投稿者: QCプラネッツ

  • 直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    「直交表を使ったロバストパラメータ設計ができない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで扱う直交表について疑問に思うことが2つあります。

    1. 「品質工学=混合系直交表」じゃないとダメなのか?
    2. 「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    「品質工学=混合系直交表」は正しいのか?

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドって、最初から、特殊な直交表L12,L18が出て来ます。その理由は

    交互作用を割り付けるのは品質工学的に無意味だから、交互作用が出ない混合系直交表を使いたいから

    でも、これが意味わからないんですよ!

    でも、主効果、交互作用の有無は
    データが決めるはずで、
    我々ではないから

    データは様々な要因が絡み合って数値化されます。であれば、ナチュラルに主効果、交互作用を含めて検討しても良いと考えます。

    「品質工学≠実験計画法」は正しいのか?

    同じ直交表を使うのに、

    品質工学≠実験計画法で別物扱い

    これもピンと来ません。同じで良いではないかと!

    品質工学の発展や普及させる中で皆が同じことを言えば正しいという同調圧力を感じます
    なので、
    実験計画法の延長として品質工学を検討したり
    一般の直交表を使ってパラメータ設計してみましょう。

    で、おかしい結果になるか確かめてみましょう。

    でも、主効果、交互作用の有無や
    解析結果は
    データが決めるはずで、
    我々ではないよ!

    品質工学に一般の直交表を使ってみる

    QCプラネッツは長年にわたりこの疑問を抱いていましたので、実際に
    ●L8
    ●L16(本記事)
    ●L27
    と混合系の
    ●L12
    ●L18
    を取り上げてみます。

    ➁実験計画法の復習

    QCプラネッツは
    品質工学=実験計画法 という考えなので、
    まず実験計画法を復習しましょう。

    関連記事で、確認ください。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    直交表L16の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    実験計画法の、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、主効果・交互作用の区間推定の導出ができますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事は、直交表L16の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説します。分散分析、期待値の導出、区間推定をマスターしたい方は必見です。

    ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例

    事例

    次の問いを考えます。

    【問】
    あるデータから最適条件を直交表L16を使って求めたい。
    (1) 分散分析表を作れ。
    (2) 各因子の、各水準におけるSN比と感度を計算し、要因効果図を作れ。
    (3) 最適条件を選び、その条件におけるSN比と感度を計算せよ。

    直交表L16

    L16

    各因子の平方和と分散分析を解析

    直交表L16は2水準系なので、各列の平方和を計算する公式があります。関連記事で解説しています。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    これをもとに各列の平方和を計算すると、下表になります。

    L16

    ●分散分析表

    L16 効果 平方和S 自由度φ 平均平方V
    1 A 42.25 1 42.25
    2 B 182.25 1 182.25
    3 A×B 6.25 1 6.25
    4 C 81 1 81
    5 A×C 4 1 4
    6 B×C 25 1 25
    7 A×B×C 9 1 9
    8 D 169 1 169
    9 A×D 9 1 9
    10 B×D 49 1 49
    11 A×B×D 0 1 0
    12 C×D 12.25 1 12.25
    13 A×C×D 2.25 1 2.25
    14 B×C×D 20.25 1 20.25
    15 e 110.25 1 110.25
    合計 T 721.75 15

    データの構造式

    分散分析を扱うための最も重要なデータの構造式を定義します。今回は全列を成分に合わせた効果とするので、

    \(x_{ijkl}\)=\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(d_l\)
    +\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(ad_{il}\)+\(bc_{jk}\)+\(bd_{jl}\)+\(cd_{kl}\)
    +\(abc_{ijk}\)+\(abd_{ijl}\)+\(acd_{ikl}\)+\(bcd_{jkl}\)+\(e_{ijkl}\)
    (\(i,j,k,l=1,2\))

    ➃SN比と感度の計算

    SN比と感度Sの公式

    関連記事にも公式導出過程を解説しています。

    品質工学のSN比が導出できる
    品質工学のSN比の式 η=10log (Sm-Ve)/Veがちゃんと導出できますか? 本記事はSN比を導出します。公式暗記に頼らず、式変形から意味を理解して、式を使うようにしましょう。

    ●SN比ηは
    η=10\(log \frac{μ^2}{σ^2}\)=10\(log \frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e)}{V_e}\)

    ●感度Sは
    S=10\(log μ^2\)=10\(log \frac{1}{n}(S_m-V_e)\)

    ですが、今回簡略化のため、

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算します。

    各効果の各水準における平均\(\bar{x}\)と標準偏差\(s\)

    各効果の水準1,2に属するデータの平均と標準偏差を計算すると下表になります。

    水準1 水準2
    No 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\) 平均\(\bar{x}\) 標準偏差\(s\)
    1 A 38.5 6.55 41.75 7.36
    2 B 36.75 7.4 43.5 4.72
    3 A×B 40.75 8.56 39.5 5.37
    4 C 37.88 7.06 42.38 6.46
    5 A×C 40.63 6.99 39.63 7.33
    6 B×C 38.88 8.43 41.38 5.34
    7 A×B×C 39.38 5.42 40.88 8.51
    8 D 43.38 5.34 36.88 7.1
    9 A×D 40.88 6.92 39.38 7.35
    10 B×D 41.88 4.29 38.38 8.81
    11 A×B×D 40.13 7.83 40.13 6.47
    12 C×D 39.25 4.33 41 9.09
    13 A×C×D 39.75 8.56 40.5 5.42
    14 B×C×D 41.25 6.82 39 7.33
    15 e 37.5 5.95 42.75 7.21

    例えば、因子Aにおいて、
    ●水準1:35,29,48,31,44,39,43,39
    ●水準2:42,27,42,40,40,47,53,43
    なので、それぞれ8個の平均と標準偏差を計算します。

    それを因子Aから誤差eまでの15列分を計算します。

    直交表L16の各列のSN比と感度

    ●SN比ηは
    η=\(\frac{μ^2}{σ^2}\)=\(\frac{\bar{x}^2}{s^2}\) (\(s\)は標準偏差)

    ●感度Sは
    S=\(μ^2\)=\(\bar{x}^2\)
    で計算すると、下表になります。

    水準1 水準2
    No SN比 η 感度S SN比 η 感度S
    1 A 34.55 1482.25 32.18 1743.06
    2 B 24.66 1350.56 84.94 1892.25
    3 A×B 22.66 1660.56 54.11 1560.25
    4 C 28.79 1434.89 43.04 1796.06
    5 A×C 33.79 1650.8 29.23 1570.54
    6 B×C 21.27 1511.65 60.05 1712.3
    7 A×B×C 52.79 1550.78 23.08 1671.17
    8 D 65.99 1881.82 26.98 1360.13
    9 A×D 34.9 1671.17 28.71 1550.78
    10 B×D 95.3 1753.93 18.98 1473.02
    11 A×B×D 26.27 1610.42 38.47 1610.42
    12 C×D 82.17 1540.56 20.34 1681
    13 A×C×D 21.56 1580.06 55.84 1640.25
    14 B×C×D 36.58 1701.56 28.31 1521
    15 e 39.72 1406.25 35.16 1827.56

    よく 対数を取ってSN比や感度Sの値を計算しますが、別になくてもOKなので、対数にしていません。

    要因効果図があると見やすいですが、数表からも確認できるので、割愛します。

    ➄最適条件の選定

    ここで、因子A,B,Cの水準の高い方を選択します。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)の式を先に作ります。

    関連記事で解説しています。

    【簡単】データの構造式で実験計画法がわかる(必読)
    実験計画法が難しい、多元配置実験、乱塊法、分割法、などたくさんの手法を学ぶのが大変など困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば実験計画法がすぐマスタできるように、わかりやすく解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    \(μ(A_i B_j C_k)\)
    =\(μ\)+\(a_i\)+\(b_j\)+\(c_k\)+\(ab_{ij}\)+\(ac_{ik}\)+\(bc_{jk}\)+\(abc_{ijk}\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i・・・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・j・}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))+\((\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・j・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{i・・・}}-\bar{x_{・・k・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{・jk・}}-\bar{x_{・j・・}}-\bar{x_{・k・・}}+\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{・jk・}}\)+\(\bar{x_{i・・・}}+\bar{x_{・j・・}}+\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =(\(\widehat{μ+a_i+b_j+c_k}\))-\(μ\)
    とすっきりした式になります。

    暗記不要で、データの構造式からどんな組み合わせパターンも式が作れます!

    ●SN比において、
    A,B,Cで値のSN比が大きい水準をみると
    ABC_1なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_1}\))-\(μ\)
    =52.79-40.014=12.776

    ●感度において、
    A,B,Cで値の感度が大きい水準をみると
    ABC_2なので、
    \(μ(A_ i B_j C_k)\)= (\(\widehat{μ+abc_2}\))-\(μ\)
    =1671.17-1613.235=57.93

    と計算できました。

    直交表L16を使って、SN比、感度の計算を実施しました。

    まとめ

    「直交表L16を使ったパラメータ設計がわかる」を解説しました。

    • ①パラメータ設計にはどの直交表を使っても良い
    • ➁実験計画法の復習
    • ➂直交表L16を使ったパラメータ設計事例
    • ➃SN比と感度の計算
    • ➄最適条件の選定

  • 品質工学のSN比が導出できる

    品質工学のSN比が導出できる

    「品質工学のSN比、感度Sが導出できない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学のSN比が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる
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    結局わからない!
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    ①品質工学のSN比

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)でいいけど

    QCプラネッツ自身は、数値より、式の意味が大事ととらえるので、

    SN比 η=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    でOKですね。

    対数 10logとかも要らないですよ。

    SN比 η=10 log \( \frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)をよく使う

    ですが、よく、

    η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を使いますよね!

    しかも、
    分子に変動\(S_m\)と単位が異なる分散\(Ve\)を引く意味がわからない
    変動\(S_m\)を分母にある単位が異なる分散\(Ve\)を割る意味がわからない
    教科書は「公式だから」ってあるけど、何でこの式なの?
    と疑問に沸きますよね。

    「公式は暗記!」
    はアカンよ!
    ちゃんと導出して納得してから使おう!

    ということで、

    SN比 η=10 log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)
    を導出します。

    ➁品質工学のSN比が導出できる

    SN比 η=10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m – V_e)}{V_e}\)を導出

    (i)SN比の定義

    SN比ηは
    SN比 η=10log \(\frac{S_m}{V_e}\)≡10log \(\frac{m^2}{σ^2}\)
    とします。個人的には10logは無くてもいいと思います。大事なのは、平均とばらつきの比をとっていることですね。

    (ii)平均\(m\)の式を変形

    まず、データが正規分布N(\(m\),\(σ^2\))に従うとし、
    そこから\(n\)個(\(y_1\),…,\(y_n\))のサンプルを抜き出し、
    その平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)を考えます。

    分散の公式V[X]=E[X2]-(E[X])2から
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\((E(\bar{y}))^2\)
    =\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)
    と表現できます。
    (ここで、\((E(\bar{y})=m\)です。)

    また、平均値\(\bar{y}\)のばらつき\(V(\bar{y})\)は、もとの正規分布からサンプル数を抜き取った時のばらつきなので、
    \(V(\bar{y})\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    とも書けます。

    まとめると、
    \(V(\bar{y})\)=\(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    =(式1)
    となります。

    (式1)を変形します。
    \(E(\bar{y^2})\)-\(m^2\)=\(\frac{σ^2}{n}\)
    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(n・\bar{y}^2)-σ^2\))
    とします。

    もともと、変動\(S_m\)は
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n} \bar{y}^2\)=\(n \bar{y}^2\)
    なので、

    \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    =(式2)
    となります。

    (iii)推定値に置き換える

    推定値に置き換えましょう。

    1. 母集団分散\(σ^2\)の推定値を\(V_e\)に置き換える
    2. 母集団平均\(m\)の推定値を\(\hat{m}\)に置き換える

    (式2)は
    (式2)= \(m^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(E(S_m)-σ^2\))
    ≡\(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    と書けます。

    よって、SN比 ηは
    η=10log \(\frac{\hat{m^2}}{σ^2}\)
    ≡10log \(\frac{\frac{1}{n}(S_m-V_e) }{V_e}\)
    と導出できます。

    シンプルだけど、自力で導出と言われると難しいですよね。

    ➂品質工学の感度Sが導出できる

    ついでに、感度Sも導出しておきます。

    感度S=10log\(m^2\)
    ですから

    \(\hat{m}^2\)=\(\frac{1}{n}\)(\(S_m-V_e\))
    を代入すれば、

    感度S=10log\(m^2\)≡10log\(\hat{m^2}\)
    =10log\(\frac{1}{n}(S_m-V_e)\)
    となります。

    教科書によく出て来る式が導出できました!。

    まとめ

    「品質工学のSN比が導出できる」を解説しました。

    • ①品質工学のSN比
    • ➁品質工学のSN比が導出できる
    • ➂品質工学の感度Sが導出できる

  • 品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    「品質工学の静特性がよくわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点
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    品質工学
    ロバストパラメータ設計
    タグチメソッド
    手法に溺れるな!
    数式と理論で理解しよう!

    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッド
    結局わからない!
    ⇒QCプラネッツが解決!

    ①静特性を解く目的を理解する

    品質工学を解く目的を理解する

    ちゃんと理解できていますか?

    1. 品質工学で何を解いているか?
    2. 実験計画法と品質工学の違いは何か?
    3. タグチメソッドを使って何とかく解を求めているだけかどうか?

    ちゃんと、理解しましょう。

    品質工学を解く目的は関連記事で紹介したとおり、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    実験計画法・回帰分析は誤差の評価や最小化をすることが目的

    と、目的が違い、
    ●品質工学は、目標値との差分を見る
    ●実験計画法・回帰分析は平均値との差分を見る

    全変動

    ですね。分散分析するから品質工学と実験計画法・回帰分析の区別がつきにくいし、区別つかないなら品質工学は不要ですよね。

    詳細は、関連記事で解説していますので、ご確認ください。

    【初心者必見】品質工学で全変動と平方和の違いがわかる
    品質工学、ロバストパラメータ設計、タグチメソッドで、全変動、平方和などの2乗和の計算を区別して計算できていますか?本記事では品質工学の入り口である全変動と平方和の違いをわかりやすく解説します。ここがわからないと品質工学で何を解いているかさっぱりわからなくなりますので、必読です!

    品質工学の静特性とは

    まず、「静特性」と「動特性」の2種類がありますが、その違いは、

    ●静特性:システムの入力が固定され、出力に対する目標が一定
    ●動特性:入力の値に応じて出力の値が変化する

    実は、品質工学領域の独特な表現方法で書いているだけで、実際は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。
    ●動特性:回帰分析そのもの(単回帰分析、重回帰分析)

    です。わざわざ別の言い方で「静特性」なり、「動特性」と使わなくてもいいんでしょうけど、品質工学を1つの学問として立ち上げたかったんでしょうね。

    だから、今回解説する「静特性」は、

    ●静特性:実験計画法の多元配置実験とほぼ同じで
    平均値ではなく、目標値で差分をところが、多元配置実験と異なる。

    の点に意識して解説するし、
    データの構造式がそうなっているから
    ですね。

    ➁静特性の全変動を導出

    静特性を表すデータの構造式を作る

    品質工学の目的は、何度も言いますが、

    品質工学は目標値に近づけることが目的で、
    品質工学は、目標値との差分を見る!

    静特性を図で表現すると下図になり、この図をもとにデータの構造式を作ります。

    全変動

    データの構造式は、

    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)

    (全変動)=(平均変動)+(誤差分散(実は平方和))
    と書けますね。

    ➂静特性の変動の注意点

    教科書に書いてあるデータの構造式

    教科書に出て来る式は、なぜか、

    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、目標値の\(m\)がありません。

    実は、

    目標値の\(m\)を省くところが、
    品質工学の目的がぼやけてしまい、理解しにくくなる点なのです。

    定義どおり立式しても目標値の項は省ける

    じゃー、

    目標値\(m\)を省いたデータの構造式
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の式自体が間違っているんじゃないの?

    と思いますよね。

    実は、

    静特性の目的を網羅した式
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    の2乗和を計算すると、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    でもいいことが分かります。

    また、シンプルだから教科書では、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    のデータの構造式から解説しています。

    シンプルとはいえ、肝心な目標値\(m\)を省くから
    静特性は何を計算しているかがわかりにくくなる!
    実験計画法、回帰分析、品質工学を1つずつちゃんと理解するには、2乗和の分解を解くスキルがとても大事です!

    2乗和を計算して目標値\(m\)の項が不要か確かめよう!

    では、2乗和を計算して、目標値\(m\)が不要になるか確かめましょう。

    データの構造式

    確かに計算結果みると、目標値\(m\)が不要になっているのがわかります。

    ➃SN比の注意点

    SN比の定義

    SN比は、有効成分と有害成分の比として、
    SN比が大きいほど良いとする変数です。

    データの構造式からは、
    (全変動)\(S\)=(平均変動)\(S_m\)+(誤差分散=平方和)\(S_e\)
    ですから、

    (SN比)=\(\frac{S_m}{S_e}\)
    となります。
    なお、\(log_{10}\)を教科書では取りますが、
    QCプラネッツは対数化に対しては重要な意味は感じません。
    なぜなら、比という考えが大事だからです。

    SNのSはいくらか?

    データの構造式をよく見ると、
    ●元(定義通り):\((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    ●簡略化: \((y_i)\)=\((\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    であり、平均変動\(S_m\)を
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)

    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    のどちらを取るべきか、迷いますよね。

    QCプラネッツの考えは、


    ●品質工学の目的は目標値に近づける事だから、本来は、
    \((y_i-m)\)=\((\bar{y}-m)\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、
    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすべき

    ただし、


    \(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y}-m)^2\)
    とすると、\(S_m\)の値が高くなり、SN比が高くなり、
    過大評価になるので、調整の上、
    \(y_i\)=\(\bar{y}\)+\((y_i-\bar{y})\)
    から、\(S_m\)=\(\sum_{i=1}^{n}(\bar{y})^2\)
    を使うことが多いのではないか?

    教科書どおり解くと、品質工学の目的を見失うことが多々あります。
    よく考えることが大事です。

    まとめ

    「品質工学,静特性の変動とSN比の注意点がわかる」を解説しました。

    • ①静特性を解く目的を理解する
    • ➁静特性の全変動を導出
    • ➂静特性の変動の注意点
    • ➃SN比の注意点

  • 混合系直交表L18がわかる

    混合系直交表L18がわかる

    「混合系直交表L18がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    混合系直交表L18がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①混合系直交表L18とは

    混合系直交表L18って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表L18や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表L18や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

    【簡単】2水準の直交表のつくり方【必見】
    実験計画法の直交表のつくり方や平方和の分解や水準の数の求め方をご存知ですか?本記事では、教科書では書いていない直交表の構成やデータの構造式から直交表が作れることをわかりやすく解説します。直交表を鵜呑みでわかった気で済ませているが不安な方は必見です。

    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表L18や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、混合系直交表L18を攻略しましょう。

    直交表L18とは

    下表が直交表L18です。狙って設計するよりは、振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L18はたまたまできた副産物的なイメージがありますし、結構、計算機を何度も回して見つけた努力の結晶かもしれません。

    L18 A B C D E F G e
    1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 3 3 3 3 3 3
    4 1 2 1 1 2 2 3 3
    5 1 2 2 2 3 3 1 1
    6 1 2 3 3 1 1 2 2
    7 1 3 1 2 1 3 2 3
    8 1 3 2 3 2 1 3 1
    9 1 3 3 1 3 2 1 2
    10 2 1 1 3 3 2 2 1
    11 2 1 2 1 1 3 3 2
    12 2 1 3 2 2 1 1 3
    13 2 2 1 2 3 1 3 2
    14 2 2 2 3 1 2 1 3
    15 2 2 3 1 2 3 2 1
    16 2 3 1 3 2 3 1 2
    17 2 3 2 1 3 1 2 3
    18 2 3 3 2 1 2 3 1

    特徴的なのが、

    1列だけ2水準で、残り7列が3水準系という不規則な混合系であること
    交互作用が一切ないところ

    L18について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L18はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➁L18のデータの構造式

    L18は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(g\)+\(ε\)
    (8番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L18の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+6\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{gi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表7列目の平方和\(S_7\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{gi}})+6\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表8列目の平方和\(S_8\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系,3水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    ●2水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)
    ●3水準系の場合
    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2}{3N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L18の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L18 A B C D E F G e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 12
    2 1 1 2 2 2 2 2 2 14
    3 1 1 3 3 3 3 3 3 16
    4 1 2 1 1 2 2 3 3 8
    5 1 2 2 2 3 3 1 1 10
    6 1 2 3 3 1 1 2 2 11
    7 1 3 1 2 1 3 2 3 14
    8 1 3 2 3 2 1 3 1 4
    9 1 3 3 1 3 2 1 2 10
    10 2 1 1 3 3 2 2 1 6
    11 2 1 2 1 1 3 3 2 18
    12 2 1 3 2 2 1 1 3 15
    13 2 2 1 2 3 1 3 2 11
    14 2 2 2 3 1 2 1 3 13
    15 2 2 3 1 2 3 2 1 8
    16 2 3 1 3 2 3 1 2 12
    17 2 3 2 1 3 1 2 3 14
    18 2 3 3 2 1 2 3 1 20
    1の合計 99 81 63 70 88 67 72 60 216
    2の合計 117 61 73 84 61 71 67 76
    3の合計 0 74 80 62 67 78 77 80
    216 216 216 216 216 216 216 216 平方和計
    平方和 27 34.33 24.33 41.33 67 10.33 8.33 37.33 250

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{18}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{18}x_i)^2}{12}\)
    =280
    になります。

    ん???
    おかしいぞ!
    って気が付きませんか?

    【注意!】直交表の平方和総和 <総平方和

    直交表の全列の平方和の総和は、「250」
    総平方和は、「280」
    直交表の平方和総和 <総平方和!
    何で一致しないの?
    L12は一致したぞ!

    直交表の平方和総和 <総平方和の理由

    理由は簡単で、

    3水準系の直交表に
    1列だけ3より少ない2水準系を割り当てているから、
    直交表の平方和総和がその分少なくなる

    総平方和と直交表の平方和総和の差は何か?

    自由度で評価すると、

    ●L12の場合、直交表は 11列、データは12個ある。自由度は12-1=11で列分ある。だから
    直交表の平方和総和=総平方和
    一方
    ●L18の場合、直交表は 8列、データは18個ある。自由度は18-1=17で
    各列の自由度の和は (2-1)×1+(3-1)×7=15と17に比べて2少ないだから
    直交表の平方和総和 <総平方和

    つまり、

    3水準系に2水準系を割当たため
    自由度が2だけ小さくなった分
    直交表の平方和総和 <総平方和

    面白いですね。初めて知った人も多いはず。

    さらに面白いのが、

    少ない自由度2を
    2=(2-1)×(3-1)と書くと
    2水準系1列と3水準系1列の交互作用に相当する成分の差が
    総平方和と直交表の平方和総和の差ともいえる

    なので、その列をA、Bとすると、
    \(S_{AB}\)成分の差が、総平方和と直交表の平方和総和の差と言うこともできますね。

    式で書くと
    ●L12の場合
    \(S_T\)=\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_K\)
    と(両辺)が一致するが、
    ●L18の場合
    \(S_T\) >\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    と(両辺)が一致せず、自由度2の交互作用に該当する成分を入れると
    \(S_T\) =\(S_{A×B}\)+\(S_A\)+\(S_B\)+…+\(S_H\)
    となる。

    そうなると、

    L18に
    \(S_{A×B}\)成分の1列を追加したらいいじゃん!
    と思いますが、
    1列追加すると直交表の各列の直交条件が満たせなくなるため、
    \(S_{A×B}\)成分の1列追加は直交表にはできません!
    「混合系直交表の平方和の総和は
    総平方和より小さくなる点に注意しよう!」
    を理解しておきましょう。
    混合系直交表などのトリッキーな直交表を使うと
    追加で注意しないといけないことが増えるので、QCプラネッツはL8,L16,L9,L27を使いたいという気持ちになってしまいます。

    ➃L18の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    先に結論を述べると、

    混合系直交表の分散の期待値は綺麗に導出できない。式を立てて終わり

    です。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{18}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{18}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =ここから文字式で計算ができません。

    おそらく、
    E[\(S_1\)]= E[\(\sum_{i=1}^{18}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+1×\(σ_e^2\)
    となるはずです。これ以上、首をつっこんでも収集つかないので、一旦止めます。

    直交表の全列も同様に途中まで解けます。
    分散分析表をまとめます。

    S Φ V F E[V]
    A 27 1 27 1.45 ??+\(σ_e\)
    B 34.33 2 17.17 0.92 ??+\(σ_e\)
    C 24.33 2 12.17 0.65 ??+\(σ_e\)
    D 41.33 2 20.67 1.11 ??+\(σ_e\)
    E 67 2 33.5 1.79 ??+\(σ_e\)
    F 10.33 2 5.17 0.28 ??+\(σ_e\)
    G 8.33 2 4.17 0.22 ??+\(σ_e\)
    e 37.33 2 18.67 \(σ_e\)
    250 15

    分散の期待値が??としていますが、話を続けます。

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =99/9=11

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =99/9+61/6+63/6-2×216/18
    =7.67

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{9}σ_e^2\)=18.67/9=2.07

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{9}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{18})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=18.67/3=6.22

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(2,0.05)=4.303)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=7.67(=母平均)±4.303(=t(Φe,α))×2.494(=\(\sqrt{V}\))=-3.06,18.40
    となります。

    まとめ

    「混合系直交表L18がわかる」を解説しました。

    • ①混合系直交表L18とは
    • ➁L18のデータの構造式
    • ➂L18の平方和の分解
    • ➃L18の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

  • 直交表L12がわかる

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    「直交表L12がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表L12がわかる

    おさえておきたいポイント

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定
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    【QC検定®合格】「品質工学」問題集を販売します! 単なる公式の代入ではなく、平方和の分解や実験計画法を駆使して品質工学の本質が学べる良問をそろえました。是非、学習しましょう。

    データの構造式
    実験計画法を理論的に理解してから
    ロバストパラメータ設計に入ろう!

    ①直交表L12とは

    直交表L12って例外パターンだよ!

    ロバストパラメータ設計やタグチメソッドでは

    突然変異型である
    混合直交表や直交表L12などを使いたがります。
    なぜかは、よくわかりません。

    直交表を自分で作るとよくわかるのですが、

    1. データの構造式と直交表列は連動する
    2. 主効果、交互作用を網羅した直交表がスタンダート
    3. 8,16,9,27,などの素数のべき乗の方が網羅できる
    4. 混合直交表や直交表L12などは例外的にたまたま見つかったもの

    という感情が出ます。実際に自力で直交表を作ってみてください。関連記事にもご参照ください。

    【簡単】2水準の直交表のつくり方【必見】
    実験計画法の直交表のつくり方や平方和の分解や水準の数の求め方をご存知ですか?本記事では、教科書では書いていない直交表の構成やデータの構造式から直交表が作れることをわかりやすく解説します。直交表を鵜呑みでわかった気で済ませているが不安な方は必見です。

    さらに頭を悩ませるのが、

    ロバストパラメータ設計や
    タグチメソッドは
    混合系直交表や直交表L12などが前提になる事が多いが
    なぜなんだろう?
    ちゃんと理論を理解した上で、
    必要に応じて混合系など使った方がいい。
    計算機が未熟な時代は
    確かに必須な手法。
    でも、今はExcelでも簡単に解析できる時代。
    だから理論をしっかり理解したい!

    まずは、直交表L12を攻略しましょう。

    直交表L12とは

    下表が直交表L12です。狙って設計するよりは、1,2全パターンを振ってたまたま出てきた表というイメージが強いです。

    QCプラネッツはExcel VBAを使って、実際に直交表を作ったので、L12はたまたまできた副産物的なイメージがあります。

    L12 A B C D E F G H I J K
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1

    特徴的なのが、

    交互作用が一切ないところ

    L12について、
    ●データの構造式
    ●平方和の分解
    ●母平均の点推定と区間推定
    を解いてみましょう。

    本記事は、実験計画法ですが、L12はロバストパラメータ設計によく使うので、ロバストパラメータ設計の章で解説します。

    なお、実験計画法については、しっかりまとめた関連記事がありますので、確認ください。70記事もある超大作です。

    究める!実験計画法
    QCプラネッツが解説する究める実験計画法。多くの教科書がある中、勉強してもどうしても分からない、苦労している難解な箇所をすべて解説します。多元配置実験、乱塊法、分割法、直交表などなど多くの手法を個別に公式暗記せず、データの構造式をみればすべて導出できる新しい実験計画法を解説します。

    ➁L12のデータの構造式

    L12は交互作用がないので、全列独立した変数で表記します。これがL8,L9,L16の一般的な直交表と違う点ですね。

    なので、データの構造式は

    \(x\)=\(μ\)+\(a\)+\(b\)+…+\(j\)+\(ε\)
    (11番目を\(ε\)とします)

    もう少し詳細に書くと、

    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))

    と書けますね。慣れないと難しいかもしれませんが、頑張っていきましょう。

    ➂L12の平方和の分解

    データの構造式から平方和を計算

    データの構造式を再掲すると、
    (\(x_i-\bar{\bar{x}}\))=(\(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}}\))+…+(\(\bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}}\))
    ですね。

    これを2乗和すると、各項の平方和とその合計が全体の平方和に一致します。
    ただし、式で証明するのは、大変なので、直交表を使って後で証明します。

    証明したい式は
    \(\sum_{i=1}^{12}( x_i-\bar{\bar{x}})^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表1列目の平方和\(S_1\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{bi}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表2列目の平方和\(S_2\)に相当)
    +…
    +\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ji}}-\bar{\bar{x}})^2\) (⇒直交表10列目の平方和\(S_{10}\)に相当)
    +\(\sum_{i=1}^{12} ((x_i –(\bar{x_{ai}}+…+\bar{x_{ji}})+9\bar{\bar{x}})^2\)
    (⇒直交表10列目の平方和\(S_{11}\)に相当)
    です。

    直交表を使って各列の平方和を計算

    2水準系の直交表各列の平方和を計算する公式があります。
    もちろん自力で導出できます!関連記事で確認ください。

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】
    直交表の各列の平方和を導出する方法を知っていますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事では、実験計画法の直交表の各列の平方和を導出する方法を詳しく解説します。本記事しか書いていない、直交表の知見を広げたい方は必見です。

    公式は、

    \(S_[k]\)=\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)

    この式を使って直交表の各列の平方和を計算します。

    直交表L12の各列の平方和を計算

    では、データを用意して、直交表各列の平方和を計算します。その結果は下表のとおりです。実際に計算してみてくださいね。

    L12 A B C D E F G H I J e データ
    1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 8
    2 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 12
    3 1 1 2 2 2 1 1 1 2 2 2 14
    4 1 2 1 2 2 1 2 2 1 1 2 16
    5 1 2 2 1 2 2 1 2 1 2 1 8
    6 1 2 2 2 1 2 2 1 2 1 1 10
    7 2 1 2 2 1 1 2 2 1 2 1 9
    8 2 1 2 1 2 2 2 1 1 1 2 6
    9 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1 3
    10 2 2 2 1 1 1 1 2 2 1 2 10
    11 2 2 1 2 1 2 1 1 1 2 2 6
    12 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1 18
    1の和 68 52 63 62 55 75 49 62 53 53 56 120
    2の和 52 68 57 58 65 45 71 58 67 67 64
    120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 120 平方和計
    平方和 21.33 21.33 3 1.33 8.33 75 40.33 1.33 16.33 16.33 5.33 210

    なお、全体の平方和は
    S=\(\sum_{i=1}^{12}x_i^2-\frac{(\sum_{i=1}^{12}x_i)^2}{12}\)
    =210
    になりますから、確かに、
    \(S_1\)+…+\(S_{11}\)=S=210
    が成り立っています。

    ➃L12の分散の期待値と分散分析

    平方和の分解を確認できたら、QCプラネッツのこだわりである、
    分散の期待値と分散分析表を確認しましょう。

    1列目の平方和は
    \(S_1\)=\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    と書けます。

    概略的な式変形になりますが、期待値の平方和を計算すると
    E[\(S_1\)]=E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{x_{ai}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{12}((\bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}})-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{12}( \bar{x_{ai}}-\bar{x_{ea}}) ^2\)]+ E[\(\sum_{i=1}^{12}(\bar{\bar{x}}^2\))]
    =1\(σ_A\)+1\(σ_e\)

    分散の期待値は自由度が1なので、
    E[\(V_1\)]=1\(σ_A\)+1\(σ_e\)
    と計算できます。

    直交表の全列も同様に解けるので、分散分析表は以下になります。

    S Φ V F E[V]
    A 21.33 1 21.33 4 \(σ_A+σ_e\)
    B 21.33 1 21.33 4 \(σ_B+σ_e\)
    C 3 1 3 0.56 \(σ_C+σ_e\)
    D 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_D+σ_e\)
    E 8.33 1 8.33 1.56 \(σ_E+σ_e\)
    F 75 1 75 14.06 \(σ_F+σ_e\)
    G 40.33 1 40.33 7.56 \(σ_G+σ_e\)
    H 1.33 1 1.33 0.25 \(σ_H+σ_e\)
    I 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_I+σ_e\)
    J 16.33 1 16.33 3.06 \(σ_J+σ_e\)
    e 5.33 1 5.33 \(σ_e\)
    ST 11

    ➄母平均の点推定と区間推定

    次の2つを考えましょう。

    例題

    次の母平均と区間推定を求めよ。
    (i) \(μ_{A1}\)
    (ii) \(μ_{A1B2C1}\)

    データの構造式から母平均を計算

    まず、データの構造式から母平均を計算します。
    関連記事はここです。

    【簡単】データの構造式から母平均の点推定が導出できる
    実験計画法が難しい、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定を求める式が、実験によって変わるため、公式暗記に困っていませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値を求める式が導出できます。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\)
    =\(μ+(\bar{a_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)⇒(式1)
    =68/6=11.33

    ●\(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b_2+c_1\)
    =\(μ+\bar{a_1}+ \bar{b_2}+ \bar{c_1})\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{a1}}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{b2}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{c1}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒(式2)
    =68/6+68/6+63/6-2×120/12
    =13.17

    データの構造式から有効繰返数と区間推定を計算

    次に区間推定を求めたいので、有効繰返数をデータの構造式から計算します。関連記事はここです。

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる
    実験計画法が難しく、分散分析した後、最適条件の母平均の点推定から有効反復数の導出方法がわからず、田口の式や伊奈の式を丸暗記していませんか?本記事では、データの構造式さえ理解すれば、すべての実験において、母平均の点推定値から有効反復数が導出できますことを解説します。早く実験計画法をマスターした方は必見です。

    ●\(μ_{A1}\)の場合は
    \(μ_{A1}\)=\(μ+a_1\) ⇒((式1)より)
    =\(μ+(\bar{a_1}+\bar{e_a})\)
    V[\(μ_{A1}\)]=V[\(\bar{e_a}\)]
    =\(\frac{1}{6}σ_e^2\)=0.89

    ●\(μ_{A1B2C1}\)の場合は
    \(μ_{A1B2C1}\)=\(μ+a_1+b2+c1\)
    =\(\bar{x_{a1}}\)+ \(\bar{x_{b2}}\)+ \(\bar{x_{c1}}\)-2\(\bar{\bar{x}}\) ⇒((式2)より)
    =\(μ+a_1+\bar{e_a}\)+\(μ+b_2+\bar{e_b}\)+\(μ+c_1+\bar{e_c}\)-2\((μ+\bar{\bar{e}})\)
    =\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)
    V[\(μ_{A1B2C1}\)]=V[\(μ+a_1+b_2+c_1\)+\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =V[\((\bar{e_a}+\bar{e_b}+\bar{e_c}-2\bar{\bar{e}})\)]
    =(\(\frac{1}{6}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}-2×\frac{1}{12})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{3}σ_e^2\)=1.77

    また、推定区間を求めるt(Φe,α=t(1,0.05)=12.7)より、 ●\(μ_{A1B2C1}\)=13.17(=母平均)±12.7(=t(Φe,α))×0.94(=\(\sqrt{V}\))=-3.72,30.06
    となります。

    12.7(=t(Φe,α))の値が大きすぎるため、範囲が広すぎですが、求め方を理解することが大事です!

    まとめ

    「直交表L12がわかる」を解説しました。

    • ①直交表L12とは
    • ➁L12のデータの構造式
    • ➂L12の平方和の分解
    • ➃L12の分散の期待値と分散分析
    • ➄母平均の点推定と区間推定

  • 工程能力指数の区間推定が導出できる

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    「工程能力指数の区間推定がわからない、どうやって導出するの?」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    工程能力指数の区間推定が導出できる

    おさえておきたいポイント

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)
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    工程能力指数の区間推定の式を導出します!
    めっちゃ難しいけど

    ①工程能力指数の区間推定

    工程能力指数の区間推定ですが、こんな式どうやって作られたの?って疑問に思いませんか?

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ●片側規格の場合
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    どうやって、この式求めたの?
    って不思議に思いますよね!
    じゃー、導出してみますね。

    ➁両側規格の場合は自力で導出できる

    この式は、自力で簡単に導出できるし、できないといけません!

    1. 工程能力指数の式は平方和とσの比
    2. 平方和とσの比はχ2乗分布の定義
    3. χ2乗分布を使えば、導出できる!

    の3点セットで導出しますね。

    工程能力指数の式は平方和とσの比

    まず、工程能力指数の定義ですが、

    \(C_p\)=\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)

    ですね。

    ちょっと変形していくと、
    \(C_p\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6σ}\)
    =\(\frac{S_U – S_L}{6s}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    (\(\hat{C_p}\)=\(\frac{S_U – S_L}{6s}\))

    ここで、
    \(\frac{s}{σ}\)からχ2乗分布をおびきよせます。

    平方和とσの比はχ2乗分布の定義

    ところで、\(s\)と\(σ\)は、

    ●\(s\):標準偏差
    (生データの平方和から計算できる)
    ●\(σ\):母標準偏差
    (母集団がわからないから、計算できない)

    次に、平方和\(S^*\)と標準偏差\(s\)の関係式と
    χ2分布の定義式を書きます。

    ●\(\frac{S^*}{n-1}\)=\(s^2\) (分散は標準偏差の2乗)
    ●\(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)

    整理すると、
    \(χ^2\)=\(\frac{S^*}{σ^2}\)
    =\(\frac{s^2 (n-1)}{σ^2}\)
    より

    \(\frac{s}{σ}\)=\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    よって、工程能力指数の区間推定の式は
    \(C_p\)=\(\hat{C_p}\)\(\frac{s}{σ}\)
    =\(\hat{C_p}\)\(\frac{χ^2}{n-1}\)

    χ2乗分布から信頼区間を入れればよいので、

    ●両側規格の場合
    ・\(C_p(U)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,\frac{α}{2})}{n-1}}\)
    ・\(C_p(L)\)=\(\hat{C_p}\)\(\sqrt{\frac{χ^2(n-1,1-\frac{α}{2})}{n-1}}\)

    両側規格の場合は、χ2乗分布の式をいじれば導出できます。

    ➂片側規格の場合を導出(激難)

    導出が書いている本を紹介

    1冊だけ導出過程が書いている本があります。紹介します。

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    この本を読んでわかったことは、

    1. 難しいから結局わからない
    2. 定理で導出されるよりは、数学者や日本規格協会が設計した式という印象が強い
    3. だったら、自分の経験式でもいいんじゃないの?と思った

    ですね。
    片側規格の式は
    \(\hat{C_p}\)±\(u(α)\)\(\sqrt{\frac{\hat{C_{pk}^2}}{2(n-1)}+\frac{1}{9n}}\)
    という変な式で、

    √の中にある +\(\frac{1}{9n}\)
    がどういう意味かもよくわからない

    なので、わかり補足した資料を作りました。

    本が難しいので、わかりやすく補足

    すいません、補足資料は販売とさせていただきます。

    1000円でメルカリで販売します。ご購入よろしくお願いいたします。

    資料のポイントは、

    1. 両側規格はχ2乗分布だが、片側規格はt分布から攻めており、異なる確率分布で計算していいのか?疑問
    2. 厳密な計算の途中に、値だけ近い関数に無理矢理近似している
    3. 最終形の式を両側規格にできるだけ近づけるように設計した印象がある
    4. JISにも書いているから正しいと信じこみやすいが、導出過程見ると強引さがある
    5. 式の精度が高そうで高くないから、自分の経験式でやってもいいんじゃないの?
    6. なのに、教科書や試験はこの式を代入させたい意思がある

    QCプラネッツなら、

    ●片側規格の推定区間の式は使わない
    ●両側規格の区間×α倍とざっくり区間を広げておく感じで済ませる

    大学の先生や日本規格協会が作ったから正しいわけじゃないし、
    JISにあるから絶対正しいと信じ込まず、
    式の導出過程をみて、その式の強み・弱みを理解することが大事!

    まとめ

    「工程能力指数の区間推定が導出できる」を解説しました。

    • ①工程能力指数の区間推定
    • ➁両側規格の場合は自力で導出できる
    • ➂片側規格の場合を導出(激難)

  • 【まとめ】サンプリングがわかる

    【まとめ】サンプリングがわかる

    「サンプリングがわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【まとめ】サンプリングがわかる
    • ①有限母集団の修正項が導出できる
    • ➁条件付き確率がわかる
    • ➂2変数の分散・共分散がわかる
    • ➃全分散の公式が導出できる
    • ➄2段サンプリングの分散が導出できる

    QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集を販売します!

    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

    サンプリングしたデータの期待値、分散をちゃんと解こうとすると結構難しい
    2段サンプリングの分散の公式
    V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)
    が理解できないし、解けないし

    なので、本記事は2段サンプリングの分散が導出を目標に解説していきます。

    目標達成のために必要なこと

    2段サンプリングの分散を導出するまでに必要なテクニックを先に磨いておきましょう。これも結構難しいので関連記事で丁寧に解説しています。

    1. 有限母集団の修正項
    2. 条件付き確率
    3. 2変数の分散・共分散
    4. 全分散の公式

    では、関連記事を紹介しながら、進めていきます。
    まず、全関連記事のリンクです。











    ①有限母集団の修正項が導出できる

    サンプリングの前提ですが、標本分散と標本平均の分散の違いを最初に確認しましょう。

    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式が導出できる
    2段サンプリングの費用関数で最適配分の式を暗記して済ませていませんか? 本記事では、最適配分になる条件式を丁寧に導出します。サンプリングを勉強する人は必読です。

    サンプリングでよく出て来る、有限母集団の修正項ですが、公式導出も難しいです。関連記事で丁寧に導出過程を解説しています。

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる
    有限母集団の修正項(N-n)/(N-1)を導出できますか?本記事では修正項の導出を丁寧にわかりやすく解説しました。式の機械的な変形以外はすべて省かずに解説しました。

    ➁条件付き確率がわかる

    有限母集団の修正項を理解したら、次は条件付き確率、2変数の確率密度関数、全分散の公式と進み、ボスである2段サンプリングの分散を攻略します。

    条件付き確率の定義、期待値、分散の解法を丁寧に解説します。公式暗記より理解するまでじっくり行きましょう。急がば回れです!

    条件付き確率がわかる(2段サンプリングの分散式導出)
    高校でも習う「条件付き確率」はちゃんと解けますか?みんなが苦手とする2段サンプリングの分散の公式導出に必須な条件付き確率を本記事でわかりやすく解説します。サンプリングの分散の導出したい方は必読です。

    期待値、分散の導出過程が大事です!

    【必読】条件つき期待値・条件つき分散がわかる(連続型)
    条件付き期待値、条件付き分散を計算できますか?本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、全分散の公式を実例を使って,積分で計算して確認します。教科書では公式導出ばかりです。具体的な計算が 苦手な人は必読です。

    【必読】条件つき期待値・条件付き分散がわかる(離散型)
    条件付き期待値、条件付き分散を計算できますか?本記事では2段サンプリングの分散公式に必須な 条件付き期待値、条件付き分散、 全分散の公式を実例を使って、数列で計算して確認します。教科書では公式導出ばかりです。具体的な計算が 苦手な人は必読です。

    ➂2変数の分散・共分散がわかる

    2変数の確率分布を次に攻略します! 全分散の公式や2段サンプリングの分散は2変数の処理スキルが前提となります。

    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)がわかる
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)が説明できますか?本記事では、2変数の確率分布関数の基礎をわかりやすく解説します。サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    同時確率分布の分散、共分散の導出がわかる(その1 離散系の場合)
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)の期待値・分散が簡単に求められますか? 本記事では、2変数の確率分布関数(離散系)の期待値・分散をわかりやすく解説します。 期待値・分散の計算が結構難しいので、復習がとても大事です。また、サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    同時確率分布の分散、共分散の導出がわかる(その2 連続系の場合)
    2変数の確率分布関数(同時確率質量関数)の期待値・分散が簡単に求められますか? 本記事では、2変数の確率分布関数(連続系)の期待値・分散をわかりやすく解説します。 期待値・分散の計算が結構難しいので、復習がとても大事です。 また、サンプリングの分散、全分散の公式導出に必須です。

    ➃全分散の公式が導出できる

    2段サンプリングの分散に使う、全分散の公式をようやく攻略できるところまで来ました。条件付き確率、2変数の解法がいっぱい出て来ますので、この関連記事は、良い演習になります。

    【必読】全分散の公式の導出がわかる
    全分散の公式が導出できますか?本記事では、全分散の公式の導出をわかりやすく解説しています。途中端折りたくなるが大事な計算過程をすべて載せています。全分散の公式、条件つき期待値、条件つき分散を 得意になりましょう。

    ➄2段サンプリングの分散が導出できる

    ラスボスの2段サンプリングの分散の導出を解説します。公式でも暗記しにくいので、導出方法がわかれば覚えなくてもいいと思います。でも、導出過程も難しいです。①~➃の解法を駆使して関連記事で丁寧に解説しています。

    【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる
    2段サンプリングの分散V(bar(x))が導出できますか? 本記事では、2段サンプリングの分散を丁寧に導出解説します。公式暗記で逃げたいところですが、導出過程は必ず読んでおきましょう。期待値、分散、有限母集団、全分散の公式をフル活用します!

    費用関数についての小ネタを1つどうぞ。

    【必読】「標本の分散」と「標本平均の分散」の違いがわかる
    サンプリングするとなんで、分散Vをサンプル数で割る必要があるのか?疑問に思いませんか? 統計の教科書でもおなじみのV/nですが、V/nとVの違いをわかりやすく解説します。公式丸暗記せず、しっかり理解してほしい、必読な記事です。

    サンプリングをマスターすべき内容

    どれも難しいですが、確率統計力を高める大事な関連記事です。焦らず、時間かけて読み進めてください。相当力がつきますよ!

    1. 有限母集団の修正項
    2. 条件付き確率
    3. 2変数の分散・共分散
    4. 全分散の公式
    5. 2段サンプリングの分散

    まとめ

    「【まとめ】サンプリングがわかる」をわかりやすく解説しました。

    • ①有限母集団の修正項が導出できる
    • ➁条件付き確率がわかる
    • ➂2変数の分散・共分散がわかる
    • ➃全分散の公式が導出できる
    • ➄2段サンプリングの分散が導出できる

  • 【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる

    【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる

    「2段サンプリングの分散がわからない」、と困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる
    • ①2段サンプリングの分散公式とは
    • ➁2段サンプリング
    • ➂2段サンプリングの分散を導出
    • ➃層別、集落サンプリングの分散を導出

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    QC検定®1級、2級でサンプリングの問題で苦戦していませんか?本記事では、QC・統計に勝てるためのサンプリング問題集(20題)を紹介します。

    2変数の確率分布関数にまず、慣れましょう!
    期待値、分散の導出から数列・積分も慣れましょう!

    ①2段サンプリングの分散公式とは

    「2段サンプリングの分散」の式があります。

    E(\(\bar{\bar{x}}\))=μ
    V(\(\bar{\bar{x}}\))=\(\frac{M-m}{M-1}・\frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{N-n}{N-1}・\frac{σ_w^2}{mn}\)
    ・\(m\):1次サンプルの大きさ
    ・\(n\):2次サンプルの大きさ
    ・\(σ_b^2\):1次単位間の特性xの分散
    ・\(σ_w^2\):1次単位内の特性xの分散
    ・M:1次単位の総数
    ・N:1次単位の大きさ
    ・\(\frac{M-m}{M-1},\frac{N-n}{N-1}\):有限修正項
    となりますよね。

    でも、

    この式は何なの?
    何でこんな難しい式なの?
    覚えられない。。。

    と困ってしまいますよね。QCプラネッツも苦労しました。

    そこで、

    「2段サンプリングの分散」の式を導出します
    やっぱり難しいけど!

    ちょっとだけ、文字を変えて、
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)
    を導出します。

    ➁2段サンプリング

    2段サンプリングは下図のように、2回サンプリングします。

    1. 1回目はM個の集落からm個をサンプリング
      集落内の\(\bar{N}\)個はすべて抜取
    2. 2回目はm個の集落すべてに対して
      \(\bar{N}\)個から\(\bar{n}\)は抜取

    ●1回目抜取

    2段サンプリングの分散

    ●2回目抜取

    2段サンプリングの分散

    ➂2段サンプリングの分散を導出

    では、
    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)
    を導出します。

    期待値Eの2段階表現方法

    ここで、普段あまり見かけませんが、トリッキーな表現方法を使って変形していきます。こういうところが難しいですね。

    2段サンプリングで得られた、標本平均\(\bar{x}\)の期待値E[\(\bar{x}\)]を考えます。

    もちろん標本平均\(\bar{x}\)は単純に、
    \(\bar{x}\)=\(\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} \)
    ですね。

    よく見ると、\(\bar{x}\)は
    ●\(i\)について
    ●\(j\)について
    2回平均値を求めていますね。つまり、平均値である期待値Eを計算しているわけなので、

    E[\(\bar{x}\)]=\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}\)]
    という普段使わない表現で置き換えます。

    2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))を導出

    分散の公式どおり、
    V(\(\bar{x}\))= E[\(\bar{x}^2\)]- E[\(\bar{x}\)]2
    =(式1)
    となり、これを先ほどの2段階の期待値表記に変えます。

    (式1)
    =\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}^2\)]-{\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}\)]}2
    =(式2)

    (式2)に対して、 \(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2を追加します。
    (式2)
    =\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}^2\)]-\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2
    +\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2
    -{\(E_i E_j^i \)[\(\bar{x}\)]}2
    =\(E_i\)[\(E_j^i\)[\(\bar{x}^2\)]-{\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2]
    +[\(E_i\){\(E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2-{\(E_i E_j^i\)[\(\bar{x}\)]}2]
    =\(E_i\){\(V_j^i(\bar{x})\)}+\(V_i\){(\(E_j^i (\bar{x})\))
    =(式3)
    と強引ですが、まとめることができます。

    ここで、\(V_j^i\)は第\(i\)集落内での分散とします。

    2段サンプリングの分散は
    やっぱり難しい!

    2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))第1項をまとめる

    (式3)の第1項をまとめていきます。

    \(E_i\){\(V_j^i(\bar{x}\))}
    =\(E_i\){\(V_j^i (\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)}
    として、\(\frac{1}{m}\sum_{i=1}^{m} \)を分散Vの外に出します。
    =\(E_i\){\(\frac{1}{m^2} \)\(\sum_{i=1}^{m} V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} )\)}
    さらに、\(\frac{1}{m^2}\)を\(\frac{1}{m}\)・\(\frac{1}{m}\)に分けます。
    =\(\frac{1}{m}E_i\){\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij} )\)}
    =(式4)

    ここで、見ずらいですが、
    ●\(V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)の
    \(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij}\)=\(\bar{x}\)なので、
    \(V_j^i(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}}x_{ij} )\)= \(V_j^i(\bar{x})\)
    を代入します。

    すると、
    \(V_j^i(\bar{x})\)=\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_i^2}{\bar{n}}\)
    と有限母集団の時の係数\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)が付きますね。

    有限母集団については関連記事があります。ご確認ください。丁寧に導出していますが、それでも難しい内容です!

    【必読】有限母集団の修正項の導出ができる
    有限母集団の修正項(N-n)/(N-1)を導出できますか?本記事では修正項の導出を丁寧にわかりやすく解説しました。式の機械的な変形以外はすべて省かずに解説しました。

    (式4)を計算すると、
    (式4)
    =\(\frac{1}{m}E_i\){\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_i^2}{\bar{n}}\)}
    =(式5)

    そして、
    ●\(E_i\)[\(\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)]
    を、期待値の性質を使って
    ●\(\frac{1}{m}・\frac{1}{M}\sum_{i=1}^{M}\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\)
    変えると(式5)は、
    =\(\frac{1}{m} \frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_w^2}{\bar{n}}\)
    となり、
    \(n\)=\(m \bar{n}\)から、
    =\( \frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1} \frac{σ_w^2}{n}\)
    となり、2段サンプリングの分散の第1項ができます。

    なお、
    ●\(σ_i^2\)=\(\frac{1}{\bar{N}}\sum_{j=1}^{\bar{N}}(x_{ij}-μ_i)^2\)
    ●\(σ_w^2\)=\(\frac{1}{M} \sum_{i=1}^{M} σ_i^2\)
    とします。

    2段サンプリングの分散は
    やっぱり難しい!

    2段サンプリングの分散V(\(\bar{x}\))第2項をまとめる

    (式3)の第2項をまとめていきます。

    (式3)第2項
    =\(V_i (E_j^i (\bar{x}))\)
    =\(V_i (E_j^i (\frac{1}{m \bar{n}} \sum_{i=1}^{m} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}))\)
    =\(V_i (\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} E_j^i (\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}))\)

    ここで、\( E_j^i \)[\(\frac{1}{\bar{n}} \sum_{j=1}^{\bar{n}} x_{ij}\)]=\(μ_i\)から
    =\(V_i (\frac{1}{m} \sum_{i=1}^{m} μ_i )\)
    有限母集団の分散を意識して、
    =\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)
    となります。

    よって、第1項と第2項を入れ換えて、まとめると

    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)

    が導出できました。

    ➃層別、集落サンプリングの分散を導出

    2段サンプリングの分散の式

    再掲すると、

    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)+\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)

    層別サンプリングの分散を導出

    第2項の式のだけになりますので、2段サンプリングの分散の式がわかればOKですね。

    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{\bar{N}-\bar{n}}{\bar{N}-1}\frac{σ_w^2}{n}\)

    集落サンプリングの分散を導出

    第1項の式のだけになりますので、2段サンプリングの分散の式がわかればOKですね。

    V(\(\bar{x}\))=\(\frac{M-m}{M-1} \frac{σ_b^2}{m}\)

    まとめ

    「【やっぱり難しい】2段サンプリングの分散が導出できる」をわかりやすく解説しました。

    • ①2段サンプリングの分散公式とは
    • ➁2段サンプリング
    • ➂2段サンプリングの分散を導出
    • ➃層別、集落サンプリングの分散を導出

  • 【まとめ】多変量解析を究める

    【まとめ】多変量解析を究める

    「多変量解析がわからない、何を学べばよいかわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【まとめ】多変量解析を究める!

    おさえておきたいポイント

    • ①多変量解析の目的は1つ
    • ➁多変量解析を分類
    • ➂各手法の解説(関連記事のご紹介)

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    QC検定®1級合格したい方、多変量解析をしっかり学びたい方におススメです。
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    多変量解析は自分で解けます!
    Excelなどのツールに頼る前に
    自力で導出して理解しようぜ!
    1. 重回帰分析
    2. 主成分分析
    3. 判別分析
    4. 因子分析
    5. コレスポンデンス分析
    6. クラスター分析
    7. 数量化Ⅰ~Ⅳ類分析

    をQCプラネッツは
    自力で導出して理解できるように、わかりやすく解説!

    解析ツールで何でも解けるけど
    その意味を理解しよう!

    ①多変量解析の目的は1つ

    多変量解析の目的

    教科書や他のサイトでは、いろいろな多変量解析を下表にように分類しています。

    多変量解析

    ただ、どうでしょうか?

    データの質的・量的で分類しても
    イマイチ理解しにくい。

    なので、QCプラネッツは別の区別方法で分けています。

    それは、

    多変量解析の目的は唯一!
    「データから必要な情報を最大限抽出すること!」

    全手法を研究してたどり着いた分類方法です。

    必要な情報を最大限抽出することは
    データの誤差を最小化することと同じ!

    なので、多変量解析は
    必要な情報を最大限抽出する手法
    不要な誤差を最小化する手法
    があります。

    ➁多変量解析を分類

    多変量解析の種類

    再掲しますが、
    必要な情報を最大限抽出する手法
    不要な誤差を最小化する手法
    で分類すると下表になります。

    目的 手法 特徴
    ①必要な情報を最大化 ●重回帰分析(≒数量化Ⅰ類) 予測
    ➁不要な誤差を最小化 ●主成分分析 情報集約
    ●判別分析(≒数量化Ⅱ類) 判別
    ●因子分析 データ構成元抽出
    ●クラスター分析 判別
    ●コレスポンデンス分析
    (≒数量化Ⅲ類、数量化Ⅳ類)
    相関係数の最大化

    シンプルな分類になりましたし、解法・目的が明確になりましたね!

    ➂各手法の解説(関連記事のご紹介)

    上表のとおり、目的別に手法を解説した関連記事を紹介します。

    (1)重回帰分析

    誤差を最小化する重回帰分析の解法を紹介します。
    重回帰分析に出て来る公式の暗記ではなく、その導出過程をしっかり理解することが大事です。

    【まとめ】重回帰分析がよくわかる
    重回帰分析は自信もって解けますか?説明できますか? 本記事では、重回帰分析の考え方、理解すべきポイント、重回帰分析の特徴をわかりやすく解説し、公式の導出過程を詳しく解説します。公式暗記、解法暗記で終わらせずに、本質を学ぶことができます。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (2)主成分分析

    多変量解析はいろいろ手法がありますが、重回帰分析の次に学ぶのが主成分分析であることが多いですね。

    主成分分析の目的(情報を最大化する方向を探すこと)に意識して、主成分分析を理解しましょう。

    重回帰分析と主成分分析は全く別物ですが、
    何がどう違うか?をわかりやすく解説できるよう挑戦してください。

    【まとめ】主成分分析を究める
    主成分分析は解けますか?主成分分析は何をやる手法か説明できますか? 本記事では、主成分分析を究めれられるポイントをわかりやすく解説しています。関連記事を読み進めると主成分分析はマスターできます。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (3)判別分析

    主成分分析より、理解しやすいのが判別分析ですね。
    何と何を区別して判別するか?なので、理解しやすいですね。

    なので、
    区別、判別をはっきりさせるに
    両者をなるべく引き離して分離させる手法

    を意識して判別分析の導出過程を理解しましょう。

    変動比が最大になる条件を求めるのは、群間成分と群内成分を引き離すと分離しやすい!というイメージでとらえましょう。

    【まとめ】判別分析がわかる
    判別分析ができますか? 本記事では、判別分析に使う、線形判別関数、マハラノビス距離の導出・使い方、特性などを分かりやすく解説しています。豊富な関連記事を紹介! 多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (4)因子分析

    最もわかりにくいのが、因子分析ですね。
    主成分分析と比較されますが、
    正直、主成分分析と因子分析は比較対象ではなく、全くの別物ですよ。

    因子分析は、簡単にいうと、
    ●データを構成する元(共通因子)を見つけるもの
    ●共通因子の値から意味を考えるが、意味づけは人それぞれになる。
    ●しかし、共通因子を見つける方程式に自由度が余るため、最適値を外す場合がよくある

    です。

    因子分析は解析が難しいし、結果を読み取るもの人それぞれなので、よく注意して解析してください。

    【まとめ】因子分析がわかる
    因子分析は自分で解けますか? 本記事では因子分析が自力で解けるためのエッセンスをまとめた記事です。ツール任せでなく、何を解いているかがわかるためにまとめました。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (5)コレスポンデンス分析

    クロス集計表の項目がバラバラな場合、ある規則に沿って並び替えるのに使う方法です。並び替えは人力でやってもよいですが、その意味合いを数学で評価できるのがコレスポンデンス分析です。

    クロス集計表の項目を数値化して、その相関係数の最大化となる組み合わせを求めるものです。

    重回帰分析、主成分分析、因子分析などと全く別物の分析手法ですね。

    コレスポンデンス分析ができる
    コレスポンデンス分析ができますか?本記事では数量化3類と数量化4類をベースにコレスポンデンス分析をわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (6)クラスター分析

    群分けを群間の距離で分離する原始的な方法で、直観的にわかりやすい分析方法です。クラスター分析を最初に勉強した方がいいでしょう。

    ただし、分離方法の精度をよくするために、3つの手法
    ●最短距離法
    ●最長距離法
    ●群平均法

    があります。

    最短距離法は簡単ですが、最長距離法・群平均法が分かりにくいです。なので、3者の解き方を比較しながら解法を解説しています。必見な関連記事です。

    【重要】クラスター分析できる
    クラスター分析はできますか?本記事は、最短距離法、最長距離法、群平均法の違いを理解しながらクラスター分析をわかりやすく解説しています。この記事でクラスター分析はマスターできます! 多変量解析を学ぶ人は必読です。

    (7)数量化分析

    学生時代から思っていたのは、

    データの質的・量的の違いだけで
    手法名が変わるのはおかしい。
    解法や数式が全く異なるなら
    手法名が異なっていてもいいけど。

    しっかり研究すると
    ●数量化Ⅰ類=重回帰分析
    ●数量化Ⅱ類=判別分析
    ●数量化Ⅲ、Ⅳ類=コレスポンデンス分析
    でいいわけです。

    わざわざ手法名を「数量化○○」と分類する意味がよくわかりませんが、皆知っているほどの知名度になっています。だから、かえって理解しにくいんですよね。

    なので、多変量解析は
    データの質的、量的ではなく
    解法の目的で分類すべき

    一応、数量化Ⅰ類からⅣ類まで関連記事で解説していますが、一番伝えたいのは、
    ●数量化Ⅰ類=重回帰分析
    ●数量化Ⅱ類=判別分析
    ●数量化Ⅲ、Ⅳ類=コレスポンデンス分析
    でよいことです。

    なるべく少ない解法や暗記量で多変量解析を究めたいので!

    数量化1類の分析ができる
    数量化1類の分析ができますか?本記事では、数量化1類は重回帰分析であることを示したうえで、数量化1類の解析方法をわかりやすく解説しています。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    数量化2類ができる(その1)
    数量化2類が分析できますか?数量化2類は判別分析と同じです。本記事は線形判別関数を使った数量化2類の解析をわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    数量化2類ができる(その2)
    数量化2類が分析できますか?数量化2類は判別分析と同じです。本記事はマハラビノス距離を計算し、線形判別関数とマハラビノス距離使った数量化2類の解析の比較をわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    数量化3類の分析ができる
    数量化3類が説明できますか?分析できますか? 本記事では、数量化3類の本質や解法をデータ事例を使いながらわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    数量化4類の分析ができる
    数量化4類の分析ができますか? 本記事では主成分分析、数量化3類の解法をベースに数量化4類の解法をわかりやすく解説します。ツールに頼らず、手計算でできる内容でまとめていますので、早く理解できます。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    全関連記事リンク

    多変量解析関連記事は40記事あります。上のリンクは代表記事ですが、全記事のリンクを紹介します。

    全部書き上げて、わかったことは、再掲しますが、

    多変量解析の目的は唯一!
    「データから必要な情報を最大限抽出すること!」
    多変量解析は
    必要な情報を最大限抽出する手法
    不要な誤差を最小化する手法
    がある。

    これを意識して40記事作りました。解法はたくさんありますが、一番上に立つ考え方である、
    データから必要な情報を最大限抽出することを意識しましょう。多変量解析が早くマスターできます!








































    まとめ

    「【まとめ】多変量解析を究める!」を解説しました。

    • ①多変量解析の目的は1つ
    • ➁多変量解析を分類
    • ➂各手法の解説(関連記事のご紹介)

  • 数量化2類ができる(その2)

    数量化2類ができる(その2)

    「数量化2類がわからない」などと困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    数量化2類ができる(その2)

    おさえておきたいポイント

    • ①数量化2類は判別分析である(その1)
    • ➁データ事例(その1)
    • ➂線形判別関数で数量化2類(判別分析) (その1)
    • マハラビノス距離で数量化2類(判別分析)(その2)
    • 線形判別関数とマハラビノス距離の分析結果を比較(その2)
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    数量化2類は判別分析です!
    ならば、判別分析でいいじゃん!
    本当にそうです
    説明変数が質的か量的か
    くらいで、手法名変えるな!
    判別分析や数量化Ⅱ類とかあると
    かえって混乱する!

    ただの判別分析ですよ。

    ①➁➂数量化Ⅱ類を線形判別関数で分析する

    数量化Ⅱ類は2つの記事でまとめています。
    前編に、「数量化2類ができる(その1)」で解説しています。
    先に確認ください。

    数量化2類ができる(その1)
    数量化2類が分析できますか?数量化2類は判別分析と同じです。本記事は線形判別関数を使った数量化2類の解析をわかりやすく解説します。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    ➃マハラビノス距離で数量化2類(判別分析)

    データ事例

    関連記事と同じデータを用意します。

    No \(x_1\) \(x_2\) 平均\(\bar{x_1}\) 平均\(\bar{x_2}\)
    1 1 1 1 1.333 1.333
    2 2 1
    3 1 2
    2 4 2 1 1.5 1.25
    5 1 1
    6 2 1
    7 1 2
    合計 10 9 全平均 1.429 1.286

    グラフは下図のとおりです。

    数量化2類

    マハラビノス距離の求め方(復習)

    マハラビノス距離については関連記事で導出方法や具体的な算出事例を紹介しています。ご確認ください。

    マハラビノス距離が導出できる
    マハラビノス距離が導出できますか? 本記事では、マハラビノス距離を主成分分析から導出し、距離の式をわかりやすくを解説します。公式暗記せず、導出過程をきちんと理解しましょう。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    マハラビノス距離が計算できる
    マハラノビス距離は計算できますか?本記事では、データ事例をもとに、マハラノビス距離を計算し、ユークリッド距離との比較やマハラノビス距離の楕円分布がわかるように丁寧に解説しています。多変量解析を学ぶ人は必読です。

    マハラビノス距離を計算

    マハラビノス距離(2次元)の場合、関連記事から
    \(D_M^2\)=\((x_1 -\bar{x_1}, x_2 -\bar{x_2})\)\(\left(\begin{array}{cccc}
    S_{11} & S_{12} \\
    S_{21} & S_{22}
    \end{array}
    \right)^{-1}
    \)\(\left(
    \begin{array}{c}
    x_1 -\bar{x_1}\\
    x_2 -\bar{x_2}
    \end{array}
    \right)
    \)

    と書けます。

    実際は
    ●\(S_{11}\)⇒\(σ_x^2\)
    ●\(S_{22}\)⇒\(σ_y^2\)
    ●\(S_{12}\)⇒\(σ_{xy}^2\)
    から計算します。

    必要な数値をデータ表から計算すると、下表にまとめられます。

    1群 2群
    \(σ_x^2\) 0.333 0.333
    \(σ_y^2\) 0.333 0.25
    \(σ_{xy}^2\) -0.167 -0.167
    \(\bar{x}\) 1.333 1.5
    \(\bar{y}\) 1.333 1.25
    a 4 4.5
    b 4 6
    c 4 6

    ここで、マハラビノス距離を展開すると楕円の方程式になるので、
    \(a(x-\bar{x})^2+b(x-\bar{x})(y-\bar{y})+c(y-\bar{y})^2\)=\(D\)
    の係数\(a,b,c\)を上表に載せています。計算して確認ください。
    なお(右辺)の\(D\)は距離です。

    マハラビノス距離から分析

    マハラビノス距離を計算すると、
    ●1群: \(4(x-1.333)^2\)+\(4(x-1.333)(y-1.333)\)+\(4(y-1.333)^2\)=\(D\)
    ●2群: \(4.5(x-1.5)^2\)+\(6(x-1.5)(y-1.25)\)+\(6(y-1.25)^2\)=\(D\)
    となります。

    グラフ表示

    楕円を図示します。

    数量化Ⅱ類

    1群、2群の違いがあるのかが、ちょっとわかりにくいですね。

    ➄線形判別関数とマハラビノス距離の分析結果を比較

    関連記事で求めた線形判別関数とマハラビノス距離の結果を1つのグラフに表示します。

    数量化Ⅱ類

    どうでしょうか?
    線形判別関数で作った直線の方がデータを2つにわけることがはっきりわかりますね。

    このようにして、数量化Ⅱ類を分析しますが、

    数量化2類は判別分析です!
    説明変数が質的か量的かが、違うだけで
    本質は同じです。

    まとめ

    「数量化2類ができる(その2)」を解説しました。

    • ①数量化2類は判別分析である(その1)
    • ➁データ事例(その1)
    • ➂線形判別関数で数量化2類(判別分析) (その1)
    • マハラビノス距離で数量化2類(判別分析)(その2)
    • 線形判別関数とマハラビノス距離の分析結果を比較(その2)

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