 -1 -1 eへ 1 eへ 0 -1

    さらに残差eの項が変わりました。

    黄色枠を見て、残差eの平方和の期待値が導出できます。
    E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((x_{ijk}-\bar{x_{i・k}}-\bar{x_{・j・}})^2\)
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{・j・}}\)
    =(b-1)(ac-2a-2c+3)\(σ_e^2\)
    となるのですが、簡単に導出方法を書いておきます。

    \((ε_{ijk}-\bar{ε_{ i・k }}-\bar{ε_{・j・}})^2\)
    を(C)とします。

    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(ε_{ijk}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (abc-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}((B))^2\)] (??)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{ε_{i・k}}-\bar{ε_{i・・}}-\bar{ε_{・・k}}+\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)(c-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{i・・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (a-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (b-1)\(σ_e^2\)
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{x_{・・k}}-\bar{\bar{ε}})^2\)] (c-1)\(σ_e^2\)

    よって、(C)は
    (abc-1)-(a-1)(b-1)-(a-1)(c-1)-(b-1)(c-1)
    -(a-1)-(b-1)-(c-1)
    =(a-1)(b-1)(c-1)-(a-1)(b-1)-(b-1)(c-1)
    =(b-1)(ac-2a-2c+3)
    E[\(S_e\)]=(b-1)(ac-2a-2c+3)\(σ_e^2\)
    となります。

    (A)の自由度からプーリングした交互作用A×B,B×Cの自由度(a-1)(b-1)と(b-1)(c-1)を引けばOKです。

    よって、分散の期待値は、自由度で割ります。
    残差eの自由度は(b-1)(ac-2a-2c+3)なので、

    E[\(V_e\)]=\(σ_e^2\)
    とプーリングする前の期待値と等しくなります。

    プーリングすると自由度も下がるので、残差eの分散の期待値は変わりません。実際に式を使って期待値が変わらないことを確認しました。

    まとめ

    実験計画法のプーリングについて詳細に解説しました。

    • ➀プーリングの判断基準はよく考えるべき
    • ②プーリングしても残差eの分散期待値が変化しない理由がわかる

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