カテゴリー:

  • 【必読】二元配置実験(繰返し無し)が解ける【QC検定®2級対策】

    【必読】二元配置実験(繰返し無し)が解ける【QC検定®2級対策】

    「QC検定®2級で出題される二元配置実験(繰返し無し)のどこを学べばOKなの?」、「対策本や問題集が多く、ページ数が長いから時間もないし、難しいからわからない」など、二元配置実験(繰返し無し)の学習がうまくできず、試験に合格できるかどうか悩んでいませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    本記事だけ読めば合格できる二元配置実験(繰返し無し)の解き方

    【これだけで試験に十分】二元配置実験(繰返し無し)の解法

    • ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
    • ②2乗表を作る
    • ③平方和を計算する
    • ④分散分析表を作る
    • ⑤F検定する
    • ⑥推定を算出

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法を全く知らない状態から3ヶ月にQC検定®2級を合格し、さらに、QC検定®1級合格して、さらに実験計画法に磨きをかけています。

    本記事だけ読めば合格できます。
    なお、QC検定®2級合格対策本や参考書は1冊までにしてください。
    たくさん本を持っている人ほど、合格しません。
    合格する方法が重要で、対策本や参考書にはその方法が書いていません。
    品質管理・統計の初心者にとって分厚い本はキツイです。

    【QC検定® 2級合格対策講座】で必勝!

    QC検定® 2級合格対策講座を販売します。合格だけでなく、各単元の本質も理解でき、QC検定® 1級合格も狙える59題をぜひ活用ください。

    必勝メモ

    必勝メモ2
    [asp_product id=”21279″]

    必勝ドリル

    必勝ドリル
    [asp_product id=”21282″]

    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない

    1. 一元配置実験(繰返し数同じ)
    2. 一元配置実験(繰返し数異なる)
    3. 二元配置実験(繰返し無し)
    4. 二元配置実験(繰返し有り)

    の4種類だけです。
    何が違いのか? 識別できますか?
    それは、「データ表が違う」だけでOKです。

    慣れるとデータの構造式が違うと言えるようになりますが、
    QC検定®2級合格には、データ表を見て、どのパターンかがすぐ判断できたらOKです。

    本記事は、3つ目の二元配置実験(繰返し無し)の必勝パターンを解説します。

    必勝方法

    本記事だけに集中して、いつでも解けるように何度も練習してください。
    合格できない人は、本記事のどこかが消化不良のまま受験しているはずです。

    ②2乗表を作る

    データを用意

    データ表 B1 B2 B3
    A1 13 9 14 36
    A2 8 19 21 48
    A3 21 20 25 66
    A4 22 32 36 90
    64 80 96 240

    データの構造式(見るだけ)

    データの構造式こそ、実験計画法の本質ですが、最初は無視しましょう。
    xij=μ+αijij
    まずは分散分析表攻略を優先して、推定区間の式を習得しましょう。

    2乗表を作る

    データ表を2乗します。

    2乗表 B1 B2 B3
    A1 169 81 196 446
    A2 64 361 441 866
    A3 441 400 625 1466
    A4 484 1024 1296 2804
    1158 1866 2558 5582

    試験では、合計が問題文に与えられていますが、必ず、2乗表がすぐに作れるように練習してください。

    ③平方和を計算する

    公式は確実に覚えて使いこなせるように何度も練習しましょう。

    「数学苦手だから」、「年だから」は関係ありません。能力、年齢ではなく、復習不足なだけです。

    ●ST=\(\sum_{i}x_i^2-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =5582-\(\frac{240^2}{12}\)=782

    ●SA=\(\frac{\sum_{i}x_A^2}{n_A}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =\(\frac{36^2}{3}\)+\(\frac{48^2}{3}\)+\(\frac{66^2}{3}\)+\(\frac{90^2}{3}\)-\(\frac{240^2}{12}\)=552

    ●SB=\(\frac{\sum_{i}x_B^2}{n_B}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =\(\frac{64^2}{4}\)+\(\frac{80^2}{4}\)+\(\frac{96^2}{4}\)-\(\frac{240^2}{12}\)=128

    ●Se= ST– SA– SB
    =782-552-128=102

    この計算を確実に何度も練習しましょう。

    ④分散分析表を作る

    分散分析表を作ります。

    自由度や平均平方(不偏分散ということもあります)V,F値の計算は大丈夫か確認しましょう。

    S φ V(=S/φ) F(=V/Ve) F0
    A 552 3 184 9.02 5.41
    B 128 2 64 3.14 5.79
    e 102 5 20.4
    T 782 11

    ⑤F検定する

    分散分析表から確認します。
    F(φAe,α)=F(3,5,0.05)=5.41<9.02より有意である。
    F(φBe,α)=F(2,5,0.05)=5.79>3.14より有意ではない。
    因子Aだけ有意であるとわかりました。

    F値の比較は、意味を知らなくてもOKで、
    有意かどうか区別つけば、まずはOK。
    有意有無は、その因子に効果があるかどうかです。
    有意でなければ誤差の影響が強いという意味です。

    この後、試験でよくプーリングして、再度分散分析する問題も頻出です。

    ⑥推定を算出

    点推定

    A1=(13+9+14)/3=12
    A2=16
    A3=22
    A4=30

    B1=(13+8+21+22)/4=16
    B2=20
    B3=24

    信頼区間

    QC検定®では電卓を使います。分数と平方根を速く計算できるように練習しましょう。

    A1=12±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =12±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{3}}\)
    A2=16±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =16±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{3}}\)
    A3=22±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =22±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{3}}\)
    A4=30±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =30±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{3}}\)

    B1=16±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =16±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{4}}\)
    B2=20±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =20±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{4}}\)
    B3=24±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =24±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{4}}\)

    最適な組合せの点推定と信頼区間

    工程平均の式の導出は、関連記事に解説していますが、QC検定®2級受験の場合は、公式暗記で済ませましょう。

    最適な組合せは、最も値が大きい場合が多いです。A4B3ですね。

    μ(A4B3)=\(\bar{A_4}+\bar{B_3}-\bar{T}\)
    =90/3+96/4-240/12=30+24-20=26
    μ(A4B3)の信頼区間は
    μ±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\)
    =26±t(5,0.05) \(\sqrt{\frac{20.4}{2}}\)

    信頼区間=t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\)
    ここで、neが伊奈の式や田口の式が出てきます。

    ne
    田口の式
    =\(\frac{abc}{1+φ_A+φ_B}\)=\(\frac{12}{1+3+2}\)=2
    伊奈の式
    =\(\frac{1}{\frac{1}{3}+\frac{1}{4}-\frac{1}{12}}\)=2

    となります。一連の流れを何度も読んで、マスターしましょう。
    試験時間を考慮すると、ここまでで7,8分程度で来れるように何度も練習しましょう。

    まとめ

    QC検定®2級で、二元配置実験(繰返し無し)で必ず出題される内容を解説しました。
    10問を1回ずつ解くのではなく、1問を10回解いて解法を覚えてしまいましょう。
    試験本番に緊張した状態でも解けるよう何度も練習しましょう。

    • ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
    • ②2乗表を作る
    • ③平方和を計算する
    • ④分散分析表を作る
    • ⑤F検定する
    • ⑥推定を算出

  • 【必読】二元配置実験(繰返し有り)が解ける【QC検定®2級対策】

    【必読】二元配置実験(繰返し有り)が解ける【QC検定®2級対策】

    「QC検定®2級で出題される二元配置実験(繰返し有り)のどこを学べばOKなの?」、「対策本や問題集が多く、ページ数が長いから時間もないし、難しいからわからない」など、二元配置実験(繰返し有り)の学習がうまくできず、試験に合格できるかどうか悩んでいませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    本記事だけ読めば合格できる二元配置実験(繰返し有り)の解き方

    【これだけで試験に十分】二元配置実験(繰返し有り)の解法

    • ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
    • ②2乗表を作る
    • ③平方和を計算する
    • ④分散分析表を作る
    • ⑤F検定する
    • ⑥推定を算出

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法を全く知らない状態から3ヶ月にQC検定®2級を合格し、さらに、QC検定®1級合格して、さらに実験計画法に磨きをかけています。

    本記事だけ読めば合格できます。
    なお、QC検定®2級合格対策本や参考書は1冊までにしてください。
    たくさん本を持っている人ほど、合格しません。
    合格する方法が重要で、対策本や参考書にはその方法が書いていません。
    品質管理・統計の初心者にとって分厚い本はキツイです。

    【QC検定® 2級合格対策講座】で必勝!

    QC検定® 2級合格対策講座を販売します。合格だけでなく、各単元の本質も理解でき、QC検定® 1級合格も狙える59題をぜひ活用ください。

    必勝メモ

    必勝メモ2
    [asp_product id=”21279″]

    必勝ドリル

    必勝ドリル
    [asp_product id=”21282″]

    [themoneytizer id=”105233-2″]
    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない

    1. 一元配置実験(繰返し数同じ)
    2. 一元配置実験(繰返し数異なる)
    3. 二元配置実験(繰返し無し)
    4. 二元配置実験(繰返し有り)

    の4種類だけです。
    何が違いのか? 識別できますか?
    それは、「データ表が違う」だけでOKです。

    慣れるとデータの構造式が違うと言えるようになりますが、
    QC検定®2級合格には、データ表を見て、どのパターンかがすぐ判断できたらOKです。

    本記事は、4つ目の二元配置実験(繰返し有り)の必勝パターンを解説します。

    必勝方法

    本記事だけに集中して、いつでも解けるように何度も練習してください。
    合格できない人は、本記事のどこかが消化不良のまま受験しているはずです。

    ②2乗表を作る

    データを用意

    データ表
    B1 B2 B3
    A1 4 5 14 36
    -4 7 10
    A2 7 10 16 54
    1 10 10
    A3 15 13 15 72
    5 17 7
    A4 18 10 11 78
    10 16 13
    56 88 96 240

    また、SABを算出するために、AiBjの合計した表も作ります。

    繰返しの和 B1 B2 B3
    A1 0 12 24 36
    A2 8 20 26 54
    A3 20 30 22 72
    A4 28 26 24 78
    56 88 96 240

    データの構造式(見るだけ)

    データの構造式こそ、実験計画法の本質ですが、最初は無視しましょう。
    xijk=μ+αij+αβijijk
    まずは分散分析表攻略を優先して、推定区間の式を習得しましょう。

    2乗表を作る

    データ表と、繰返し分の和の表もどちらも2乗します。

    2乗和
    B1 B2 B3
    A1 16 25 196 402
    16 49 100
    A2 49 100 256 606
    1 100 100
    A3 225 169 225 982
    25 289 49
    A4 324 100 121 1070
    100 256 169
    756 1088 1216 3060

    繰返しの和も2乗和します。

    繰返しの和 B1 B2 B3
    A1 0 144 576 720
    A2 64 400 676 1140
    A3 400 900 484 1784
    A4 784 676 576 2036
    1248 2120 2312 5680

    試験では、合計が問題文に与えられていますが、必ず、2種類のデータ表と2種類の2乗和表がすぐに作れるように練習してください。

    ③平方和を計算する

    公式は確実に覚えて使いこなせるように何度も練習しましょう。

    「数学苦手だから」、「年だから」は関係ありません。能力、年齢ではなく、復習不足なだけです。

    ●ST=\(\sum_{i}x_i^2-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =3060-\(\frac{240^2}{24}\)=660

    ●SA=\(\frac{\sum_{i}x_A^2}{n_A}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =\(\frac{36^2}{6}\)+\(\frac{54^2}{6}\)+\(\frac{72^2}{6}\)+\(\frac{78^2}{6}\)-\(\frac{240^2}{24}\)=180

    ●SB=\(\frac{\sum_{i}x_B^2}{n_B}-\frac{(\sum_{i}x_i^2)}{n}\)
    =\(\frac{56^2}{8}\)+\(\frac{88^2}{8}\)+\(\frac{96^2}{8}\)-\(\frac{240^2}{24}\)=112

    ●SAB=\(\frac{5680}{2}-\frac{240^2}{24}\)=440

    ●SA×B= SAB– SA– SB
    =440-180-112=148

    ●Se= ST– SA– SB– SA×B
    =660-180-112-148=220

    この計算を確実に何度も練習しましょう。

    ④分散分析表を作る

    分散分析表を作ります。

    自由度や平均平方(不偏分散ということもあります)V,F値の計算は大丈夫か確認しましょう。

    S φ V=S/φ F=V/Ve F0
    A 180 3 60 3.27 3.49
    B 112 2 56 3.05 3.89
    A×B 148 6 24.67 1.35 3.00
    e 220 12 18.33
    T 660 23

    ⑤F検定する

    分散分析表から確認します。
    F(φAe,α)=F(3,12,0.05)=3.49>3.27より有意ではない。
    F(φBe,α)=F(2,12,0.05)=3.89>3.05より有意ではない。
    F(φA×Be,α)=F(6,12,0.05)=3.00>1.35より有意ではない。

    F値の比較は、意味を知らなくてもOKで、
    有意かどうか区別つけば、まずはOK。
    有意有無は、その因子に効果があるかどうかです。
    有意でなければ誤差の影響が強いという意味です。

    この後、試験でよくプーリングして、再度分散分析する問題も頻出です。

    ⑥推定を算出

    点推定

    A1=(4+5+14-4+7+10)/6=6
    A2=9
    A3=12
    A4=13

    B1=(4-4+7+1+15+5+18+10)/8=7
    B2=11
    B3=12

    信頼区間

    QC検定®では電卓を使います。分数と平方根を速く計算できるように練習しましょう。

    A1=6±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =6±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
    A2=9±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =9±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
    A3=12±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =12±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)
    A4=13±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_A}}\)
    =13±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{6}}\)

    B1=7±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =7±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)
    B2=11±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =11±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)
    B3=12±t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_B}}\)
    =12±t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{8}}\)

    最適な組合せの点推定と信頼区間

    工程平均の式で、交互作用を無視しない場合とします。
    無視する場合は、関連記事(【必読】二元配置実験(繰返し無し)が解ける【QC検定®2級対策】)を見てください。

    工程平均の式の導出は、関連記事に解説していますが、QC検定®2級受験の場合は、公式暗記で済ませましょう。

    最適な組合せは、最も値が大きい場合が多いです。A3B2ですね。

    点推定=(13+17)/2=15
    信頼区間=t(φe,α) \(\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\)
    ここで、neが伊奈の式や田口の式が出てきます。

    ne=\(\frac{abc}{1+φ_A+φ_B+φ_{A×B}}\)=\(\frac{24}{1+3+2+6}\)=2
    信頼区間=t(12,0.05) \(\sqrt{\frac{18.33}{2}}\)

    となります。一連の流れを何度も読んで、マスターしましょう。
    試験時間を考慮すると、ここまでで7,8分程度で来れるように何度も練習しましょう。

    まとめ

    QC検定®2級で、二元配置実験(繰返し有り)で必ず出題される内容を解説しました。
    10問を1回ずつ解くのではなく、1問を10回解いて解法を覚えてしまいましょう。
    試験本番に緊張した状態でも解けるよう何度も練習しましょう。

    • ➀QC検定®2級の実験計画法は4種類しかない
    • ②2乗表を作る
    • ③平方和を計算する
    • ④分散分析表を作る
    • ⑤F検定する
    • ⑥推定を算出

  • 二元配置実験(交互作用有り)の平方和の分解ができる【初心者必見】

    「平方和がなぜ分解できるのかがわからない、解けない」、「主効果、交互作用、残差の各値が計算できない」、「主効果、交互作用、残差の和が0になる理由がわからない」、など、実験計画法や分散分析に不慣れで困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    二元配置実験(交互作用有り)の平方和の分解ができる【初心者必見】

    二元配置実験(交互作用有り)の平方和の分解

    • ①二元配置実験(交互作用有り)のデータの分解方法がわかる
    • ②二元配置実験(交互作用有り)の主効果、残差の平方和がデータの分解から計算できる
    • ③二元配置実験(交互作用有り)の主効果、交互作用、残差の和が0である理由がわかる

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、QC検定®1級合格した後、さらに実験計画法に磨きをかけています。とはいえ、QC検定®1級合格前の1.5年前までは、実験計画法すら知りませんでした。実験計画法を初めて勉強して3ヶ月後にQC検定®2級を合格しました。実験計画法はまったく理解できていませんでしたが、計算方法だけ暗記して点数を稼ぐレベルでした。

    本記事は、実験計画法を学び始めるときに、なぜ?と不思議に思う内容をわかりやすく解説します。すぐ読めます!

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]
    ●商標使用について、
    ①QC検定®と品質管理検定®は、一般財団法人日本規格協会の登録商標です。
    ➁このコンテンツは、一般財団法人日本規格協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。
    ➂QCプラネッツは、QC検定®と品質管理検定®の商標使用許可を受けています。

    ①二元配置実験(交互作用有り)のデータの分解方法がわかる

    データの構造式

    二因子の完全配置実験のデータの構造式からスタートします。
    実験計画法は慣れないうちは、分散分析ができることを最優先するので、
    データの構造式は見なくてもOKです。
    しかし、データの構造式さえあれば全部計算できるので、機械的に書きましょう。

    二元配置実験(交互作用有り)のデータの構造式

    xijk=μ+αij+(αβ)ij+eijk

    二元配置実験をデータ分解する

    因子と水準の違いは説明できますか?
    関連記事に解説していますが、

    一言でいうと次の通りです。

    【簡単】因子と水準の違い

    因子は変数の種類
    水準はレベル(英語にするとわかりやすい)

    二元配置実験(交互作用有り)のデータを用意します。

    xijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 11 4 19 19
    5 14 7 1
    A2 3 21 15 31
    13 9 23 21
    A3 24 15 46 54
    10 33 34 48

    データの分解方法

    1. 全体の平均μを求める
    2. 主効果\(α_i\)、\(β_j\)の各値を求める
    3. 交互作用\((αβ)_{ij}\)の各値を求める
    4. 残差\(e_{ijk}\)は残りの値

    計算して、表を作ってみた方がわかりやすいです。

    (i)全体の平均μを求める。
    μ=合計/個数=480/24=20

    xijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 11 4 19 19
    5 14 7 1
    A2 3 21 15 31
    13 9 23 21
    A3 24 15 46 54
    10 33 34 48

    (ii)主効果\(α_i\)の各値(i=1,2,3)を求める
    \(α_1\)=(水準1の平均)―μ=\(\frac{11+4+19+19+5+14+7+1}{8}\)-20=-10
    \(α_2\)=(水準2の平均)―μ=\(\frac{3+21+15+31+13+9+23+21}{8}\)-20=-3
    \(α_3\)=(水準3の平均)―μ=\(\frac{24+15+46+54+10+33+34+48}{8}\)-20=13

    αi
    B1 B2 B3 B4
    A1 -10
    A2 -3
    A3 13

    (ii)主効果\(β_j\)の各値(j=1,2,3,4)を求める
    \(β_1\)=(水準1の平均)―μ=\(\frac{11+5+3+13+24+10}{6}\)-20=-9
    \(α_2\)=(水準2の平均)―μ=\(\frac{4+14+21+9+15+33}{6}\)-20=-4
    \(α_3\)=(水準3の平均)―μ=\(\frac{19+7+15+23+46+34}{6}\)-20=4
    \(α_4\)=(水準4の平均)―μ=\(\frac{19+1+31+21+54+48}{6}\)-20=9

    βj
    B1 B2 B3 B4
    A1 -9 -4 4 9
    A2
    A3

    (iii)交互作用\((αβ)_{ij}\)の各値を求める

    \((αβ)_{11}\)~\((αβ)_{34}\)の全12種類を計算します。
    \(αβ_{11}\)=(AB11の平均)―μ―α1―β1=\(\frac{11+5}{2}\)-20-(-10)-(-9)=7
    \(αβ_{12}\)=(AB12の平均)―μ―α1―β2=\(\frac{4+14}{2}\)-20-(-10)-(-4)=3

    \(αβ_{14}\)=(AB14の平均)―μ―α1―β4=\(\frac{19+1}{2}\)-20-(-10)-9=-9

    \(αβ_{34}\)=(AB34の平均)―μ―α3―β4=\(\frac{54+48}{2}\)-20-13-9=9
    ちょっとややこしい計算ですが、
    SA×B=SAB– SA– SB
    と連想すれば計算式が理解しやすいですね。

    (αβ)ij
    B1 B2 B3 B4
    A1 7 3 -1 -9
    A2 0 2 -2 0
    A3 -7 -5 3 9

    (iv) 残差\(e_{ijk}\)は残りの値

    \(ε_{ijk}\)=\(x_{ijk}\)-μ-\(α_i\)-\(β_j\)-\((αβ)_{ij}\)
    例えばi=2,j=3,k=2としましょう。
    \(ε_{232}\)=\(x_{232}\)-μ-\(α_2\)-\(β_3\)-\((αβ)_{23}\)
    =23-20-(-3)-4-(-2)=4
    これをすべてのijkについて計算します。

    εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 3 -5 6 9
    -3 5 -6 -9
    A2 -5 6 -4 5
    5 -6 4 -5
    A3 7 -9 6 3
    -7 9 -6 -3

    まとめると次のようにデータが分解できます。

    データの分解のまとめ

    xijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 11 4 19 19
    5 14 7 1
    A2 3 21 15 31
    13 9 23 21
    A3 24 15 46 54
    10 33 34 48

    =

    μ
    B1 B2 B3 B4
    A1 20
    A2
    A3

    +

    αi
    B1 B2 B3 B4
    A1 -10
    A2 -3
    A3 13

    +

    βj
    B1 B2 B3 B4
    A1 -9 -4 4 9
    A2
    A3

    +

    (αβ)ij
    B1 B2 B3 B4
    A1 7 3 -1 -9
    A2 0 2 -2 0
    A3 -7 -5 3 9

    +

    εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 3 -5 6 9
    -3 5 -6 -9
    A2 -5 6 -4 5
    5 -6 4 -5
    A3 7 -9 6 3
    -7 9 -6 -3

    ②二元配置実験(交互作用有り)の主効果、残差の平方和がデータの分解から計算できる

    データの構造式
    xijk=μ+ αij+(αβ)ij+eijk
    の、各i,j,kに対する値について、表を使って計算しました。

    次に平方和を導出しましょう。

    平方和の分解を導出

    データの構造式
    xijk=μ+ αij+(αβ)ij+eijk

    xijk-μ=αij+(αβ)ij+eijk
    と変形し、両辺を2乗したものにΣiΣjΣkをつけます。

    \(\sum_{i=1}^{a}(αβ)_{ij}\)=0, \(\sum_{j=1}^{b}(αβ)_{ij}\)=0

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}( x_{ijk}-μ)^2\)
    =\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(α_i+β_j+(αβ)_{ij}+e_{ijk})^2\)

    右辺は、
    (右辺)= \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)\((α_i^2+β_j^2+(αβ)_{ij}^2+e_{ijk}^2)\)
    +2\((α_i β_j+α_i (αβ)_{ij}+α_i e_{ijk}+β_j (αβ)_{ij} +β_j e_{ijk} +(αβ)_{ij} e_{ijk})\)

    ここで、(右辺の) 2乗項以外の中間項の和はすべて0になるため、
    (右辺)= \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)\((α_i^2+β_j^2+(αβ)_{ij}^2+e_{ijk}^2)\)
    となります。中間項の和が0になることを後で1つずつ数値をいれて計算して確かめましょう。

    まとめると、
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}( x_{ijk}-μ)^2\)
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)\((α_i^2+β_j^2+(αβ)_{ij}^2+e_{ijk}^2)\)
    これが、
    ST= SA+ SB+ SA×B+ Se
    となり、平方和の分解ができるのです。

    2乗項以外の中間項の和はすべて0になる性質があるため、
    平方和は分解できるのです。
    でも、慣れないうちは難解なので、
    次の表を使って平方和の分解ができることを理解しましょう。

    データの分解した表から平方和の分解を導出

    データの構造式
    xijk=μ+ αij+(αβ)ijeijk
    の、各i,jに対する値について、表を使って計算しました。

    すべての値を2乗しましょう。

    xijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 121 16 361 361
    25 196 49 1
    A2 9 441 225 961
    169 81 529 441
    A3 576 225 2116 2916
    100 1089 1156 2304
    14468

    μ
    B1 B2 B3 B4
    A1 400 400 400 400
    400 400 400 400
    A2 400 400 400 400
    400 400 400 400
    A3 400 400 400 400
    400 400 400 400
    9600

    αi
    B1 B2 B3 B4
    A1 100 100 100 100
    100 100 100 100
    A2 9 9 9 9
    9 9 9 9
    A3 169 169 169 169
    169 169 169 169
    2224

    βj
    B1 B2 B3 B4
    A1 81 16 16 81
    81 16 16 81
    A2 81 16 16 81
    81 16 16 81
    A3 81 16 16 81
    81 16 16 81
    1164

    (αβ)ij
    B1 B2 B3 B4
    A1 49 9 1 81
    49 9 1 81
    A2 0 4 4 0
    0 4 4 0
    A3 49 25 9 81
    49 25 9 81
    624

    εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 9 25 36 81
    9 25 36 81
    A2 25 36 16 25
    25 36 16 25
    A3 49 81 36 9
    49 81 36 9
    856

    表の和をまとめると、
    14468=9600+2224+1164+624+856
    と一致します。あら、不思議!

    実際、合計,因子A,残差eに対する平方和Sは、
    ST14468-9600=4868
    SA=2224
    SB=1164
    SA×B=624
    Se=856
    となります。

    表から中間項の和が0になることを確認

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}α_i β_j\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}α_i (αβ)_{ij}\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}α_i e_{ijk}\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}β_j (αβ)_{ij}\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}β_j e_{ijk} \)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(αβ)_{ij} e_{ijk}\)=0
    となります。式変形で証明しても良いですが、慣れないうちは、具体的に計算して確認しましょう。

    6つ紹介するとくどいので、1つだけ代表例をみましょう。
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(αβ)_{ij} e_{ijk}\)=0
    をやってみましょう。

    (αβ)ij
    B1 B2 B3 B4
    A1 7 3 -1 -9
    A2 0 2 -2 0
    A3 -7 -5 3 9

    ×

    εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 3 -5 6 9
    -3 5 -6 -9
    A2 -5 6 -4 5
    5 -6 4 -5
    A3 7 -9 6 3
    -7 9 -6 -3

    =

    (αβ)ij×εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 21 -15 -6 -81 0
    -21 15 6 81
    A2 0 12 8 0 0
    0 -12 -8 0
    A3 -49 45 18 27 0
    49 -45 -18 -27
    0 0 0 0 0

    黄色枠のとおり、合計は0になります。

    ③二元配置実験(交互作用有り)の主効果、交互作用、残差の和が0である理由がわかる

    数式から理由を理解する

    【簡単】主効果、交互作用、残差の和が0である理由

    データxijkの合計と、平均μの総和は同じだから。
    その他の主効果、交互作用、残差の和は0になるのは当然!

    データの構造式
    xijk=μ+ αij+(αβ)ij+ eijk
    から、両辺に和をとります。

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}x_{ijk}\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}μ\)=abcμ
    より、
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)αij+(αβ)ij+ eijk
    =0
    で、α,β、εは独立した関係なので、
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)αi=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)βj=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)(αβ)ij=0
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\) eijk=0

    となります。

    データの分解した表から理由を理解する

    表でも確認しましょう。

    主効果αi

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)αi=0
    を確認します。

    αi
    B1 B2 B3 B4
    A1 -10 0
    A2 -3
    A3 13

    主効果βj

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)βj=0

    を確認します。

    βj
    B1 B2 B3 B4
    A1 -9 -4 4 9 0
    A2
    A3

    交互作用αβij

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)αi=0
    を確認します。さらにいうと、
    \(\sum_{i=1}^{a}\)(αβ)ij=0
    \(\sum_{j=1}^{b}\)(αβ)ij=0
    が成り立つことを確認します。

    (αβ)ij
    B1 B2 B3 B4
    A1 7 3 -1 -9 0
    A2 0 2 -2 0 0
    A3 -7 -5 3 9 0
    0 0 0 0 0

    残差eij

    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)eijk=0
    を確認します。さらにいうと、
    \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{k=1}^{c}\)eijk=0
    \(\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)eijk=0
    が成り立つことを確認します。

    εijk
    B1 B2 B3 B4
    A1 3 -5 6 9 0
    -3 5 -6 -9
    A2 -5 6 -4 5 0
    5 -6 4 -5
    A3 7 -9 6 3 0
    -7 9 -6 -3
    0 0 0 0 0

    公式暗記の前に、具体的な数字を使った計算結果を見て、慣れていきましょう。

    問:
    次のデータから成る三元配置実験において、データの分解と平方和の分解をせよ。

    C1 C2 C3 C4
    A1 B1 10 11 15 18
    12 14 16 19
    B2 13 19 16 20
    14 22 17 22
    B3 15 16 20 23
    16 17 21 24
    A2 B1 11 13 13 14
    12 14 15 15
    B2 14 20 17 21
    15 23 18 23
    B3 17 15 20 13
    19 16 21 15

    (詳細は解説集にあります。)

    まとめ

    二元配置実験の平方和の分解を詳細に解説しました。

    • ①二元配置実験(交互作用有り)のデータの分解方法がわかる
    • ②二元配置実験(交互作用有り)の主効果、残差の平方和がデータの分解から計算できる
    • ③二元配置実験(交互作用有り)の主効果、交互作用、残差の和が0である理由がわかる

  • 【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる

    【重要】データの構造式から有効反復数が導出できる

    「分散分析から有効反復数を求める方法がわからない」、「田口の式や伊奈の式がうまく暗記できない」など困っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    【簡単】データの構造式から有効反復数が導出できる

    データの構造式から有効反復数が導出できる

    • ➀データの構造式から有効反復数を導出する方法
    • ②田口の式、伊奈の式の紹介
    • ③有効反復数の導出事例

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。

    本記事で扱う、データの構造式や点推定は、関連記事にあります。計算の流れを理解するために先に読んでください。

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ➀データの構造式から有効反復数を導出する方法

    導出方法が理解できたら、公式暗記は不要になります。
    田口の式、伊奈の式を使えば有効反復数はすぐ求まりますが、
    自力で有効反復数を求めることができます

    【重要】有効反復数の導出方法

    • (A)データの構造式を用意する(関連記事)
    • (B)母平均の式を作る(関連記事)
    • (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
    • (D)戻したデータの構造式の分散を求める

    (A)(B)は、関連記事にあります。(C)(D)は本記事です。

    この4つの流れで、多元配置実験、直交表、乱塊法、分割法、多水準法などすべてのパターンに適応できます。

    4つの流れを理解して、速く計算したくなったら、田口の式や伊奈の式に代入でしましょう。

    二元配置実験の場合

    (A)データの構造式を用意する(関連記事)
    \(x_{ijk} =μ+α_i+β_j+(αβ)_{ij}\)+\(e_{ijk}\)

    とします。因子A,Bと繰り返しの自由度はそれぞれa,b,cとします。
    最適条件\(μ(A_i B_j)\)の点推定値の有効反復数を求めます。
    ここで、\((αβ)_{ij}\)を無視した場合を紹介します。
    その方が導出過程が理解しやすいからです。

    (B)母平均の式を作る(関連記事)
    \(μ(A_i B_j)\)
    =\(μ+α_i+β_j\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+\((\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}})\)+\((\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}})\)
    =\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)

    (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
    \(μ(A_i B_j)\)
    =\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    =(\(μ+α_i+\bar{e_{i‥}}\))
    +(\(μ+β_j+\bar{e_{・j・}}\))
    -(\(μ+\bar{\bar{e}}\))
    =(\(μ+α_i+β_j+\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))

    (D)戻したデータの構造式の分散を求める
    V[\(μ(A_i B_j)\)]
    =V[(\(μ+α_i+β_j+\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))]
    =V[(\(\bar{e_{i‥}}+\bar{e_{・j・}}-\bar{\bar{e}}\))]
    = \((\frac{1}{bc}+\frac{1}{ac}-\frac{1}{abc})σ_e^2\)
    =\(\frac{a+b-1}{abc}σ_e^2\)

    初めて見ると難しそうと思いますが、この(A)から(D)の方法で、全実験パターンで使えます。
    以下応用事例を挙げますが、同じ方法で解説します。

    ②田口の式、伊奈の式の紹介

    田口の式、伊奈の式の紹介

    田口の式、伊奈の式

    (A) 田口の式
    \(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
    (B) 伊奈の式
    \(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和

    二元配置実験の場合を田口の式で導出

    \(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
    \(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(a-1)+(b-1))}{abc}\)
    =\(\frac{a+b-1}{abc}\)
    となり、データの構造式から導出した結果と一致します。

    二元配置実験の場合を伊奈の式で導出

    \(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
    \(\frac{1}{n_e}\)=\((\frac{1}{bc}+\frac{1}{ac}-\frac{1}{abc})\)
    =\(\frac{a+b-1}{abc}\)
    となり、データの構造式から導出した結果と一致します。

    田口の式、伊奈の式を使わずにデータの構造式から導出する理由

    公式暗記ではなく、導出過程を理解してほしいから

    田口の式、伊奈の式は便利です。でも、
    (i)式を理解せず、暗記公式しても、実験計画法はマスターできない。
    (ii)データの構造式から実験計画法はすべてがわかることが本質。
    (iii)分割法、多水準法など応用事例になると公式が増加。
    に注意しましょう。

    また、
    田口の式:無視しない要因の自由度の和
    伊奈の式:点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
    が日本語を式にするのは、慣れるまでは結構ミスります。

    ならば、遠回りしてもデータの構造式から有効反復数を
    1パターンの解法でどんな応用事例も対処できます。

    次に、複雑にした応用事例を解説します。

    ③有効反復数の導出事例

    どんどん、複雑なデータの構造式にしますが、導出方法は同じです。もう一度、書いておきます。

    【重要】有効反復数の導出方法

    • (A)データの構造式を用意する(関連記事)
    • (B)母平均の式を作る(関連記事)
    • (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
    • (D)戻したデータの構造式の分散を求める

    多因子を割り当てた直交表の事例

    直交表\(L_{16} 2^{15}\)に因子A,B,C,D,Fと交互作用A×B,C×Dを割り付けた。
    データの構造式は
    x=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)+e (eは誤差)
    とする。この時、ABCDFの水準組み合わせで母平均を推定する。
    この母平均の有効反復数を導出します。

    同じデータの構造式は、関連記事にあります。

    (A)から(D)の方法で導出します。全く同じ方法で攻略できるので大丈夫です。

    (A)データの構造式を用意する(関連記事)
    x=μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)+e

    (B)母平均の式を作る(関連記事)
    μ(ABCDF)
    =μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_a}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_b}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_c}-\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_d}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_f}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{ab}}-\bar{x_a}-\bar{x_b}+\bar{\bar{x}}\))
    +(\(\bar{x_{cd}}-\bar{x_c}-\bar{x_d}+\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{ab}}\)+\(\bar{x_{cd}}\)+\(\bar{x_f}\)-2\(\bar{\bar{x}}\)

    (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す

    慣れると、変量因子や残差項のみを書きましょう。
    主効果や交互作用の項は書いても、分散を導出する時は0になるので、
    最初から書かなくてもOKです。

    μ(ABCDF)
    =\(\bar{x_{ab‥}}+\bar{x_{cd‥}}+\bar{x_{f・‥}}-2\bar{\bar{x}}\)
    =\(\bar{e_{ab‥}}+\bar{e_{cd‥}}+\bar{x_{e・‥}}-2\bar{\bar{e}}\)

    直交表L16は添字4種類ですが、a,b,c,d,fの5種類を割当てています。
    4種類から割り当てた種類を引いた分を・で表記します。

    (D)戻したデータの構造式の分散を求める
    V[μ(ABCDF)]
    =V[\(\bar{e_{ab‥}}+\bar{e_{cd‥}}+\bar{x_{e・‥}}-2\bar{\bar{e}}\)]
    = \((\frac{4}{16}+\frac{4}{16}+\frac{2}{16}-2\frac{1}{16})σ_e^2\)
    =\(\frac{1}{2}σ_e^2\)

    (E)田口の式、伊奈の式からも導出

    田口の式で導出

    \(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\)
    =\(\frac{1+φ_A+φ_B+φ_C+φ_D +φ_F+φ_AB +φ_CD}{16}\)
    =\(\frac{1+1+1+1+1+1+1+1}{16}\)=\(\frac{1}{2}\)
    となり、データの構造式から導出した結果と一致します。

    伊奈の式で導出

    \(\frac{1}{n_e}\)=点推定量の式で、各合計にかかっている係数の和
    V[μ(ABCDF)]=V[μ+a+b+c+d+f+(ab)+(cd)]
    =8×\(\frac{1}{16}σ_e^2\)
    \(\frac{1}{n_e}\)=\(\frac{1}{2}\)
    となり、データの構造式から導出した結果と一致します。

    乱塊法と分割法を使った事例

    乱塊法と分割法(2分割)を考える。データ構造式を
    \(x_{ijk}=μ+γ_k+α_i+e_{(1)ik}+β_j+e_{(2)ijk}
    とする。γは反復(変量因子)、α、βは主効果とする。
    自由度はα→a,β→b,γ→cとする。
    この時、AiBj母平均と有効反復数を導出せよ。

    同じデータの構造式は、関連記事にあります。

    乱塊法と分割法のセットとなる、応用事例です。難しそうですが、
    (A)から(D)の方法で導出します。全く同じ方法で攻略できるので大丈夫です。

    (A)データの構造式を用意する(関連記事)
    \(x_{ijk}\)=μ+\(γ_k+α_i+e_{(1)ik}+β_j+e_{(2)ijk}\)

    (B)母平均の式を作る(関連記事)
    μ(AiBj)
    =\(μ+α_i+β_j\)
    =\(\bar{\bar{x}}\)+(\(\bar{x_{i‥}}-\bar{\bar{x}}\))+(\(\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\))
    =\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)

    (C)母平均の式に含まれる項を再度データの構造式に戻す
    μ(AiBj)
    =\(\bar{x_{i‥}}+\bar{x_{・j・}}-\bar{\bar{x}}\)
    =\((μ+\bar{r}+α_i+\bar{e_{(1)i・}}+\bar{e_{(2)i・・}})\)
    +\((μ+\bar{r}+\bar{\bar{e_{(1)}}}+β_j+\bar{e_{(2)・j・}})\)
    -\((μ+\bar{r}+\bar{\bar{e_{(1)}}}+\bar{ e_{(2)}})\)
    =\((μ+\bar{r}+α_i+β_j+\bar{e_{(1)i・}})\)
    +\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)

    (D)戻したデータの構造式の分散を求める
    V[μ(AiBj)]
    =V[\((μ+\bar{r}+α_i+β_j+\bar{e_{(1)i・}})\)
    +\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)]
    = V[\((\bar{r} +\bar{e_{(1)i・}})\)
    +\((\bar{e_{(2)i・・}}+\bar{e_{(2)・j・}}-\bar{ e_{(2)}})\)]
    =\(\frac{1}{c}\widehat{σ_R^2}+\frac{1}{c}\widehat{σ_{e(1)}^2}+(\frac{a+b-1}{abc})\widehat{σ_{e(2)}^2}\)

    ここで、分散分析表を作ります。必要なのは、効果、自由度、分散の期待値E[V]です。

    さっと作れますか? 関連記事を確認しましょう。

    分散分析表

    φ E[V]
    R c-1 \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\)+\(abσ_R^2\)
    A a-1 \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\)+\(bcσ_A^2\)
    e(1) (a-1)(c-1) \(σ_{e(2)}^2\)+\(bσ_{e(1)}^2\)
    B b-1 \(σ_{e(2)}^2\)+\(acσ_B^2\)
    A×B (a-1)(b-1) \(σ_{e(2)}^2\)+\(cσ_{A×B}^2\)
    e(2) a(b-1)(c-1) \(σ_{e(2)}^2\)
    T abc-1

    分散分析表から分散の推定値を導出します。

    V
    R VR=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)+\(\widehat{bσ_{e(1)}^2}\)+\(\widehat{abσ_R^2}\)
    e(1) Ve(1)=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)+\(\widehat{bσ_{e(1)}^2}\)
    e(2) Ve(2)=\(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)

    から、次を導出します。
    \(\widehat{σ_{e(2)}^2}\)= Ve(2)
    \(\widehat{σ_{e(1)}^2}\)=\(\frac{1}{b}\)( Ve(1)– Ve(2))
    \(\widehat{σ_R^2}\)=\(\frac{1}{ab}\)( VR– Ve(1))

    まとめると
    V[μ(AiBj)]
    =\(\frac{1}{c}\widehat{σ_R^2}+\frac{1}{c}\widehat{σ_{e(1)}^2}+(\frac{a+b-1}{abc})\widehat{σ_{e(2)}^2}\)

    =\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{a-1}{abc}\) Ve(1)+\(\frac{b-1}{abc}\) Ve(2)

    分割法の有効反復数の導出は、慣れるまでは大変かもしれません。
    なので、田口の式、伊奈の式から導出しましょう。

    (E)田口の式、伊奈の式からも導出

    田口の式で導出

    乱塊法+分割法になると変量因子Rや残差eの種類が増えるため、田口の式を拡張する必要があります。
    これも結構、ややこしい話ですけど。

    田口の式を拡張
    (i)反復因子Rを無視しない場合
    V[μ(AiBj)]
    =\(\frac{1}{全実験回数}\)VR+\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
    +\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)

    (ii) 反復因子Rを無視する場合
    V[μ(AiBj)]
    =\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
    +\(\frac{(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)
    (ややこしい)

    反復因子Rを無視しないので、
    V[μ(AiBj)]
    =\(\frac{1}{全実験回数}\) VR+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(1)
    +\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和)}{全実験回数}\) Ve(2)

    =\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和=a-1)}{全実験回数}\) Ve(1)
    +\(\frac{1+(無視しない要因の自由度の和=b-1)}{全実験回数}\) Ve(2)
    =\(\frac{1}{abc}\) VR+\(\frac{a-1}{abc}\) Ve(1)+\(\frac{b-1}{abc}\) Ve(2)
    と一致します。

    伊奈の式で導出

    伊奈の式は適用できないので割愛します。

    分割法になると、データの構造式からの有効反復数の導出が大変です。
    なので、田口の式や伊奈の式に頼りたいですが、公式も乱塊法や分割法によって
    式を変形する必要があります。

    分割法の有効反復数はデータの構造式から導出しても、
    公式暗記しても難しいです。
    ですから、導出過程をよく見て、本質を理解してください。

    まとめ

    データの構造式から有効反復数の導出方法を解説しました。田口の式、伊奈の式も活用できますが、実験計画法はすべてデータの構造式の変形で解けます。有効反復数の導出方法は1つだけなので、何度も読んで確実に身につけてください。

    • ➀データの構造式から有効反復数を導出する方法
    • ②田口の式、伊奈の式の紹介
    • ③有効反復数の導出事例

  • サタースウェイトの等価自由度が導出できる【本記事限定】

    サタースウェイトの等価自由度が導出できる【本記事限定】

    「サタースウェイトの等価自由度の導出が難解でわからない、解けない」、「サタースウェイトの等価自由度の式の意味がわからない」など、意味もわからず、サタースウェイトの等価自由度の式を暗記で片付けていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    サタースウェイトの等価自由度の導出ができる

    サタースウェイトの等価自由度の導出

    • ①サタースウェイトの等価自由度がなぜ必要かがわかる
    • ②サタースウェイトの等価自由度の導出を解説

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。サタースウェイトの等価自由度の導出過程を一切端折らず解説しますので必読です。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①サタースウェイトの等価自由度がなぜ必要かがわかる

    サタースウェイトの等価自由度

    標本分散V1, V2,…, Vk(それぞれの自由度φ1, φ2,…, φk)は互いに独立で、c1, c2,…, ckを定数とするとき、
    \(\widehat{V}\)=\(c_1 V_1\)+\(c_1 2_2\)+…\(c_k V_k\)
    のように合成された分散\(\widehat{V}\)の自由度を\(φ^*\)(等価自由度)とするとき、等価自由度φ*を次式から求める。
    \(φ^*\)=\(\frac{(c_1 V_1+c_2 V_2+…+ c_k V_k)^2}{\frac{(c_1 V_1)^2}{φ_1}+\frac{(c_2 V_2)^2}{φ_2}+…+\frac{(c_k V_k)^2}{φ_k}}\)

    サタースウェイトの等価自由度が必要な場合

    サタースウェイトの等価自由度が必要な理由

    区間推定で分散が複数ある場合に等価自由度が必要になる

    区間推定は、下の式で算出します。

    $$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$

    区間推定のポイント

    1. ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
    2. 誤差eの自由度φeである。
    3. Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出

    Veが複数項ある場合に、サタースウェイトの等価自由度が必要になります。

    Veが複数項ある場合

    1. 分割法で、残差eが複数ある場合
    2. 乱塊法の反復因子Rのような変量因子を含む場合

    サタースウェイトの等価自由度の値

    整数ではないことがほとんど

    サタースウェイトの等価自由度をφ*と表記しますと、
    φ*=12.21とか小数をふくみます。
    t分布表には自由度は整数のみなので、
    φ=12,13のt分布の値を読み取り
    t(12)②サタースウェイトの等価自由度の導出を解説

    教科書や他のwebサイトから、最も詳細な解説をしているのが、「入門 実験計画法 / 永田靖」P353にあります。

    でも、一部の導出過程が端折っているので、そこがわからない!と困るはずです。

    本サイトは、途中過程を端折らず解説します。

    サタースウェイトの等価自由度

    \(φ^*\)=\(\frac{(c_1 V_1+c_2 V_2+…+ c_k V_k)^2}{\frac{(c_1 V_1)^2}{φ_1}+\frac{(c_2 V_2)^2}{φ_2}+…+\frac{(c_k V_k)^2}{φ_k}}\)
    を導出します。
    2段階で導出します。

    1. χ2分布の公式を活用した変形
    2. χ2分布の期待値と分散の公式を活用した変形

    分布の公式を活用した変形

    分散を扱っているので、χ2分布の式を使います。
    χ2分布は、平方和S、分散σ2を使うと
    χ2=\(\frac{S}{σ^2}\)
    となります。
    χ2分布が不安な方は、関連記事も確認してください。

    平方和Sは不偏分散Vとその自由度φ=n-1を使って、
    V=\(\frac{S}{n-1}\)=\(\frac{S}{φ}\)
    より、
    S=Vφ
    と表現できます。

    よって、
    χ2=\(\frac{S}{σ^2}\)=\(\frac{ Vφ}{σ^2}\)
    と表現できます。
    左辺がχ2なので、右辺はχ2分布に従います。

    \(\frac{ V_i φ_i}{σ_i^2}\)はχ2分布に従います。

    分布の期待値と分散の公式を活用した変形

    χ2分布(自由度k)の期待値と分散は
    E[X]=k
    V(X)=2k

    という、χ2分布の性質を使います。

    V(X)=2kから
    X= \(\frac{ V_i φ_i}{σ_i^2}\)
    K=\(φ_i \)
    を代入します。
    V(\(\frac{ V_i φ_i}{σ_i^2}\))=2\(φ_i \)
    が成り立ちます。

    また、分散において、定数項cは2乗にして外に出すことができます。
    V(cX)=c2V(X)

    V(\(\frac{ V_i φ_i}{σ_i^2}\))= \(\frac{φ_i ^2}{σ_i^4}\)V(\(V_i)\)=2\(φ_i\)
    \(V(V_i)=\frac{2σ^4}{φ_i}\)

    さらに、合成分散\(\widehat{V}\)の分散V(\(\widehat{V}\))を定義して、式変形します。無理矢理感がありますけど。
    V(\(\widehat{V}\))=V(\(c_1 V_1\)+\(c_1 2_2\)+…\(c_k V_k\))
    =\(c_1^2V(V_1)+ c_2^2V(V_2)+…+ c_k^2V(V_k)\)
    =2(\(c_1^2\frac{σ_1^4}{φ_1}\)+\(c_2^2\frac{σ_2^4}{φ_2}\)+…+\(c_k^2\frac{σ_k^4}{φ_k}\))

    ここで、合成分散\(\widehat{V}\)は自由度\(φ^*\)、分散\(σ_*^2\)を用いると、
    \(\frac{\widehat{V}φ^*}{σ_*^2}\)はχ2分布に従います。

    χ2分布の分散を用いると、
    V(\(\frac{\widehat{V}φ^*}{σ_*^2}\))=\(\frac{φ^*2}{σ_*^4}V(V_i)\)=2\(φ^*\)
    V(\(\widehat{V}\))=\(\frac{2σ_*^4}{φ^*}\)

    よって、
    \(\frac{2σ_*^4}{φ^*}\)=2(\(c_1^2\frac{σ_1^4}{φ_1}+ c_2^2\frac{σ_2^4}{φ_2}+…+ c_k^2\frac{σ_k^4}{φ_k}\))
    が成り立ちます。

    まとめると、
    \(φ^*\)= (\(\frac{σ_*^4}{ c_1^2\frac{σ_1^4}{φ_1}+ c_2^2\frac{σ_2^4}{φ_2}+…+ c_k^2\frac{σ_k^4}{φ_k}}\))

    なお、\(σ_1^2\),\(σ_2^2\),…,\(σ_k^2\),\(σ_*^2\)は未知数で、それぞれの推定量を\(\widehat{V_1}\),\(\widehat{V_2}\),…, \(\widehat{V_k}\),\(\widehat{V}\)として代入します。
    \(φ^*\)= \(\frac{\widehat{V^2}}{c_1^2\frac{\widehat{V}_1^2}{φ_1}+ c_2^2\frac{\widehat{V}_2^2}{φ_2}+…+ c_k^2\frac{\widehat{V}_k^2}{φ_k}}\)
    \(φ^*\)=\(\frac{c_1 \widehat{V}_1+c_2 \widehat{V}_2+…+c_k \widehat{V}_k}{\frac{(c_1 \widehat{V}_1)^2}{φ_1}+ \frac{(c_2 \widehat{V}_2)^2}{φ_2}+…+\frac{(c_k \widehat{V}_k)^2}{φ_k}}\)

    と導出できました。力技で導出した感じですね。

    まとめ

    サタースウェイトの等価自由度を詳細に解説しました。

    • ①サタースウェイトの等価自由度がなぜ必要かがわかる
    • ②サタースウェイトの等価自由度の導出を解説

  • 一元配置実験の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    一元配置実験の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    「一元配置実験の分散分析や期待値の導出が複雑でわからない、解けない」、「分散分析表から調べたい効果の区間推定の導出方法がわからない」など、一元配置実験の分散分析の解法がわからず、期待値の式など暗記で片付けていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    一元配置実験の分散分析や期待値の導出ができる

    一元配置実験の分散分析や期待値の導出

    • ①一元配置実験のデータの構造式が書ける
    • ②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける
    • ③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ④一元配置実験の分散分析ができる
    • ⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本サイトは、どんな複雑な方法も➀~➄の流れで解説します。本記事がわかれば、式が複雑になっていくだけ、内容は簡単です。実験計画法の肝なので、必読です!

    ●You tube動画もご覧ください

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①一元配置実験のデータの構造式が書ける

    データの構造式

    1因子の完全配置実験のデータの構造式からスタートします。機械的に書けますね。
    主効果の添字はi,残差ijと分けています。フィッシャーの三原則の反復ですね。

    一元配置実験のデータの構造式

    xij=μ+αi+ eij

    各平均値をデータの構造式で作る

    αは母数因子なので、1つの添え字についての合計がすべて0となります。
    \(\sum_{i=1}^{a} α_i\)=0

    この関係が、平方和の分解にて
    (x+y)2=x2+ y2, xy=0
    を満たします。

    平均値の式の代表例

    データの構造式
    xij=μ+αi+eij
    \(\bar{x_{i・}}\)=μ+\(α_i\)+\(\bar{e_{i・}}\)
    \(\bar{\bar{x}}\)=μ+\(\bar{\bar{e}}\)

    ②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける

    データの構造式を変形

    式を書くと見づらいので、表にまとめます。分散分析はデータの構造式が複雑になると表で整理するのがオススメです

    SA Se
    \(x_{ij}\) 1
    \(\bar{x_{i・}}\) 1 -1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1

    表から各平方和の導出式が簡単にでますね。SA,Seを挙げます。
    \(S_A\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\( (\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    \(S_e\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)
    と書けますね。

    ③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる

    期待値については、関連記事をご覧下さい。

    主効果の分散の期待値の導出

    E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\( (α_i+\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} (α_i )^2\)]
    +2E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]

    ここで、第2項は0になることを証明します。
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
    =bE[\(\sum_{i=1}^{a} (α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]
    =bE[\(α_1(\bar{e_{1・}}-\bar{\bar{e}})+α_2(\bar{e_{2・}}-\bar{\bar{e}})+…+α_a(\bar{e_{a・}}-\bar{\bar{e}})\)]
    =bE[\((α_1\bar{e_{1・}}+α_2\bar{e_{2・}}+…+α_a\bar{e_{a・}})\)+\((α_1+α_2+…+α_a) \bar{\bar{e}})\)]
    後ろの項について、\((α_1+α_2+…+α_a)\)=0です。
    =bE[\((α_1\bar{e_{1・}}+α_2\bar{e_{2・}}+…+α_a\bar{e_{a・}})\)]
    =b(\(α_1\)E[\(\bar{e_{1・}}\)]+\(α_2\)E[\(\bar{e_{2・}}\)]+…+\(α_a\)E[\(\bar{e_{a・}}\)])
    さらにE[\(\bar{e_{i・}}\)]=0です。
    残差の実際の値は0ではないですが、期待値は0になります。
    よって、すべて0になるため、
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i ) (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}}) \)]=0

    ➀Σの中の式変形に慣れましょう。
    ②E[\(\bar{e_{ij}}\)]と残差の期待値の式にも慣れましょう。
    ③わからない場合は、公式暗記から始めて、慣れたら式に慣れましょう。

    平方和の分解のポイント

    中間項が常に0になる。

    平方和は簡単に分解できて、
    \( (x_1+x_2+…+x_n)^2\)=\(x_1^2+x_2^2+…+x_n^2\)
    が成り立ちます。

    この関係が各効果の平方和として分解することができ、
    ST= SA+ SB+ …+ Se
    と分解できます。

    まずは、暗記で構いませんが、慣れてきたら中間項が0になることを確認してください。高校数学レベルで解けます。

    E[\(S_A\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(α_i )^2\)]
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =\(b(a-1)σ_A^2\) +\((a-1)(σ_e^2\))

    主効果Aの自由度は\((a-1)\)より、分散の期待値E[VA]が求まります。
    E[\(V_A\)]=\(bσ_C^2\) +\(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。
    \( σ_A^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}α_i^2}{a-1}\)]

    \(σ_e^2\)については以下のように解きます。式の意味を読んで見ましょう。慣れるまでは、添字の種類と分母の種類を揃える点に注目しましょう。
    \(σ_e^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2}{ab-1}\)]
    \(\frac{σ_e^2}{b}\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}(e_{i・}-\bar{\bar{e}})^2}{a-1}\)]
    \(\frac{σ_e^2}{a}\)=E[\(\frac{\sum_{j=1}^{b}(e_{・j}-\bar{\bar{e}})^2}{b-1}\)]

    残差の分散の期待値の導出

    E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)]
    = E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((e_{ij}-\bar{e_{i・}})^2\)]

    意図的に以下のように式変形します。
    \((e_{ij}-\bar{\bar{e}})\)=\(\color{red}{(e_{ij}-\bar{e_{i・}})}\)+\((\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})\)

    次に、両辺の2乗和の期待値を作ります。次の関係式が成り立ちます(確かめてみてください)。
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{e_{i・}})^2\)]
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]

    次に分散\(σ_e^2\)を作ります。次の3種類ができます。
    分散は、各残差の値\(e_{ij})と残差の平均との差分の2乗和です。
    差分の2乗和をそのまま式に書きます。

    添字の種類とΣの数に注目してください。添字、Σが3つ以下の②③④の左辺は、\(σ_e^2\)に自由度a,bで割った値となっています。
    ➀\(σ_e^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2}{ab-1}\)]
    ②\(\frac{σ_e^2}{b}\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a} (\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2}{a-1}\)]
    ③\(\frac{σ_e^2}{a}\)=E[\(\frac{\sum_{j=1}^{b} (\bar{e_{・j}}-\bar{\bar{e}})^2}{b-1}\)]

    ➀➁➂の違いを見比べて、慣れましょう。慣れてから式の意味を考えましょう。

    次に➀➁➂を変形します。
    ➀\((ab-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    ②\((a-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a} \sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{i・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    ③\((b-1)σ_e^2\)=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{e_{・j}}-\bar{\bar{e}})^2\)]

    求めたい期待値
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    は➀―②で算出できます。
    E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} (e_{ij}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =\((ab-1)σ_e^2\)-\((a-1)σ_e^2\)
    =\(a(b-1)σ_e^2\)
    となります。

    結果をまとめます。
    E[\(S_e\)]=\(a(b-1)σ_e^2\)

    残差eの自由度は\(a(b-1)\)より、分散の期待値E[Ve ]が求まります。
    E[\(V_e\)]=\(σ_e^2\)

    ④一元配置実験の分散分析ができる

    自由度の計算

    各主効果・交互作用の自由度の計算は簡単です。関連記事に解説しています。まとめると次の3つです。

    1. データの構造式を書く
    2. 主効果・交互作用の構造式にある添字から自由度を算出
    3. 自由度は表を活用すると簡単に求まる
    SA Se
    a 1 -1
    b
    ab 1
    1 -1

    表から、
    Aの列(縦)には、aに1,1に-1とありますから、自由度はa-1、
    eの列(縦)には、abに1,aに-1とありますから、自由度はab-a=a(b-1)、
    となります。

    また、各自由度はデータの構造式の添字を見ればすぐわかります。
    E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((\bar{x_{i・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    添字はiと平均を見ます。
    添字iの自由度aから平均の自由度1を引きます。よって、a-1。

    E[\(S_e\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\)\((x_{ij}-\bar{x_{i・}})^2\)]
    添字はijと平均iを見ます。
    添字ijの自由度abから平均iの自由度aを引きます。よって、ab-a。

    データの構造式が複雑になるほど、上の表を活用すると自由度が求めやすくなります。

    分散分析の結果

    分散分析表を作ります。

    φ E[V]
    A a-1 \(σ_e^2\)+b\(σ_A^2\)
    e a(b-1) \(σ_e^2\)
    T ab-1

    ⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる

    母平均の点推定の導出方法

    有効繰返し数と区間推定の導出方法

    区間推定は、下の式で算出します。

    $$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$

    区間推定のポイント

    1. ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
    2. 誤差eの自由度φeである。
    3. Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出

    サタースウェイトの式については、ここを見てください。

    主効果の点推定と区間推定の導出

      

    分散の期待値から分散の推定値を導出

    分散分析から、eの分散の推定値E[V]を導出します。
    Ve=\(σ_e^2\)
    よって、
    \(\widehat{σ_e^2}\)= Ve

    主効果Aの点推定と区間推定

    点推定: \(\widehat{μ}(A_i)=\bar{x_{i・}}\)=\(\widehat{μ+α_i}\)
    =\(μ+\bar{x_{i・}}\)

    分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}( A_i))\)
    =V[μ+\(\bar{x_{i・}}\)]
    =V[\(\bar{x_{i・}}\)]
    =\(\frac{\widehat{σ_e^2}}{b}\)
    Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。

    一連の導出過程を解説しました。

    まとめ

    一元配置実験の分散分析の導出過程を詳細に解説しました。

    • ①一元配置実験のデータの構造式が書ける
    • ②一元配置実験の平方和の分解の式が書ける
    • ③一元配置実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ④一元配置実験の分散分析ができる
    • ⑤一元配置実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる

  • 三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    「三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析や期待値の導出が複雑でわからない、解けない」、「分散分析表から調べたい効果の区間推定の導出方法がわからない」など、三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析の解法がわからず、期待値の式など暗記で片付けていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析や期待値の導出ができる

    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析や期待値の導出

    • ①三元配置実験(繰り返し有り)のデータの構造式が書ける
    • ②三元配置実験(繰り返し有り)の平方和の分解の式が書ける
    • ③三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ④三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析ができる
    • ⑤三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
    • ⑥三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析を導出できる演習問題

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本サイトは、4因子繰返し有りの分散分析まで解説します。本サイトは必見です。実験計画法の肝なので、必読です!

    ●You tube動画もご覧ください。

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ①三元配置実験(繰り返し有り)のデータの構造式が書ける

    データの構造式

    3因子の完全配置実験のデータの構造式からスタートします。機械的に書けますね。

    三元配置実験のデータの構造式

    xijkl=μ+αijk
    + (αβ) ij+(αγ) ik+(βγ) jk
    +(αβγ) ijk+ eijkl

    各平均値をデータの構造式で作る

    α、β、γは母数因子なので、1つの添え字についての合計がすべて0となります。

    \(\sum_{i=1}^{a} α_i\)=0
    \(\sum_{j=1}^{b} β_j\)=0
    \(\sum_{k=1}^{c} γ_k\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}(αβ)_{ij}\)=0, \(\sum_{j=1}^{b}(αβ)_{ij}\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}(αγ)_{ik}\)=0, \(\sum_{k=1}^{c}(αγ)_{ik}\)=0
    \(\sum_{j=1}^{b}(βγ)_{jk}\)=0, \(\sum_{k=1}^{c}(βγ)_{jk}\)=0
    \(\sum_{i=1}^{a}(αβγ)_{ijk}\)=0, \(\sum_{j=1}^{b}(αβγ)_{ijk}\)=0, \(\sum_{k=1}^{c}(αβγ)_{ijk}\)=0

    この関係が、平方和の分解にて
    (x+y)2=x2+ y2, xy=0
    を満たします。

    なお、母数因子ではない変量因子の場合は上の式が0ではない値になります。

    平均値の式の代表例

    データの構造式

    xijkl=μ+αijk
    + (αβ) ij+(αγ) ik+(βγ) jk
    +(αβγ) ijk+ eijkl

    \(\bar{x_{i・・・}}\)=μ+\(α_i\)+\(\bar{e_{i・・・}}\)
    \(\bar{x_{・j・・}}\)=μ+\(β_j\)+\(\bar{e_{・j・・}}\)
    \(\bar{x_{・・k・}}\)=μ+\(γ_k\)+\(\bar{e_{・・k・}}\)
    \(\bar{x_{ij・・}}\)=μ+\(α_i\)+\(β_j\)+\((αβ)_{ij}\)+\(\bar{e_{ij・・}}\)
    \(\bar{x_{i・k・}}\)=μ+\(α_i\)+\(γ_k\)+\((αγ)_{ik}\)+\(\bar{e_{i・k・}}\)
    \(\bar{x_{・jk・}}\)=μ+\(β_j\)+\(γ_k\)+\((βγ)_{jk}\)+\(\bar{e_{・jk・}}\)
    \(\bar{x_{ijk・}}\)=μ+\(α_i\)+\(β_j\)+\(γ_k\)+\((αβ)_{ij}\)+\((αγ)_{ik}\)+\((βγ)_{jk}\)+\((αβγ)_{ijk}\)+\(\bar{e_{ijk・}}\)
    \(\bar{\bar{x}}\)=μ+\(\bar{\bar{e}}\)

    ②三元配置実験(繰り返し有り)の平方和の分解の式が書ける

    データの構造式を変形

    式を書くと見づらいので、表にまとめます。分散分析はデータの構造式が複雑になると表で整理するのがオススメです

    SA SB SC SA×B SA×C SB×C SA×B×C Se
    \(x_{ijkl}\) 1
    \(\bar{x_{i・・・}}\) 1 -1 -1 1
    \(\bar{x_{・j・・}}\) 1 -1 -1 1
    \(\bar{x_{・・k・}}\) 1 -1 -1 1
    \(\bar{x_{ij・・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{i・k・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{・jk・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{ijk・}}\) 1 -1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1 -1 -1 1 1 1 -1

    表から各平方和の導出式が簡単にでますね。SC、SA×B×C,Seを例に挙げます。

    \(S_C\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\( (\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}})^2\)

    \(S_{ A×B×C }\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((\bar{x_{ijk・}}-\bar{x_{ij・・}}-\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{・jk・}}\)\(\bar{x_{i・・・}}+\bar{x_{・j・・}}+\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}})^2\)

    \( S_e\)= \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((x_{ijkl}-\bar{x_{ijk・}})^2\)

    と書けますね。他の平方和も同様にΣΣΣΣΣ( )^2で計算できます。

    ③三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる

    期待値については、関連記事をご覧下さい。

    本記事では因子C、残差eについて導出過程を詳しく見ていきます。

    ●因子A,Bについては、次の関連記事で導出過程を確認ください。

    二元配置実験(繰り返し有り)の分散分析・区間推定が解ける【必見】
    実験計画法の、二元配置実験(繰り返し有り)の分散分析、分散の期待値の導出、主効果・交互作用の区間推定の導出ができますか?公式暗記で済ませていませんか?本記事は、二元配置実験(繰り返し有り)の分散分析、分散の期待値の導出、区間推定の導出を解説します。分散分析、期待値の導出、区間推定をマスターしたい方は必見です。

    主効果の分散の期待値の導出

    E[\(S_C\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]

    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\( (γ_k+\bar{e_{・・k・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]

    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((γ_k )^2\)]
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((\bar{e_{・・k・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =\(abd(c-1)σ_C^2\) +\((c-1)(σ_e^2\))

    主効果Cの自由度は(c-1)より、分散の期待値E[VC]が求まります。

    E[\(V_C\)]=\(abdσ_C^2\) +\(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。

    \( σ_C^2\)=E[\(\frac{\sum_{k=1}^{c}γ_k^2}{c-1}\)]

    \(σ_e^2\)については解説集にあります。

    交互作用の分散の期待値の導出

    E[\(S_{ A×B×C }\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d} \)
    \((\bar{x_{ijk・}}-\bar{x_{ij‥}}-\bar{x_{i・k・}}-\bar{x_{・jk・}}\)
    +\(\bar{x_{i・・・}}+\bar{x_{・j・・}}+\bar{x_{・・k・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)
    \(((αβγ)_{ijk}+(\bar{e_{ijk・}}-\bar{e_{ij‥}}-\bar{e_{i・k・}}-\bar{e_{・jk・}}\)
    +\(\bar{e_{i‥・}}-\bar{e_{・j‥}}-\bar{e_{・・k・}}+\bar{\bar{e}}))^2\)]

    = E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)
    \(((αβγ)_{ijk}^2)\)]
    + E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)
    \((\bar{e_{ijk・}}-\bar{e_{ij‥}}-\bar{e_{i・k・}}-\bar{e_{・jk・}}\)
    +\(\bar{e_{i‥・}}+\bar{e_{・j‥}}+\bar{e_{・・k・}}-\bar{\bar{e}}))^2\)]

    第1項:
    =dE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\)
    \(((αβγ)_{ijk}^2)\)
    =\(d(a-1)(b-1)(c-1)σ_{A×B×C}^2\)

    第2項:
    結論から言うと
    eの添え字を見ると
    ijk-ij-ik-jk+i+j+k-1が見えるので、i⇒a,j⇒b,k⇒cに変えます。
    ⇒abc-ab-ac-bc+a+b+c-1になるので、因数分解して
    =\((a-1)(b-1)(c-1)σ_e^2\)

    E[\(S_{A×B×C}\)]
    =\(d(a-1)(b-1)(c-1)σ_{A×B×C}^2\)
    +\((a-1)(b-1)(c-1)σ_e^2\)

    交互作用A×B×Cの自由度は(a-1)(b-1)(c-1)より、分散の期待値E[VA×B×C]が求まります。

    E[\(V_{A×B×C}\)]=\(dσ_{A×B×C}^2\)+\(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。

    \( σ_{ A×B×C }^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(αβγ)_{ijk}^2}{(a-1)(b-1)(c-1)}\)]

    \(σ_{e}^2\)については解説集にあります。

    残差の分散の期待値の導出

    E[\(S_e\)]= E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((x_{ijkl}-\bar{ x_{ijk・}})^2\)]
    = E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\)\((e_{ijkl}-\bar{ e_{ijk・}})^2\)]
    =abc(d-1)\(σ_e^2\)
    (結論を言うと同様に ijkl-ijkをabcdに直して、abcd-abcを因数分解します。)

    E[\(S_e\)]= abc(d-1)\(σ_e^2\)
    (全計算過程は解説集にあります)

    残差eの自由度はabc(d-1)より、分散の期待値E[Ve]が求まります。自由度の計算結果は次の節で紹介します。計算は複雑ですが、自由度で割ると\(σ_e^2\)になることがわかります。

    E[e]=\(σ_e^2\)

    ④三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析ができる

    自由度の計算

    各主効果・交互作用の自由度の計算は簡単です。関連記事に解説しています。まとめると次の3つです。

    1. データの構造式を書く
    2. 主効果・交互作用の構造式にある添字から自由度を算出
    3. 自由度は表を活用すると簡単に求まる
    SA SB SC SA×B SA×C SB×C SA×B×C Se
    a 1 -1 -1 1
    b 1 -1 -1 1
    c 1 -1 -1 1
    ab 1 -1
    ac 1 -1
    bc 1 -1
    abc 1 -1
    abcd 1
    1 -1 -1 -1 1 1 1 -1

    分散分析の結果

    分散分析表を作ります。

    φ E[V]
    A a-1 \(σ_e^2\)+bcd\(σ_A^2\)
    B b-1 \(σ_e^2\)+acd\(σ_B^2\)
    C c-1 \(σ_e^2\)+abd\(σ_C^2\)
    A×B (a-1)(b-1) \(σ_e^2\)+cd\(σ_{A×B}^2\)
    A×C (a-1)(c-1) \(σ_e^2\)+bd\(σ_{A×C}^2\)
    B×C (b-1)(c-1) \(σ_e^2\)+ad\(σ_{B×C}^2\)
    A×B×C (a-1)(b-1)(c-1) \(σ_e^2\)+d\(σ_{A×B×C}^2\)
    e abc(d-1) \(σ_e^2\)
    T abcd-1

    ⑤三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用の区間推定が導出できる

    母平均の点推定の導出方法

    有効繰返し数と区間推定の導出方法

    区間推定は、下の式で算出します。

    $$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$

    区間推定のポイント

    1. ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
    2. 誤差eの自由度φeである。
    3. Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出

    サタースウェイトの式については、ここを見てください。

    主効果の点推定と区間推定の導出

      

    分散の期待値から分散の推定値を導出

    分散分析から、eの分散の推定値E[V]を導出します。
    Ve=\(σ_e^2\)
    よって、
    \(\widehat{σ_e^2}\)= Ve

    主効果の点推定と区間推定

    点推定: \(\widehat{μ}(C_k)=\bar{x_{‥k・}}\)=\(\widehat{μ+γ_k}\)
    =\(μ+\bar{e_{‥k・}}\)

    分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(C_k))\)
    =V[μ+\(\bar{e_{‥k・}}\)]
    =V[\(\bar{e_{‥k・}}\)]
    =\(\frac{\widehat{σ_e^2}}{abd}\)

    Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。

    交互作用の区間推定

    点推定: \(\widehat{μ}(A_i B_j C_k)\)=\(\bar{x_{ijk・}}\)
    =\(μ+α_i+β_j+γ_k+(αβγ)_{ijk}+\bar{e_{ijk・}}\)

    分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(A_i B_j C_k))\)
    =V[μ+\(α_i+β_j+γ_k+(αβγ)_{ijk}+\bar{e_{ijk・}}\)]
    =V[\(\bar{e_{ijk・}}\)]
    =\(\frac{\widehat{σ_e^2}}{d}\)

    Veが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。

    一連の導出過程を解説しました。

    ⑥三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析を導出できる演習問題

    本記事で扱ったデータの構造式において、以下の演習問題を解いてみましょう。詳細は解説集にあります。

    【問】三元配置実験(繰り返し有り)について、次のデータの構造式を考える。
    xijkl=μ+αijk
    + (αβ) ij+(αγ) ik
    +(αβγ) ijk+ eijkl
    ((βγ) jkをeijklmにプーリングした場合を考える。)
    因子A,B,Cの自由度はそれぞれa,b,cとする。
    (1)主効果、交互作用,残差eの自由度と分散の期待値を導出せよ。
    (2)主効果,交互作用の点推定と区間推定を計算せよ。
    (詳細は解説集にあります。)

    まとめ

    三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析の導出過程を詳細に解説しました。

    • ①三元配置実験(繰り返し有り)のデータの構造式が書ける
    • ②三元配置実験(繰り返し有り)の平方和の分解の式が書ける
    • ③三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ④三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析ができる
    • ⑤三元配置実験(繰り返し有り)の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
    • ⑥三元配置実験(繰り返し有り)の分散分析を導出できる演習問題

  • 枝分かれ実験(直列型)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    枝分かれ実験(直列型)の分散分析・区間推定が解ける【必見】

    「枝分かれ実験って何なの?」、「枝分かれ実験の分散分析や期待値の導出がわからない、解けない」、「分散分析表から調べたい効果の区間推定の導出方法がわからない」など、枝分かれ実験の分散分析の解法がわからず、期待値の式など暗記で片付けていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    枝分かれ実験の分散分析や期待値の導出ができる

    枝分かれ実験の分散分析や期待値の導出

    • ➀枝分かれ実験とは何かがわかる
    • ②枝分かれ実験のデータの構造式が書ける
    • ③枝分かれ実験の平方和の分解の式が書ける
    • ④枝分かれ実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ⑤枝分かれ実験の分散分析ができる
    • ⑥枝分かれ実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
    • ⑦枝分かれ実験の分散分析が導出できる演習問題

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。実験計画法の肝なので、必読です!

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    実験計画法を究める関連記事

    多元配置法、乱塊法、分割法など手法が多い実験計画法ですが、すべて1つの導出方法で解けます。
    関連記事をたくさん紹介しますので、何度も読んで習得してください。

    【0】まとめ編:実験計画法をマスターできるページ


    *実験計画法を究めるための演習問題集もあります。

    【1】導入編:データの構造式から分散分析・区間推定・有効繰返し数の導出がわかるページ


    【2】基礎編:分散分析・区間推定の導出(まず、ここを理解する!)




    【3】応用編:乱塊法・分割法・多水準法・擬水準法・枝分かれ実験・2方分割法の
    分散分析・区間推定の導出 (読む⇒理解する⇒なぞる⇒解ける⇒習得する 何度も読みましょう。)












    関連記事が20ありますが、1つの導出方法ですべて解けます。
    実験計画法を苦手から得意に変える重要な記事です。

    ●You tube動画で解説しています。ご覧ください。

    ➀枝分かれ実験とは何かがわかる

    枝分かれ図で理解する

    枝分かれ方法は、直列と並列が考えつきますね。教科書ではよく直列型が紹介されます。
    本記事は、直列型(左下図)について解説します。
    また、並列型は本サイト限定で関連記事にて、解説します。

    イメージ

    枝分かれ実験

    データの構造式から枝分かれ実験を理解する

    • 完全配置実験のデータの構造式を作る
    • 一部の項を変形すれば枝分かれ実験になる
    • 枝分かれ図をそのままデータの構造式に書く

    本サイトでは、すべての実験計画法の手法は、完全配置実験のデータの構造式を一部書き換えてできることを解説しています。枝分かれ実験も同様にできるのですが、枝分かれ図を見て、そのまま式にした方が楽です。

    ②枝分かれ実験のデータの構造式が書ける

    データの構造式

    枝分かれ図をそのままデータの構造式に書きます。

    1. 因子Bは因子Aから枝分かれ→βijとする。
    2. 因子Cは因子Bから枝分かれ→γijkとする。
    3. 因子Dは因子Cから枝分かれ→δijklとする。

    まとめると、データの構造式ができます。

    枝分かれ実験(直列型)のデータの構造式

    xijklm=μ+αiijijkijkl+ eijklm

    各平均値をデータの構造式で作る

    母数因子と変量因子の違い

    関連記事にて、母数因子と変量因子を解説しました。

    母数因子と変量因子

    母数因数:取らない場合が多い
    変量因子:α、β、γ、δ、e

    枝分かれ実験では、ロット間の誤差、サンプル間の誤差、測定誤差を因子として割当てることがあり、誤差は変量因子なため、母数因数を取らないことがあります。主効果の分散の期待値は母数因数でも変量因子でも関係なく、同じ値になります。

    変数に意味を持たせるなら母数因子と変量因子をはっきり分けるとよいですが、
    分散の期待値はどちらも同じになるようにしているので、母数因子も変量因子もどちらでもよいと思います。

    本記事では、教科書的に変量因子として分散の期待値を導出します。

    平均値

    母数因数の平均は0。
    変量因子の平均は0ではない。

    平均値を式にする場合、添字のない文字項はすべて0にしますが、変量因子の場合は平均値をいれます。

    枝分かれ実験のデータの構造式

    \(x_{ijklm}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(γ_{ijk}\)+\(δ_{ijkl}\)+\(e_{ijklm}\)
    \(\bar{x_{i・・・・}}\)=μ+\(α_i\)+\(\bar{β_{i・}}\)+\(\bar{γ_{i・・}}\)+\(\bar{δ_{i・・・}}\)+\(\bar{e_{i・・・・}}\)
    \(\bar{x_{ij・・・}}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(\bar{γ_{ij・}}\)+\(\bar{δ_{ij・・}}\)+\(\bar{e_{ij・・・}}\)
    \(\bar{x_{ijk・・}}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(γ_{ijk}\)+\(\bar{δ_{ijk・}}\)+\(\bar{e_{ijk・・}}\)
    \(\bar{x_{ijkl・}}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(γ_{ijk}\)+\(δ_{ijkl}\)+\(\bar{e_{ijkl・}}\)
    \(\bar{\bar{x}}\)=μ+\(\bar{\bar{α}}\)+\(\bar{\bar{β}}\)+\(\bar{\bar{γ}}\)+\(\bar{\bar{δ}}\)+\(\bar{\bar{e}}\)

    ③枝分かれ実験の平方和の分解の式が書ける

    データの構造式を変形

    式を書くと見づらいので、表にまとめます。分散分析はデータの構造式が複雑になると表で整理するのがオススメです

    SA SB SC SD Se 計(ST)
    \(x_{ijklm}\) 1 1
    \(\bar{x_{i・・・・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{ij・・・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{ijk・・}}\) 1 -1
    \(\bar{x_{ijkl・}}\) 1 -1
    \(\bar{\bar{x}}\) -1 -1

    表から各平方和の導出式が簡単にでますね。SA、SC、Seを例に挙げます。

    \(S_A\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \( (\bar{x_{i・‥・}}-\bar{\bar{x}})^2\)
    \(S_C\)=\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \( (\bar{x_{ijk・・}}-\bar{x_{ij・・・}})^2\)
    \( S_e\)= \(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)

    \( (\bar{x_{ijklm}}-\bar{x_{ijkl・}})^2\)
    と書けますね。他の平方和も同様にΣΣΣ( )^2で計算できます。

    ④枝分かれ実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる

    期待値については、関連記事をご覧下さい。

    主効果SAの分散の期待値の導出

    E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \((\bar{x_{i・‥・}}-\bar{\bar{x}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \( ((α_i-\bar{\bar{α}})+(\bar{β_{i・}}-\bar{\bar{β}})+(\bar{γ_{i・・}}-\bar{\bar{γ}})\)
    +\( (\bar{δ_{i・・・}}-\bar{\bar{δ}})+(\bar{e_{i・・・・}}-\bar{\bar{e}}))^2\)
    =bcdeE[\(\sum_{i=1}^{a}(α_i-\bar{\bar{α}})^2\)]
    +cdeE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}(\bar{β_{i・}}-\bar{\bar{β}})^2\)]
    +deE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}(\bar{γ_{i・・}}-\bar{\bar{γ}})^2\)
    +dE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}(\bar{δ_{i・・・}}-\bar{\bar{δ}})^2\)]
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \((\bar{e_{i・・・・}}-\bar{\bar{e}})^2\)]
    =\((a-1)bcdeσ_A^2\)+\((a-1)cdeσ_B^2\)+\((a-1)deσ_C^2\)+\((a-1)eσ_D^2\)+\((a-1)σ_e^2\)
    主効果Aの自由度は(a-1)より、分散の期待値E[VA]が求まります。
    E[\(V_A\)]=\(bcdeσ_A^2\) +\(cdeσ_B^2\)+\(deσ_C^2\)+\(eσ_D^2\)+\(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。
    \( σ_A^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}(α_i-\bar{\bar{α}})^2}{a-1}\)]
    \(σ_e^2\)については解説集にあります。

    主効果SCの分散の期待値の導出

    E[\(S_A\)]=E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \((\bar{x_{ijk・・}}-\bar{x_{ij・・・}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \(((\bar{γ_{ijk}}-\bar{γ_{ij・}})\)+\((\bar{δ_{ijk・}}-\bar{δ_{ij‥}})+(\bar{e_{ijk・・}}-\bar{e_{ij…}}))^2\)
    =deE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c} (\bar{γ_{ijk}}-\bar{γ_{ij・}})^2\)]
    +eE[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}(\bar{δ_{ijk・}}-\bar{δ_{ij‥}})^2\)
    +E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}(\bar{e_{ijk・・}}-\bar{e_{ij…}}))^2\)
    =\(ab(c-1)deσ_C^2\)+\(ab(c-1)eσ_D^2\)+\(ab(c-1)σ_e^2\)
    主効果Cの自由度はab(c-1)より、分散の期待値E[VC]が求まります。
    自由度の導出は難しいので次の節で解説します。
    E[\(V_C\)]=\(deσ_C^2\) +\(eσ_D^2\)+\(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。
    \( σ_C^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} \sum_{k=1}^{c} (γ_{ijk}-\bar{γ_{ij・}})^2}{ab(c-1)}\)]
    \(σ_e^2\)については解説集にあります。

    残差の分散の期待値の導出

    E[\( S_e\)]= E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)

    \( (\bar{x_{ijklm}}-\bar{x_{ijkl・}})^2\)]
    =E[\(\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b}\sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e}\)
    \( (\bar{e_{ijklm}}-\bar{e_{ijkl・}})^2\)]
    =abcd(e-1) \(σ_e^2\)

    E[\( S_e\)]= abcd(e-1) \(σ_e^2\)

    残差eの自由度はabcd(e-1)より、分散の期待値E[V e]が求まります。自由度の計算結果は次の節で紹介します。
    E[\S_e\)]= \(σ_e^2\)

    なお、分散の期待値を以下とします。
    \( σ_e^2\)=E[\(\frac{\sum_{i=1}^{a}\sum_{j=1}^{b} \sum_{k=1}^{c}\sum_{l=1}^{d}\sum_{m=1}^{e} (e_{ijklm}-\bar{e_{ijkl・}})^2}{abcd(e-1)}\)]

    ⑤枝分かれ実験の分散分析ができる

    自由度の計算

    各主効果・交互作用の自由度の計算は簡単です。関連記事に解説しています。まとめると次の3つです。

    1. データの構造式を書く
    2. 主効果・交互作用の構造式にある添字から自由度を算出
    3. 自由度は表を活用すると簡単に求まる

    因子BについてはAB全体の自由度から因子Aの自由度を引きます。
    枝分かれイメージで、全体から残りを引く感じになります。
    データの構造式の添字から自由度を求めることができます。
    AB全体の自由度=ab-1
    因子Aの自由度=a-1
    因子Bの自由度=(ab-1)-(a-1)=ab-a=a(b-1)
    データの構造式の添字を見ると (ij…)-(i…・)から(ab-1)-(a-1)とイメージしてもOKです。

    因子CについてはABC全体の自由度からAB全体の自由度を引きます。
    ABC全体の自由度=abc-1
    AB全体の自由度=ab-1
    因子Bの自由度=(abc-1)-(ab-1)=abc-ab=ab(c-1)
    データの構造式の添字を見ると (ijk‥)-(ij…)から(abc-1)-(ab-1)とイメージしてもOKです。

    因子DについてはABCD全体の自由度からABC全体の自由度を引きます。
    ABCD全体の自由度=abcd-1
    ABC全体の自由度=abc-1
    因子Dの自由度=(abcd-1)-(abc-1)=abcd-abc=abc(d-1)

    データの構造式の添字を見ると (ijkl・)-(ijk‥)から(abcd-1)-(abc-1)とイメージしてもOKです。

    残差eについてはABCDE全体の自由度からABCD全体の自由度を引きます。
    ABCDE全体の自由度=abcde-1
    ABCD全体の自由度=abcd-1
    因子Dの自由度=(abcde-1)-(abcd-1)=abcde-abcd=abcd(e-1)

    データの構造式の添字を見ると (ijklm)-(ijkl・)から(abcde-1)-(abcd-1)とイメージしてもOKです。

    以上をまとめましょう。

    自由度をまとめます。

    A B C D e
    a 1 -1
    ab 1 -1
    abc 1 -1
    abcd 1 -1
    abcde 1
    1 -1

    分散分析の結果

    分散分析表を作ります。

    φ E[V]
    A a-1 \(σ_e^2\)+\(eσ_D^2\)+\(deσ_C^2\)+\(cdeσ_B^2\)+\(bcdeσ_A^2\)
    B a(b-1) \(σ_e^2\)+\(eσ_D^2\)+\(deσ_C^2\)+\(cdeσ_B^2\)
    C ab(c-1) \(σ_e^2\)+\(eσ_D^2\)+\(deσ_C^2\)
    D abc(d-1) \(σ_e^2\)+\(eσ_D^2\)
    e abde(e-1) \(σ_e^2\)
    T abcde-1

    ⑥枝分かれ実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる

    母平均の点推定の導出方法

    有効繰返し数と区間推定の導出方法

    区間推定は、下の式で算出します。

    $$ \bar{μ}±t(φ_e,α)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}$$

    区間推定のポイント

    1. ルートの中は、誤差eの分散から個数を割ったものが入る
    2. 誤差eの自由度φeである。
    3. Veが複数項である場合、サタースウェイトの式から自由度を導出

    サタースウェイトの式については、ここを見てください。

    主効果の点推定と区間推定の導出

    分散の期待値から分散の推定値を導出

    分散分析から、a,b,c,d,eの分散の推定値E[V]を導出します。すべて変量因子なのでE[V]を求めます。

    V
    A VA=\(\widehat{σ_e^2}\)+\(\widehat{eσ_D^2}\)+\(\widehat{deσ_C^2}\)+\(\widehat{cdeσ_B^2}\)+\(\widehat{bcdeσ_A^2}\)
    B VB=\(\widehat{σ_e^2}\)+\(\widehat{eσ_D^2}\)+\(\widehat{deσ_C^2}\)+\(\widehat{cdeσ_B^2}\)
    C VC=\(\widehat{σ_e^2}\)+\(\widehat{eσ_D^2}\)+\(\widehat{deσ_C^2}\)
    D VD=\(\widehat{σ_e^2}\)+\(\widehat{eσ_D^2}\)
    e Ve=\(\widehat{σ_e^2}\)

    上の表から、分散の推定値を求めます。
    \(\widehat{σ_A}^2=\frac{1}{bcde}(V_A-V_B)\)
    \(\widehat{σ_B}^2=\frac{1}{cde}(V_B-V_C)\)
    \(\widehat{σ_C}^2=\frac{1}{de}(V_C-V_D)\)
    \(\widehat{σ_D}^2=\frac{1}{e}(V_D-V_e\)
    \(\widehat{σ_e^2}\)=Ve

    データの構造式

    \(x_{ijklm}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(γ_{ijk}\)+\(δ_{ijkl}\)+\(e_{ijklm}\)

    主効果Aの点推定と区間推定

    点推定: \(\widehat{μ}(A_i)=\bar{x_{i・・‥}}\)=\(\widehat{μ+α_i}\)
    =\(μ+α_i +\bar{β_{i・}}+\bar{γ_{i‥}}+\bar{δ_{i‥・}}+\bar{e_{i・…}}\)

    分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(α_i))\)
    =V[\(μ+α_i +\bar{β_{i・}}+\bar{γ_{i‥}}+\bar{δ_{i‥・}}+\bar{e_{i・…}}\)]
    =V[\(\bar{β_{i・}}+\bar{γ_{i‥}}+\bar{δ_{i‥・}}+\bar{e_{i・…}}\)]
    =\(\frac{1}{b}V_B\)+ \(\frac{1}{bc}V_C\)+\(\frac{1}{bcd}V_C\)+\(\frac{1}{bcde}V_e\)

    Vが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。

    主効果Cの点推定と区間推定

    点推定: \(\widehat{μ}(C_k)=\bar{x_{ijk‥}}\)=\(\widehat{μ+α_i+β_{ij}+γ_{ijk}}\)
    =\(μ+α_i +β_{ij}+γ_{ijk}+\bar{δ_{ijk・}}+\bar{e_{ijk‥}}\)

    分散:\(\widehat{Var}(\widehat{μ}(α_i+β_{ij}+γ_{ijk}))\)
    =V[\(μ+α_i +β_{ij}+γ_{ijk}+\bar{δ_{ijk・}}+\bar{e_{ijk‥}}\)]
    =V[\(\bar{δ_{ijk・}}+\bar{e_{ijk‥}}\)]
    =\(\frac{1}{d}V_D\)+\(\frac{1}{de}V_e\)

    Vが求まったので、自由度φと、点推定μを代入すれば推定区間が求まります。

    一連の導出過程を解説しました。

    ⑦枝分かれ実験の分散分析が導出できる演習問題

    本記事で扱ったデータの構造式において、以下の演習問題を解いてみましょう。詳細は解説集にあります。

    【問】直列型の枝分かれ実験について、次のデータの構造式を考える。
    \(x_{ijklm}\)=μ+\(α_i\)+\(β_{ij}\)+\(γ_{ijk}\)+\(δ_{ijkl}\)+\(e_{ijklm}\)
    因子A,B,C,D,eの自由度はそれぞれa,b,c,d,eとする。
    (1)主効果および残差の自由度と分散の期待値を導出せよ。
    (2) 主効果の点推定と区間推定を計算せよ。
    (詳細な解説は下の演習問題集にあります。)
    【まとめ9】実験計画法を究める演習問題集を販売します
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集を作成しました。是非本記事を読んで、勉強しましょう。

    まとめ

    枝分かれ実験の分散分析の導出過程を詳細に解説しました。

    • ➀枝分かれ実験とは何かがわかる
    • ②枝分かれ実験のデータの構造式が書ける
    • ③枝分かれ実験の平方和の分解の式が書ける
    • ④枝分かれ実験の主効果・交互作用・誤差の期待値が導出できる
    • ⑤枝分かれ実験の分散分析ができる
    • ⑥枝分かれ実験の主効果・交互作用の区間推定が導出できる
    • ⑦枝分かれ実験の分散分析が導出できる演習問題

    実験計画法を究める関連記事

    多元配置法、乱塊法、分割法など手法が多い実験計画法ですが、すべて1つの導出方法で解けます。
    関連記事をたくさん紹介しますので、何度も読んで習得してください。

    【0】まとめ編:実験計画法をマスターできるページ


    *実験計画法を究めるための演習問題集もあります。

    【1】導入編:データの構造式から分散分析・区間推定・有効繰返し数の導出がわかるページ


    【2】基礎編:分散分析・区間推定の導出(まず、ここを理解する!)




    【3】応用編:乱塊法・分割法・多水準法・擬水準法・枝分かれ実験・2方分割法の
    分散分析・区間推定の導出 (読む⇒理解する⇒なぞる⇒解ける⇒習得する 何度も読みましょう。)












    関連記事が20ありますが、1つの導出方法ですべて解けます。
    実験計画法を苦手から得意に変える重要な記事です。

  • 実験計画法の線点図がわかる【必見】

    実験計画法の線点図がわかる【必見】

    「線点図って何?」「線点図の種類が多いのはなぜ?」「線点図の使い方や効果がよくわからない」、など疑問に思っていませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    実験計画法の線点図がわかる

    線点図でおさえておくべきポイント

    • ➀線点図とは
    • ②線点図の注意点
    • ③線点図の書き方を理解する
    • ④線点図L16、線点図L27を書いてみる
    • ⑤大型な直交表の場合の線点図の書き方

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。線点図は本記事1記事のみですが、エッセンスをすべて書き込みました。重要な記事なので、読んでください!

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    線点図と直交表の理解を深める関連記事を紹介します。







    実験計画法のトップページです。

    さっそく見ていきましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ➀線点図とは

    直交表の交互作用の列に割当てしやすくする図

    線点図の基本ルール

    • (i) 頂点は独立成分、頂点をつなぐ辺は交互作用列を割り当てる。
    • (ii) 3 つ以上の交互作用を線点図にする場合は、頂点から底辺に線を追加する。

    いろいろな種類の線点図がありますが、書き方は上の2つだけです。

    線点図の練習時の注意点

    ただし、直交表の割当ては、交絡(キャラがぶり)してもよいことが前提ですね。関連記事で解説しています。

    線点図使うときの注意点

    よく勘違いするのが、線点図でうまく直交表の列に割り当てよう!というノリです。線点図のよい練習にはなりますが、交絡してデータの精度を落としているので、注意しましょう。

    ②線点図の注意点

    私が、注意すべき2点を挙げました。

    • (1)線点図の前に、データの構造式を理解すること
    • (2)線点図の上手な割当て方より、データの交絡に注意

    (1)線点図の前に、データの構造式を理解すること

    関連記事で解説したとおり、直交表は魔法の表ではありません。独立因子数の全組み合わせをデータの構造式に書き、各項を列に配列したのが直交表です。

    つまり、直交表の各列へ、何の効果が割り当てられるべきかは、最初から決まっています。そこに交絡が前提として線点図を使って、異なる効果を各列に入れようとしています。不自然ですよね。

    ただし、実験回数が増やせない条件で、データ精度をある程度落としても良いと判断する場合に、直交表や線点図を活用します。

    (2)線点図の上手な割当て方より、データの交絡に注意

    直交表の割当ては、交絡(キャラがぶり)してもよいことが前提ですね。関連記事で解説しています。

    よく勘違いするのが、線点図でうまく直交表の列に割り当てよう!というノリです。線点図のよい練習にはなりますが、交絡してデータの精度を落としているので、注意しましょう。

    線点図の使い方について、注意点を理解した上で、活用方法を解説します。

    ③線点図の書き方を理解する

    教科書見ると、線点図の種類はたくさんあります。暗記は不要で、自力で書けることが重要です。
    書き方のエッセンスを解説します。2つだけなので簡単です。

    • (1)独立因子数の列+誤差の1列から構成する多角形からスタートする
    • (2) 交互作用の種類によって多角形を分解する

    (1)独立因子数の列+誤差の1列から構成する多角形からスタートする

    事例として、2水準系から直交表L16,L32を、3水準系から直交表L27,L81を挙げます。

    独立因子数の列+誤差の1列 を計算します。
    直交表L16: 独立因子4+誤差1= 5 →五角形
    直交表L32: 独立因子5+誤差1= 6 →六角形
    直交表L27: 独立因子3+誤差1= 4 →四角形
    直交表L81: 独立因子4+誤差1= 5 →五角形

    なぜ、誤差1列を加えるのか?

    線点図が書きやすくなるからです。
    問:直交表L16において、四角形、五角形の線点図を書いて、書きやすさを比較せよ。

    誤差1列を加えた場合と、加えない場合を実際書いてみると、誤差1列加えた方が線点図は書きやすく、わかりやすいことがわかります。

    (2) 交互作用の種類によって多角形を分解する

    線点図の種類

    多角形から線点図を始める理由は、交互作用の列が最も多いからです。そこから、各実験において、独立因子と交互作用の数に合わせて、線点図の型を変えていきます。

    星型、あやとり型、親子型、花火型、のれん型としていますが、この種類に属す必要はなく、あなたの実験に合わせて線点図を書いてください。あなたのオリジナルな線点図でかまいません。

    ④線点図L16、線点図L27を書いてみる

    線点図L16を書いてみる

    • (1)独立因子数の列+誤差の1列から構成する多角形からスタートする
    • (2) 交互作用の種類によって多角形を分解する

    (1)では、直交表L16: 独立因子4+誤差1= 5より五角形を書きます。

    五角形の頂点と辺・対角線の数を計算する

    5C1+5C2= 5+10=15本です。直交表L16は15列ですから、ちょうど、五角形で収まります。

    問:直交表L16において、星型、あやとり型、親子型、花火型、のれん型の線点図をそれぞれ書け。

    線点図L27を書いてみる

    • (1)独立因子数の列+誤差の1列から構成する多角形からスタートする
    • (2) 交互作用の種類によって多角形を分解する

    (1)では、直交表L27: 独立因子3+誤差1= 4より四角形を書きます。

    四角形の頂点と辺・対角線の数を計算する

    4C1+4C2= 4+6=10本です。直交表L27は13列ですから、3本余りが出ます。

    ➀多角形を選んだら、頂点と辺・対角線の数の和を計算し、直交表の割当て列数に近いことを確認します。
    ②実際は、頂点と辺・対角線の数の和より少し、直交表の割当て列数を多くします。

    問:直交表L27において、三角形、花火型の線点図をそれぞれ書け。
    (詳細は解説集にあります)

    ⑤大型な直交表の場合の線点図の書き方

    大型な直交表L64の線点図はどう書く?

    ➀星型を書き、独立因子が6より七角形を書く。
    ②七角形の頂点と辺・対角線の和を計算→実は28<63と乖離があります。
    乖離がある場合は多角形を増やしましょう。63に近い多角形は
    八角形: 8C1+8C2= 8+28=36 < 63
    九角形: 9C1+9C2= 9+36=45 < 63
    十角形: 10C1+10C2= 9+36=55 < 63
    十一角形:11C1+11C2= 9+36=66> 63
    から十角形の星型からスタートします
    なお、多角形の辺の数を落として、余りの列を外に出してもOKです。
    ③頂点、辺、対角線に独立因子、交互作用、誤差を割り付けます。

    例として八角形で書いた場合を図にします。
    8C1+8C2+3×9=63列となります。結構複雑ですが、1つのルールでどの線点図も書けます。

    まとめ

    実験計画法の線点図について解説しました。

    • ➀線点図とは
    • ②線点図の前に、データの構造式を理解する
    • ③線点図の書き方を理解する
    • ④線点図L16、線点図L27を書いてみる
    • ⑤大型な直交表の場合の線点図の書き方

    線点図と直交表の理解を深める関連記事を紹介します。







    実験計画法のトップページです。

  • 【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】

    【本記事限定】直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる【必見】

    「直交表の各列の平方和の導出式の暗記が大変!」「2水準と3水準では直交表の平方和の導出式が違うのはなぜ?!」など、直交表から平方和を求める方法で、疑問に思ったことありませんか?

    こういう疑問に答えます。

    本記事のテーマ

    直交表の各列の平方和の式は自力で導出できる

    に解説した通り、直交表の平方和の導出過程を理解すると、交互作用が複数列必要な理由や直交表が多数のパターンがあることに気づくことができます。

    直交表の

    • ➀直交表の平方和の導出方法
    • ②2水準の直交表の場合
    • ③3水準の直交表の場合

    記事の信頼性

    記事を書いている私は、実験計画法に磨きをかけていますので、わかりやすく解説します。本記事は、どこに書いていない、私が研究して見つけた本記事限定の内容です。直交表がより詳しくわかる重要な記事なので、読んでください!

    さっそく見ていきましょう。

    【QC検定®1級合格】実験計画法問題集を販売します!

    QC検定®1級合格したい方におススメです。
    QC検定®1級、過去全回分の問題と実験計画法参考書を研究して、作り上げたオリジナル良問30題を1500円で提供します。ぜひご購入、学習して合格しましょう。

    究める!実験計画法 演習問題を販売します!

    実験計画法を究めた方におススメです。
    実験計画法をマスターしたい方に、必須な演習問題集(2500円)を作成しました。しっかり勉強して究めましょう。

    [themoneytizer id=”105233-2″]

    ➀直交表の平方和の導出方法

    • (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする
    • (ii)直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする
    • (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    直交表を使わない、全パターンを実験する、完全配置実験の平方和の式からスタートします。

    主効果なら、

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    交互作用なら、

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij水}準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    CTは修正項です。

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    平方和を導出するために、文字式をいっぱい使います。
    直交表で同じ水準数のものを1つに集約します。

    例えば、
    データ1,2,3,4に対して水準が1,1,2,2とします。\(x_i\) (i=1,2,3,4)とおけます。
    水準1のものの和をX1=(x1+x2),水準2の和、X2=(x3+x4)とX1,X2をおきます。

    ((iii)直交表の平方和の式を導出する

    ひたすら計算します。詳細は解説集に載せますが、本記事はポイントだけ解説します。

    具体的にやってみましょう。

    ②2水準の直交表の場合

    主効果の平方和の導出

    主効果の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)はi水準の和、Nは実験回数です。

    2水準で、因子Aの主効果の平方和を導出します。水準1がn個(\(x_1,…,x_n\))、水準2がn個(\(x_{n+1},…,x_{2n}\))あるとします。つまり、N=n2です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    \(S[k]=\frac{(x_1+x_2+…+x_n)^2}{n}\)+\(\frac{(x_{n+1}+x_{n+2}+…+x_{2n})^2}{n}\)-\(\frac{(x_1+…+x_{2n})^2}{2n}\)
    =\(\frac{X_1^2}{n}\)+\(\frac{X_2^2}{n}\)-\(\frac{(X_1+X_2)^2}{2n}\)
    と変形できます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    さらに、
    \(S[k]\)=\(\frac{(X_1-X_2)^2}{2n}\)
    =\(\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}\)
    となります。(一回、手で解いてみて確認してください)

    交互作用の平方和の導出

    交互作用の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)のiでi=1なら11,i=2なら22です。Nは実験回数です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT-S_A-S_B $$

    データ A B A×B データ データ和
    1 1 1 1 \(x_{111}\) \(X_{11}\)
    n 1 1 1 \(x_{11n}\)
    n+1 1 2 2 \(x_{121}\) \(X_{12}\)
    2n 1 2 2 \(x_{12n}\)
    2n+1 2 1 2 \(x_{211}\) \(X_{21}\)
    3n 2 1 2 \(x_{21n}\)
    3n+1 2 2 1 \(x_{221}\) \(X_{22}\)
    4n 2 2 1 \(x_{22n}\)

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT –S_A-S_B$$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    上の式の第1項\(\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}\)は、

    (A)第1項=\(\frac{X_{11}^2+X_{12}^2+X_{21}^2+X_{22}^2}{n}\)

    (B)CT=\(\frac{(X_{11}+X_{12}+X_{21}+X_{22})^2}{4n}\)

    (C)\(S_A\)=\(\frac{(X_{11}+X_{12})^2-(X_{21}+X_{22})^2}{4n}\)

    (D)\(S_B\)=\(\frac{(X_{11}+X_{21})^2-(X_{12}+X_{22})^2}{4n}\)

    と書けます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (A)-(B)-(C)-(D)をがんばって展開してまとめます。

    (A)-(B)-(C)-(D)=\(\frac{(X_{11}+X_{22})^2-(X_{12}+X_{21})^2}{4n}\)

    交互作用A×Bの1水準の和と2水準の和の差になります。最初の式と一致しますね。

    $$ S[k]=\frac{(T_{[k]1}-T_{[k]2})^2}{N}$$

    下の、演習問題を解いて、上の解説の途中過程を導出してください。実力アップできます。

    問:2水準の直交表の各列の平方和の式を導出せよ。
    (1) 因子Aの主効果
    (2) 交互作用A×B
    (3) 残差e(交互作用A×B×Cと交絡)
    (詳細は解説集にあります。)

    ③3水準の直交表の場合

    主効果の平方和の導出

    主効果の平方和の場合

    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$

    で計算できます。\(T_{[k]i}\)はi水準の和、3Nは実験回数です。

    3水準で、因子Aの主効果の平方和を導出します。水準1がn個(\(x_1,…,x_n\))、水準2がn個(\(x_{n+1},…,x_{2n}\)),水準3がn個(\(x_{2n+1},…,x_{3n}\))あるとします。つまり、N=n3です。

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (A_i水準の和)^2}{A_iデータ数}-CT $$

    2水準の主効果と同じ式です。

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    \(S[k]=\frac{(x_1+x_2+…+x_n)^2}{n}\)+\(\frac{(x_{n+1}+x_{n+2}+…+x_{2n})^2}{n}\)+\(\frac{(x_{2n+1}+x_{2n+2}+…+x_{3n})^2}{n}\)-\(\frac{(x_1+…+x_{3n})^2}{3n}\)
    =\(\frac{X_1^2}{n}\)+\(\frac{X_2^2}{n}\)+\(\frac{X_3^2}{n}\)-\(\frac{(X_1+X_2+X_3)^2}{3n}\)
    と変形できます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    さらに、
    \(S_[k]\)=\(\frac{(X_1-X_2)^2+(X_2-X_3)^2+(X_3-X_1)^2+}{3n}\)
    $$ S[k]=\frac{((T_{[k]1}-T_{[k]2})^2+(T_{[k]2}-T_{[k]3})^2+(T_{[k]3}-T_{[k]1})^2)}{3N}$$
    となります。(一回、手で解いてみて確認してください)

    交互作用の平方和の導出

    (i)完全配置実験の主効果・交互作用の平方和の導出式からスタートする

    は次の式から導出できます。

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT-S_A-S_B $$

    (ii) 直交表で同じ水準数の和を1つの文字式にする

    表にまとめます。

    データ A B A×B データ データ和
    1~n 1 1 1 \(x_1\),…,\(x_n\) \(X_1\)
    n+1~2n 1 2 2 \(x_{n+1}\),…,\(x_{2n}\) \(X_2\)
    2n+1~3n 1 3 3 \(x_{2n+1}\),…,\(x_{3n}\) \(X_3\)
    3n+1~4n 2 1 2 \(x_{3n+1}\),…,\(x_{4n}\) \(X_4\)
    4n+1~5n 2 2 3 \(x_{4n+1}\),…,\(x_{5n}\) \(X_5\)
    5n+1~6n 2 3 1 \(x_{5n+1}\),…,\(x_{6n}\) \(X_6\)
    6n+1~7n 3 1 3 \(x_{6n+1}\),…,\(x_{7n}\) \(X_7\)
    7n+1~8n 3 2 1 \(x_{7n+1}\),…,\(x_{8n}\) \(X_8\)
    8n+1~9n 3 3 2 \(x_{8n+1}\),…,\(x_{9n}\) \(X_9\)

    $$ S[k]=\frac{\sum (AB_{ij}水準の和)^2}{AB_{ij}データ数}-CT $$

    (A)第1項=\(\frac{X_1^2+X_2^2+…+X_9^2}{n}\)

    (B)CT=\(\frac{(X_1+X_2+…+X_9)^2}{9n}\)

    (C)\(S_A\)=\(\frac{((X_1+X_2+X_3)-(X_4+X_5+X_6))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_4+X_5+X_6)-(X_7+X_8+X_9))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_7+X_8+X_9)-(X_1+X_2+X_3))^2}{9n}\)

    (D)\(S_B\)=\(\frac{((X_1+X_4+X_7)-(X_2+X_5+X_8))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_2+X_5+X_8)-(X_3+X_6+X_9))^2}{9n}\)+\(\frac{((X_3+X_6+X_9)-(X_1+X_4+X_7))^2}{9n}\)

    と書けます。

    (iii)直交表の平方和の式を導出する

    (A)-(B)-(C)-(D)をがんばって展開してまとめます。

    (A)-(B)-(C)-(D)
    =\(\frac{((X_1+X_6+X_8)-(X_2+X_4+X_9))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_2+X_4+X_9)-(X_3+X_5+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_3+X_5+X_7)-(X_1+X_6+X_8))^2}{9n}\)

    +\(\frac{((X_1+X_5+X_9)-(X_2+X_6+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_2+X_6+X_7)-(X_3+X_4+X_8))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_3+X_4+X_8)-( X_1+X_5+X_9))^2}{9n}\)
    または、
    =\(\frac{((X_1+X_6+X_8)-(X_2+X_4+X_9))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_2+X_4+X_9)-(X_3+X_5+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{((X_3+X_5+X_7)-(X_1+X_6+X_8))^2}{9n}\)

    +\(\frac{((X_1+X_5+X_9)-(X_3+X_4+X_8))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_3+X_4+X_8)-(X_2+X_6+X_7))^2}{9n}\)
    +\(\frac{(( X_2+X_6+X_7)-( X_1+X_5+X_9))^2}{9n}\)
    と2通りまとめることができます。

    実は上の式は \(S_{ab}+S_{2ab}\)と\(S_{ab}+S_{a2b}\)の2通りであることがわかります。

    • 2因子の交互作用の平方和から、直交表2列が必要とわかる
    • 2因子の交互作用の平方和は、2通りの表現ができ、直交表が複数種類があるとわかる

    結構、重要なエッセンスです。

    下の、演習問題を解いて、上の解説の途中過程を導出してください。実力アップできます。

    問:3水準の直交表の各列の平方和の式を導出せよ。
    (1) 因子Aの主効果
    (2) 交互作用A×B
    (詳細は解説集にあります。)

    まとめ

    直交表の各列の平方和の導出方法を解説しました。

    • ➀直交表の平方和の導出方法
    • ②2水準の直交表の場合
    • ③3水準の直交表の場合

error: Content is protected !!