カテゴリー: 実践

  • 品質保証体系図がわかる

    品質保証体系図がわかる

    「品質保証体系図って何?」、「品質保証体系図から何を読み取ればいいの?」と疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質保証体系図がわかる
    • ①品質保証体系図とは
    • ②品質保証体系図を作ろう!
    • ③品質保証体系が機能するための条件
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    品質保証体系図とは

    品質保証体系図

    品質保証体系図とは、販売から出荷後までの全プロセスにおいて、それぞれの部門がやるべきことを明確にした図。

    つまり、
    ●営業部門はどんな業務をしたらよいか?
    ●設計部門はどんな業務をしたらよいか?
    ●製造部門はどんな業務をしたらよいか?

    と各部門のやるべきことを決めた図です。

    ●品質保証体系図の具体例は下図に挙げます。

    ●要は、

    みんな勝手に自己流で業務しないでね! うまくできる業務方法を品質保証体系図に書いていますよ!それを読んで、その通りやってね!

    品質保証体系図のポイント

    ●まずは、下の3点が細かくぎっしり定義されています。

    1. 各工程の業務・作業内容
    2. 各工程で担当する部門
    3. 工程で必要な会議、標準類(ルールや文書)

    品質保証体系図が嫌われる3つの理由

    ●本来は、組織活動において、最も重要な図なので、新人さんの頭に叩き込んでから業務開始としたいです。でも、できません。その理由は

    読みづらく、理解しづらく、暗記しづらいから

    実際は、組織に入って5年以上経験した中堅者以上が、読んで初めて「重要な体系図だ!」と思うものです。

    品質保証体系図は業務経験で覚える

    品質保証体系図は、経験でしみついているから理解できる

    ●新人や若手は、まずは先輩・上司からのOJTで一連の業務を経験しましょう。何回かサイクルを回して自分でできるようになってくると、全体のプロセスが理解できるようになります。

    1つの専門を経験すれば、他分野にも展開できる

    ●組織の都合で異動になったり、転職で異業種に行くこともあるでしょう。しかし、どこかで1つの専門を経験しておけば、品質保証体系図はどの分野にも理解できます。

    業種が違っていてもそれほど、大きく体系図は変わりませんし、変わったとしても、
    量産型か、受注型か
    BtoCか、BtoBか
    ・vソフトウェアかハードウェアか
    くらいでしょう。

    業種の違いが品質保証体系図のどこに効いてくるかを理解すればよいのです。

    一度、1つの専門性を磨けば、どの領域にも展開できます。

    品質保証体系図を作ろう!

    品質保証体系図は自分で作ってみると、とても良い勉強になります。作ってみよう!

    ●最初から下図のような複雑な図にはなりません。

    組織内で何度も見直して更新したり、何度も苦情・トラブルで先輩達が怒られてきた過去の積み重ねで品質保証体系図が出来上がっています。

    なので、
    ●品質保証体系図の最初は、ただの表です。
    ●品質保証体系図はどういう経緯で、細かい図表になるか?
    を見ていきましょう。

    最初はただの表

    ●品質保証体系図の最初は、ただの表です。

    ●事例として、営業部門、設計部門、製造部門、品質部門が組織にあったとします。この情報だけで品質保証体系図を作ると、おそらく下表になるはずです。

    プロセス 部門
    販売 営業部門
    設計開発 設計部門
    製造 製造部門
    検査 品質部門

    ただ、部門ごとに分類しただけじゃん!

    そうです!これで組織が回るなら、これも立派な品質保証体系図です!

    各プロセスで要望が出て来る

    上表はシンプルすぎです。なぜなら、各プロセスにおいて、部門内で閉じるからです。

    ●部門内に閉じる組織は、品質低下を懸念します。なぜなら、

    1. セクショナリズムに陥っている可能性がある(部門間の壁が厚い)
    2. リスクや情報が組織内で共有できていない可能性がある
    3. 各部門で全プロセスを理解できるプロはそもそもいない

    ●最初は、部門内で閉じていた組織でも、徐々に顧客要求品質を満たせず、各部門が困るようになるはずです。

    困ったら? 誰かに相談しますよね!!

    困ったから相談した!⇒これが部門間の連携するきっかけですね!

    各部門の連携は、普段当たり前にやっているでしょうけど、
    その当たり前に「なぜ?」をツッコむと、「相談して解決したいから」とわかりますね。

    各部門の連携の必要性が品質保証体系図を作る

    分類しただけの品質保証体系図をもう少し、肉付けします。

    品質保証体系図

    ●では、問題です!各青枠でくくった工程では、どの部門が参加すればよいでしょうか?
    ・マーケティング
    ・受注可否判断
    ・仕様検討
    ・設計開発
    ・納入仕様書
    ・製造
    ・部品調達
    ・出荷検査
    ・納入
    ・苦情・クレーム対策

    正解は1つだけではありません。むしろ、
    「あなたはなぜそう考えたのか?」が最も大切です。

    QCプラネッツでは、以下のように連携が必要としました。別に他の解でもOKです。

    営業 設計 製造 品質
    マーケティング
    受注可否判断
    仕様検討
    設計開発
    納入仕様書
    製造
    部品調達
    出荷検査
    納入
    苦情・クレーム対策

    ●それぞれの理由を説明します。別の考えてもOKです。
    ●受注可否判断は技術がわからないと判断できないため、設計・製造部門も必要。
    ●仕様検討は顧客要求、技術力の両者をみないと検討できないため、営業・設計・製造部門が必要。
    ●製造引継を設計と製造の間に追加する。仕様のヌケモレが一番起こる場所だから。
    ●検査は品質部門に任せず、製造・品質で両方みる。ただし、癒着や品質不正がないよう品質は独立した立場をとること。
    ●苦情・クレーム対策は、顧客対応、設計・製造のフィードバックやそれを品質が指揮するので全部門とする。

    以上をまとめると、下図のような品質保証体系図が出来上がります。実際の体系図に近づいてきました。

    ●あとは、どこまで細かく記載するかは組織にゆだれます。

    ③品質保証体系が機能するための条件

    せっかく、頑張って作った品質保証体系図も

    「仏作って魂入れず」では、無意味

    なので、品質保証体系が機能するための条件を考えましょう。3つ挙げます。

    1. 組織トップの方針と指示
    2. 各部門の連携力
    3. システムより人間力

    組織トップの方針と指示

    ●組織を良くも悪くもするのは、トップです。トップの方針と強いトップダウンが必要です。そうしないと、組織の担当者は誰も動きません。

    また、指示どおり強制しても、人は動きません。人は理念や思いに共感して初めて行動します。品質を作りこむ大切さを日々トップから伝えなければなりません。

    各部門の連携力

    ●普段から連携できる必要があります。具体的には

    1. 日常会話もOK。
    2. 営業が行く顧客打合せに設計・製造担当を連れて行って、顧客要求を肌で感じとらせる。
    3. 設計・製造現場に営業も行って、自組織の実力を理解する。
    4. 営業、設計、製造、品質の部門間で人を入れ替えるなどの人事異動
    相手方がわかる・相手方を経験すると連携が強まります。

    システムより人間力

    ●品質保証体系図だけ作ってもダメで、それをうまく回すのは「人」です。

    品質保証体系図にとって、「人は血液の役割がある」

    大事なのは、

    品質保証体系図と中身を暗記するのではなく、
    組織がよりよい活動になるにはどうしたらよいか、仕組と人の観点で考える事

    品質保証体系図をみれば、その組織の実力がわかってしまう理由もここにあります。

    まとめ

    品質保証体系についてわかりやすく解説しました。

    • ①品質保証体系図とは
    • ②品質保証体系図を作ろう!
    • ③品質保証体系が機能するための条件

  • 品質マニュアルがわかる

    品質マニュアルがわかる

    「品質マニュアルって何?」、「ISO9001 2015年版に品質マニュアルは必要なの?」と疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質マニュアルがわかる
    品質マニュアルはISO9001 2008年版までは一番偉い文書だった。
    ISO9001 2015年版に品質マニュアルは不要です。
    けど、毎年品質マニュアル更新するよう上司から指示が来る。
    なんで??
    品質管理担当は、10年以上のベテランと、数年の中堅がいます。
    ●ベテランはISO9001 2008年版までの品質マニュアルを大事にする
    ●最近入った中堅はISO9001 2015年版しか知らないから、品質マニュアルの価値がわからない。

    過去のお偉い文書である「品質マニュアル」について解説します。

    QCプラネッツはISO9001 2015年版から実務しているので、品質マニュアル不要論側です。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう
    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①品質マニュアルとは

    品質マニュアルのあるべき定義

    「品質マニュアル」の本質は次の定義だと考えます。この定義なら品質マニュアルが必要としてもよいでしょう。

    組織が品質を作りこむためのマニュアル・秘訣が「品質マニュアル」

    あるべき品質マニュアルに必要な要素

    組織が品質を作りこむためには、何が必要ですか?考えましょう。

    1. 組織(経営)の理念、戦略
    2. 経営者の考え
    3. 組織内の全員が守るべきルール(規程)と文書類
    4. 組織の体制
    5. 品質保証体系図(営業、技術各部門がやるべき業務フロー)
    6. QC工程図(各作業の工程図)

    上の1から6をまとめた文書が「品質マニュアル」であると、本来こうあるべきです。

    組織の「品質マニュアル」にISOは関係ない

    でも、実態はどうでしょうか?

    実際は、ISO認証監査のための文書

    実際は、

    ISO認証のために作らされた文書ですよね。

    品質マニュアルのトップ文書からの転落ぶりをこれから解説します。

    ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった

    ISO9001は文書の適合性をしっかり診ていた

    ●ISO9001 2008年版までは、文書の適合性を厳しく見ていたので、文書で品質監査を見ていました。だから、審査対象の組織のトップ文書として品質マニュアルが必須でした。

    品質マニュアル

    図を見ると、品質マニュアルは、

    1. 組織の品質の最上位文書
    2. ISO審査の組織の玄関口としての文書

    なので、品質マニュアルがスタートして、各文書の整合性や適合性について、組織活動を質疑しながらチェックしていました。

    ISOの要求事項に品質マニュアルが準拠するスタイル

    ISO9001の認証は、

    組織活動が、ISO9001の要求事項にぴったり適合していること

    ですから、

    組織活動は必ず、
    1.ISO要求事項が最初に来て
    2.ISO要求事項に準拠した品質マニュアルの内容
    とするよう、厳しく要求されていました。

    今でもISO認証審査員が、
    「その組織活動は、ISO9001の要求事項の8.3.4に適合します」
    とか言いますが、それは、
    組織活動や文書がISO9001の要求事項に適合(従う)ようにしなければならかったからです。

    ISO9001 2015年版以降から品質管理業務を担当すると、
    「活動にわざわざ要求事項の番号当てはめて意味あるん?」
    と思うでしょう。

    ISO9001 2008年版までとISO9001 2015年版では全くとらえ方が違います。

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。

    ISO9001 2015年版の方が、組織が活動しやすくなっています。

    組織や業種が違うのに、品質マニュアルだけはなぜか同じような文書になっている

    取引先品質監査で他社を訪問する際、いつも思うのが、

    会社違うのに、何で品質マニュアルだけは似たような文書なんだろう?

    大体、表紙と目次を見ると、みんあ同じですね。気持ち悪い。。。

    ●よくある表紙

    品質マニュアル

    ●よくある目次

    品質マニュアル

    品質マニュアルはISO認証機関やコンサルに作らされたから

    ●似たり寄ったりな品質マニュアルである理由は、外から指示されたからです。

    本来、品質マニュアルは組織の成功の秘訣をまとめたものです。しかし、実際は、ISO認証のために作った文書です。

    ISO認証のためだけなのに、50ページくらいあるし、定期的に更新が必要なので、品質マニュアルは面倒な文書です。

    ③ISO9001 2015年版からは不要な文書

    品質マニュアルが組織最上位文書で無くなった理由

    ●一方、ISO9001 2015年版は、文章の適合性以上に組織活動の有効性を審査するので、文書のチェックは過去ほど厳しくなく、情報であれば何でもよいと変わりました。

    ISO9001 2015年版以降は、組織活動の有効性をしっかり審査するかわりに、文書の荒さがしをネチネチやらなくなりました。概念図をご覧ください。2008年版との違いがわかります。

    品質マニュアル

    ●その背景は、ISO認証していても、品質不正する企業が後を絶たず、文書の適合性だけみても、本当に組織が有効に活動しているか疑問になったからです。

    考えたら、

    組織は、成功のために活動しているのであって、
    ISO取得・継続のために活動しているのではないです。
    つまり、手段(ISO認証)が目的化している。

    なので、

    ●ISO9001 2008年版までは、まず、ISOの要求事項、次に組織活動
    ●ISO9001 2015年版は、まずは、組織活動、次にISOの要求事項
    つまり、ISO認証は手段、組織の成功が目的。当然ですよね。

    「文書化した情報」は奥深い

    関連記事、でも解説したとおり、

    ●ISO9001 2008年版までは、「文書」を審査
    ●ISO9001 2015年版は、「情報」を審査
    これは、大きな違いがあります。

    前者は、文書という「手段」を審査していただけで、
    後者は情報から「目的(組織活動や成功)」について審査します。

    組織の取り巻く環境や制約条件から
    成功のための戦略・目標と
    実際の活動が整合しているかを審査します。
    審査するために必要な情報があればよく、情報の手段は問いません。

    「情報」が「文書化」されてもいいし、データベースでもいいわけです。

    審査するために必要な情報を引き出すためには、品質マニュアルである必要はないです

    よって、品質マニュアルが必要ではなくなったわけです。

    「文書」より「情報」から組織活動を評価する時代です。

    ISO9001 2015年版でも審査機関から品質マニュアル提出を求められる

    毎年困るのが、

    審査前に今年度の品質マニュアルを提出してください

    と審査機関から要求されます。

    品質マニュアルはいらんでしょう!

    と突き返したいのですが、現実はそうではありません。この理由は、

    1. 審査員が2008年版から継続しているから、その名残
    2. 品質マニュアルは組織体制図、理念、ISO9001の要求事項と組織活動がわかる文書なので便利

    「便利だから」という理由が強いですね。

    ●仕組上、品質マニュアルは不要ですが、
    ●運用上は、便利なので
    品質マニュアルを毎年更新しています。

    ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

    自分で考えて作る事は大事

    ●ISO認証のための品質マニュアルは不要になりましたが、ISO関係なく自組織の成功の秘訣をまとめた品質マニュアルは一度考えて作った方がよいでしょうね。

    ●品質マニュアルとは、何か? どうあるべきか?
    ●品質の作りこみに、何が必要か?
    ●組織に品質の重要さをどう醸成させたらよいか?
    など、品質の本質を考える習慣がつきます。

    品質は従うとつまらない!
    品質は考えるから面白い!

    新技術や新規事業展開する際に品質マニュアルの設計が必須

    成熟産業なら、ほぼ無いですが、近年、DXやAIなどで既存事業が大きく変わる局面に来ています。

    ほぼ、匠の技で培ってきた組織に、急にDXの波が来て、デジタル化する組織に変化したら、どうやって品質を担保しますか?品質を作りこむ方法をどう考えるか?など、問われます。

    新しい概念が入れた品質マニュアルを急に作る必要が出て来ます。そうなる前に、既存のビジネスや組織活動の品質マニュアルの作り方を一度自分で考えて作ってみましょう。

    QCプラネッツでは、今後、品質マニュアルを自分で作る演習サイトを立ち上げる予定です。

    まとめ

    品質マニュアルについてわかりやすく解説しました。

    • ①品質マニュアルとは
    • ②ISO9001 2008年版までは最重要文書だった
    • ③ISO9001 2015年版からは不要な文書
    • ④品質マニュアルは自分で考えて作ってみよう

  • 内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる

    本記事のテーマ

    内部監査の報告書の作り方と書き方がわかる
    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)

    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

    QMS内部監査員養成したい方、是非ご購入ください。
    ISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクの対処方法を考え抜く問題集です。

    ①報告書の作り方

    報告書の目的

    単に実施したから記録するのではなく、継続して品質改善を取り組んで、組織が良くなっていっているかを確かめるために記録しましょう。

    ●何を監査したか?
    ●どんな回答があったか?
    ●どんな評価をしたのか?
    ●次回の監査までに何を改善するのか?

    をまとめることで、組織の各部門の課題や全体に共通する課題を見つけることが重要です。

    組織全体に影響する課題であれば、経営陣に迅速にインプットする必要があります。

    組織の健康チェック記録ですね。

    報告書に必要な内容

    組織内の正式な文書類になるでしょうから、報告書に必要な項目を決めて、文書や様式を設計する必要があります。

    まずは、5W1Hですね。
    ●監査員名(⇒組織が許可した監査員か?監査員教育や力量は適切か?)
    ●被監査側の出席者(⇒監査を受けてよい人か? 役職・責任・権限は適切か?)
    ●日時(⇒前回の監査からどの程度期間があり、品質の定着度を見るのに妥当かどうか?)
    ●場所(⇒場所はそれほど問題ではありませんが、最近はコロナ禍対策としてオンラインも適用されます。)

    そして、監査項目、監査評価ですね。
    ●監査項目の設定方法
    ●監査評価の定義(何が良くて、悪いか?)
    ●その他記録すべき特記事項(何を書くべきか?)

    報告書はよく考えてつくるべきですね。

    報告書の事例

    必要な項目を入れると下図の感じになるでしょう。いかがでしょうか。あなたの組織の内部監査報告書と似ていますか?違いますか?

    ●1枚目報告書

    内部監査

    ●2枚目報告書

    内部監査

    2枚用意しました。
    ●1枚目は、監査リーダが質疑しながら、最後にまとめる報告書。
    ●2枚目は、2人目の監査員が、監査質疑を詳細に記録する記録書。
    です。

    1枚目の報告書だけでは、なぜその結果になったのかが、後でわからなくなります。そこで、2枚目の記録書にQ&Aのやり取りを記録しておくことを薦めます。

    監査項目

    監査項目に何を入れるかは自由ですが、内部監査と外部審査がリンクするので、ISO9001の要求事項をいれておくのも1つの手です。

    監査項目の例として、
    ●前回の結果からの改善
    ●外部・内部課題の変化
    ●品質目標
    ●組織体制
    ●資源
    ●力量
    ●コミュニケーション
    ●文書化した情報
    ●運用の計画および管理
    ●不適合、是正処置
    ●継続的改善
    から選ぶ感じでしょうか?実際は決まった時間で監査完了しなければなりませんので、組織にとって監査したい項目を選びましょう。

    ②報告書の書き方

    必須項目

    以下を確実に書きましょう。あとで、見直す時に有効です。
    ●5W1H
    ●主語述語を明確に
    ●確認した文書名
    ●文書内容(文書名、顧客名、納期、などの重要な内容)
    ●監査のQ&A

    記録する監査員は、監査記録中、記録だけに徹しましょう。

    書き方のコツ

    1. 文章より箇条書き
    2. 主語、期限、を明確に

    音声データを記録して、文字を起こすよりは端的な箇条書きでまとめましょう。何枚も記録書を見るよりは、伝えたるべきポイントをまとめておくことが重要です。そのため、ある程度力量をもった監査員が記録すべきです。

    主語、期限など、相手が嫌がるけど、明確にしておくべきことははっきり記録しましょう。あいまいな回答が来たら、聞き返してください。相手がためらったら、「明確に書いたからといって、絶対にやらないといけないという宣言ではない」とか「監査結果に影響しません」と返しましょう。

    第3者にわかりやすくつたえるのが記録の目的です。

    報告書は電子入力すべき

    意外と内部監査って、手書きで記録していませんか? 電子化の時代とはいえ、システムを組むほどの規模でもなく、それをつくる人がいないので、紙とハンコを使っている組織が未だに多いでしょう。

    報告書は電子入力

    組織内のサーバーや、Share Point Onlineなどのツールなど何か入っているでしょうから、電子化対応しましょう。

    1. 直筆は基本汚い字
    2. リモート勤務で監査が必要

    みんな字が汚いです。汚い字で、くせのある字だと、第3者が読み取れません。でも、これが、監査終了後、被監査側が記録書をチェックしようとしない理由でもあります。

    今まで被監査側は何もチェックしなかったのに、記録書が出来たらチェックするようになりましたね。

    あと、コロナ禍によるリモート対応が直筆、紙、ハンコから電子化せざるを得ない状況になったでしょう。監査員・被監査側の一部の人がリモートログインして内部監査する時代になりました。

    電子化が必須になってきました。

    ③監査中の書き方(実際)

    実務経験から3つコツを解説します。

    1. 監査員は2名以上必要
    2. 質疑と記録を同時に2名で進行
    3. 監査後の記録データの注意点

    監査員は2名以上必要

    ●質疑する人
    ●記録する人
    の2名は必須です。

    あとは、アドバイザー監査員や育成中の監査員が必要に応じて同席します。

    監査員は2名以上必要な理由は

    1. 質疑中は記録とれない(時間も気持ちも余裕がない)
    2. 質疑しながら記録すると、記録中、会話が無くなり質疑の良い流れが寸断される

    質疑する監査リーダは、結果をまとめる時だけ、記録し、それ以外は質疑だけに集中しましょう。記録係は、記録に徹しましょう。

    監査後の記録データの注意点

    記録した文書において、改ざんされる状態のまま、文書を保管する場合が多いです。

    ●紙と鉛筆で書いた場合は、後でいくらでも改ざんできる
    ●電子化しても、その記録ファイルが編集できる状態で保存されていると、改ざんできる。

    電子化しても、監査後は文書にロックをかけて保管する必要があります。意外とexcelやwordで作った文書をそのまま電子印で承認した後、普通に編集できるファイルで保管することが多いにあります。

    まとめ

    内部監査の報告書の作り方と書き方をわかりやすく解説しました。

    • ①報告書の作り方
    • ②報告書の書き方
    • ③監査中の書き方(実際)
  • 取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる

    本記事のテーマ

    取引先監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント

    ①最もやりたくない監査

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)と3種類ありますが、第二者監査(取引先監査)が最もやりたくないですね。

    顧客(購買先)が販売元に出向いて、品質監査をやる監査ですから。

    • 販売元はできれば避けたい
    • 顧客(購買先)も監査担当者は面倒くさいのでやりたくない
    • 両者の品質管理担当は責任が無いので、モチベーションも低い

    顧客が販売元をチェックするのは、品質管理としては重要ですが、実際やれってなると嫌ですね。その理由や現状を解説していきます。

    個人的には、他社を見る良い機会ですけど。

    ISOに書いているが、強制力はない

    ISO19011には、監査の種類と実施が書いていますが、書いているだけで、取引先監査の義務や強制力はありません。「両者の合意のもとで」なのでしょう

    監査される側は嫌がる

    そりゃ、嫌ですよね。

    ただでさえ、QCDに無茶いう顧客なのに、彼らが自社に乗り込んで監査するっていうわけですからね。監査した結果、何かアメでもないと、やってられませんよね。

    よっぽど、へまをやった(品質不正やった、顧客に相当の被害や迷惑をかけてしまった)があれば、受け入れる理由がありますが、

    監査する方も面倒くさい

    実は、顧客側も、「面倒くさい」んですよ。

    なぜなら、経営陣や管理職が取引先監査やって来い!と指示されたからとか
    監査する本人は直接、販売元から損を受けた関係ではないので、ただの事務業務として扱うからです。

    品質管理担当が取引先監査やればいいじゃん! 確かに監査する力量はあるのですが、品質管理側は組織の中でも独立した立ち位置なので、購入側・販売側のどちらの利害関係はありません。だから、モチベーションが低いのです

    「品管として、監査をやりました!」くらいな感じです。

    普段、購買側、販売側両者が集まって監査することは少ないため、
    取引先監査は貴重です。
    監査するには、互いに大きなメリットがあるといいのですが、
    どうすればよいかを考えましょう。

    ②取引先監査当日の注意点

    第一者監査(内部監査)、第二者監査(取引先監査)、第三者監査(外部審査)とありますが、大きく違う点があります。

    1. 第一者監査(内部監査)は「性善説」を優先
    2. 第二者監査(取引先監査)は「性悪説」を優先
    3. 第三者監査(外部審査)は「性善説」を優先

    第二者監査(取引先監査)は、相手との関係性を良くしたい点がメインですが、
    基本は相手を疑うことが重要です。なぜなら、不都合なことは隠すから

    ここが、自社を診る、内部監査と外部審査の違いです。

    1. 被監査側は都合のよい所しか見せない、言わない
    2. でもそれが正しいなら、品質トラブルにならないはずだが
    3. 監査側は要求をはっきり言う
    4. 両者が決裂したら、販売先を変えればいいだけ

    取引先監査自体はお金の流れが無いため、監査側も被監査側も対等です。言いたいこと言いましょう。

    被監査側は不都合なことは隠す

    監査は本来、相手の良いところを探すものですが、
    取引先監査は不備やトラブルが原因で実施するため、
    性悪説でのぞみます。

    よって、普段相手を疑うことはしませんが、取引先監査は別人格でのぞみます。でも、喧嘩や挑発はNGです。顧客側として、こうして欲しいと率直に伝えるのが目的です。

    監査でのぞむべきポイントは

    1. 一番できの良いロットしか見せない
    2. 都合のよい文書やプロジェクト記録しか見せない
    3. 工場現場見学は基本NG。OKな場合でも良い所しか見せない
    4. 都合のよい回答しかしてこない

    ●逆に、監査される側に立てば、不都合な事実は無くても、うまく伝わらないことが原因で改善をあれこれ指示されたくはありません。また、自社では問題が起きていないことでも、NGと監査されて無理矢理な改善要求はされたくはありません。

    ●さらに、監査する・される両側をはさむ独立な立場の人はいませんので、揉め事に発展する危険性があります。

    互いに相手を配慮しつつ、変な指摘がされないよう守る事も大事です。

    監査側が見たいところをはっきり要求する

    相手が100%対応してくれるかはわかりませんが、監査に来た以上、監査したい目的や、気になる所ははっきり伝えましょう。監査される側からは、「こういうのが気になる相手だ」と伝わるからです。

    この取引先監査は、
    減点方式なので、高評価されない監査です。よって、モチベーションは上がりません。
    ●ちゃんとできていれば、減点0
    ●不備があれば減点
    ○良い事例があっても加点されない。

    テンションが上がらない監査なので、相手への要求は明確に伝えるべきですが、言い方は注意しましょう。高圧的な言い方ではなく、お願いする体がよいでしょう。

    被監査側が説明しない所をよく見る

    相手先に行ったら、説明されないところをよく見ておきましょう。説明されない所や、非言語的な情報から相手先の品質レベルがわかるからです。

    1. 事務所や工場にゴミが落ちたまま
    2. なんか埃っぽい
    3. なんか暗い(雰囲気、照明)
    4. そこで働いている人の表情
    5. 整理整頓できていない所がある
    6. 管理要な薬品・劇薬の管理状況

    説明されない所や、非言語的な情報から、相手の不備や改善要求点が見えます。直接伝えてもいいし、これらと監査チェックリストを絡めて指摘するのもよいでしょう。

    三現主義(現実、現物、現場)を見ると、ほぼ相手がわかる

    はっきり言おう!【2Sだけみれば相手がわかるよ】

    限られた時間で知らない相手を知るために時間を費やすより、
    取引先の2S(整理整頓)だけ見るだけでも
    かなり優れた審査ができるよ!

    はっきり言って

    十分な取引先監査教育環境を用意するのは難しい。
    審査で重点的に見たいところが実は外していたりすると
    【なんでこんな評価してきたの?】
    という結果が多い。

    むしろ、

    相手の職場、製造現場の整理整頓だけ見よう!
    整理整頓ができていないところは
    品質レベルに問題があるし、
    全部を綺麗に整理整頓するほど相手も時間がない。

    簡単ですが、QCプラネッツの経験上、2Sだけでもかなりの精度の高い審査結果を下すことができます。

    ③取引先監査を成功させるポイント

    相手との関係性、取引額、監査のモチベーションなどが交錯する監査なので、実施するだけでも大きな成果です。成功させるポイントを解説します。

    1. 監査員の育成
    2. スムーズな監査
    3. 良好な関係を構築

    監査員の育成

    社内から監査員を数名選抜して、育成する必要があります。品質管理担当が主にやりますが、品質管理部門は組織内で独立した位置にあるので、販売側・購入側間の利害の程度が小さいです。他人事のように監査する可能性があります。

    購買品を直接扱う、営業や技術が監査して、直接ダメージを受けた相手を監査した方が、高いモチベーションで臨めるはずです。

    取引先監査は運営や質疑が難しいので、
    組織内の内部監査で十分経験を積んでから取引先監査員
    として育成するとよいです。
    組織内の多くの人に監査できる力をつけると、内部監査や取引先監査できる人が増えて、強い組織ができます。

    内部監査員を組織内でたくさん作る理由の1つに、取引先監査の実施があります。

    スムーズな監査

    互いの言い分や、攻防がありますが、心を開かないと、相手も心を開きません。

    監査の前の、よい空気を作ることが大切です。
    「いつもありがとうございます。」
    「今回は、こういう理由で、もっとよくしたいから、監査させていただきます。」
    「今後もっと良い関係にしたいので今日1日よろしくお願いいたします。」
    「自社は最近○○で、○○なんですよ」とか
    「共通の世間話でもいい」

    監査の質疑の合間にも、相手を配慮するような言い方とか、相手が得するような提案をすると、相手も自分ことをよく考えてくれているなとして、本音がポロっと言ってくれるかもしれません。

    相手の本音は、ツッコむのではなく
    互いの良好な関係維持につながる連結器ととらえておく

    記録に書かず、口頭で、こんなこと言っていましたよ。くらいの報告でよいでしょう。

    良好な関係を構築

    取引先監査の目的は、

    両者のWIN-WINな関係を強固にすること

    ●改善した方がベターなものははっきり伝えましょう。
    ●せっかく相手と話せる機会なので、相手の価値観や考え方を共有しましょう。
    ●相手の良い点は自組織に取り込んでもよいでしょう。

    良い印象がある相手なら、「がんばろう!」となるはずですし、その逆もあります。

    人 対 人 の監査なので、心が通う良い関係になった方が、得です。

    海外の場合は、性悪説がベースなので、契約や罰金で縛りますが、本来は心通う人同士のつながりなので、良い関係で悪い事はありません。

    以上、取引先監査の両者の関係を解説し、他の内部監査や外部審査よりレベルが高い監査であることがわかりました。

    まとめ

    取引先監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①最もやりたくない監査
    • ②取引先監査当日の注意点
    • ③取引先監査を成功させるポイント
  • 内部監査の監査する側・される側の関係がわかる

    内部監査の監査する側・される側の関係がわかる

    本記事のテーマ

    内部監査の監査する側・される側の関係がわかる
    • ①役職は監査員の方が下
    • ②監査員へのサポートのコツ
    • ③非言語コミュニケーションスキルが必要

    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

    QMS内部監査員養成したい方、是非ご購入ください。
    ISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクに対してを考え抜く問題集です。

    ①役職は監査員の方が下

    将来期待できる人に監査員をやってほしい

    ●内部監査で質疑を多くの人に経験してほしいです。品質を身に着けるには、自分の言葉で質疑するのが一番だからです。

    ●しかし、内部監査はそんなに回数がありません。年1回で多くても2,3回質疑するくらいです。監査員育成には数年かかってしまいます。

    ●なので、これからの将来が期待できる3,40代の中堅に監査質疑経験を与えることが組織にとって重要です。

    現状、50代が監査員になることが多いです。数年育成しても定年退職へのカウントダウンが始まるだけで、中長期的に品質を見てほしいプロを組織内に育成したいですよね。

    被監査側の方が役職は上

    将来が期待できる3,40代の中堅に監査質疑経験を与えようとなると、1つ問題があります。

    ●監査する方:課長以下、平もいる
    ●監査される方:部長、課長

    役職が上の目上に質疑しないといけません。これが結構しんどいですよね。普段は逆で、上長から業務指示がくる日々で、内部監査だけは上をチェックするわけです。

    普段言えない上司への不満を、厳しい質疑と厳しい監査結果にしてやろう!
    という悪意は禁物です。
    品質向上につながりません。

    部課長へ質疑するのが嫌だという理由で、監査員を断る人も多いです。品質管理担当としても監査員候補を見つけてOKもらうのが大変です。振られまくりです。

    監査員を部長級以上にするとやらされ感が出る

    「じゃー、監査員に部長級以上をもってきたらいいんじゃないの?」と思いますよね。

    これは絶対いやです。

    1. 経営会議に見たいに、「あれやれこれやれ」といっぱい指示がくる
    2. 監査側、事務局、被監査側に不条理な指示がくる
    3. やらされ感が出てしまう
    4. 自ら品質向上しようとならないため、監査の効果が出ない
    品質は
    「やれ!」と命令しても
    品質向上しません。
    「自ら良くしよう!」と応援しないといけません。

    監査員の選び方は結構考える必要があります。

    監査員へのサポートのコツ

    3つあります。

    1. 品管のシニアをサポートに入れる
    2. ISOのせいにして相手を納得させる
    3. 相手の良さを引き出すよう質疑する

    それぞれ解説します。

    品管のシニアをサポートに入れる

    内部監査に限らず、品質管理の仕事は、

    役職だけでなく年齢も重要

    内部監査、外部審査などの品質管理業務は、相手が各部門の役職者が多いです。平社員だとなかなか伝えづらいし、交渉も難しいです。

    そういうこときは、50代後半の品質管理の人を頼りましょう。

    各部門の役職者が、その50代後半の後輩だったりする

    先輩に頼むと、ことが進みます。先輩の力やサポートを使いましょう。

    ISOのせいにして相手を納得させる

    「 ISOなので、すいません」と言いながら、
    冷静に客観的に質疑する
    タンタンと事実に基づいて機械的に質疑するのもOK

    相手の良さを引き出すよう質疑する

    監査は、若くて平の監査員 VS 年上の管理職の被監査側
    監査は、シニアの平の監査員 VS 管理職の被監査側

    で、基本、管理職の被監査側が強くし、偉いので、高圧になりやすいです

    もちろん、評価する方は監査側なので、被監査側も緊張しています。

    相手の良さを引き出すよう質疑して
    相手を盛り上げましょう。

    毎年、厳しい仕事を勝ち抜いている各部門を監査します。それぞれの良さや強みがたくさんあるはずです。また、もっと改善するとベターな提案できる点もあるでしょう。

    相手を叩く質疑ではなく、相手の良さを見抜く質疑が重要

    相手にとって、当たり前なことを高く評価すると、相手も自信をもってさらに向上しようと自ら行動取ってくれます。

    ③非言語コミュニケーションスキルが必要

    どこにも書いていないスキルが求められる

    内部監査のやり方を教えてくれるのはいいけど、
    実際にやるとなると、いろいろ緊張するなあ

    と、初めて監査する時は特に、緊張や心配事がつのります。その理由は、

    内部監査は、非言語コミュニケーションスキルが必要なのに
    誰も教えてくれないし、誰も気づいていないから

    非言語コミュニケーションの重要さを解説します。この記事を構成しているときに、非言語コミュニケーションの大事さを気づいて良かった!

    監査当日は緊張する

    「準備はしっかりしたけど、なんか心配」なのが、監査リーダの本音です。

    1. 相手の表情が暗い
    2. ダルそうで、嫌そうで、声のトーンも低い
    3. 部門長は手を組んで座っているし
    4. なんか文句あるの?という態度だし
    5. 被監査側は10人も来たけど、監査側はリーダと記録係の2人しかいないし
    6. みんな咳きこんでいるし
    7. 笑顔がないし
    8. 会議室の部屋が暗いし
    9. 相手が時間になってもやってこないし
    10. リモート監査で相手の表情が見えない、怒っている?

    などなど、質疑は淡々と進めていても、相手の表情や言語以外の出て来る負のオーラで、監査する方も結構ビビってしまいます。

    心配事が多く、緊張するのはむしろ自然

    なので、監査の前に、監査する・される両者の緊張をほぐしましょう。互いに緊張していますから。
     ●「今日はありがとうございます」と感謝から入る
     ●「最近寒いですねとか」世間話でもいい
     ●相手が特に監査評価で心配していることがあれば先に聞いて、心配事を無くす
     ●「いいところをたくさん見つける監査です」とか「少々不備や論理に矛盾があっても評価下げませんので、どんどんおっしゃってください」とか先に伝えておくとか
    監査実施前に両者のキャッチボールしておくとスムーズに進みますし、相手の良い点をたくさん見つけられるはずです。

    数回監査やれば身につく

    2、3回監査質疑やれば、ベテランの域に入ります。意外ですけど。

    ポイントは、

    1. 最初は緊張する
    2. 非言語コミュニケーションの難しさに慣れよう!
    3. 完璧な質疑は最初からできなくてもいい
    4. うまく行かないときもあるが、気にせず自分なりにやってみる
    5. 数回監査質疑やれば、力もついてくる
    6. 基本は組織内(社内)の監査なので、皆が守ってくれていると思えばOK

    ●監査質疑を依頼する事務局側は、あえて難しい質疑を依頼することで、品質管理の力を身に着けてほしいという思いがあります。

    ●監査側、被監査側は基本同じ組織に所属するメンバーなので、監査の良し悪しがあっても、組織内でカバーすればよいです。

    ●通常業務で忙しい合間に、監査を実施しているだけでも、品質管理側としては十分感謝の思いがあります。

    緊張しますけど、内部監査を楽しんでください!

    まとめ

    内部監査の監査する側・される側の関係をわかりやすく解説しました。

    • ①役職は監査員の方が下
    • ②監査員へのサポートのコツ
    • ③非言語コミュニケーションスキルが必要
  • 品質監査(第一者監査、第二者監査、第三者監査)がわかる

    品質監査(第一者監査、第二者監査、第三者監査)がわかる

    本記事のテーマ

    品質監査(第一者監査、第二者監査、第三者監査)がわかる
    • ①どんな監査が必要かを考える?
    • ②監査実施に何が必要なのか?
    • ③ISO9001とISO19011をセットでおさえる

    本記事の最も伝えたいこと

    ISOを読む前に、自分で品質監査とは何かを考えましょう。
    ISOや監査は手段、得たい目的を明確に!

    ISO9001 2015 内部監査員育成問題集をを販売します!

    QMS内部監査員養成したい方、是非ご購入ください。
    ISO9001 の構築、内部監査・外部審査の実施、監査のフィードバックや、今後のリスクへの対処方法を考え抜く問題集です。

    ①どんな監査が必要かを考える?

    ●なぜ監査が必要なのか?
    ●監査で得たい目的は?
    ●誰を監査するのか?

    目的別に3つの監査が考えられる

    目的と相手を考える

    1. まず、自分に対して品質が作りこめる組織かをチェック
    2. 次に、取引先に対して要求品質が作りこめているかをチェック
    3. ある標準の認証を得たいから認証機関がチェック
    4. 他に、目的があれば

    それぞれを見ていくと、
    ●自分に対しては、第一者
    ●相手に対しては、第二者
    ●認証に対しては、第三者
    ●それ以外は、第四者

    と区分できますね。

    実際は、自分、相手、認証機関の第一者、第二者、第三者の3つがあります。もし4つ目以降があれば教えてください。第四者監査以降は聞いたことがありませんが、論理的に考えたらあっても良さそうですね。

    ISO19011では監査のタイプをまとめています。暗記せず、自分で考えたものと同じですね。

    第一者監査 第二者監査 第三者監査
    内部監査 外部提供者監査 認証審査及び
    /又は認定監査
    外の外部利害関係者
    による監査
    法令、規制及び
    類似の監査

    第一者監査は、自分で監査するので、「内部監査」
    第二者監査は、わかりやすく「取引先監査」
    第三者監査は、よく「外部審査」
    という言い方で区分します。

    監査の実態

    第一者監査(内部監査)はISO有無に関係ない

    第一者監査(内部監査)は、ISO認証取得する/しないに関係なく、自主的に監査しても良いです。トップなどの責任者が監督することが多いです。

    しかし、自ら面倒なことはしたくないですよね。
    ・よっぽど社会や外から叱られて、収益悪化した場合
    ・世界一を目指すストイックな組織
    以外は内部監査を自主的に実施しないですね。

    ISO9001取得すると内部監査、外部審査は必須

    ISO9001の要求事項には、「9.2 内部監査」があります。もちろん、認証機関からの外部審査もあります。

    ISO9001取得すると
    ●内部監査
    ●外部審査
    が必須になります。

    ISO9001になぜ「内部監査」を要求するのか?

    自主的に実施する内部監査を、なぜISO認証の方が要求するのか?変ですよね!理由は2つあります。

    1. 自主的に内部監査しないから
    2. 外部審査は費用と時間を考慮すると全数検査ではなく抜取検査しかできない。一方、全数検査したエビデンスが欲しいため、内部監査で全組織を監査するよう要求

    ISO9001の「内部監査」は「外部審査」の補完する形になります。けど、どうせ自主的に監査するなら、攻めの姿勢で監査して、組織力を高めましょう!

    第二者監査は実施しづらい

    自分VS相手 で利害関係は真逆です。

    相手は監査を嫌がります。
    第二者監査は必須、やれ!とはISOには書いていない
    相手とは取引契約以外はできない

    第二者監査は他の監査に比べて、実施のハードルが高いのが実態です。

    相手は監査延期や中止しようと逃げます。コロナ禍なら、なおさら

    ②監査実施に何が必要なのか?

    対応者

    誰が何をしなければならないか? 登場人物を挙げて考えます。3者いますね。

    1. 監査する人(監査員)
    2. 監査される人(被監査員) 対象組織の部課長
    3. 事務局(品質担当)

    監査をうまく運営するためには、3者に何が必要かを考えましょう。

    何もない状態で、監査開始しても下図のようになります。

    ISO19011

    何をすれば、監査が機能するかを考えましょう。

    監査者に必要なもの

    考えると、

    1. 監査質疑する力
    2. 監査結果の評価する力

    被監査者に必要なもの

    考えると、

    1. 監査の回答への準備
    2. 品質関連の文書管理
    3. 自組織の戦略、実績、評価が自分の言葉で説明できること

    ただし、1つだけ必要としなくてよいものがあります。

    ISO,品質管理の専門用語は不要。自分の言葉でわかりやすく説明できたらOK

    事務局が必要なもの

    監査側と被監査側の両方をサポートしましょう。単なる事務員ではダメです。

    1. 監査員の育成、教育
    2. 組織内のルール構築、文書管理
    3. 監査の計画、運営、サポート
    4. 監査結果のフィードバック

    自分で監査をすべてリードするのが品質事務局の役割です。

    ISO,品質管理の専門用語を使ってはいけません。わかりやすく解説できる力も求められます。

    ③ISO9001とISO19011をセットでおさえる

    ISO9001がベース

    ISOと言ったら、「ISO9001」というくらい有名です。

    品質管理はISO9001だけ見ておけばいいと思いがち。
    ISO19011も要チェック!

    ISOの文面は解釈が難しいです。QCプラネッツはわかりやすく関連記事で解説しています。ISO9001で理解が不安な場合、関連記事で確認ください。

    大事なポイントは、

    要求事項をそのまま読んで暗記せず、理解すること!

    ISO19011に監査の指針がまとめてある

    ISO19001は監査の方法、監査員についてまとめています。

    何をやるか(what)は書いているが、どうやるか(how)は書いていない
    あなたの組織で品質監査をしていたら、その質疑や記録書のフォーマットはどのように作られたのか?を考える必要があります。なぜなら、ISOで規定されていないから

    監査の質疑やまとめ方は、組織内の過去の遺産をそのまま流用している可能性が高いです。間違っているわけではないけど、なぜこうなっているのか?は一度考えるとよいです。

    QCプラネッツでは、なぜ?という部分を詳しく解説していきます。

    まとめ

    品質監査(第一者監査、第二者監査、第三者監査)をわかりやすく解説しました。

    • ①どんな監査が必要かを考える?
    • ②監査実施に何が必要なのか?
    • ③ISO9001とISO19011をセットでおさえる
  • ISO9001 2015がわかる

    ISO9001 2015がわかる

    QCプラネッツのISO9001 2015関連ブログを多くの方に読んでいただき、とてもうれしいです。ブログの内容をさらにパワーアップして更新しました。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015がわかる
    毎日、たくさんの方に見ていただき、深謝申し上げます。QCプラネッツも日々の業務で気づいたことも随時アップしております。一緒に精進しましょう!

    本記事の最も伝えたいこと

    要求事項は暗記不要です。
    「品質向上には、何が必要か?」が自分で説明できるようになることです。
    品質管理は「哲学」です。
    用語を暗記しても意味が無い。
    試験で点数とれても、体に浸透しないと効果がない。
    自分で考えて、自分なりに説明できて品質管理が身につくのです。
    要求事項に書いているから、指示通りやれ!
    と言っても、人や組織は動きません。
    納得して理解して行動するまで時間がかかるものです。

    ①ISO9001 2015で理解すべきポイント

    4点あります。個々の要求事項の解説の前におさえてください。

    1. 暗記しない、自分の言葉で説明できること
    2. ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること
    3. ISO9001 2015は全体像を最初に理解すること
    4. 品質向上には何が必要かを考えること

    暗記しない、自分の言葉で説明できること

    ●いきなり暗記しても、頭に入りません。

    1. 用語の定義を辞書や言葉の意味から考える
    2. なぜ、その要求事項が必要なのか?を考える
    3. 自分なりの言葉で説明できる

    上の3段階に事例として「力量」を挙げましょう。

    ・用語の意味⇒力量って何?を調べて自分の言葉で理解する。
    ・必要性⇒力量管理や力量向上はなぜ必要なのか?組織にとってどんなメリットがあるか?を考える
    ・説明できること⇒自分の言葉でわかりやすく説明できること
    など考えましょう。

    時間がかかるけど、一回説明できるようになれば、永久に理解でき、説明もできます!

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること

    ●品質管理も、ISOも、所詮は手段にすぎません
    目的は何かを理解しましょう。

    目的は何か?

    ●組織の事業成長
    ●事業の収益向上
    ●社会的責任
    ●給料アップ

    品質活動する目的を理解し、それが達成するための手段がいろいろあります。

    品質目標達成のための手段は
    ISO9001に準拠してもいいし、
    自己流でもいい

    ISO9001 2015は全体像を最初に理解すること

    要求事項を1ページから入ると、眠くなります。
    最初は 全体像を理解しましょう。

    全体を俯瞰して、気になる所から個別に詳しく理解していけばOKです。

    品質マネジメントシステム

    ●図の見方を解説します。

    1. 4.組織の状況から、内部・外部の課題、リスクを抽出します。
    2. 5.リーダシップが組織内の活動をPDCAして、課題やリスクを解消します。
    3. 組織の品質活動のために計画、支援・運用、評価、改善が必要と理解できます。
    全体像を理解すれば、「大枠として何が必要か?」が理解できます。
    ここが理解できたら、個別の要求事項を理解していけばOKです。

    品質向上には何が必要かを考えること

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること

    あなたの業務での、品質要求事項が何か?を考えて、行動することが最も大事です。

    1. やみくもに仕事せず、まずは計画を立てる
    2. 業務のリスクは何か?
    3. 業務の責任と権限はどこまであるのか?
    4. 業務中、チームメンバーとのコミュニケーションは取っているか?
    5. 自分の業務における評価、振り返りはしているか?
    6. 次の業務に向けて、何を改善・習得・成長するか?</li>

    自己成長のために、何を普段から意識して取り組むか? があなたに求められるISO9001要求事項でもあります。

    ISO9001 2015認証は手段、目的を明確にすること
    あなたが成長することが最もおさえてほしい目的・目標です。
    少しずつでいいので、一歩ずつ継続して前進すればOK!

    ②各要求事項をわかりやすく解説

    わかりにくい解説ばかり

    教科書やサイトにいっぱいISO9001の解説があります。しかし、それを読んで理解できたためしがありません。その理由は,

    1. 教科書は間違った解釈は絶対NGなので、ISO原文通り解説する。だから理解できない。
    2. 教科書は読者を考えさせるためなので、十分理解させる気はない。
    3. コンサルタントのサイトに解説があるが、顧客獲得のためのもので、十分知りたい内容がない。
    4. 品質管理業務の実担当が解説したものが一番わかりやすい。なぜなら、実際それで組織の品質を回しているから。でも、実担当の視点で解説したものがない。

    「品質管理業務の実担当が解説したものが一番わかりやすい。なぜなら、実際それで組織の品質を回しているから。でも、実担当の視点で解説したものがない。」という課題を解決するために、QCプラネッツが、実業務で実際使っている、わかりやすい解説を持ってきました。

    【必見】QCプラネッツがわかりやすい解説集を公開します!

    わからなくなったら、QCプラネッツにお任せください。では、リンク集から理解していってください。

    ③【必読】ISO9001 2015各要求事項のリンク集

    0章 一般

    理解しにくい用語をわかりやすく解説しました。

    ★関連リンク★
    品質マネジメントの原則がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    関係性管理がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    0.3 プロセスアプローチがわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    0.3.3 リスクがわかる
    (クリック!)

    4章 組織の状況

    ●内部・外部の課題、リスクと機会、利害関係者についての章です。

    ★関連リンク★
    4.1 組織及びその状況の理解 がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス がわかる
    (クリック!)

    5章 リーダーシップ

    リーダー、リーダーシップ、コミットメントをしっかり理解しましょう。

    ★関連リンク★
    5.1 リーダーシップ及びコミットメント がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    5.2 方針 がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    5.3 組織の役割,責任及び権限 がわかる
    (クリック!)

    6章 計画

    PDCAのPです。品質方針、品質目標と品質マネジメントシステムのコアな部分を理解しましょう。要求事項の解説だけでなく、品質目標の実際の作り方も解説しています。

    ★関連リンク★
    6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    6.3 変更の計画(品質目標)がわかる(品質目標は期の途中でも変更OK!)
    (クリック!)

    7章 支援

    資源、力量、認識、コミュニケーション、文書化した情報の理解と、実務でのポイントを解説しています。

    ★関連リンク★
    7.1 資源がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    7.2 力量がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    7_3_認識がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    7_4 コミュニケーションがわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    7_5_文書化した情報がわかる
    (クリック!)

    8章 運用

    ●実際の業務プロセス(営業、設計、研究開発、購買、製造、検査)についての要求事項を解説しています。

    ★関連リンク★
    8_1 運用の計画及び管理がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8_2 製品及びサービスに関する要求事項がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8_3 製品及びサービスの設計・開発がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8.5 製造及びサービス提供
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8.6 製品及びサービスのリリース
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    8.7 不適合なアウトプットの管理
    (クリック!)

    9章 評価

    評価、内部監査、マネジメントレビューの方法や実際の業務について解説します。

    ★関連リンク★
    9.1 監視,測定,分析及び評価
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    9.2 内部監査
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    9_3 マネジメントレビューがわかる
    (クリック!)

    10章 改善

    改善し続けるポイントを解説します。

    ★関連リンク★
    10.2 不適合及び是正処置がわかる
    (クリック!)
    ★関連リンク★
    10.3 継続的改善がわかる
    (クリック!)

    ISO9001 2015なんて怖くない! 要求されるのではなく、自主的に成長できるツールとしてうまく活用しましょう! 成長したもん勝ちです!

    【ご購入】QCプラネッツISO9001 2015演習問題

    QCプラネッツの商品リンクページと
    Noteにも商品があります。

    1. ISO9001 2015基礎問題集で用語、概念を完全マスター
    2. ISO9001 2015応用問題集ではケースメソッドを使った、ある事業のISO活動を評価し、さらなる改善をアドバイスする力を習得。
    ISO9001 2015が「わかる」を「できる」に変え
    組織改善を指揮できる力量が習得できます。

    QCプラネッツオリジナル問題集是非勉強しましょう!

    ISO9001 2015基礎問題集 & ISO9001 2015応用問題集

    a a a
    a a a
    a a a

    まとめ

    ISO9001 2015 をわかりやすく解説しました。

    • ①ISO9001 2015で理解すべきポイント
    • ②各要求事項をわかりやすく解説
    • ③【必読】ISO9001 2015各要求事項のリンク集
    • ④【ご購入】QCプラネッツISO9001 2015演習問題
  • ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる

    QCプラネッツのISO9001 2015関連ブログを多くの方に読んでいただき、とてもうれしいです。ブログの内容をさらにパワーアップして更新しました。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則がわかる
    • ①品質マネジメントの原則とは
    • ②なぜ、7原則なのか?
    • ③品質マネジメントの原則を自分で考える

    本記事の最も伝えたいこと

    品質マネジメントの原則はよく試験で出ます!
    でも、丸暗記するな!
    原則の意味を理解しよう!
    自分の組織に必要な品質マネジメントの原理を考えよう!
    品質管理は「哲学」です。
    用語を暗記しても意味が無い。
    自分で考えて、自分なりに説明できて品質管理が身につくのです。

    ①品質マネジメントの原則とは

    品質マネジメントの7原則

    7原則ありますが、列挙します。

    1. 顧客重視
    2. リーダーシップ
    3. 人々の積極的参加
    4. プロセスアプローチ
    5. 改善
    6. 客観的事実に基づく意思決定
    7. 関係性管理

    よく試験に出ます! 暗記せず、何でこの7つなの?と疑問に思って考えましょう。

    各用語の解説

    ●「顧客重視」

    「顧客満足」もよくISO9001では出て来ます。品質の最終目的は
    ・顧客満足
    ・収益向上
    ・社会的責任
    ・未来のため
    など、いろいろあります。

    品質の主な目的が「顧客重視」、「顧客満足」です。

    ●「リーダーシップ」

    ●「リーダーシップ」は、すぐわかる用語ですね。関連記事にも解説しています。

    ISO9001 2015 5.1 リーダーシップ及びコミットメント がわかる
    「トップマネジメント」、「リーダシップ」「コミットメント」の重要な意味を実務経験をもとにわかりやすく解説!

    「リーダ」=「経営者」、「管理者」の場合にありますが、
    「リーダシップ」はどなたでも自主的に動いて欲しいという思いがあります。

    「リーダ」でなくても「リーダシップ」は必要!

    ●「人々の積極的参加」

    「リーダシップ」にあるように、
    「リーダ」でなくても「リーダシップ」は必要!です。,

    自分の業務だけではなく、組織全体を俯瞰して積極的に活動してほしいという思いがあります。

    ●「プロセスアプローチ」

    「プロセスアプローチ?」って何?

    非常にわかりにくい用語です。関連記事に解説しています。一言で言うと「全体最適化」です。

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチがわかる
    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチをわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    ●「改善」

    改善、PDCAとよく聞きますね。

    改善のポイントは、一気に改善せずに
    少しずつ、継続して改善すると、元の状態に戻ることなく
    良い状態が維持できること。

    これを「継続的改善」といいます。関連記事にも解説しています。

    ISO9001 2015 10.3 継続的改善がわかる
    品質監査に必須な継続的改善をわかりやすく解説します。ISO9001 に関わる方は必読です。

    ●「客観的事実に基づく意思決定」

    経験、勘、権力ではなく、客観的データに基づいて意思決定しましょう。

    ●「関係性管理」

    「関係性管理?」って何?

    非常にわかりにくい用語です。関連記事に解説しています。一言で言うと「相手とうまく付き合っていこう!」という意味です。

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる
    「関係性管理」って何?どういう意味か?をわかりやすく解説します。言葉の意味から品質活動すべきポイントを解説!

    7原則を一通り解説しました。
    ここで疑問に感じたらOK

    1. なぜ7原則もあるのか?
    2. なぜ、上の7つが原則になるのか?
    3. 自分で原則を考えたらダメのなのか?
    疑問に浮かぶのは、「考える力がある」証拠です。
    これらの疑問を解説します!

    ②なぜ、7原則なのか?

    まず、品質を作りこむには何が必要かを考える

    下図を使って、あなたが所属する組織全体において、品質の良い製品及びサービスを提供するために、何が必要かを考えましょう。

    品質マネジメントの原則

    ●縦方向は、組織内
    TOP(経営陣),MIDDLE(管理職),BOTTOM(担当者)から構成される1組織とします。

    ●横方向は、組織間
    上流工程から下流工程の各工程にある組織間を考えます。

    ●最後は各単位での品質活動
    各工程にある各組織内の担当者ごとの品質活動を考えます。

    品質を作りこむには?

    品質マネジメントの原則

    図から考えると、次の式が作れそうです。
    (全体の品質)=(各単位での品質活動)×(1組織内の品質活動)×(組織間全体)

    図では、1単位×縦×横のイメージです。

    では、
    ●(各単位での品質活動)
    ●(1組織内の品質活動)
    ●(組織間全体)
    それぞれに該当する品質マネジメントの原則を考えましょう。

    品質の作りこみ方 品質マネジメントの原則
    (各単位での品質活動) 改善
    客観的事実に基づく意思決定
    (1組織内の品質活動 リーダーシップ
    人々の積極的参加
    (組織間全体) プロセスアプローチ
    関係性管理
    顧客重視

    7原則がどの3つの枠に入るかは、人によって異なる箇所もあるでしょう。しかし、大事なのは、

    自分で考えた「品質を作りこむための必要な3項目」に
    品質マネジメントの7原則が入ったこと。

    7原則を暗記しなくても、
    ●(各単位での品質活動)
    ●(1組織内の品質活動)
    ●(組織間全体)
    ごとに品質を作りこむために必要なことを考えたらよいと、理解すれば、品質マネジメントの原則は自分で作れます。

    ③品質マネジメントの原則を自分で考える

    品質マネジメントの原則は自分で作っていい

    ISO9001の品質マネジメントの7原則は厳守!
    変更、追加はダメ!

    では、ありません。

    品質マネジメントの原則は自分で作っていい

    もちろん、ISO9001認証審査のために7原則は含めておいてください。

    何も考えずに、7原則に従って、丸暗記はせず、意味を理解して使いましょう。

    自組織で必要な原則があれば加えてもよい

    品質マネジメントの原則以外に、自組織で必要なものを考えてみましょう。

    例えば、

    1. ITスキル(リモートワーク、DX)
    2. 力量向上
    3. 正直であること
    4. など

    ●ITスキルはコロナ禍のリモートワーク対応や、DXの事業化が背景にあります。

    ●力量向上は、個人の能力向上が事業課題として重い場合は追加してもいいでしょう。

    ●正直は、品質不正などで反省が強く必要な場合追加してもいいでしょう。

    自分で作った品質マネジメントの原則は
    時期、期間、内容、効果などを組織内で評価していろいろアレンジしてもよいでしょう。

    品質マネジメントの原則の考え方を、マッピングを使って紹介しました。自分で原則を考えて組織の品質向上に役立てれば幸いです。

    まとめ

    ISO9001 2015 品質マネジメントの原則 をわかりやすく解説しました。

    • ①品質マネジメントの原則とは
    • ②なぜ、7原則なのか?
    • ③品質マネジメントの原則を自分で考える
  • ISO9001 2015 関係性管理がわかる

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる

    QCプラネッツのISO9001 2015関連ブログを多くの方に読んでいただき、とてもうれしいです。ブログの内容をさらにパワーアップして更新しました。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 関係性管理がわかる
    • ①ISO「関係性管理」の説明
    • ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?
    • ③「関係性管理」できるために必要なこと

    ①ISO「関係性管理」の説明

    JISハンドブックの解説

    ISO9000に説明があります。ISO9001が主役ですが、ISO9001を読んでもよくわからない時は、ISO9000シリーズも読みましょう。補足説明があります。

    ISO9000 2.3.7 関係性管理
    2.3.7.1 説明
     持続的成功のために、組織は、例えば提供者のような、密接に関連する利害関係者との関係をマネジメントする。
    2.3.7.2 根拠
     密接に関連する利害関係者は、組織のパフォーマンスに影響を与える。持続的成功は、組織のパフォーマンスに対する利害関係者の影響を最適化するようにすべての利害関係者との関係をマネジメントすると達成しやすくなる。提供者及びパートナとのネットワークにおける関係性管理は特に重要である。
    2.3.7.3 主な便益
     あり得る主な便益を、次に示す。
    -それぞれの利害関係者に関連する機会及び制約に対応することを通じた、組織及びその密接に関連する利害関係者のパフォーマンス向上
    -利害関係者の目標及び価値観に関する共通理解
    -資源及び力量の共有、並びに品質関連のリスクの管理による、利害関係者のための価値を想像する実現能力の向上
    -製品及びサービスの安定した流れを提供する、よく管理されたサプライチェーン
    2.3.7.4 取り得る行動
     取り得る行動を次に示す。
    -密接に関連する利害関係者(例えば、提供者、パートナ、顧客、投資者、従業員、社会全体)及びそれらの組織との関係を明確にする。
    -マネジメントする必要のある利害関係者との関係性を明確にし、優先順位をつける。
    -短期的な利益と長期的な考慮とのバランスがとれた関係を構築する。
    -情報、専門的知識及び資源を、密接に関連する利害関係者との間で収集し、共有する。
    -改善の取組みを強化するために、適切に、パフォーマンスを測定し、利害関係者に対してフィードバックを行う。
    -提供者、パートナ及びその他の利害関係者と協力して開発及び改善活動を行う。
    -提供者及びパートナによる改善及び達成を推奨し、認める。

    意外と簡単でした。一言でまとめると、

    自分の組織は、関連する相手と良好な関係を維持しましょう。

    これがISOが定義する「関係性管理」です。

    言葉の定義をよく考えよう!

    良い関係を維持・管理するなら、「関係管理」でいいじゃん!となりませんか?

    ISOは英語だし、「relationship management」を厳密に和訳したから「関係性管理」となったの!!と言われそうですが。

    言葉の定義をよく見ると、

    「関係」と「関係性」は若干意味合いが変わります。
    「関係管理」(ISOの言う関係性管理ですけど)と、「関係性管理」は少し意味合いが変わるはずです。

    なぜ、言葉の定義にこだわるかというと

    ISO、QMS用語は最初意味を考えずに暗記するが、
    時間が経過すると、理解が深まり、言葉の定義から意味を解釈するようになるから。

    ●最初は、
    「関係管理も関係性管理もどっちでもいいよ! 業務できたらいいから」
    な感じです。

    ●でも、品質管理担当など、ある程度QMSに関わるようになる頃は、考える力がついているので
    「関係性管理」って何?
    「関係」を「管理」って何?
    「関係性管理」 の「性」は何でついているの?
    と考えるようになります。

    ISOを読んだり、自分で言葉の意味や定義を考えるようになるはずです。

    「関係管理」(ISOの言う関係性管理)と、「関係性管理」の違いを考えてみましょう。
    わかりにくい用語は似たような用語の意味を比較すると理解が深まります。

    ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?

    ①では、

    1. ISOの「関係性管理」は意味から考えると「関係管理」でよい
    2. relationship managementを素直に和訳したから

    では、日本語の意味をよく考えて、「関係管理」と「関係管理」の違いを考えます。

    「関係」と「関係」は意味合いが異なる

    よく「性」をつける言葉を使って意味の違いを確認しましょう。

    1. 「安全」と「安全性」
    2. 「可能」と「可能性」
    3. 「関係」と「関係性」

    「安全」と「可能」を例に持ってくると、

    ●「安全」は安全そのもので、安全か逆の危険かの0,1判定。
    ●「安全性」は安全の程度も含む。「安全性が高い」、「安全性が低い」

    同様に、

    ●「可能」は可能そのもので、可能か逆の不可能かの0,1判定。
    ●「可能性」は可能の程度も含む。「可能性が高い」、「可能性が低い」

    図で確認しましょう。

    関係性管理

    ●「性」が加わると、程度・度合いの範囲を意味に含めることができますね。

    では、「関係」と「関係性」は?

    ●「関係」は関係そのもので、関係の有無の0,1判定。
    ●「関係性」は可能の程度も含む。「関係性が高い」、「関係性が低い」

    つまり、

    ●「関係」:今付き合っている相手(利害関係者)との関係
    ●「関係性」:今は付き合いが少ない相手も関係構築しようという意味が含まれる

    図にしましょう。

    関係性管理

    「関係」管理を自主的にとる

    「関係性」の言葉の定義をそのまま読み取ると、
    ●今付き合っている相手も
    ●これから付き合いかもしれない相手も
    良好な関係を維持しようという意味が出て来ます。

    ●ISOの「関係性管理」は今付き合っている相手だけで十分。
    ●自主的に「関係性管理」として今もこれから付き合う相手にも視野を広げることと良いでしょう。

    ③「関係性管理」できるために必要なこと

    2軸で考えましょう。

    1. 社内、社外
    2. 今関わっている相手、これから関わる相手

    事業戦略変更により、「関係性管理」が必要になる

    既存事業が永久に続くなら、新たな相手との関係は不要でしょう。しかし、事業収益の悪化や新技術導入によって事業戦略が変わることは頻繁にあります。

    新たな戦略、施策次第では、付き合う相手(利害関係者)を変えていく必要があります。

    付き合う相手が変わらざるを得ない状況を、逆にチャンスととらえるのが「関係性管理」。

    社内の「関係性管理」

    特に、新規事業の挑戦やビジネスコンテストなどを実施すると、社内に、意外な特技やスキルを持った人が登場することがあります。これも、今まで付き合ったことのない相手ですよね。

    CFT(クロスファンクションチーム)やプロジェクトチームを組んで臨時に開発検討することがあります。これも、社内で新たな関係を構築する上で大事な「関係性管理」ですね。

    今関わっている相手、これから関わる相手

    ●ISOの「関係性管理」の指示通り、今関わる利害関係者との良好な関係を維持します。品質マネジメントシステムを組織で機能させ、顧客満足、品質向上、社会的責任を果たすことが大事です。

    これは、今までどおり真面目に業務遂行すればOKですね。

    ●さらに、新規事業、新技術、事業戦略変更の波に乗って、新たな関係を構築する必要もあります。

    自組織にブランド力があれば、周囲から声がかかりやすいですが、逆の場合は、自分の今の業務範囲にこだわらず、軽いフットワークで外との交流を図っていく必要があります。

    ●現行関わっている相手との良好な関係を維持・管理

    ●これから関わり得る相手との関係構築を継続・管理
    するのが
    「関係性管理」。

    ISOの「関係性管理」から拡大解釈しましたが、言葉そのもの定義をじっくり考えると、
    ISOの「関係性管理」は「関係管理」
    「関係性管理」は「関係管理」より広義にとらえるべき
    と考えて解説しました。

    まとめ

    ISO9001 2015 関係性管理 をわかりやすく解説しました。

    • ①ISO「関係性管理」の説明
    • ②「関係管理」ではなくなぜ「関係管理」なのか?
    • ③「関係性管理」できるために必要なこと
  • ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる

    ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる

    QCプラネッツのISO9001 2015関連ブログを多くの方に読んでいただき、とてもうれしいです。ブログの内容をさらにパワーアップして更新しました。

    本記事のテーマ

    ISO9001 2015 0.3.3 リスクがわかる
    • ①「リスク」とは?
    • ②「リスク」と「機会」の関係
    • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える
    「リスクと機会」をよく使います。
    ●リスクは、良くない事が起こること
    ●機会は、良い事が起こること
    でしょう!
    厳密に言うと違います!
    なので、解説しますね。

    ①「リスク」とは?

    よく使う「リスク」

    「トラブルが起こるリスクがあります。」
    「大きな災害が発生するリスクがあります。」
    などよく使いますよね。

    「リスク」=危険性、ヤバさ
    という認識が強いでしょう。

    「リスク」とは、危機・危険が不確定であるが発生しうるときに、よく使います。

    ISOで使う「リスク」の定義

    リスク(ISO900 3.7.9)とは
     不確かさの影響
      期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
      期待から好ましくない方向に乖離することを含む

    「リスク」の類似語を使って、意味を比較してみましょう。

    「リスク」と「ハザード」の違い

    「ハザード」は「ハザードマップ」とかに使います。「リスク」ほどは使用頻度は少ないですね。

    「リスク」と「ハザード」はどう違うのでしょうか?

    「ハザード」は、悪い状況のみに使います。
    「リスク」は実は、不確定さだけ意味するので、良いことも、悪いことも起こりうる場合に使います。

    金融、薬でも「リスク」は使うが「ハザード」は使わない

    「くすり」を逆に読むと「りすく」です。

    でも、薬は「良くなる可能性があるから」飲むんですよね。ひょっとしたら、副作用で「悪い結果になる可能性」もありますけど。

    金融もそうです。
    今日の1万円は
    為替、インフレなどで明日1.1万円の価値になるかもしれないし、
    明日9千円の価値になるかもしれない
    というリスクがあります。

    薬は「ハザード」なら、飲みますか? 体が悪くなる可能性しかないものは薬ではありませんよね。

    ●「リスク」は良い・悪い可能性両方を含む
    ●「ハザード」は悪い可能性のみ

    では、「リスク」と「機会」はどんな関係であるべきでしょう?

    ②「リスク」と「機会」の関係

    「リスク」と「機会」は対義語としてよく使われる

    ●リスク⇒「良くない、悪い可能性」
    ●機会⇒「良い可能性」
    とよく使いますね。

    図のように、対義語としてよく使われます。

    リスクと機会

    「リスク」と「機会」は関連し合う関係

    しかし、「リスク」はISOの定義によると、

    リスク(ISO900 3.7.9)とは
     不確かさの影響
      期待から好ましい方向に乖離すること(⇒機会)と
      期待から好ましくない方向に乖離することを含む

    で、「リスク」の一部、良い可能性が「機会」としてとらえています。

    「機会」は「リスク」の一部

    図にすると下図のイメージです。

    リスクと機会

    わかりにくいので、事例を挙げて考えましょう。

    リスクと関連し合う機会の事例

    次の例を考えます。

    排ガス規制が厳しい社会になってきた。自動車メーカにとっての「リスク」と「機会」を挙げよ。

    排ガス規制が厳しくなると、
    ・ガソリン車のイメージが悪くなり売れなくなる
    ・ガソリン車の技術開発が難しくなるため、値段が上がり売れなくなる
    などは、自動車メーカにとっては、「好ましくない不確定さ」ですね。

    一方で、排ガス規制が厳しくなると、
    ・ハイブリッド車、EVが普及し市場拡大のチャンス
    などは、自動車メーカにとっては、「好ましい不確定さ」で「機会」ですね。

    例を挙げて、リスクと機会の関係を整理します。

    リスクと機会

    「リスク」と「機会」は「ピンチ」と「チャンス」と混同しがち

    よくスポーツ観戦すると、「ピンチ」と「チャンス」をよく使います。
    「ピンチ」と「チャンス」は対義語ですね。

    ●「リスク」≒「ピンチ」
    ●「機会」=「チャンス」
    と認識しやすいから、
    「リスク」と「機会」を対義語として頻繁に活用します。

    ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える

    「リスク」を第1に考える

    「リスク」の一部に「機会」が含まれることを解説しました。

    ISOは「リスク」を第1に考えます。

    「リスク」と「機会」の1セットではなく、ISOは「リスク」をメインに抽出し、品質マネジメントシステムに活動や施策を落とし込んでいきます。

    「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来る

    無意識に「リスク」と「機会」を1セットで考えますが、よく見たら、「リスク」が先に来ていますね。

    「リスク」と「機会」なら「リスク」が先に来ます。

    実用上は、「リスク」と「機会」1セットで良い

    本記事では、「リスク」と「機会」の厳密な関係を解説しましたが、実用上は、「リスク」と「機会」1セットでOKです。でも、厳密な意味を知っておいてください。

    本記事の結論

    「リスク」と「機会」は1セットだから
    対義語のように使ってもOK
    でも、「リスク」と「機会」は関連し合う関係
    であることを知っておいてください。

    まとめ

    ISO9001 2015 0.3 プロセスアプローチ をわかりやすく解説しました。

    • ①「リスク」とは?
    • ②「リスク」と「機会」の関係
    • ③「リスク」と「機会」なら「リスク」を第1にISOは考える
error: Content is protected !!